第八章 海上レストラン・バラティエ
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ナミを追いかけるバウンティ丸では、ゾロとウソップとすっかり落ち着いたミコトが話をしていた。
ゾロは結局ミコトに包帯を巻いてもらっている。
「そうだな。 ……実際、ルフィはおれ達を追いかけられんのか? どこ行ったか分かんねェだろ……」
「確かにな。 あの場では……ああは言ったが無理だな。 確実に!」
ゾロとウソップがどうしたものかと考えている様子にミコトは相槌を打つ。
『……そういえば、そうだね』
(……そっか。 みんなはまだ、ナミの目的地は知らないんだ。 バラティエにはヨサクが知らせに来るんだし)
ミコトは成り行きを黙って見守る。
ゾロが思いついたのか尋ねた。
「ミコトが戻って行ったらどうだ? 船の板でも取って、戻れんだろ」
『うん』 とミコトが頷くと、ウソップも賛成だと手を上げた。
「よし、ナミを追いかけるのはおれ達に任せろ! この勇敢なる海の戦士、キャプテーン・ウソップに! いいなミコト!」
ドン! と自分の胸を叩くウソップの姿はミコトの目にはいつにもまして頼もしく見えた。
『……ウソップ、カッコいい!』
「そうだろ! わはははは!」
「…………」
(こいつら……)
緊張感のない二人に呆れるゾロだったが、ミコトに元気が戻っているのを見て笑った。
ゾロの包帯を巻き終わったミコトは立ちあがる。
『それじゃあ、行こうと思うけど、船の屋根の板……本当に貰ってもいいの?』
ミコトはヨサクとジョニーに尋ねる。
「いいっすよ、姉貴!」
「遠慮なく使って下さい!」
『ありがとう』
ミコトは斬り剥がすと笑った。
『じゃ、行ってくるね!』
「おお! こっちは任せておけ! ルフィとコックの事は頼んだぞ!」
『うん!』
ミコトは板を宙に投げると、高く飛びあがり乗る。
そして、水飛沫を上げて空を走った。
「ミコト、海を走るんじゃねェのか!?」
ウソップは驚いて、船の周りを走るミコトに聞く。
『波の抵抗があるし、空の方が早いの! 目立つから、あんまりしたくないけど、海軍も近くにいないみたいだから行くね! ナミのことお願いねーっ!』
明るい笑顔を仲間に見せるミコトはバラティエがある方向に水の道を作りながら去っていく。
ミコトが作った水の道は、空から滝のように落ちて、海に白い波と水煙を起こして消えた。
船に残る四人は茫然とミコトを見送っていた。
ゾロが空を眺めて、ぽつりとこぼす。
「あいつ……目立つどころじゃねェな」
「……だな。 おれ……今、気づいたんだけどさ……」
「なんだ、ウソップ?」
「ミコトがナミを追いかけた方が、早ぇんじゃねェのか?」
「「「あ゛!」」」
互いの顔を見て、——だあああああ~! と盛大な溜息をつく四人だった。
バラティエのヒレの床に、サンジは伏しながら九年前の出来事を思い出し語っていた。
サンジの夢はいつか “オールブルー” を見つける事。
家出をして、幼いサンジが客船でコック見習いをしていた頃、客の残りモンを食べるコック仲間の考えなんて分からなかった。
「あの事件がおきるまでは——」
海賊だったゼフが、サンジの乗った客船を襲ったと同時に嵐にあったのだ。
サンジが波に攫われたところをゼフが海に飛び込んで助けた。
二人の命は助かったが、海にぽつんとある岩山に打ち上げられた。
「おれはジジイから五日分の食料をもらい、ジジイはデカイ袋を持ってた……」
周囲は島影さえ見えない状況で、互いに反対の海を見張って助けを待った。
しかし、五日、十日経っても助けは来なかった。
それでも、いつかはと希望を捨てずに七十日目——通りかかる船はなかった。
喉も肌も乾ききり、空腹などという生易しいものではない状況に正気を保てるわけがない。
「もう、とうに限界を超えてた」
サンジはゼフから食料を奪おうと包丁を持って襲ったが、ゼフの大きい袋には宝しか入ってなかった。
茫然とするサンジはゼフの痩せ細った体を見て震えた。
「ジジイは自分の右足を切って食ってたんだ! おれに食料を全部渡して!」
理由を叫んで聞けば—— “オールブルー” だった。
「同じ夢をおれが持ってるからだって!」
そして、二人は海の上にレストランをつくる話をした。
「八十五日目……おれ達は助かったんだ」
サンジは床に拳を叩きつけ立ち上がる。
「レストランは渡さねェ! クソジジイも殺させねェ……。 たかがガキ一匹生かすために、でけェ代償払いやがったクソ野郎だ。 おれだって死ぬくらいのことしねェと……クソジジイに恩返し出来ねェんだよ!」
コック達はサンジとゼフの関係を知って驚き、同時に自分達の居場所でもあるレストランをサンジと同じ様に守りたいと、戦おうと拳を握りしめた。
その決意を折ろうとパールが声高に叫ぶ。
「ブチのめした奴の勝利! フンばるだけ無駄!」
サンジは無駄な事なんてねェと口端を上げる。
「一時でも長く、ここがレストランで在るためさ」
言ってろとパールは容赦なくサンジを殴る。
止まらない攻撃にサンジは歯をくいしばった。
バラティエのヒレには調子に乗って、笑い暴れるパールの炎が飛び散った。
コック達と海賊達が海水を掛けて消火しているなか、ギンはゼフに銃口を向け、サンジはパールにされるがままだ。
ルフィの目に映るサンジは死ぬまで耐えるつもりなのか。
倒れて失うのなら、命以上の価値なんてない。
生きていれば夢はなくならないと、ルフィは足に力を入れて、ドビュ! と空高く伸ばした。
「んぬううう~っああああ!」
「バカよせ! こいつらに手ェ出すな!」
叫んで止めるサンジを無視してルフィは一気に踵を落とした。
「ゴムゴムの “戦斧” オノ!」
ドバァン! とヒレを砕き壊した。
クリークは怒り、ギンにゼフの頭をブチ抜けと命じれば、ルフィは何でだよという顔だ。
「おい、おれはお前たちに手ェ出してねェぞ! ヒレ割っただけだ」
ギンがゼフを撃つ事に躊躇しているとルフィは告げる。
「この船、沈める」
突然の宣言に海賊からもコック達からも大ブーイングの叫びが海に響いた。
サンジがルフィに飛びつき、肩に掴みかかって怒鳴る。
「てめェ正気か、クソ野郎! おれが今まで何のために、この店で働いてきたと思ってんだ」
「だって、船ぶっ壊せば、あいつらの目的なくなるじゃん」
ルフィの答えにゼフは確かになと唇の端を上げて笑ったが、サンジは違う。
「てめェが、おれの受けた恩のデカさと、この店の何を知ってるんだ!」
「だから、お前は店のために死ぬのかよ! 馬鹿じゃねェのか!?」
ルフィは肩を掴むサンジの手を払い、サンジの胸倉を掴み返す。
「死ぬことは恩返しじゃねェぞ! そんなつもりで助けてくれたんじゃねェ! 生かしてもらって死ぬなんて弱ェ奴のやることだ!」
「じゃあ他にケジメつける方法があんのか!」
サンジも負けずに、ルフィの胸倉を掴んで怒鳴り返した。
ゾロは結局ミコトに包帯を巻いてもらっている。
「そうだな。 ……実際、ルフィはおれ達を追いかけられんのか? どこ行ったか分かんねェだろ……」
「確かにな。 あの場では……ああは言ったが無理だな。 確実に!」
ゾロとウソップがどうしたものかと考えている様子にミコトは相槌を打つ。
『……そういえば、そうだね』
(……そっか。 みんなはまだ、ナミの目的地は知らないんだ。 バラティエにはヨサクが知らせに来るんだし)
ミコトは成り行きを黙って見守る。
ゾロが思いついたのか尋ねた。
「ミコトが戻って行ったらどうだ? 船の板でも取って、戻れんだろ」
『うん』 とミコトが頷くと、ウソップも賛成だと手を上げた。
「よし、ナミを追いかけるのはおれ達に任せろ! この勇敢なる海の戦士、キャプテーン・ウソップに! いいなミコト!」
ドン! と自分の胸を叩くウソップの姿はミコトの目にはいつにもまして頼もしく見えた。
『……ウソップ、カッコいい!』
「そうだろ! わはははは!」
「…………」
(こいつら……)
緊張感のない二人に呆れるゾロだったが、ミコトに元気が戻っているのを見て笑った。
ゾロの包帯を巻き終わったミコトは立ちあがる。
『それじゃあ、行こうと思うけど、船の屋根の板……本当に貰ってもいいの?』
ミコトはヨサクとジョニーに尋ねる。
「いいっすよ、姉貴!」
「遠慮なく使って下さい!」
『ありがとう』
ミコトは斬り剥がすと笑った。
『じゃ、行ってくるね!』
「おお! こっちは任せておけ! ルフィとコックの事は頼んだぞ!」
『うん!』
ミコトは板を宙に投げると、高く飛びあがり乗る。
そして、水飛沫を上げて空を走った。
「ミコト、海を走るんじゃねェのか!?」
ウソップは驚いて、船の周りを走るミコトに聞く。
『波の抵抗があるし、空の方が早いの! 目立つから、あんまりしたくないけど、海軍も近くにいないみたいだから行くね! ナミのことお願いねーっ!』
明るい笑顔を仲間に見せるミコトはバラティエがある方向に水の道を作りながら去っていく。
ミコトが作った水の道は、空から滝のように落ちて、海に白い波と水煙を起こして消えた。
船に残る四人は茫然とミコトを見送っていた。
ゾロが空を眺めて、ぽつりとこぼす。
「あいつ……目立つどころじゃねェな」
「……だな。 おれ……今、気づいたんだけどさ……」
「なんだ、ウソップ?」
「ミコトがナミを追いかけた方が、早ぇんじゃねェのか?」
「「「あ゛!」」」
互いの顔を見て、——だあああああ~! と盛大な溜息をつく四人だった。
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バラティエのヒレの床に、サンジは伏しながら九年前の出来事を思い出し語っていた。
サンジの夢はいつか “オールブルー” を見つける事。
家出をして、幼いサンジが客船でコック見習いをしていた頃、客の残りモンを食べるコック仲間の考えなんて分からなかった。
「あの事件がおきるまでは——」
海賊だったゼフが、サンジの乗った客船を襲ったと同時に嵐にあったのだ。
サンジが波に攫われたところをゼフが海に飛び込んで助けた。
二人の命は助かったが、海にぽつんとある岩山に打ち上げられた。
「おれはジジイから五日分の食料をもらい、ジジイはデカイ袋を持ってた……」
周囲は島影さえ見えない状況で、互いに反対の海を見張って助けを待った。
しかし、五日、十日経っても助けは来なかった。
それでも、いつかはと希望を捨てずに七十日目——通りかかる船はなかった。
喉も肌も乾ききり、空腹などという生易しいものではない状況に正気を保てるわけがない。
「もう、とうに限界を超えてた」
サンジはゼフから食料を奪おうと包丁を持って襲ったが、ゼフの大きい袋には宝しか入ってなかった。
茫然とするサンジはゼフの痩せ細った体を見て震えた。
「ジジイは自分の右足を切って食ってたんだ! おれに食料を全部渡して!」
理由を叫んで聞けば—— “オールブルー” だった。
「同じ夢をおれが持ってるからだって!」
そして、二人は海の上にレストランをつくる話をした。
「八十五日目……おれ達は助かったんだ」
サンジは床に拳を叩きつけ立ち上がる。
「レストランは渡さねェ! クソジジイも殺させねェ……。 たかがガキ一匹生かすために、でけェ代償払いやがったクソ野郎だ。 おれだって死ぬくらいのことしねェと……クソジジイに恩返し出来ねェんだよ!」
コック達はサンジとゼフの関係を知って驚き、同時に自分達の居場所でもあるレストランをサンジと同じ様に守りたいと、戦おうと拳を握りしめた。
その決意を折ろうとパールが声高に叫ぶ。
「ブチのめした奴の勝利! フンばるだけ無駄!」
サンジは無駄な事なんてねェと口端を上げる。
「一時でも長く、ここがレストランで在るためさ」
言ってろとパールは容赦なくサンジを殴る。
止まらない攻撃にサンジは歯をくいしばった。
バラティエのヒレには調子に乗って、笑い暴れるパールの炎が飛び散った。
コック達と海賊達が海水を掛けて消火しているなか、ギンはゼフに銃口を向け、サンジはパールにされるがままだ。
ルフィの目に映るサンジは死ぬまで耐えるつもりなのか。
倒れて失うのなら、命以上の価値なんてない。
生きていれば夢はなくならないと、ルフィは足に力を入れて、ドビュ! と空高く伸ばした。
「んぬううう~っああああ!」
「バカよせ! こいつらに手ェ出すな!」
叫んで止めるサンジを無視してルフィは一気に踵を落とした。
「ゴムゴムの “戦斧” オノ!」
ドバァン! とヒレを砕き壊した。
クリークは怒り、ギンにゼフの頭をブチ抜けと命じれば、ルフィは何でだよという顔だ。
「おい、おれはお前たちに手ェ出してねェぞ! ヒレ割っただけだ」
ギンがゼフを撃つ事に躊躇しているとルフィは告げる。
「この船、沈める」
突然の宣言に海賊からもコック達からも大ブーイングの叫びが海に響いた。
サンジがルフィに飛びつき、肩に掴みかかって怒鳴る。
「てめェ正気か、クソ野郎! おれが今まで何のために、この店で働いてきたと思ってんだ」
「だって、船ぶっ壊せば、あいつらの目的なくなるじゃん」
ルフィの答えにゼフは確かになと唇の端を上げて笑ったが、サンジは違う。
「てめェが、おれの受けた恩のデカさと、この店の何を知ってるんだ!」
「だから、お前は店のために死ぬのかよ! 馬鹿じゃねェのか!?」
ルフィは肩を掴むサンジの手を払い、サンジの胸倉を掴み返す。
「死ぬことは恩返しじゃねェぞ! そんなつもりで助けてくれたんじゃねェ! 生かしてもらって死ぬなんて弱ェ奴のやることだ!」
「じゃあ他にケジメつける方法があんのか!」
サンジも負けずに、ルフィの胸倉を掴んで怒鳴り返した。