赤髪と白揚羽
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シャンクスは自分の腕の中で眠るミコトを驚いた目で見つめている。
「酒……弱かったんだな」
静かな寝息をたてるミコトの頭を膝に乗せてシャンクスは呟いた。
レイリーもここまで弱い人間がいるとは——とミコトを見た。
「水人間だから、酒もまわりやすいのかもしれんな」
「ミコトは悪魔の実の能力者なのか?」
「ああ、そうだ。 私と会った時には、すでにミズミズの実を食べていたからな」
「……そうか」
ミコトの寝顔に視線を落とすシャンクスの目は優しく細められた。
可愛いな……とミコトを見つめるのは兄か男の顔か。
レイリーはシャンクスの様子に口元を上げた。
今日初めて会ったミコトを “妹” などと言うシャンクス。
仲間になる事を断られたからという理由はあるだろうが、違う意味もあるのではないかと考えてしまうのは勘繰り過ぎか。
(面白い……試してみるか——)
レイリーの男から見て、シャンクスがどうするのかという単純な興味だ。
この好奇心がミコトとシャンクスが、ただの兄妹にならなかったきっかけになるなんて、レイリーも思わなかっただろう。
膝で眠るミコトの髪を優しく撫でるシャンクスに、レイリーは話掛けた。
「シャンクス」
顔を上げるシャンクスに、レイリーは微笑する。
「気づいてないようだから、言っておく。 ミコトはお前が思っているほど子供ではないぞ」
シャンクスは急に何を言っているんだ? と訝しげに眉を寄せた。
確かに子供ではないが、自分とミコトは見たままで、親子とまでいかなくてもかなりの年の差だ。
「言っただろ? ミコトは違う世界から来たと」
レイリーのもったいぶった言い方に、シャンクスは意味が分からないと、ますます眉間に皺を寄せる。
ベックマンも気になったのか、シャンクスの代わりに問う。
「どういう事だ?」
「ミコトはこっちに来る前は二十一才で、私と会った時は七才だった。 ミコトが言うには身体が若返ったらしい」
「まさか——!?」
話の途中で気づいたベックマンは驚いて言葉を飲み込む。
レイリーはそういうことだ……と笑うが、シャンクスも他の幹部達も意味が分からないと首を傾げた。
シャンクスは見当がつかない事にレイリーとベックマンを交互に見て尋ねる。
「おい! どういうことだ!?」
「ミコトは見た目は十九だが、ミコト自身の年はお頭とそう変わらない」
「はっ!? んな訳——」
ない——と言いかけた口を閉じて、頭の中で足し算と引き算が駆け巡り、出た答えに自分の膝で寝るミコトを見つめた。
閉じられた睫と紅潮した頬。
柔らかそうな髪。
触れたら溶けそうな——
(いやいやいや……!)
心の中で頭を振る。
(今、何考えた!? ミコトは——)
——妹だ……! と思う前にミコトが突如、目をパチリと開けた。
(うげ……! 起きたのかっ!?)
思いっきり目の合う二人。
起きて真っ先に見えたシャンクスにミコトはご機嫌だ。
『シャンクス!』
「おう……」
かろうじて答えるシャンクスにミコトは起き上りながら笑顔で手を伸ばす。
『抱っこ……!』
「は!?」
聞き返すシャンクスだが、ミコトは答えないで構わずに抱きついた。
『えへへ~!』
ぎゅう……! と抱きついて、嬉しいとミコトは満足そうにニコニコしている。
急過ぎる展開にさすがのシャンクスも驚き戸惑ったままで、右手は不自然に上がってミコトの体に触れてない。
どうしたらいい? とベックマンを見たが——知らん……という視線で返される。
ヤソップやルウなど面白がった様子で笑う。
「どうすんだ? お頭~!」
「ミコトは完全に酔ってんな!」
この調子では誰も助けてくれそうにないし、レイリーも酒を飲んで笑っている。
「ははは……! ミコトは酔うとこうなるのか!」
「いや、そうじゃなくて——」
『シャンクス……』
シャンクスは言いかけた続きをミコトに呼ばれて言えなくなった。
『……抱っこしてくんない』
「ぅ……」
子供っぽい口調で不満を口にするミコトの背中に、シャンクスはそっと手を添えて、不自然な笑みを浮かべた。
「そんな事ねェぞ~! ほら……な?」
『うん!』
ミコトはにっこり笑うとシャンクスに、再びぎゅぅと抱きつき、赤い髪にすりっと寄る。
『シャンクス、だーい好き……!』
「そ、そうか」
『シャンクスは?』
「何が……?」
分かってて白々しく聞き返すシャンクスの顔を酔ったミコトはジッと見つめる。
望まれる答えに、シャンクスは助けを求めようと視線をベックマンに移そうとしたが出来なかった。
『ダメ!』
ミコトに両頬を手で挟まれたからだ。
直後、酒での面白がる笑いが消えた。
ミコトはシン……とした事に構わず、シャンクスに尋ねる。
『好き?』
「…………」
思わず無言になってしまうシャンクスをミコトは逃がさないと綺麗に微笑した。
魅惑に満ちて上がる唇は艶めいた声で問う。
『ね……?』
これで落ちない男がいるのだろうかという微笑み。
シャンクスはミコトのもう一つの顔に信じられないと驚くが、レイリーの 「シャッキー仕込みだよ」 の冷静な一言で納得した。
全員がとんでもない事、教えるな! と思った直後、ミコトがクスクスと何が楽しいのか、声をたてて笑った。
ミコトが小首を傾げて、潤む瞳で見つめて微笑する。
『言ってくれないの?』
「いや、言うから……ちょと待て……な?」
言われたミコトは酔ってても素直なのだろう、にっこり笑う。
『うん!』
今見た色気が一瞬で消える無垢な笑顔。
天使と小悪魔の間を行ったり来たりのミコトに、シャンクスは落ち着け~と自分に言い聞かせる。
酔った人間は厄介だが、今日まで相手を酔わせて後悔なんてした事なかった。
ケンカしようが、一夜を共にしようが、次の日には愉快な酒だったでお終いだ。
しかし、今——初めて後悔した。
この状況に酒も女もケンカに慣れた仲間達も、ミコトの酔った行動に驚いて動けないでいた。
ミコトはシャンクスの妹で、扱いが変わってくる。
どうするんだという一同が見守る視線を酔ったミコトは気づかない。
さっきまでの可愛らしさが嘘のように消えて、酒の香る口元を綻ばせ、シャンクスを捕まえる。
見つめ合ってはいるが、なかなか答えてくれないシャンクスにミコトは焦れた。
目の前のミコトはもう待たない……と、シャンクスの膝に乗り、言って欲しいと迫った。
『シャンクス……』
ジッ……と見つめながらミコトは聞き出そうと無意識で顔を近づかせる。
問い詰める唇が触れる直後、シャンクスはミコトを咄嗟に抱きしめて、ポンポンと背中を軽く叩いた。
「す、好きに決まってるだろ! ミコトは妹だもんな~! ……はは…っ!」
『うん!』
途端に無邪気な笑顔になるミコトから匂うような色気が消えた。
ミコトは答えてもらえて、ご機嫌で笑えば、シャンクスも笑う。
『えへへ~! ね~!』
「な~! わはは……っ!」
『シャンクス、好き~!』
「好きだぞ~!」
シャンクスが答えればミコトは嬉しくて仕方ないと満面の笑みで抱きついた。
ミコトを抱くシャンクスをベックマンは尋ねるように見る。
(お頭……どうすんだ、それ?)
——が、レイリーが突如立ち上がって、その視線にシャンクスは気づけなかった。
「はは! ミコトに飲ませたお前が悪い。 後は自分でなんとかしなさい……私は向こうで飲む事にするよ」
瞬間、シャンクスは助けてくれないのかよっ!? と目を見張る。
「え……!?」
「あ! おれも、そうするわっ!」
「おれは向こうで肉でも食うかな!」
「……だな。 あとはお頭、任せた」
レイリーに続いて、ヤソップ、ルウ、ベックマンも腰を上げる。
更に、ここはさっさと逃げないと——と他の幹部達も右へ倣えと続く。
「あっちで、歌うか!」
「キキッ!」
スキンヘッドのボンク・パンチと、その肩に乗るサルのモンスターの尻尾がくるんと揺れて遠ざかる。
「行こうぜ!」 とニット帽の端を摘まんで被り直すライムジュースと 「ああ」 と頷いて首元の龍に触れるビルディング・スネイク。
ハウリング・ガブは髪を掻いて、シャンクスをチラッと見て背中を向けた。
「ちょっ、おい!」
慌てて呼び止めるシャンクスにホンゴウは振り返る。
「ミコトの具合が悪くなったら呼んでくれ」
「なっ……待てよ! お前らっ! おい!」
自分の行動に責任を取ってもらわないとと、シャンクスにミコトを置いて、レイリーと仲間達はその場を後にした。
シャンクスはミコトに抱きつかれて、仲間を止めるに止められない。
パラソルから、離れていく背中は小さくなって、去って行った。
「酒……弱かったんだな」
静かな寝息をたてるミコトの頭を膝に乗せてシャンクスは呟いた。
レイリーもここまで弱い人間がいるとは——とミコトを見た。
「水人間だから、酒もまわりやすいのかもしれんな」
「ミコトは悪魔の実の能力者なのか?」
「ああ、そうだ。 私と会った時には、すでにミズミズの実を食べていたからな」
「……そうか」
ミコトの寝顔に視線を落とすシャンクスの目は優しく細められた。
可愛いな……とミコトを見つめるのは兄か男の顔か。
レイリーはシャンクスの様子に口元を上げた。
今日初めて会ったミコトを “妹” などと言うシャンクス。
仲間になる事を断られたからという理由はあるだろうが、違う意味もあるのではないかと考えてしまうのは勘繰り過ぎか。
(面白い……試してみるか——)
レイリーの男から見て、シャンクスがどうするのかという単純な興味だ。
この好奇心がミコトとシャンクスが、ただの兄妹にならなかったきっかけになるなんて、レイリーも思わなかっただろう。
膝で眠るミコトの髪を優しく撫でるシャンクスに、レイリーは話掛けた。
「シャンクス」
顔を上げるシャンクスに、レイリーは微笑する。
「気づいてないようだから、言っておく。 ミコトはお前が思っているほど子供ではないぞ」
シャンクスは急に何を言っているんだ? と訝しげに眉を寄せた。
確かに子供ではないが、自分とミコトは見たままで、親子とまでいかなくてもかなりの年の差だ。
「言っただろ? ミコトは違う世界から来たと」
レイリーのもったいぶった言い方に、シャンクスは意味が分からないと、ますます眉間に皺を寄せる。
ベックマンも気になったのか、シャンクスの代わりに問う。
「どういう事だ?」
「ミコトはこっちに来る前は二十一才で、私と会った時は七才だった。 ミコトが言うには身体が若返ったらしい」
「まさか——!?」
話の途中で気づいたベックマンは驚いて言葉を飲み込む。
レイリーはそういうことだ……と笑うが、シャンクスも他の幹部達も意味が分からないと首を傾げた。
シャンクスは見当がつかない事にレイリーとベックマンを交互に見て尋ねる。
「おい! どういうことだ!?」
「ミコトは見た目は十九だが、ミコト自身の年はお頭とそう変わらない」
「はっ!? んな訳——」
ない——と言いかけた口を閉じて、頭の中で足し算と引き算が駆け巡り、出た答えに自分の膝で寝るミコトを見つめた。
閉じられた睫と紅潮した頬。
柔らかそうな髪。
触れたら溶けそうな——
(いやいやいや……!)
心の中で頭を振る。
(今、何考えた!? ミコトは——)
——妹だ……! と思う前にミコトが突如、目をパチリと開けた。
(うげ……! 起きたのかっ!?)
思いっきり目の合う二人。
起きて真っ先に見えたシャンクスにミコトはご機嫌だ。
『シャンクス!』
「おう……」
かろうじて答えるシャンクスにミコトは起き上りながら笑顔で手を伸ばす。
『抱っこ……!』
「は!?」
聞き返すシャンクスだが、ミコトは答えないで構わずに抱きついた。
『えへへ~!』
ぎゅう……! と抱きついて、嬉しいとミコトは満足そうにニコニコしている。
急過ぎる展開にさすがのシャンクスも驚き戸惑ったままで、右手は不自然に上がってミコトの体に触れてない。
どうしたらいい? とベックマンを見たが——知らん……という視線で返される。
ヤソップやルウなど面白がった様子で笑う。
「どうすんだ? お頭~!」
「ミコトは完全に酔ってんな!」
この調子では誰も助けてくれそうにないし、レイリーも酒を飲んで笑っている。
「ははは……! ミコトは酔うとこうなるのか!」
「いや、そうじゃなくて——」
『シャンクス……』
シャンクスは言いかけた続きをミコトに呼ばれて言えなくなった。
『……抱っこしてくんない』
「ぅ……」
子供っぽい口調で不満を口にするミコトの背中に、シャンクスはそっと手を添えて、不自然な笑みを浮かべた。
「そんな事ねェぞ~! ほら……な?」
『うん!』
ミコトはにっこり笑うとシャンクスに、再びぎゅぅと抱きつき、赤い髪にすりっと寄る。
『シャンクス、だーい好き……!』
「そ、そうか」
『シャンクスは?』
「何が……?」
分かってて白々しく聞き返すシャンクスの顔を酔ったミコトはジッと見つめる。
望まれる答えに、シャンクスは助けを求めようと視線をベックマンに移そうとしたが出来なかった。
『ダメ!』
ミコトに両頬を手で挟まれたからだ。
直後、酒での面白がる笑いが消えた。
ミコトはシン……とした事に構わず、シャンクスに尋ねる。
『好き?』
「…………」
思わず無言になってしまうシャンクスをミコトは逃がさないと綺麗に微笑した。
魅惑に満ちて上がる唇は艶めいた声で問う。
『ね……?』
これで落ちない男がいるのだろうかという微笑み。
シャンクスはミコトのもう一つの顔に信じられないと驚くが、レイリーの 「シャッキー仕込みだよ」 の冷静な一言で納得した。
全員がとんでもない事、教えるな! と思った直後、ミコトがクスクスと何が楽しいのか、声をたてて笑った。
ミコトが小首を傾げて、潤む瞳で見つめて微笑する。
『言ってくれないの?』
「いや、言うから……ちょと待て……な?」
言われたミコトは酔ってても素直なのだろう、にっこり笑う。
『うん!』
今見た色気が一瞬で消える無垢な笑顔。
天使と小悪魔の間を行ったり来たりのミコトに、シャンクスは落ち着け~と自分に言い聞かせる。
酔った人間は厄介だが、今日まで相手を酔わせて後悔なんてした事なかった。
ケンカしようが、一夜を共にしようが、次の日には愉快な酒だったでお終いだ。
しかし、今——初めて後悔した。
この状況に酒も女もケンカに慣れた仲間達も、ミコトの酔った行動に驚いて動けないでいた。
ミコトはシャンクスの妹で、扱いが変わってくる。
どうするんだという一同が見守る視線を酔ったミコトは気づかない。
さっきまでの可愛らしさが嘘のように消えて、酒の香る口元を綻ばせ、シャンクスを捕まえる。
見つめ合ってはいるが、なかなか答えてくれないシャンクスにミコトは焦れた。
目の前のミコトはもう待たない……と、シャンクスの膝に乗り、言って欲しいと迫った。
『シャンクス……』
ジッ……と見つめながらミコトは聞き出そうと無意識で顔を近づかせる。
問い詰める唇が触れる直後、シャンクスはミコトを咄嗟に抱きしめて、ポンポンと背中を軽く叩いた。
「す、好きに決まってるだろ! ミコトは妹だもんな~! ……はは…っ!」
『うん!』
途端に無邪気な笑顔になるミコトから匂うような色気が消えた。
ミコトは答えてもらえて、ご機嫌で笑えば、シャンクスも笑う。
『えへへ~! ね~!』
「な~! わはは……っ!」
『シャンクス、好き~!』
「好きだぞ~!」
シャンクスが答えればミコトは嬉しくて仕方ないと満面の笑みで抱きついた。
ミコトを抱くシャンクスをベックマンは尋ねるように見る。
(お頭……どうすんだ、それ?)
——が、レイリーが突如立ち上がって、その視線にシャンクスは気づけなかった。
「はは! ミコトに飲ませたお前が悪い。 後は自分でなんとかしなさい……私は向こうで飲む事にするよ」
瞬間、シャンクスは助けてくれないのかよっ!? と目を見張る。
「え……!?」
「あ! おれも、そうするわっ!」
「おれは向こうで肉でも食うかな!」
「……だな。 あとはお頭、任せた」
レイリーに続いて、ヤソップ、ルウ、ベックマンも腰を上げる。
更に、ここはさっさと逃げないと——と他の幹部達も右へ倣えと続く。
「あっちで、歌うか!」
「キキッ!」
スキンヘッドのボンク・パンチと、その肩に乗るサルのモンスターの尻尾がくるんと揺れて遠ざかる。
「行こうぜ!」 とニット帽の端を摘まんで被り直すライムジュースと 「ああ」 と頷いて首元の龍に触れるビルディング・スネイク。
ハウリング・ガブは髪を掻いて、シャンクスをチラッと見て背中を向けた。
「ちょっ、おい!」
慌てて呼び止めるシャンクスにホンゴウは振り返る。
「ミコトの具合が悪くなったら呼んでくれ」
「なっ……待てよ! お前らっ! おい!」
自分の行動に責任を取ってもらわないとと、シャンクスにミコトを置いて、レイリーと仲間達はその場を後にした。
シャンクスはミコトに抱きつかれて、仲間を止めるに止められない。
パラソルから、離れていく背中は小さくなって、去って行った。