赤髪と白揚羽
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新世界を逆走中のとある日の赤髪海賊団の船に珍客が現れた。
甲板でミコトはヤソップから射撃の教えを受けていて、シャンクスとレイリーはその様子を眺めていた。
ミコトとレイリーは甲板にいる時、大抵は深くフードを被っている事が多いが、今日は監視する海軍がいないようで、二人は姿を隠していなかった。
見張り台からシャンクスを呼ぶ声が響く。
「お頭~! 鷹の目だーっ!」
「ふーん」
シャンクスは気にした様子もなく頷いたが、ミコトは驚いて海を見た。
『!?』
(何で……ここに!?)
ミホークはいつもの暇つぶし航海中だが、ミコトとは約束を交わしていた。
——どの海であろうと出会ったら、腕を試す。
以前に会ったのはいつだっただろうか。
ミコトは反射的にささっ……とシャンクスの背に隠れた。
ミホークと剣を交えるのはいいいが、ここで勝負なんてシャンクスに迷惑がかかってしまう。
「ミコト、どうした?」
当然、シャンクスは聞く。
『え……と、ミホークとは——』
言いにくそうなミコトの代わりにレイリーが口添えした。
「ミコトの剣の師と言っていいだろうな」
「へ~……」
(噂は本当だったのか……)
海上にいるミホークはミコトとレイリーの気配に気づいていた。
微かに眉尻が上がると見えてくる船を見つめた。
何故、赤髪の船にミコトが乗っているのか興味を持ったようだ。
ミホークはレッドフォースに船をつけると、難なく飛んで甲板へと降りる。
ざわつく甲板を余所に、シャンクスの後ろに無駄に隠れようとするミコトを呼ぶ。
「ミコト」
『……はい』
諦めたように出て来るミコトにミホークは微かに驚いた。
素顔だったからだ。
ミホークはミコトについて知っている事は少ない。
仮面をする理由を知りたいと思わないから、尋ねもしなかった。
求めるのは己を鍛えようとする剣の道のみだからだ。
ただ、ミコトが素顔で接する人物が限られている事には気づいていた。
だから、驚いたのだった。
「何故、ここにいる?」
「ミコトはおれの妹だ」
シャンクスがミコトの肩にポンと手を置いて笑って答えた。
「貴様に妹がいるなんて聞いたことないな」
「だろうな。 この前なった! な~、ミコト!」
『うん……!』
シャンクスが笑いかけて、ミコトは安心したのか笑顔を見せた。
「そのようだな」
一言返すとミホークの金色の目はミコトを射るように見止める。
無表情の男の思いや考えは読み取る事は出来ないが、シャンクスはミホークが何を考えて行動するなんて気にする性格ではない。
というより、考えるだけ無駄で、疲れる事はしない。
「——で? なんか用か?」
「ミコトに用がある」
「ミコトに?」
途端に眉根を寄せるシャンクスにミホークは語る。
「会った時、腕を試す——どこだろうともな」
シャンクスは妹であるミコトをそんな事してるのか……と見て、小さく息を吐いた。
ミホークはミコトと剣を交えるまでは船を下りないだろう。
それに、ミコトの剣の腕は見てみたかった。
「分かったよ。 どこかの島についたらやれ」
「いや、ここでやる」
とんでもない事を言い出すミホークをシャンクスは見る。
「何言って——」
『はい』
問う前に返事をしたのはミコトだ。
驚いて見開く目にミコトは申し訳なさそうに見つめた。
『ごめんさい……。 でも、船は壊さないよ』
ミホークも大丈夫だと頷いた事に、シャンクスは仕方ないと了承した。
世界一の剣豪が言うならそうなのであろうと同時に、どんな腕試しをするのか興味を持った。
「どうするんだ?」
『それは——』
ミコトがシャンクス説明した事はというと——
今回は練習用の木刀に覇気を纏わせ勝負するものだ。
木刀を斬る、または折ったほうが勝ちというルール。
ミホークの島でもよくやっていた練習で、斬撃なしの剣の技術と覇気の強化に重さを置いた腕試しだ。
木刀さえあればどんな所でも出来るし、——は水で作った水龍刀を使う時もある。
この場合は水の刃が壊れたら負けだ。
海に出てからミコトはどこで会うか分からないミホークとの勝負の為に、常に木刀を二本持っていた。
話を聞いたシャンクスが面白そうだな! と笑った。
「じゃ、今するんだな」
「そうだ」
即座に答えるミホークに分かったと笑うと、その場を離れる。
話を聞いていたクルー達も興味津々で、ミホークとミコトを囲うように観戦した。
「ミコト、今日は水龍刀を使え」
『はい』
ミホークはレイリーに渡された木刀を構え、ミコトは朔を手にし水龍刀で勝負する。
朔は十字型の柄で、刃はミコトの水の能力で自由自在に変えられる。
最近、シャンクスとの特訓のお陰で、水の形を維持する能力も強化された事に、ミコトは自信を持って、ミホークと対峙する。
どちらも引かない二人の勝負は何十合にも及んだが、決着は必ずつくものだ。
少しの油断も許されないミホークとの勝負は、ミコトの疲弊からくる集中力の薄れで決まる。
ぶつかり合う刃は覇気の強さが押し合いになり、ミコトの水の刃が微かに揺らいだところをミホークは逃さず斬った。
瞬間、崩れ流れ落ちる刃は甲板を濡らした。
ミコトは荒い息を整えながら水を眺めた。
(遠い……)
ミホークに顔を上げて一礼する。
『ありがとうございました』
「水の刃の出来はいいが、常に強度を保とうとするから疲れるのだ」
『はい』
ミホークは全ての答えをミコトには言わない。
考えさせて、強くしたいのだろう。
ミコトから視線を外すと背を向け、シャンクスを見た。
「邪魔したな」
ミホークは欄干に飛ぶと、自分の船へと飛び乗って去って行った。
相変わらず自分のやりたい事と言いたい事をして去る男にシャンクスは仕方ない奴と笑う。
(変わらねェな……。 それにしても、ミコトの腕は本物だな)
美しく流れるミコトの剣と、鋭さの塊のようなミホークの剣には、観戦していたクルー達も息を飲んでいた。
二人は木刀で鉄をも簡単に斬る事が出来るだろう。
シャンクスは勝負が終わったミコトのもとへと歩く。
「ミコト~、大丈夫か?」
呼ばれて顔を上げるミコトは笑う。
『うん! また、頑張る!』
「そか!」
笑顔を交わし合う兄妹のとある午後だった。
赤髪海賊団は夜の海で漂泊中。
明日の朝には深海に向かう予定だ。
長いようで短い航海をシャンクスとミコトは楽しく過ごしている。
ミコトは甲板でシャンクスと星の光を映す穏やかな波を見ていた。
シャンクスはミコトを手離したくないと、眉根を寄せた。
船にいる間、ずっと側にいて大切にしていた。
「ミコト……」
呼ぶと自分を見つめるミコトをそっと抱きしめた。
『シャンクス?』
どうしたの? と尋ねる声は一緒に航海に出る前と違って、照れたりしないでシャンクスを受け止めていた。
愛情と信頼が兄妹の絆を深め、ミコトはシャンクスを疑う事は絶対にない。
シャンクスは体を離すと、ミコトの頬を撫でた。
すぐに寄せて甘える癖はシャンクスがミコトにつけたものだ。
シャンクスが明るく笑えば、ミコトは安心してふわりと笑う。
こんなに愛しい者がいるのだろうか。
正直、このまま自分の船に乗せて、ずっと一緒に航海したいが、シャンクスはしないと決めていた。
ルフィと冒険を望むミコトを自由に飛ばせてやりたいと、縛れないくらい愛しい。
シャンクスはミコトが強い事を知っているから、冒険する事には一切心配はしていない。
むしろ、楽しめっ! と思っているが——男は別だ。
恋愛も自由にすればいいと思う反面、変な奴には引っかかって欲しくない。
ミコトはおっとりと構えているせいで、男から見たら隙だらけだから心配だった。
「ミコト」
シャンクスは自分の指にはめる銀の指輪を外してミコトに見せる。
「これを——お前にやる」
『これって……』
レッドフォースの船首を模った指輪はシャンクスのお気に入りだ。
「身につけとけ」
受け取るミコトは銀の指輪を見つめた。
『サイズが大きいよ……? 落ちちゃうよ』
どこにしたらいいのかと、自分の手を見つめて悩むミコトをシャンクスは笑う。
渡した指輪を手にすると、ミコトの左手の親指にはめた。
目につく場所じゃないと意味がない。
「これでいい。 絶対に外すな!」
『うん……!』
ミコトは左手の親指にはまる指輪を手を広げて眺めた。
月明かりを跳ね返す指輪を嬉しそうに見つめる。
『大事にする!』
ニコリと笑うミコトにシャンクスは頷くと真剣な目を向けた。
「ミコト、いいか。 指輪のこと聞かれたら、おれから貰ったって言えよ。 いいな!」
念を押すシャンクスをミコトを見つめた。
『それって——』
ミコトは思いついた理由を尋ねようとしたが、言わなくても分かってるな——という真っすぐな目にミコトは黙って頷いた。
「よし!」
途端にシャンクスは笑顔になって、ミコトを抱き寄せる。
これで大半の虫は寄って来ないだろう。
それでも来るなら、後は受け入れるかどうかはミコトしだいだし、嫌な奴なら自分が直接追っ払えばいい。
(おれが相手になってやる……!)
ニィ……! と不敵に上がる口元は兄ではなく男の顔だった。
ミコトの柔らかい温もりを簡単には渡さないと、強く抱き締めた途端にミコトから声が上がる。
『くるしい……』
「あ、悪ィ……」
すぐに緩める腕にミコトは息をついて、もう……! とシャンクスを見た。
見上げる顔が可愛くて、シャンクスは兄の顔になって笑う。
「明日は早ェし、寝るぞ~!」
『うん!』
無邪気に笑うミコトの指にあるシャンクスの指輪が光った。
——おれの妹に手を出すな。
甲板でミコトはヤソップから射撃の教えを受けていて、シャンクスとレイリーはその様子を眺めていた。
ミコトとレイリーは甲板にいる時、大抵は深くフードを被っている事が多いが、今日は監視する海軍がいないようで、二人は姿を隠していなかった。
見張り台からシャンクスを呼ぶ声が響く。
「お頭~! 鷹の目だーっ!」
「ふーん」
シャンクスは気にした様子もなく頷いたが、ミコトは驚いて海を見た。
『!?』
(何で……ここに!?)
ミホークはいつもの暇つぶし航海中だが、ミコトとは約束を交わしていた。
——どの海であろうと出会ったら、腕を試す。
以前に会ったのはいつだっただろうか。
ミコトは反射的にささっ……とシャンクスの背に隠れた。
ミホークと剣を交えるのはいいいが、ここで勝負なんてシャンクスに迷惑がかかってしまう。
「ミコト、どうした?」
当然、シャンクスは聞く。
『え……と、ミホークとは——』
言いにくそうなミコトの代わりにレイリーが口添えした。
「ミコトの剣の師と言っていいだろうな」
「へ~……」
(噂は本当だったのか……)
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海上にいるミホークはミコトとレイリーの気配に気づいていた。
微かに眉尻が上がると見えてくる船を見つめた。
何故、赤髪の船にミコトが乗っているのか興味を持ったようだ。
ミホークはレッドフォースに船をつけると、難なく飛んで甲板へと降りる。
ざわつく甲板を余所に、シャンクスの後ろに無駄に隠れようとするミコトを呼ぶ。
「ミコト」
『……はい』
諦めたように出て来るミコトにミホークは微かに驚いた。
素顔だったからだ。
ミホークはミコトについて知っている事は少ない。
仮面をする理由を知りたいと思わないから、尋ねもしなかった。
求めるのは己を鍛えようとする剣の道のみだからだ。
ただ、ミコトが素顔で接する人物が限られている事には気づいていた。
だから、驚いたのだった。
「何故、ここにいる?」
「ミコトはおれの妹だ」
シャンクスがミコトの肩にポンと手を置いて笑って答えた。
「貴様に妹がいるなんて聞いたことないな」
「だろうな。 この前なった! な~、ミコト!」
『うん……!』
シャンクスが笑いかけて、ミコトは安心したのか笑顔を見せた。
「そのようだな」
一言返すとミホークの金色の目はミコトを射るように見止める。
無表情の男の思いや考えは読み取る事は出来ないが、シャンクスはミホークが何を考えて行動するなんて気にする性格ではない。
というより、考えるだけ無駄で、疲れる事はしない。
「——で? なんか用か?」
「ミコトに用がある」
「ミコトに?」
途端に眉根を寄せるシャンクスにミホークは語る。
「会った時、腕を試す——どこだろうともな」
シャンクスは妹であるミコトをそんな事してるのか……と見て、小さく息を吐いた。
ミホークはミコトと剣を交えるまでは船を下りないだろう。
それに、ミコトの剣の腕は見てみたかった。
「分かったよ。 どこかの島についたらやれ」
「いや、ここでやる」
とんでもない事を言い出すミホークをシャンクスは見る。
「何言って——」
『はい』
問う前に返事をしたのはミコトだ。
驚いて見開く目にミコトは申し訳なさそうに見つめた。
『ごめんさい……。 でも、船は壊さないよ』
ミホークも大丈夫だと頷いた事に、シャンクスは仕方ないと了承した。
世界一の剣豪が言うならそうなのであろうと同時に、どんな腕試しをするのか興味を持った。
「どうするんだ?」
『それは——』
ミコトがシャンクス説明した事はというと——
今回は練習用の木刀に覇気を纏わせ勝負するものだ。
木刀を斬る、または折ったほうが勝ちというルール。
ミホークの島でもよくやっていた練習で、斬撃なしの剣の技術と覇気の強化に重さを置いた腕試しだ。
木刀さえあればどんな所でも出来るし、——は水で作った水龍刀を使う時もある。
この場合は水の刃が壊れたら負けだ。
海に出てからミコトはどこで会うか分からないミホークとの勝負の為に、常に木刀を二本持っていた。
話を聞いたシャンクスが面白そうだな! と笑った。
「じゃ、今するんだな」
「そうだ」
即座に答えるミホークに分かったと笑うと、その場を離れる。
話を聞いていたクルー達も興味津々で、ミホークとミコトを囲うように観戦した。
「ミコト、今日は水龍刀を使え」
『はい』
ミホークはレイリーに渡された木刀を構え、ミコトは朔を手にし水龍刀で勝負する。
朔は十字型の柄で、刃はミコトの水の能力で自由自在に変えられる。
最近、シャンクスとの特訓のお陰で、水の形を維持する能力も強化された事に、ミコトは自信を持って、ミホークと対峙する。
どちらも引かない二人の勝負は何十合にも及んだが、決着は必ずつくものだ。
少しの油断も許されないミホークとの勝負は、ミコトの疲弊からくる集中力の薄れで決まる。
ぶつかり合う刃は覇気の強さが押し合いになり、ミコトの水の刃が微かに揺らいだところをミホークは逃さず斬った。
瞬間、崩れ流れ落ちる刃は甲板を濡らした。
ミコトは荒い息を整えながら水を眺めた。
(遠い……)
ミホークに顔を上げて一礼する。
『ありがとうございました』
「水の刃の出来はいいが、常に強度を保とうとするから疲れるのだ」
『はい』
ミホークは全ての答えをミコトには言わない。
考えさせて、強くしたいのだろう。
ミコトから視線を外すと背を向け、シャンクスを見た。
「邪魔したな」
ミホークは欄干に飛ぶと、自分の船へと飛び乗って去って行った。
相変わらず自分のやりたい事と言いたい事をして去る男にシャンクスは仕方ない奴と笑う。
(変わらねェな……。 それにしても、ミコトの腕は本物だな)
美しく流れるミコトの剣と、鋭さの塊のようなミホークの剣には、観戦していたクルー達も息を飲んでいた。
二人は木刀で鉄をも簡単に斬る事が出来るだろう。
シャンクスは勝負が終わったミコトのもとへと歩く。
「ミコト~、大丈夫か?」
呼ばれて顔を上げるミコトは笑う。
『うん! また、頑張る!』
「そか!」
笑顔を交わし合う兄妹のとある午後だった。
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赤髪海賊団は夜の海で漂泊中。
明日の朝には深海に向かう予定だ。
長いようで短い航海をシャンクスとミコトは楽しく過ごしている。
ミコトは甲板でシャンクスと星の光を映す穏やかな波を見ていた。
シャンクスはミコトを手離したくないと、眉根を寄せた。
船にいる間、ずっと側にいて大切にしていた。
「ミコト……」
呼ぶと自分を見つめるミコトをそっと抱きしめた。
『シャンクス?』
どうしたの? と尋ねる声は一緒に航海に出る前と違って、照れたりしないでシャンクスを受け止めていた。
愛情と信頼が兄妹の絆を深め、ミコトはシャンクスを疑う事は絶対にない。
シャンクスは体を離すと、ミコトの頬を撫でた。
すぐに寄せて甘える癖はシャンクスがミコトにつけたものだ。
シャンクスが明るく笑えば、ミコトは安心してふわりと笑う。
こんなに愛しい者がいるのだろうか。
正直、このまま自分の船に乗せて、ずっと一緒に航海したいが、シャンクスはしないと決めていた。
ルフィと冒険を望むミコトを自由に飛ばせてやりたいと、縛れないくらい愛しい。
シャンクスはミコトが強い事を知っているから、冒険する事には一切心配はしていない。
むしろ、楽しめっ! と思っているが——男は別だ。
恋愛も自由にすればいいと思う反面、変な奴には引っかかって欲しくない。
ミコトはおっとりと構えているせいで、男から見たら隙だらけだから心配だった。
「ミコト」
シャンクスは自分の指にはめる銀の指輪を外してミコトに見せる。
「これを——お前にやる」
『これって……』
レッドフォースの船首を模った指輪はシャンクスのお気に入りだ。
「身につけとけ」
受け取るミコトは銀の指輪を見つめた。
『サイズが大きいよ……? 落ちちゃうよ』
どこにしたらいいのかと、自分の手を見つめて悩むミコトをシャンクスは笑う。
渡した指輪を手にすると、ミコトの左手の親指にはめた。
目につく場所じゃないと意味がない。
「これでいい。 絶対に外すな!」
『うん……!』
ミコトは左手の親指にはまる指輪を手を広げて眺めた。
月明かりを跳ね返す指輪を嬉しそうに見つめる。
『大事にする!』
ニコリと笑うミコトにシャンクスは頷くと真剣な目を向けた。
「ミコト、いいか。 指輪のこと聞かれたら、おれから貰ったって言えよ。 いいな!」
念を押すシャンクスをミコトを見つめた。
『それって——』
ミコトは思いついた理由を尋ねようとしたが、言わなくても分かってるな——という真っすぐな目にミコトは黙って頷いた。
「よし!」
途端にシャンクスは笑顔になって、ミコトを抱き寄せる。
これで大半の虫は寄って来ないだろう。
それでも来るなら、後は受け入れるかどうかはミコトしだいだし、嫌な奴なら自分が直接追っ払えばいい。
(おれが相手になってやる……!)
ニィ……! と不敵に上がる口元は兄ではなく男の顔だった。
ミコトの柔らかい温もりを簡単には渡さないと、強く抱き締めた途端にミコトから声が上がる。
『くるしい……』
「あ、悪ィ……」
すぐに緩める腕にミコトは息をついて、もう……! とシャンクスを見た。
見上げる顔が可愛くて、シャンクスは兄の顔になって笑う。
「明日は早ェし、寝るぞ~!」
『うん!』
無邪気に笑うミコトの指にあるシャンクスの指輪が光った。
——おれの妹に手を出すな。