赤髪と白揚羽
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月明かりが照らすのは離れた宴の踊る影。
風が運ぶ賑やか声はシャンクスの耳には遠くに感じた。
大きな赤白のパラソルの下はシンとして静かだった。
(これは……どうしたらいいんだ)
悩むなんて久しぶりのような気がするとシャンクスは 「フゥ……」 と息を吐く。
今は大人しく自分にくっついているだけのミコトの髪を優しく撫でた。
『気持ちいい……』
呟く声のままに撫でていれば、ミコトの体の力は抜けてシャンクスに預けてしまう。
ミコトが甘えて、伝えてくる柔らかさと温かさは心地良く、これ以上は危ないとシャンクスの理性が警告する。
海賊に理性なんてあったか? という自問自答にシャンクスは難しく眉を寄せて、とりあえずミコトと離れようとした。
「ミコト」
呼べばミコトは 『うん……』 と抱きつく腕を解くと、酔って潤んだ瞳でシャンクスを見て微笑する。
『なぁに?』
ピンクに染まる顔が可愛いらしいと同時に、起こす体が艶めかしく感じるのは酒のせいだ。
頼りなく動くのは酔って力が入らないからで、誘っているわけではない。
分かっていても、腕の中にいるミコトに、シャンクスはごくりと唾を飲み込んだ。
数時間前に初めて会って、妹になったばかりのミコトの傾く顔は微笑し、シャンクスを見つめている。
シャンクスの目には妹に見えなくなりはじめていた。
十九才という年齢はもう女だ。
ミコト自身と自分との年の差もあまりないと知った今、シャンクスの心は揺れて欲が生まれる。
レイリーはこの場をシャンクスに任せたが、こうなるかもしれないとは考えなかったのか。
(……いいのか?)
とは誰への問いかけか。
自分かレイリーか、目の前のミコトか——
『シャンクス……?』
名を呼んでくる唇は濡れていた。
湖面に映っていた月は雲に隠れ、星明かりが波に揺れている。
楽し気な宴をレイリーは見つめながら酒を飲んでいた。
焚火を挟んで向かいに座るベックマンが静かに問う。
「いいのか?」
顔を向けるレイリーに、あれだ……と視線を動かして見えるのは大きなパラソル。
あの状態で残った男と女がどうなるかなんて容易に想像出来る。
ミコトは完全に酔っているし、シャンクスもまた飲んでいる。
血も繋がってないし、なったばかりの兄妹という足枷なんて無いようなものだ。
「構わんよ」
レイリーの声は普段と変わらず落ち着いていた。
ミコトは弟子で、娘の様に大事に思っているが、相手はシャンクスで、そこら辺にいる男ではない。
あの場をシャンクスに押し付けてしまったが、あれ以上いる理由はないし、野暮もしたくない。
「さっき言ったように、ミコトは子供じゃない……それに——」
続く言葉を切ってベックマンを見て笑う。
「こうなったら、なるようにしかならん」
「確かにな……」
二人は森の影に浮かぶパラソルを見て、海賊らしい笑みを浮かべた。
明日の朝、どうなっているのかと。
さて——二人はというと、静けさの中で抱き合っていた。
シャンクスが背中に添える手を軽く抱きよせれば、ミコトの体は自然にシャンクスとの距離を縮ませ近づいた。
互いの呼吸も体温も感じる。
「ミコト……」
寄せる唇に香る吐息が触れる。
白い睫が閉じられ、傾く顔にシャンクスもまた寄せた。
瞬間、ミコトの唇が微かに動く。
『眠い……』
「…………」
思わず無言になるシャンクスの時間は止まる。
しかし、ミコトはシャンクスの胸に、落ちるようにすり……と寄せて甘えてくる。
瞬間、シャンクスは 「くく……!」 と漏らすように笑う。
無防備な女を襲うとこだった事に気づいて、らしくなかったと自嘲する。
ミコトが酔っていたのは分かっていたのに、自分は欲に暴走しそうになっていた。
(悪かったな……)
謝るようにミコトの髪を優しく撫でる。
気持ちよさそうにミコトは微笑し、さらに擦り寄った。
「ありがとな……」
あそこで 『眠い……』 と言われなければ、今頃シャンクスはミコトを奪っていただろう。
止まれて良かったと思い、息をついてミコトに話し掛ける。
「ミコト、寝るぞ……」
ミコトは瞼を開けてシャンクスを見上げた。
『うん……寝る』
「いい子だ……」
シャンクスはミコトの額にそっとキスをした。
可愛い妹と一線を越えなかったからこそある優しい時間。
「おやすみ……ミコト」
ミコトは離れるシャンクスの顔を見つめて、追いかけるように手を伸ばす。
何をするんだとシャンクスは驚いている間もなく、ミコトは肩に触れて顔を寄せると、シャンクスの頬にキスをした。
『おやすみなさい……』
ふわりと微笑するとミコトはシャンクスに体を預けて眠った。
「…………」
ミコトの無意識の行動にシャンクスは溜息に似た息を吐く。
(参った……)
この先、同じ感想を持つ海賊が現れる事をシャンクスは知らない。
ミコトを抱きながら、横に寝ころぶと目を閉じて眠りについた。
風が運ぶ賑やか声はシャンクスの耳には遠くに感じた。
大きな赤白のパラソルの下はシンとして静かだった。
(これは……どうしたらいいんだ)
悩むなんて久しぶりのような気がするとシャンクスは 「フゥ……」 と息を吐く。
今は大人しく自分にくっついているだけのミコトの髪を優しく撫でた。
『気持ちいい……』
呟く声のままに撫でていれば、ミコトの体の力は抜けてシャンクスに預けてしまう。
ミコトが甘えて、伝えてくる柔らかさと温かさは心地良く、これ以上は危ないとシャンクスの理性が警告する。
海賊に理性なんてあったか? という自問自答にシャンクスは難しく眉を寄せて、とりあえずミコトと離れようとした。
「ミコト」
呼べばミコトは 『うん……』 と抱きつく腕を解くと、酔って潤んだ瞳でシャンクスを見て微笑する。
『なぁに?』
ピンクに染まる顔が可愛いらしいと同時に、起こす体が艶めかしく感じるのは酒のせいだ。
頼りなく動くのは酔って力が入らないからで、誘っているわけではない。
分かっていても、腕の中にいるミコトに、シャンクスはごくりと唾を飲み込んだ。
数時間前に初めて会って、妹になったばかりのミコトの傾く顔は微笑し、シャンクスを見つめている。
シャンクスの目には妹に見えなくなりはじめていた。
十九才という年齢はもう女だ。
ミコト自身と自分との年の差もあまりないと知った今、シャンクスの心は揺れて欲が生まれる。
レイリーはこの場をシャンクスに任せたが、こうなるかもしれないとは考えなかったのか。
(……いいのか?)
とは誰への問いかけか。
自分かレイリーか、目の前のミコトか——
『シャンクス……?』
名を呼んでくる唇は濡れていた。
◇◆◇
湖面に映っていた月は雲に隠れ、星明かりが波に揺れている。
楽し気な宴をレイリーは見つめながら酒を飲んでいた。
焚火を挟んで向かいに座るベックマンが静かに問う。
「いいのか?」
顔を向けるレイリーに、あれだ……と視線を動かして見えるのは大きなパラソル。
あの状態で残った男と女がどうなるかなんて容易に想像出来る。
ミコトは完全に酔っているし、シャンクスもまた飲んでいる。
血も繋がってないし、なったばかりの兄妹という足枷なんて無いようなものだ。
「構わんよ」
レイリーの声は普段と変わらず落ち着いていた。
ミコトは弟子で、娘の様に大事に思っているが、相手はシャンクスで、そこら辺にいる男ではない。
あの場をシャンクスに押し付けてしまったが、あれ以上いる理由はないし、野暮もしたくない。
「さっき言ったように、ミコトは子供じゃない……それに——」
続く言葉を切ってベックマンを見て笑う。
「こうなったら、なるようにしかならん」
「確かにな……」
二人は森の影に浮かぶパラソルを見て、海賊らしい笑みを浮かべた。
明日の朝、どうなっているのかと。
◇◆◇
さて——二人はというと、静けさの中で抱き合っていた。
シャンクスが背中に添える手を軽く抱きよせれば、ミコトの体は自然にシャンクスとの距離を縮ませ近づいた。
互いの呼吸も体温も感じる。
「ミコト……」
寄せる唇に香る吐息が触れる。
白い睫が閉じられ、傾く顔にシャンクスもまた寄せた。
瞬間、ミコトの唇が微かに動く。
『眠い……』
「…………」
思わず無言になるシャンクスの時間は止まる。
しかし、ミコトはシャンクスの胸に、落ちるようにすり……と寄せて甘えてくる。
瞬間、シャンクスは 「くく……!」 と漏らすように笑う。
無防備な女を襲うとこだった事に気づいて、らしくなかったと自嘲する。
ミコトが酔っていたのは分かっていたのに、自分は欲に暴走しそうになっていた。
(悪かったな……)
謝るようにミコトの髪を優しく撫でる。
気持ちよさそうにミコトは微笑し、さらに擦り寄った。
「ありがとな……」
あそこで 『眠い……』 と言われなければ、今頃シャンクスはミコトを奪っていただろう。
止まれて良かったと思い、息をついてミコトに話し掛ける。
「ミコト、寝るぞ……」
ミコトは瞼を開けてシャンクスを見上げた。
『うん……寝る』
「いい子だ……」
シャンクスはミコトの額にそっとキスをした。
可愛い妹と一線を越えなかったからこそある優しい時間。
「おやすみ……ミコト」
ミコトは離れるシャンクスの顔を見つめて、追いかけるように手を伸ばす。
何をするんだとシャンクスは驚いている間もなく、ミコトは肩に触れて顔を寄せると、シャンクスの頬にキスをした。
『おやすみなさい……』
ふわりと微笑するとミコトはシャンクスに体を預けて眠った。
「…………」
ミコトの無意識の行動にシャンクスは溜息に似た息を吐く。
(参った……)
この先、同じ感想を持つ海賊が現れる事をシャンクスは知らない。
ミコトを抱きながら、横に寝ころぶと目を閉じて眠りについた。