第八章 海上レストラン・バラティエ
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ルフィは手を戻すと、今度は床に置いてある宝箱に気づく。
「なんだ……これ?」
『それ? クリークの船から貰ってきちゃった宝箱!』
「すげーっ! ミコト!」
喜ぶルフィをサンジは眺めて口端で笑う。
「それ取るの大変だったんだぞ」
「サンジも手伝ったのか?」
「ああ。 ミコトちゃんが頑張ったんだ」
「そっか、ありがとな! これでお前も海賊のなか——」
「ならねェよ」 と返すサンジは潮風に煙草の煙をフーッと煙を吐く。
ルフィはベッドから 「よっ」 と出るとデッキの手すりに座った。
誘おうとするルフィの思いは本気で、サンジは真面目に答える。
「今回みてェなことがあったんだ……尚更、離れねェよ。 どいつもこいつも頼りにならねェ奴らだからな。 でも、おれもいつか行こうと思ってるぜ “グランドライン” 」
「じゃ、今行こう!」
「まだ、時期じゃねェんだよ……」
やっぱり諦めないルフィにサンジは怒るより、互いに譲れない事に参ったと思って口端で苦笑する。
ルフィに言った通り、行けるなら夢を追いかけたいのが本音だ。
でも放り出してなんて——
(行けねェよ……)
サンジの背後でミコトが動く気配を感じて、顔を上げる。
ミコトはサンジの上着を脱ぐとデッキに向かう。
『サンジ君、ありがとう!』
「ああ」
手渡された上着を受け取るサンジは自分が映るミコトの瞳を見て、あの夜に夢の話をした事を思い出す。
さっと上着を羽織るとサンジはルフィに笑い掛けた。
「お前さ……オールブルーって知ってるか?」
「いや」
「何だ知らねェのかよ。 ミコトちゃんは知ってたぞ」
「そうなのか。 何だよそれ、食いモンか?」
「違ェよ。 奇跡の海の話さ。 その海にはよ——」
サンジはルフィにオールブルーの話を聞かせた。
ミコトは黙って、二人の楽しそうに話す様子を微笑み見ていた。
同じく、サンジの様子をオーナー室のデッキから眺めるゼフも口角をあげて笑う。
「うれしそうな顔しやがって……バカが」
ヂリン ヂリン ヂリ~ン!
空に食事を知らせるベルの音が響く。
バラティエの二階の店員食堂には、食事に集まるコック達がいた。
サンジとルフィとミコトが食事をしにドアを開けると、さっきまで賑やかだったのに一斉に静まりかえる。
「ん? おい……おれ達の席は?」
「めしは?」
尋ねるサンジとルフィにコック達は 「椅子はねェ、床で食え」 と言った。
様子のおかしさに、言われるままに仕方なく三人は床で食事をする。
突然、パティがサンジの仕込んだスープを 「マズイ! 飲めねェ」 と叫んで、床に捨てた。
サンジは自分の作ったスープが不味いと言われ、怒って立ち上がった。
文句を言い返そうとした時、コック達が次々とスープを捨てる。
「てめェら一体、何のマネだ!」
怒鳴るサンジにゼフもスープを捨てて見せた。
「ジジイ!」
ゼフを睨みつけるサンジ。
ルフィは何が起きているのか分からないから、気にせず食べ続けている。
ミコトは隣で座って黙って見ていた。
(みんな……)
ゼフは床にこぼしたスープを指すと文句をつける。
「オイ、何だこのヘドロみてェなクソまずいスープは! こんなもん、客に出されちゃ店が潰れちまうぜ!」
サンジはゼフに飛びかかり胸倉を掴む。
「フザけんな、クソジジイ! てめェの作ったスープが、これとどう違うってんだよ! 言ってみろ!」
「おれの作ったモンと……? うぬぼれんな!」
ドカッ! とゼフはサンジを殴り飛ばす。
「てめェが、おれに料理を語るのは百年早ェぞチビナス! おれァ、世界の海で料理してきた男だぜ!」
コック達はゼフが殴ったことに驚いた。
蹴る事はあっても、料理する手で殴った事などなかったからだ。
床にいるサンジとゼフは睨み合った。
「……クソ!!」
サンジはどうにもならない怒りを胸に扉をバタン! と激しく閉めると食堂から出て行く。
その場で扉を背に座り込むと食堂の話がもれ聞こえてきた。
食堂では、ルフィがサンジの作ったスープをグビグビと飲んでいる。
「……このスープ、メチャクチャうめェのにっ! なっ、ミコト!」
『……うん。 美味しい』
コック達はサンジのスープが美味しいことなんて百も承知だ。
ただ、サンジに自分の夢を追って欲しいと思い、心にもないことを言ったのだった。
ゼフはルフィにサンジの事を頼んだ。
「こうでもしねェと聞かねェのさ、あのバカは…! ……あのチビナスを一緒に連れてってやってくれねェか……。 “グランドライン” はよ……あいつの夢なんだ」
「サンジを一緒に連れていく……? ……いやだ」
ゼフもコック達も驚いた。
散々、サンジを追いかけて勧誘していたルフィに聞き返す。
「どういうことだ小僧!? 貴様、船にコックが欲しいんじゃねェのか!? あの野郎じゃ不服か」
「不服じゃねェよ。 おれだってあいつに一緒に来て欲しいけどさ、あいつはここでコックを続けたいって言ってるんだ。 おっさん達に言われても、おれは連れてけねェよ」
「あいつの口から直接聞くまで納得できねェってわけか」
ルフィは食べながら 「わけだ」 と答える。
ゼフは眉間に皺をよせて呟いた。
「……まァ当然の筋だな。 だがあのヒネくれたクソガキが素直に行くと言えるかどうか……」
コック達は 「言えるわけねェ」 と笑う声が食堂に響いた。
食堂の外では、サンジは煙草に火をつけると深く吸い込んだ。
「……丸聞こえなんだよ。 ……クソ野郎ども…!!」
お前らだってそうだろと思ったが、自分が素直じゃない事を認めたくなくて、背にする扉に寄りかかって座る。
「……フー…」
紫煙と一緒に、自分の意地も吐き出せたらと海を眺めた。
すると、遠くの海から凄い水飛沫と叫び声をあげて、レストランに向かってくるものが見える。
(な、何だ?)
急激に近づく水飛沫に、嫌な感じがすると眉根が寄る。
「だばばばあば! あばばばだば!」
叫ぶ見覚えのある顔とサメの背びれ。
「ん? ……は? ……!!!」
何が起きているのか、気づいた時にはもう遅い。
サンジが避けられない速さと勢いで迫るヨサクは叫んでいた。
「だばーっ!! あああああ!」
デッキにいるサンジに向かって飛びこむ。
ザボッ……!! ドゴォーン!!
叫びと同時に食堂の壁を壊し、ヨサクがパンザメに半分噛みつかれて突っ込んだ。
補修したばかりなのに、またも壊れるレストラン。
サメの下敷きになってしまったサンジはゆっくり感傷にもふけられないのかと、サメの下から出る。
「くそ…」
突然すぎる出来事に驚くコック達をよそに、ルフィはヨサクの名を呼んだ。
「ヨサク!」
「ああ……。 ルフィの兄貴……!」
ヨサクはよれよれになりながらルフィを見て突っ伏した。
「なんだ……これ?」
『それ? クリークの船から貰ってきちゃった宝箱!』
「すげーっ! ミコト!」
喜ぶルフィをサンジは眺めて口端で笑う。
「それ取るの大変だったんだぞ」
「サンジも手伝ったのか?」
「ああ。 ミコトちゃんが頑張ったんだ」
「そっか、ありがとな! これでお前も海賊のなか——」
「ならねェよ」 と返すサンジは潮風に煙草の煙をフーッと煙を吐く。
ルフィはベッドから 「よっ」 と出るとデッキの手すりに座った。
誘おうとするルフィの思いは本気で、サンジは真面目に答える。
「今回みてェなことがあったんだ……尚更、離れねェよ。 どいつもこいつも頼りにならねェ奴らだからな。 でも、おれもいつか行こうと思ってるぜ “グランドライン” 」
「じゃ、今行こう!」
「まだ、時期じゃねェんだよ……」
やっぱり諦めないルフィにサンジは怒るより、互いに譲れない事に参ったと思って口端で苦笑する。
ルフィに言った通り、行けるなら夢を追いかけたいのが本音だ。
でも放り出してなんて——
(行けねェよ……)
サンジの背後でミコトが動く気配を感じて、顔を上げる。
ミコトはサンジの上着を脱ぐとデッキに向かう。
『サンジ君、ありがとう!』
「ああ」
手渡された上着を受け取るサンジは自分が映るミコトの瞳を見て、あの夜に夢の話をした事を思い出す。
さっと上着を羽織るとサンジはルフィに笑い掛けた。
「お前さ……オールブルーって知ってるか?」
「いや」
「何だ知らねェのかよ。 ミコトちゃんは知ってたぞ」
「そうなのか。 何だよそれ、食いモンか?」
「違ェよ。 奇跡の海の話さ。 その海にはよ——」
サンジはルフィにオールブルーの話を聞かせた。
ミコトは黙って、二人の楽しそうに話す様子を微笑み見ていた。
同じく、サンジの様子をオーナー室のデッキから眺めるゼフも口角をあげて笑う。
「うれしそうな顔しやがって……バカが」
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ヂリン ヂリン ヂリ~ン!
空に食事を知らせるベルの音が響く。
バラティエの二階の店員食堂には、食事に集まるコック達がいた。
サンジとルフィとミコトが食事をしにドアを開けると、さっきまで賑やかだったのに一斉に静まりかえる。
「ん? おい……おれ達の席は?」
「めしは?」
尋ねるサンジとルフィにコック達は 「椅子はねェ、床で食え」 と言った。
様子のおかしさに、言われるままに仕方なく三人は床で食事をする。
突然、パティがサンジの仕込んだスープを 「マズイ! 飲めねェ」 と叫んで、床に捨てた。
サンジは自分の作ったスープが不味いと言われ、怒って立ち上がった。
文句を言い返そうとした時、コック達が次々とスープを捨てる。
「てめェら一体、何のマネだ!」
怒鳴るサンジにゼフもスープを捨てて見せた。
「ジジイ!」
ゼフを睨みつけるサンジ。
ルフィは何が起きているのか分からないから、気にせず食べ続けている。
ミコトは隣で座って黙って見ていた。
(みんな……)
ゼフは床にこぼしたスープを指すと文句をつける。
「オイ、何だこのヘドロみてェなクソまずいスープは! こんなもん、客に出されちゃ店が潰れちまうぜ!」
サンジはゼフに飛びかかり胸倉を掴む。
「フザけんな、クソジジイ! てめェの作ったスープが、これとどう違うってんだよ! 言ってみろ!」
「おれの作ったモンと……? うぬぼれんな!」
ドカッ! とゼフはサンジを殴り飛ばす。
「てめェが、おれに料理を語るのは百年早ェぞチビナス! おれァ、世界の海で料理してきた男だぜ!」
コック達はゼフが殴ったことに驚いた。
蹴る事はあっても、料理する手で殴った事などなかったからだ。
床にいるサンジとゼフは睨み合った。
「……クソ!!」
サンジはどうにもならない怒りを胸に扉をバタン! と激しく閉めると食堂から出て行く。
その場で扉を背に座り込むと食堂の話がもれ聞こえてきた。
食堂では、ルフィがサンジの作ったスープをグビグビと飲んでいる。
「……このスープ、メチャクチャうめェのにっ! なっ、ミコト!」
『……うん。 美味しい』
コック達はサンジのスープが美味しいことなんて百も承知だ。
ただ、サンジに自分の夢を追って欲しいと思い、心にもないことを言ったのだった。
ゼフはルフィにサンジの事を頼んだ。
「こうでもしねェと聞かねェのさ、あのバカは…! ……あのチビナスを一緒に連れてってやってくれねェか……。 “グランドライン” はよ……あいつの夢なんだ」
「サンジを一緒に連れていく……? ……いやだ」
ゼフもコック達も驚いた。
散々、サンジを追いかけて勧誘していたルフィに聞き返す。
「どういうことだ小僧!? 貴様、船にコックが欲しいんじゃねェのか!? あの野郎じゃ不服か」
「不服じゃねェよ。 おれだってあいつに一緒に来て欲しいけどさ、あいつはここでコックを続けたいって言ってるんだ。 おっさん達に言われても、おれは連れてけねェよ」
「あいつの口から直接聞くまで納得できねェってわけか」
ルフィは食べながら 「わけだ」 と答える。
ゼフは眉間に皺をよせて呟いた。
「……まァ当然の筋だな。 だがあのヒネくれたクソガキが素直に行くと言えるかどうか……」
コック達は 「言えるわけねェ」 と笑う声が食堂に響いた。
食堂の外では、サンジは煙草に火をつけると深く吸い込んだ。
「……丸聞こえなんだよ。 ……クソ野郎ども…!!」
お前らだってそうだろと思ったが、自分が素直じゃない事を認めたくなくて、背にする扉に寄りかかって座る。
「……フー…」
紫煙と一緒に、自分の意地も吐き出せたらと海を眺めた。
すると、遠くの海から凄い水飛沫と叫び声をあげて、レストランに向かってくるものが見える。
(な、何だ?)
急激に近づく水飛沫に、嫌な感じがすると眉根が寄る。
「だばばばあば! あばばばだば!」
叫ぶ見覚えのある顔とサメの背びれ。
「ん? ……は? ……!!!」
何が起きているのか、気づいた時にはもう遅い。
サンジが避けられない速さと勢いで迫るヨサクは叫んでいた。
「だばーっ!! あああああ!」
デッキにいるサンジに向かって飛びこむ。
ザボッ……!! ドゴォーン!!
叫びと同時に食堂の壁を壊し、ヨサクがパンザメに半分噛みつかれて突っ込んだ。
補修したばかりなのに、またも壊れるレストラン。
サメの下敷きになってしまったサンジはゆっくり感傷にもふけられないのかと、サメの下から出る。
「くそ…」
突然すぎる出来事に驚くコック達をよそに、ルフィはヨサクの名を呼んだ。
「ヨサク!」
「ああ……。 ルフィの兄貴……!」
ヨサクはよれよれになりながらルフィを見て突っ伏した。