赤髪と白揚羽
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ミコトが考えている僅かな時間。
シャンクスも視界の端でミコトを見ていて、レイリーと似た笑いを浮かべた。
「悪ィな! 抜ける」
「ええーっ! 行っちゃうんですかお頭っ!?」
「ああ、じゃあな!」
シャンクスはさっさと席から立つとミコトを呼んだ。
「ミコトーっ! そっち行くから待ってろ」
手を振るシャンクスにミコトは頷いたが、恥ずかしかった。
お頭であるシャンクスが声を上がれば当然注目され、一瞬だが食堂にいる全員の視線が集まるからだ。
居心地の悪さを感じて顔が俯きかけた時、シャンクスに肩をポンと叩かれた。
「寝んのか?」
『うん』
「そか。 部屋、案内してやるよ」
ミコトはシャンクスの顔をハッ! としたように見た。
『……!?』
(そうだった……)
「ん?」
途端に視線を逸らすミコトにシャンクスは察した。
ミコトは出航準備が終わった船に乗って、そのまま食堂に来ていたから、泊まる部屋がどこかは知らない。
『えへへ!』
知らなかった事に恥ずかしくて、誤魔化し笑うミコトの額をシャンクスはコツンと小突く。
「えへへじゃねェ。 お前、どこに行くつもりだった?」
『えーと、部屋?』
「どこの?」
『どこだろうね~!』
笑って首を傾げるミコトにシャンクスも笑う。
「ぷっ! ほら、行くぞ!」
『はーい!』
元気よく返事をするミコトは、先を行くシャンクスの後に続いて食堂を出て行った。
仲の良い兄妹ぶりに、赤髪海賊団のクルー達は微笑ましいと笑って飲んだ。
しかし、シャンクスの心を知るレイリーと幹部達だけは笑いの影で思う。
——どの部屋だか……と。
さて、二人はというと部屋にいる。
ミコトはシャンクスに案内された部屋に入って、見える風景に思考も体も固まった。
寝返りがたくさん出来そうなベッドがドン! と置いてあり、サイドテーブルの上には電伝虫が目を閉じていた。
ソファにはすでにミコトには見慣れたシャンクスのマントが無造作にかかり、部屋の主が誰かは分かる。
それに驚べきことに、ミコトのリュックもソファの横の床にあった。
『シャンクス……?』
どういう事? と振り返って尋ねる声を無視して、シャンクスはミコトを部屋に促すと扉を閉めた。
パタン——閉じる音にドキリと緊張するミコトにシャンクスは内心で苦笑した。
そんな反応されたら、意識されている事に嬉しくて、今すぐ捕まえて食べたくなってくる。
シャンクスは食わねェよ……と心で呟くと、ミコトを安心させるように、何も考えてないように振るまう。
「風呂」
唐突な言葉に、え……と見上げる目はシャンクスを見る。
「野郎達と同じでいいのか?」
それは……とすぐに視線を逸らすミコトに 「だろ!」 とシャンクスは笑う。
部屋にある二つの扉を順番に指さす。
「洗面所と浴室は一緒で、トイレはそっち。 分かったか?」
『うん』
ミコトは頷いた。
そして、シャンクスの行動に勝手に誤解して緊張した事を申し訳ないと思い、笑って礼を言う。
『ありがとう!』
「おう、気にすんな。 ——それと、これ」
シャンクスは流木で作ったポールハンガーに掛けてあった黒いシャツをミコトに渡す。
ミコトは受け取るが、分からなくて首を傾げた。
「寝る時、着ろ」
『え!?』
「どっかの島で買うまでの間だ。 ……そのままだと寝にくくねェのか?」
『そ、そうだけど……』
ミコトは手元にあるシャツを見つめた。
確かに、しばらく船での生活で、いつものような野宿ではない。
シャツ一枚で寝る事に抵抗があったが、レイリーとならいいやとミコトは安易に考えた。
『うん。 そうする』
「よし」
素直に頷くミコトの頭を撫てて笑うシャンクスは直後、ミコトが驚く事を口にする。
「じゃ、風呂入ったら寝るぞ~!」
『な……っ!? 何言って!』
まるで、一緒に寝るようなシャンクスの口調にミコトは目を丸くした。
ミコトはレイリーと同じ部屋で過ごすと思っていただけに衝撃は大きい。
言葉が続かないミコトにシャンクスは予想通りの反応に笑う。
「あのな~ミコト。 この船に客室なんてねェんだよ」
『!?』
驚いた頭でミコトはそういえばと思い出した。
白ひげの船にしばらくいたが、レイリーは隊長達の部屋で、ミコトはナースの部屋に寝泊まりしていた。
そもそも海賊船に客室が必要なのだろうかという点でミコトは失念していた。
メリー号もサニー号も客室なんてあっただろうか。
船内の細かい事まではさすがに覚えていない。
(思い出せない……)
『…………』
黙り込むミコトにシャンクスは見つめた。
「おれは妹を野郎達と同じ部屋に泊まらせたくねェ」
シャンクスと同じ部屋で過ごす事に、言われた理由にミコトは納得した。
それにこの部屋にはソファーがあるのだ。
さっきは一緒に寝るように聞こえたが、きっと別々に寝るはずだし、レイリーも後で来るんだろうと頷いた。
『うん……』
「分かったなら、行ってこ~い!」
ミコトは笑うシャンクスに背中を押され、促されるままに風呂に入ったのだった。
風呂に入ったミコトは温かい湯につかり、気持ちも落ち着いたようだ。
黒いシャツを着て、カチャと扉を開けて出てきた。
シャンクスはソファで寝ころんで本を読んでいたが、閉じるとミコトに笑いかけた。
「お、さっぱりしたか?」
『うん! 気持ちよかった!』
「そっか! じゃ、寝るか」
シャンクスは立ち上がるとミコトの手を引いて、ベッドに向かう。
途端にミコトは戸惑いながらも……まさかね? と足を止めて尋ねる。
『シャンクス……?』
「うん?」
ミコトは振り返るシャンクスを見つめる。
『あの……』
聞きにくそうなミコトの考える事が、まる分かりのシャンクスは先に答えを出す。
「一緒に寝る。 ミコトが恥ずかしがろうが、嫌がろうが……寝る」
ミコトの言い分も何も聞かないとシャンクスはミコトを見る。
途端にミコトの揺れる瞳にシャンクスは強い口調で止める。
「逸らすな」
『……ぅ……』
「ミコト……おれ達は兄妹だ。 お前が不安になる事もねェし、起きたりもしねェ。 だから——」
シャンクスは不安そうなミコトを優しく抱きしめた。
瞬間、驚いてドクン……と心臓を鳴らすミコトだが、シャンクスは抱きしめたままで何もしない。
どれぐらい抱きしめられて、時間が経ったのか。
シャンクスが大丈夫だと伝えてくる温もりに包まれ、ただただ温かいと感じてくる腕の中で、ミコトはしだいに安心した。
自然に目を閉じて、シャンクスの背中に手をまわした。
「……大丈夫だろ」
『うん……』
頷くミコトは顔を上げると、シャンクスの頬へと寄せて、瞼を閉じてキスをした。
『おやすみなさい……』
「おやすみ」
シャンクスがミコトの額にキスを落とすと、二人は顔を見合わせ微笑した。
こうして、この日この時から、二人は一緒に過ごすことになったのだった。
航海中、当然の事だが、すぐに赤髪海賊団のクルー達の中で、シャンクスとミコトの関係が話題になった。
——あれは兄妹なのか!? と。
ある日、ロックスターが気になってベックマンに尋ねた。
「お頭とミコトは——」
言いにくそうな様子にベックマンは疑問を全部聞く前に答えた。
「妹だ。 それ以上でもそれ以下でもない。 ただ——」
ベックマンはロックスターを見た。
「航海と仲間以外で、ミコトを超えるものはないだろうな」
そして、ロックスターの視線を甲板で仲良く話しているシャンクスとミコトへと促した。
シャンクスの男っぷりに惚れて最近クルーになった男の目には二人はどう映るのか。
ミコトを見るシャンクスの目は優しさと愛情に溢れ、ミコトは信頼して安心に満ちていた。
別れるかもしれない恋人や、離れるかもしれない仲間や友人ではない。
この短い時間に、誰にも離す事が出来ない兄妹という絆が結ばれているのが分かる。
ジッ……と見つめるロックスターにベックマンは声を掛ける。
「分かったか?」
瞬間、ロックスターは驚いた表情を浮かべて、ベックマンを見て頷いた。
「分かりやした」
「そうか。 じゃ、仕事に戻れ」
「はい」
ベックマンは納得して去るロックスターの後ろ姿を見てから、二人に視線を移す。
兄妹でいると決めたシャンクスに微笑した。
(楽しそうにしてるな……)
シャンクスも視界の端でミコトを見ていて、レイリーと似た笑いを浮かべた。
「悪ィな! 抜ける」
「ええーっ! 行っちゃうんですかお頭っ!?」
「ああ、じゃあな!」
シャンクスはさっさと席から立つとミコトを呼んだ。
「ミコトーっ! そっち行くから待ってろ」
手を振るシャンクスにミコトは頷いたが、恥ずかしかった。
お頭であるシャンクスが声を上がれば当然注目され、一瞬だが食堂にいる全員の視線が集まるからだ。
居心地の悪さを感じて顔が俯きかけた時、シャンクスに肩をポンと叩かれた。
「寝んのか?」
『うん』
「そか。 部屋、案内してやるよ」
ミコトはシャンクスの顔をハッ! としたように見た。
『……!?』
(そうだった……)
「ん?」
途端に視線を逸らすミコトにシャンクスは察した。
ミコトは出航準備が終わった船に乗って、そのまま食堂に来ていたから、泊まる部屋がどこかは知らない。
『えへへ!』
知らなかった事に恥ずかしくて、誤魔化し笑うミコトの額をシャンクスはコツンと小突く。
「えへへじゃねェ。 お前、どこに行くつもりだった?」
『えーと、部屋?』
「どこの?」
『どこだろうね~!』
笑って首を傾げるミコトにシャンクスも笑う。
「ぷっ! ほら、行くぞ!」
『はーい!』
元気よく返事をするミコトは、先を行くシャンクスの後に続いて食堂を出て行った。
仲の良い兄妹ぶりに、赤髪海賊団のクルー達は微笑ましいと笑って飲んだ。
しかし、シャンクスの心を知るレイリーと幹部達だけは笑いの影で思う。
——どの部屋だか……と。
◇◆◇
さて、二人はというと部屋にいる。
ミコトはシャンクスに案内された部屋に入って、見える風景に思考も体も固まった。
寝返りがたくさん出来そうなベッドがドン! と置いてあり、サイドテーブルの上には電伝虫が目を閉じていた。
ソファにはすでにミコトには見慣れたシャンクスのマントが無造作にかかり、部屋の主が誰かは分かる。
それに驚べきことに、ミコトのリュックもソファの横の床にあった。
『シャンクス……?』
どういう事? と振り返って尋ねる声を無視して、シャンクスはミコトを部屋に促すと扉を閉めた。
パタン——閉じる音にドキリと緊張するミコトにシャンクスは内心で苦笑した。
そんな反応されたら、意識されている事に嬉しくて、今すぐ捕まえて食べたくなってくる。
シャンクスは食わねェよ……と心で呟くと、ミコトを安心させるように、何も考えてないように振るまう。
「風呂」
唐突な言葉に、え……と見上げる目はシャンクスを見る。
「野郎達と同じでいいのか?」
それは……とすぐに視線を逸らすミコトに 「だろ!」 とシャンクスは笑う。
部屋にある二つの扉を順番に指さす。
「洗面所と浴室は一緒で、トイレはそっち。 分かったか?」
『うん』
ミコトは頷いた。
そして、シャンクスの行動に勝手に誤解して緊張した事を申し訳ないと思い、笑って礼を言う。
『ありがとう!』
「おう、気にすんな。 ——それと、これ」
シャンクスは流木で作ったポールハンガーに掛けてあった黒いシャツをミコトに渡す。
ミコトは受け取るが、分からなくて首を傾げた。
「寝る時、着ろ」
『え!?』
「どっかの島で買うまでの間だ。 ……そのままだと寝にくくねェのか?」
『そ、そうだけど……』
ミコトは手元にあるシャツを見つめた。
確かに、しばらく船での生活で、いつものような野宿ではない。
シャツ一枚で寝る事に抵抗があったが、レイリーとならいいやとミコトは安易に考えた。
『うん。 そうする』
「よし」
素直に頷くミコトの頭を撫てて笑うシャンクスは直後、ミコトが驚く事を口にする。
「じゃ、風呂入ったら寝るぞ~!」
『な……っ!? 何言って!』
まるで、一緒に寝るようなシャンクスの口調にミコトは目を丸くした。
ミコトはレイリーと同じ部屋で過ごすと思っていただけに衝撃は大きい。
言葉が続かないミコトにシャンクスは予想通りの反応に笑う。
「あのな~ミコト。 この船に客室なんてねェんだよ」
『!?』
驚いた頭でミコトはそういえばと思い出した。
白ひげの船にしばらくいたが、レイリーは隊長達の部屋で、ミコトはナースの部屋に寝泊まりしていた。
そもそも海賊船に客室が必要なのだろうかという点でミコトは失念していた。
メリー号もサニー号も客室なんてあっただろうか。
船内の細かい事まではさすがに覚えていない。
(思い出せない……)
『…………』
黙り込むミコトにシャンクスは見つめた。
「おれは妹を野郎達と同じ部屋に泊まらせたくねェ」
シャンクスと同じ部屋で過ごす事に、言われた理由にミコトは納得した。
それにこの部屋にはソファーがあるのだ。
さっきは一緒に寝るように聞こえたが、きっと別々に寝るはずだし、レイリーも後で来るんだろうと頷いた。
『うん……』
「分かったなら、行ってこ~い!」
ミコトは笑うシャンクスに背中を押され、促されるままに風呂に入ったのだった。
◇◆◇
風呂に入ったミコトは温かい湯につかり、気持ちも落ち着いたようだ。
黒いシャツを着て、カチャと扉を開けて出てきた。
シャンクスはソファで寝ころんで本を読んでいたが、閉じるとミコトに笑いかけた。
「お、さっぱりしたか?」
『うん! 気持ちよかった!』
「そっか! じゃ、寝るか」
シャンクスは立ち上がるとミコトの手を引いて、ベッドに向かう。
途端にミコトは戸惑いながらも……まさかね? と足を止めて尋ねる。
『シャンクス……?』
「うん?」
ミコトは振り返るシャンクスを見つめる。
『あの……』
聞きにくそうなミコトの考える事が、まる分かりのシャンクスは先に答えを出す。
「一緒に寝る。 ミコトが恥ずかしがろうが、嫌がろうが……寝る」
ミコトの言い分も何も聞かないとシャンクスはミコトを見る。
途端にミコトの揺れる瞳にシャンクスは強い口調で止める。
「逸らすな」
『……ぅ……』
「ミコト……おれ達は兄妹だ。 お前が不安になる事もねェし、起きたりもしねェ。 だから——」
シャンクスは不安そうなミコトを優しく抱きしめた。
瞬間、驚いてドクン……と心臓を鳴らすミコトだが、シャンクスは抱きしめたままで何もしない。
どれぐらい抱きしめられて、時間が経ったのか。
シャンクスが大丈夫だと伝えてくる温もりに包まれ、ただただ温かいと感じてくる腕の中で、ミコトはしだいに安心した。
自然に目を閉じて、シャンクスの背中に手をまわした。
「……大丈夫だろ」
『うん……』
頷くミコトは顔を上げると、シャンクスの頬へと寄せて、瞼を閉じてキスをした。
『おやすみなさい……』
「おやすみ」
シャンクスがミコトの額にキスを落とすと、二人は顔を見合わせ微笑した。
こうして、この日この時から、二人は一緒に過ごすことになったのだった。
◇◆◇
航海中、当然の事だが、すぐに赤髪海賊団のクルー達の中で、シャンクスとミコトの関係が話題になった。
——あれは兄妹なのか!? と。
ある日、ロックスターが気になってベックマンに尋ねた。
「お頭とミコトは——」
言いにくそうな様子にベックマンは疑問を全部聞く前に答えた。
「妹だ。 それ以上でもそれ以下でもない。 ただ——」
ベックマンはロックスターを見た。
「航海と仲間以外で、ミコトを超えるものはないだろうな」
そして、ロックスターの視線を甲板で仲良く話しているシャンクスとミコトへと促した。
シャンクスの男っぷりに惚れて最近クルーになった男の目には二人はどう映るのか。
ミコトを見るシャンクスの目は優しさと愛情に溢れ、ミコトは信頼して安心に満ちていた。
別れるかもしれない恋人や、離れるかもしれない仲間や友人ではない。
この短い時間に、誰にも離す事が出来ない兄妹という絆が結ばれているのが分かる。
ジッ……と見つめるロックスターにベックマンは声を掛ける。
「分かったか?」
瞬間、ロックスターは驚いた表情を浮かべて、ベックマンを見て頷いた。
「分かりやした」
「そうか。 じゃ、仕事に戻れ」
「はい」
ベックマンは納得して去るロックスターの後ろ姿を見てから、二人に視線を移す。
兄妹でいると決めたシャンクスに微笑した。
(楽しそうにしてるな……)