第八章 海上レストラン・バラティエ
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ホールに入って来たのはクリーク海賊艦隊戦闘総隊長のギン。
短い黒髪に青と白の縞のバンダナをしている海賊は頬がこけて痩せていた。
床にいるフルボディの横を通り、逃げた客の席にドカッ……! と座って背もたれに寄りかかった。
「お客様一名入りました」
この異常な状況で慌てる様子もなく接客に応じるパティ。
ゼフも落ち着いていて、海賊の登場に溜息をついただけだ。
「また、おれの店で暴れようって輩じゃねェだろうな……」
「…………」
サンジはタバコの煙を吐き出しながら、ギンの様子を黙って見ている。
その目は同情か警戒か——ミコトがサンジに視線を向けた時、静まり返るホールでギンが尋ねた。
「何でもいい……。 メシを持って来い……ここはレストランだろう!?」
「代金をお持ちで?」 と手もみをして応じたのは笑顔のパティで、ギンはねじり鉢巻きをする額に銃を突きつけた。
「鉛でいいか?」
「金は無イんですね?」
当たり前だろと上がるギンの口端にパティは表情を一変させ、両手を組み両腕を真っ直ぐ天井に掲げた。
容赦なく打ち下ろし、ガーン! という凄い音ともにギンを座っていた椅子ごと殴った。
「代金払えねェなら……客じゃねェ!」
砕けた椅子に倒れ込むギン。
客達やコック達からはパティの強さと頼もしさに歓声が上がる中、フルボディは体を引きずりながら、報告に来た海兵と彼女を連れて船に逃げる。
「もう、いやだ。 こんな、レストランにいつまでも居れるか……」
その後、フルボディは海賊をレストランに置いて逃げ去るという、海軍大尉としてあるまじき行動をした責任を問われ、海軍本部三等兵へと降格処分となったのだった。
さて、ギンはというと、空腹で鳴る腹を抱えながら起き上り、再度パティに注文する。
「……メシを持って来い」
「客じゃねェ奴ァ、消え失せろ! 金もねェ海賊なんかにゃ! 残飯だろうと食わせねェ!」
パティはギンの腹を何度も蹴り上げた。
誰も止めないのは海賊だからだ。
海賊のせいで家族や財産、住む家や土地を奪われている人々は大勢いる。
ルフィとゾロは黙って見つめ、ウソップは自分達が海賊だと知られて同じ目に遭うんじゃないかとびくびくしている。
ナミの感情を隠した目はただ蹴られ続けるギンを見ていた。
ミコトは煙草を吸うサンジの止める素振りのない様子に顔を俯かせた。
(……分かってるけど——)
ギンの呻き声をこれ以上聞きたくなくて、席を立ちあがりパティを止めた。
『もう、やめて! 彼の食事代は私が払います!』
ホール中の人々が注目し、パティのギンを蹴る足は止まる。
一気に注目され、海賊を庇うなんて——という視線にミコトは焦った。
『…………』
(あ……止めてしまった)
また、やらかしてしまったと思っても、起きてしまった事は戻せない。
どうしたらいいのかと困って、棒立ちのミコトだ。
ルフィは何で止めたのかと不思議そうにミコトを見つめ、ゾロ、ナミ、ウソップは “何、首を突っ込んでんだミコトは” ——という表情を浮かべている。
床で腹を抱えて倒れているギンも驚いていた。
まさか、海賊の自分を庇う人物いるとは思ってもいなかったからだ。
パティが沈黙を破りミコトに聞く。
「お客様が支払いをして下さるので?」
『払うわ! だから、何か食べさせてやって!』
「いいでしょう。 しかし……こいつは銃で脅すような奴だ。 ここで食べられるの迷惑! それに、こんな奴に食わせる料理もコックも……ここにはいねェですよ。 お客様!」
パティはホールに集まるコック達を見渡すとコック達は頷き、客達からは 「そうだ! そうだ!」 と声が聞こえてくる。
ミコトは何を言ってもギンに食事をさせる事が出来ない雰囲気に、途方に暮れて、自分の足元を見た。
(……どうしよう)
海賊に食事を施すなんて、ミコトの行動の方がおかしいと非難する声も聞こえはじめ、ゾロが眉根を寄せた。
黙らせようと声を上げようとした時、サンジが動いた。
「パティ、もういいだろ」
サンジの声についさっき海軍大尉を血だらけにした姿が過り、客達は黙った。
カツン、カツン……とサンジの足音がシン……としたホールに響く。
「フー…!」
煙草の煙を吐くと、横たわるギンの側に立つ。
「……立てるか? 海賊……」
「おい! サンジ、何すんだ?」
途端に止めようとするパティにサンジは言う。
「外に追い出す……それでいいだろ。 来いよ!」
サンジはギンの腕を掴むと引っ張り上げた。
「離せ! おい……」
もがくギンに、サンジは肩を貸しながら小声で話した。
「……とりあえず、外に出ろ。 おれがお前に食わせてやる」
ギンは目を見開くと黙って歩いた。
二人がホールから消えると、パティが笑顔を見せて大きい声で叫ぶ。
「お騒がせしました! お客様!」
次々に安堵の息をついて、客達は席に戻っていった。
ミコトもまた席に着くと、息をついて微笑した。
(なんとかなって……良かった)
ゾロがミコトの様子を不思議に感じた。
「いいのか……? あの海賊、追い出されたぞ」
『うん、いいの。 きっと、あのコックさんが食べさせてくれてるから』
ルフィも興味があるのかミコトに尋ねる。
「そうなのか?」
『さっき、小声で話しているのが聞こえたから……大丈夫』
「へー、ちょっと、おれ見てくる!」
ルフィは走ってホールを出て行くと 「おれも」 と言って、ウソップも気になったのか、後に続いた。
ナミは去って行く二人を横目で見ると息を吐いた。
「はあ~、何か……疲れたわ。 とにかく食事しましょ! ミコトは何にするの?」
『えっと……』
「そうだな。 おれも腹減った」
ナミとミコトとゾロはメニューをひろげた。
短い黒髪に青と白の縞のバンダナをしている海賊は頬がこけて痩せていた。
床にいるフルボディの横を通り、逃げた客の席にドカッ……! と座って背もたれに寄りかかった。
「お客様一名入りました」
この異常な状況で慌てる様子もなく接客に応じるパティ。
ゼフも落ち着いていて、海賊の登場に溜息をついただけだ。
「また、おれの店で暴れようって輩じゃねェだろうな……」
「…………」
サンジはタバコの煙を吐き出しながら、ギンの様子を黙って見ている。
その目は同情か警戒か——ミコトがサンジに視線を向けた時、静まり返るホールでギンが尋ねた。
「何でもいい……。 メシを持って来い……ここはレストランだろう!?」
「代金をお持ちで?」 と手もみをして応じたのは笑顔のパティで、ギンはねじり鉢巻きをする額に銃を突きつけた。
「鉛でいいか?」
「金は無イんですね?」
当たり前だろと上がるギンの口端にパティは表情を一変させ、両手を組み両腕を真っ直ぐ天井に掲げた。
容赦なく打ち下ろし、ガーン! という凄い音ともにギンを座っていた椅子ごと殴った。
「代金払えねェなら……客じゃねェ!」
砕けた椅子に倒れ込むギン。
客達やコック達からはパティの強さと頼もしさに歓声が上がる中、フルボディは体を引きずりながら、報告に来た海兵と彼女を連れて船に逃げる。
「もう、いやだ。 こんな、レストランにいつまでも居れるか……」
その後、フルボディは海賊をレストランに置いて逃げ去るという、海軍大尉としてあるまじき行動をした責任を問われ、海軍本部三等兵へと降格処分となったのだった。
さて、ギンはというと、空腹で鳴る腹を抱えながら起き上り、再度パティに注文する。
「……メシを持って来い」
「客じゃねェ奴ァ、消え失せろ! 金もねェ海賊なんかにゃ! 残飯だろうと食わせねェ!」
パティはギンの腹を何度も蹴り上げた。
誰も止めないのは海賊だからだ。
海賊のせいで家族や財産、住む家や土地を奪われている人々は大勢いる。
ルフィとゾロは黙って見つめ、ウソップは自分達が海賊だと知られて同じ目に遭うんじゃないかとびくびくしている。
ナミの感情を隠した目はただ蹴られ続けるギンを見ていた。
ミコトは煙草を吸うサンジの止める素振りのない様子に顔を俯かせた。
(……分かってるけど——)
ギンの呻き声をこれ以上聞きたくなくて、席を立ちあがりパティを止めた。
『もう、やめて! 彼の食事代は私が払います!』
ホール中の人々が注目し、パティのギンを蹴る足は止まる。
一気に注目され、海賊を庇うなんて——という視線にミコトは焦った。
『…………』
(あ……止めてしまった)
また、やらかしてしまったと思っても、起きてしまった事は戻せない。
どうしたらいいのかと困って、棒立ちのミコトだ。
ルフィは何で止めたのかと不思議そうにミコトを見つめ、ゾロ、ナミ、ウソップは “何、首を突っ込んでんだミコトは” ——という表情を浮かべている。
床で腹を抱えて倒れているギンも驚いていた。
まさか、海賊の自分を庇う人物いるとは思ってもいなかったからだ。
パティが沈黙を破りミコトに聞く。
「お客様が支払いをして下さるので?」
『払うわ! だから、何か食べさせてやって!』
「いいでしょう。 しかし……こいつは銃で脅すような奴だ。 ここで食べられるの迷惑! それに、こんな奴に食わせる料理もコックも……ここにはいねェですよ。 お客様!」
パティはホールに集まるコック達を見渡すとコック達は頷き、客達からは 「そうだ! そうだ!」 と声が聞こえてくる。
ミコトは何を言ってもギンに食事をさせる事が出来ない雰囲気に、途方に暮れて、自分の足元を見た。
(……どうしよう)
海賊に食事を施すなんて、ミコトの行動の方がおかしいと非難する声も聞こえはじめ、ゾロが眉根を寄せた。
黙らせようと声を上げようとした時、サンジが動いた。
「パティ、もういいだろ」
サンジの声についさっき海軍大尉を血だらけにした姿が過り、客達は黙った。
カツン、カツン……とサンジの足音がシン……としたホールに響く。
「フー…!」
煙草の煙を吐くと、横たわるギンの側に立つ。
「……立てるか? 海賊……」
「おい! サンジ、何すんだ?」
途端に止めようとするパティにサンジは言う。
「外に追い出す……それでいいだろ。 来いよ!」
サンジはギンの腕を掴むと引っ張り上げた。
「離せ! おい……」
もがくギンに、サンジは肩を貸しながら小声で話した。
「……とりあえず、外に出ろ。 おれがお前に食わせてやる」
ギンは目を見開くと黙って歩いた。
二人がホールから消えると、パティが笑顔を見せて大きい声で叫ぶ。
「お騒がせしました! お客様!」
次々に安堵の息をついて、客達は席に戻っていった。
ミコトもまた席に着くと、息をついて微笑した。
(なんとかなって……良かった)
ゾロがミコトの様子を不思議に感じた。
「いいのか……? あの海賊、追い出されたぞ」
『うん、いいの。 きっと、あのコックさんが食べさせてくれてるから』
ルフィも興味があるのかミコトに尋ねる。
「そうなのか?」
『さっき、小声で話しているのが聞こえたから……大丈夫』
「へー、ちょっと、おれ見てくる!」
ルフィは走ってホールを出て行くと 「おれも」 と言って、ウソップも気になったのか、後に続いた。
ナミは去って行く二人を横目で見ると息を吐いた。
「はあ~、何か……疲れたわ。 とにかく食事しましょ! ミコトは何にするの?」
『えっと……』
「そうだな。 おれも腹減った」
ナミとミコトとゾロはメニューをひろげた。