赤髪と白揚羽
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ミコトがこの世界の人間ではない事や、 “ワンピースの本” の話をした。
ただ、将来何が起きるというような詳しく話すようなことはしなかった。
シャンクスは信じられないような顔をしながらもワクワクしながら話を聞いていた。
存在しているかもしれないと誰もが想像するであろう別世界や別次元。
実際に実現して行けたり戻ってくることも分からないから、証明も出来ない。
本や物語の想像世界だけの出来事。
しかし、ミコトはいる。
『シャンクスさんが、この話を信じるかどうかは分かりません。 ただ、私はシャンクスさんにこの先を言うつもりもありません。 ルフィが憧れるあなたに会ってみたかったんです』
ミコトはそう言い切るとシャンクスを見つめた。
さっきまでは緊張して目も合わせられなかったが、今は真摯な瞳を真っ直ぐに向ける。
シャンクスはミコトのどこまでも透き通る薄茶色の瞳を見つめた。
色は違うが逸らされない光は東の海の少年を思い出させた。
「そうか……」
一言こぼして笑った。
「その口ぶりだとミコトはこれから、ルフィに会いに行くのか?」
『はい! この後、東の海に……ルフィに会いに行きます!』
シャンクスの問いに元気よく頷くミコトの瞳は輝いていたが、 『そして……』 と言葉を繋げる声は自信がないのかしだいに小さくなる。
『出来れば仲間になって冒険したいな……と。 仲間になれればですけど……』
そんなミコトにシャンクスはニヤリと笑う。
「ルフィんとこじゃなくて、おれんとこで海賊やれよ!」
『?』
(今……なんて?)
ミコトは思ってもみない申し出にポカン……と口を開けている。
思考は止まり真っ白になった。
シャンクスは優しく強い目でミコトを見つめる。
「レイリーさんの弟子ってことは、おれの妹みたいなもんだしな。 おれのとこは女っ気ねェけど、みんないい奴らばかりだ。 ダメか?」
ミコトはジッと見つめてくるシャンクスの視線から逃れようと逸らす。
『ダメです……』
絞り出すように短い返事をして顔を背けた。
途端にヤソップとルウが大声で笑った。
「わっはっはっはっ!」
「お頭、振られたなーっ!」
「うるせェーっ! 黙ってろ!」
シャンクスは二人に怒鳴るとミコトに向きなおす。
眉をひそめてミコトを見つめる。
「お前、なんで……目、合せねェんだ?」
『……う…。 だって、逸らしてないと “はい” と言いそうで困るからです』
ミコトは懸命に俯いて、正面で見据えるシャンクスから逃げる。
シャンクスは鼻をならすと、悪戯を思いついたような顔をみせた。
その顔にレイリーとベックマンは何をするのやら——と心の中で溜息をついた。
ミコトの顎を手で捉えると、シャンクスは無理やり自分の方に向かせる。
瞬間、ミコトは目をギュと瞑る。
「開けて、おれを見ろ!」
『……嫌です』
シャンクスの無言の圧力にミコトは無言で耐える。
頑なに頑張るミコトにベックマンが可哀相になり助け船を出す。
「お頭、止めろ」
しかし、シャンクスはひと睨みして無視した。
そして、意外に頑固なミコトにシャンクスはニヤリと笑う。
「このまま、目ェ開けねェならキスする」
ミコトは思わず肩をビクっとさせて、開きそうな目を意地できつく閉じた。
近づく気配にミコトは白い眉を寄せて耐えられなくなって叫ぶ。
『師匠、助けて下さい!』
ミコトに助けを求められたレイリーはシャンクスの肩をポンと叩く。
「やれやれ……困った二人だな。 シャンクスもミコトも意地を張り過ぎだ」
溜息交じりにレイリーに言われたシャンクスは仕方ないと、ミコトを解放した。
ミコトは安心してホッとすると、固く閉じていた目をそろそろと開けると、申し訳なさそうにシャンクスを見た。
『意地になって、ごめんなさい』
ミコトは素直に謝ると、シャンクスも赤い髪を掻いた。
「いや、ま……おれも悪かった」
レイリーが二人の間に入る。
「悪いが、諦めてもらえないかシャンクス。 ミコトの心は決まっているのだから。 あんまり困らせるな」
「……しょうがェ、許してやる」
納得したシャンクスだったが、再びミコトを真っ直ぐ見る。
その目にミコトはまた何かされるのかとドキリと心臓を鳴らした。
「でも、妹に “シャンクスさん” と呼ばれるのは駄目だ! シャンクスと呼べ! それと敬語をやめろ。 おれにもおれの仲間にもだ!」
『え!? えええ! いつ妹に?』
「さっき言っただろ!」
『あ……』 と視線が動いて思い出す。
ニカッ! と笑うシャンクスを見て、ミコトはルフィと重なった。
(やっぱり、ルフィの原点ってシャンクスなんだ……)
ルフィが憧れるシャンクスの妹に自分がなるのかと考えると、困るような嬉しいような複雑な気持ちになった。
ついこの前も似たような事があった。
そう、ミコトは白ひげの娘になったのだ。
(うーん……)
心の中で唸って考えても答えは出ない。
状況に戸惑って俯いていたら、シャンクスに髪を撫でられた。
顔を上げればシャンクスの嬉しそうな顔。
優しいが断るわけないと決まっている様子にミコトは周囲の幹部達の様子も窺う。
酒を飲みながら、シャンクスとミコトの成り行きを見守っている
ちらり……とレイリーに視線を送るが、自分で何とかしなさいという顔で、ミコトを見ているだけで助けてくれそうにない。
これはもう決まっている流れなのかと諦めたミコトはシャンクスを見て呼んだ。
『……シャンクス』
「よし!」
シャンクスは満足したように頷くと仲間に叫んで宣言した。
「みんな、聞いてくれ! 今日からミコトは、おれの妹だ! 飲め!」
賞金狩りがシャンクスの妹になった事に一斉に——ええーっ! と驚きと歓声を上げた。
あちこちで乾杯の声があがり、隣で飲むレイリーは 「ははは」 と楽しそうに笑う。
「私の弟子になっただけでなく、この前は白ひげの娘にはなるし、今日はシャンクスの妹か……! ミコトは忙しいな。 はっはっはっ!」
『笑いごとじゃないです……』
自分の置かれている状況にミコトは嬉しくても笑えなかった。
(……こんなことになるなんて、考えた事もなかった)
気持ちと頭が、なかなか追いつかないミコトと違って、シャンクスは隣で笑って感心していた。
「へえ……白ひげにも気にいられたのか。 さすがおれの妹だな!」
ミコトが白ひげの娘と聞いても屈託なく笑うシャンクス。
シャンクスにとってミコトが気に入った時点で、どんな身の上でも気にしない。
考えても仕方ない事で、大事なのはミコト自身を受け入れる事だからだ。
ミコトは笑っているシャンクスを見ているうちに自然に心が解けて、悩んでいるのが馬鹿みたいに思えた。
(うん。 考えても仕方ないよね……素直に喜ぼう! そうだよ! シャンクスがお兄ちゃんになるんだもん!)
シャンクスはミコトの明るくなった顔を覗き込んだ。
「どうした、ミコト?」
『うん! お兄ちゃんが出来たんだなって思って!』
一瞬、止まるシャンクスは珍しく戸惑う。
「な……お兄ちゃん?」
尋ね返すシャンクスにミコトは不思議そうに見上げた。
『うん。 私はシャンクスの妹なんだから、お兄ちゃんでしょ?』
「……ああ」
ミコトが当たり前のような顔で首を傾げて、無邪気に喜んで微笑むと、シャンクスは顔を少し赤くして照れた。
“お兄ちゃん” なんて、可愛らしく呼ばれることなどない男ばかりの海賊暮らし。
その様子を目ざとく見つけたのはヤソップとルウだ。
「お頭がガラにも無く照れてるぜ!」
「わはははっ!」
「照れてねェよ! てめェら!」
面白がる仲間に怒鳴るシャンクスをミコトは呆気にとられて見ていたが、クスクスと笑い声をたてた。
可愛らしい声があたりに響くと、シャンクスも怒鳴られたヤソップとルウも振り返った。
「お前ェら……可愛いおれの妹の笑い声に救われたな」
シャンクスは横目で二人を見て言うとミコトを優しそうに見つめ、シャンクス? と不思議そうに見上げるミコトの頭を撫でて笑った。
(妹か……。 いいな、こういうのも……!)
こうして、シャンクスとミコトは出会い兄妹となった。
ただ、将来何が起きるというような詳しく話すようなことはしなかった。
シャンクスは信じられないような顔をしながらもワクワクしながら話を聞いていた。
存在しているかもしれないと誰もが想像するであろう別世界や別次元。
実際に実現して行けたり戻ってくることも分からないから、証明も出来ない。
本や物語の想像世界だけの出来事。
しかし、ミコトはいる。
『シャンクスさんが、この話を信じるかどうかは分かりません。 ただ、私はシャンクスさんにこの先を言うつもりもありません。 ルフィが憧れるあなたに会ってみたかったんです』
ミコトはそう言い切るとシャンクスを見つめた。
さっきまでは緊張して目も合わせられなかったが、今は真摯な瞳を真っ直ぐに向ける。
シャンクスはミコトのどこまでも透き通る薄茶色の瞳を見つめた。
色は違うが逸らされない光は東の海の少年を思い出させた。
「そうか……」
一言こぼして笑った。
「その口ぶりだとミコトはこれから、ルフィに会いに行くのか?」
『はい! この後、東の海に……ルフィに会いに行きます!』
シャンクスの問いに元気よく頷くミコトの瞳は輝いていたが、 『そして……』 と言葉を繋げる声は自信がないのかしだいに小さくなる。
『出来れば仲間になって冒険したいな……と。 仲間になれればですけど……』
そんなミコトにシャンクスはニヤリと笑う。
「ルフィんとこじゃなくて、おれんとこで海賊やれよ!」
『?』
(今……なんて?)
ミコトは思ってもみない申し出にポカン……と口を開けている。
思考は止まり真っ白になった。
シャンクスは優しく強い目でミコトを見つめる。
「レイリーさんの弟子ってことは、おれの妹みたいなもんだしな。 おれのとこは女っ気ねェけど、みんないい奴らばかりだ。 ダメか?」
ミコトはジッと見つめてくるシャンクスの視線から逃れようと逸らす。
『ダメです……』
絞り出すように短い返事をして顔を背けた。
途端にヤソップとルウが大声で笑った。
「わっはっはっはっ!」
「お頭、振られたなーっ!」
「うるせェーっ! 黙ってろ!」
シャンクスは二人に怒鳴るとミコトに向きなおす。
眉をひそめてミコトを見つめる。
「お前、なんで……目、合せねェんだ?」
『……う…。 だって、逸らしてないと “はい” と言いそうで困るからです』
ミコトは懸命に俯いて、正面で見据えるシャンクスから逃げる。
シャンクスは鼻をならすと、悪戯を思いついたような顔をみせた。
その顔にレイリーとベックマンは何をするのやら——と心の中で溜息をついた。
ミコトの顎を手で捉えると、シャンクスは無理やり自分の方に向かせる。
瞬間、ミコトは目をギュと瞑る。
「開けて、おれを見ろ!」
『……嫌です』
シャンクスの無言の圧力にミコトは無言で耐える。
頑なに頑張るミコトにベックマンが可哀相になり助け船を出す。
「お頭、止めろ」
しかし、シャンクスはひと睨みして無視した。
そして、意外に頑固なミコトにシャンクスはニヤリと笑う。
「このまま、目ェ開けねェならキスする」
ミコトは思わず肩をビクっとさせて、開きそうな目を意地できつく閉じた。
近づく気配にミコトは白い眉を寄せて耐えられなくなって叫ぶ。
『師匠、助けて下さい!』
ミコトに助けを求められたレイリーはシャンクスの肩をポンと叩く。
「やれやれ……困った二人だな。 シャンクスもミコトも意地を張り過ぎだ」
溜息交じりにレイリーに言われたシャンクスは仕方ないと、ミコトを解放した。
ミコトは安心してホッとすると、固く閉じていた目をそろそろと開けると、申し訳なさそうにシャンクスを見た。
『意地になって、ごめんなさい』
ミコトは素直に謝ると、シャンクスも赤い髪を掻いた。
「いや、ま……おれも悪かった」
レイリーが二人の間に入る。
「悪いが、諦めてもらえないかシャンクス。 ミコトの心は決まっているのだから。 あんまり困らせるな」
「……しょうがェ、許してやる」
納得したシャンクスだったが、再びミコトを真っ直ぐ見る。
その目にミコトはまた何かされるのかとドキリと心臓を鳴らした。
「でも、妹に “シャンクスさん” と呼ばれるのは駄目だ! シャンクスと呼べ! それと敬語をやめろ。 おれにもおれの仲間にもだ!」
『え!? えええ! いつ妹に?』
「さっき言っただろ!」
『あ……』 と視線が動いて思い出す。
ニカッ! と笑うシャンクスを見て、ミコトはルフィと重なった。
(やっぱり、ルフィの原点ってシャンクスなんだ……)
ルフィが憧れるシャンクスの妹に自分がなるのかと考えると、困るような嬉しいような複雑な気持ちになった。
ついこの前も似たような事があった。
そう、ミコトは白ひげの娘になったのだ。
(うーん……)
心の中で唸って考えても答えは出ない。
状況に戸惑って俯いていたら、シャンクスに髪を撫でられた。
顔を上げればシャンクスの嬉しそうな顔。
優しいが断るわけないと決まっている様子にミコトは周囲の幹部達の様子も窺う。
酒を飲みながら、シャンクスとミコトの成り行きを見守っている
ちらり……とレイリーに視線を送るが、自分で何とかしなさいという顔で、ミコトを見ているだけで助けてくれそうにない。
これはもう決まっている流れなのかと諦めたミコトはシャンクスを見て呼んだ。
『……シャンクス』
「よし!」
シャンクスは満足したように頷くと仲間に叫んで宣言した。
「みんな、聞いてくれ! 今日からミコトは、おれの妹だ! 飲め!」
賞金狩りがシャンクスの妹になった事に一斉に——ええーっ! と驚きと歓声を上げた。
あちこちで乾杯の声があがり、隣で飲むレイリーは 「ははは」 と楽しそうに笑う。
「私の弟子になっただけでなく、この前は白ひげの娘にはなるし、今日はシャンクスの妹か……! ミコトは忙しいな。 はっはっはっ!」
『笑いごとじゃないです……』
自分の置かれている状況にミコトは嬉しくても笑えなかった。
(……こんなことになるなんて、考えた事もなかった)
気持ちと頭が、なかなか追いつかないミコトと違って、シャンクスは隣で笑って感心していた。
「へえ……白ひげにも気にいられたのか。 さすがおれの妹だな!」
ミコトが白ひげの娘と聞いても屈託なく笑うシャンクス。
シャンクスにとってミコトが気に入った時点で、どんな身の上でも気にしない。
考えても仕方ない事で、大事なのはミコト自身を受け入れる事だからだ。
ミコトは笑っているシャンクスを見ているうちに自然に心が解けて、悩んでいるのが馬鹿みたいに思えた。
(うん。 考えても仕方ないよね……素直に喜ぼう! そうだよ! シャンクスがお兄ちゃんになるんだもん!)
シャンクスはミコトの明るくなった顔を覗き込んだ。
「どうした、ミコト?」
『うん! お兄ちゃんが出来たんだなって思って!』
一瞬、止まるシャンクスは珍しく戸惑う。
「な……お兄ちゃん?」
尋ね返すシャンクスにミコトは不思議そうに見上げた。
『うん。 私はシャンクスの妹なんだから、お兄ちゃんでしょ?』
「……ああ」
ミコトが当たり前のような顔で首を傾げて、無邪気に喜んで微笑むと、シャンクスは顔を少し赤くして照れた。
“お兄ちゃん” なんて、可愛らしく呼ばれることなどない男ばかりの海賊暮らし。
その様子を目ざとく見つけたのはヤソップとルウだ。
「お頭がガラにも無く照れてるぜ!」
「わはははっ!」
「照れてねェよ! てめェら!」
面白がる仲間に怒鳴るシャンクスをミコトは呆気にとられて見ていたが、クスクスと笑い声をたてた。
可愛らしい声があたりに響くと、シャンクスも怒鳴られたヤソップとルウも振り返った。
「お前ェら……可愛いおれの妹の笑い声に救われたな」
シャンクスは横目で二人を見て言うとミコトを優しそうに見つめ、シャンクス? と不思議そうに見上げるミコトの頭を撫でて笑った。
(妹か……。 いいな、こういうのも……!)
こうして、シャンクスとミコトは出会い兄妹となった。