第八章 海上レストラン・バラティエ
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ウソップの大声がメリー号に響いた。
「おい、やべェぞ! あの野郎、大砲でこっち狙ってやがる!」
全員が何っ!? と海軍の船を見つめた。
ミコトはそうだった!? と顔を上げて考えを巡らす。
(どうする? ……砲弾を止める? もうレストランには行くんだし、オーナー室が壊れることはないよね! うん……!)
ドウン……! と撃たれた砲弾。
「撃ちやがったァ~っ!」
ウソップの慌てて叫ぶ声の直後に、ルフィが息を吸い込もうとするのをミコトは止める。
『ダメ! ルフィ! 任せて!』
「え? なんだ……」
ミコトは叫ぶと同時に動き、甲板にあるゾロの刀を一振り掴むと走った。
『ゾロ、借りるね!』
「あ?」
ゾロが走り過ぎるミコトを見た時には、ミコトは船首に向かって飛び上がり、飛んできた砲弾を一刀両断する。
ガラン、ゴロン……! と甲板には二つに割れた砲弾が落ちた。
ミコトは軽い足音を鳴らし着地した。
大砲を撃った海軍も、見守るルフィ達も何が起きた!? と驚いている。
ゾロは信じられないという顔でミコトを見つめた。
(あいつ、砲弾を……!)
フルボディは斬られたことに、怒りを露わに 「撃て撃て撃て!」 と叫んだ。
海兵は命令通り、次々と撃つがミコトに、ことごとく半分にされる。
フルボディが苦虫を噛んだところで、再び女性の声が聞こえ、口端をあげた。
「フン! おれが休みで助かったな海賊達。 これで勘弁してやる」
ルフィ達に再び同じ捨て台詞を吐くと、レストランに向かった。
フルボディの言う事など全く聞いていないルフィは興奮していた。
「ミコト! すげーな! 砲弾を斬っちゃうなんて! カッコいいぞ!」
「ホントにすげーよ! あんなの初めて見るぜ!」
ミコトはルフィとウソップに笑うと、刀を鞘に納めてゾロに返した。
『ありがとう、ゾロ』
「お前……刀も使えるのか?」
『うん』
「何で、刀持ってねェんだ?」
『今、武器屋に預けてあるから……手元にはないの。 それに剣は少し苦手なの。 剣の先生には “まだまだ” って言われてるんだよ。 はあ……』
ミコトはゾロに言うと溜め息をついて、がっくりと項垂れた。
ゾロは肩を落とすミコトを (あれで苦手なのか……) と黙って見つめる。
「すごいっスね! ミコトの姉貴は……何モンなんスかねェ」
ヨサクとジョニーが呑気に倒れたままで話している側では、ナミがゾロとミコトの話を耳にして考えていた。
(ミコトって本当に強いわ。 ……あいつも倒せるほど強いの?)
「ミコトは……」
『なあに?』
呼びかけに振り向くミコトにナミは自分の考えを消すように首をふる。
「……なんでもないわ」
ルフィが片手をあげて声をあげた。
「よし、ちょうど腹も減ったし、レストランに食いにいこう!」
メリー号はレストランに向かった。
海上レストラン “バラティエ” は食事を楽しむ人達で賑わっていた。
その中でも、一際目立つカップルがワインを味わう。
フルボディがワイングラスを持ち、揺らしながら語る様子に、周りの客は感心している。
そこに黒いスーツを着たウエイターがスープを出しに来た。
さらりとした金髪の前髪を横で分けて、左目を隠した男の名はサンジだ。
フルボディはワインの銘柄を言い当ててみせると得意気な顔で、サンジに尋ねた。
「軽い酸味にコクのある辛口……このワインはイテュルツブルガー・シュタインだな! 違うかウエイター?」
咥えタバコに、頭と右手にスープを乗せて持つサンジの一言。
「クソ違います。 お客様」
「!?」
自信満々で間違えたフルボディ。
彼女からクスと笑われ、周囲からも失笑され、赤面して、どうなってんだ!? と俯いた。
(確かにおれは今のワインを出せとオーナーに予約入れといたハズだぜ!)
眉間に皺を寄せるフルボディの上から、サンジはすました声で答えながら皿を置く。
「ちなみに私は副料理長。 ウエイターは昨日全員逃げ出しまして、スープです。 熱いうちにどうぞ!」
サンジの右のくるんと巻き上がった眉と口端に、フルボディはわざと恥をかかせやがったなと怒るが、サンジからしたら 「ウエイター?」 と聞かれたから 「違う」 と答えただけだ。
そして、料理に合うワインにサンジが勝手に変更したから、銘柄は当たってない。
フルボディは去っていくサンジの後ろ姿を睨んだ。
一方、ルフィ達は船番をヨサクとジョニーに任せて、レストランに入るとテーブルに案内される。
時計回りにルフィ、ゾロ、ウソップ、ナミ、ミコトと席に座った。
ルフィとウソップはキョロキョロと店内を見て、ワクワクしながらメニューを見る。
「すげー旨そうな店だな。 いいコックがいそうだな!」
「何食べるかな~」
ゾロもまたホールを見回しているが、その目は訝しんだ。
ホールの広さや客の人数に対して、給仕をしている人達が極端に少ないからだ。
「それにしても……店の人間がすくねェな」
「ホントね。 なんでかしら?」
『……何でだろうね』
ゾロの呟きにナミが問いかけ、ミコトがおかしいねと相槌をうって視線を泳がせる。
ナミはミコトの目の動きを追うと、フルボディに気付いた。
「あそこ見て! さっきの大尉じゃないの」
「あ、ホントだ」
フルボディを見るルフィに、ナミは小声で即座に注意した。
「ルフィ! こんなところで暴れないでよ」
ルフィ達がいる事に、サンジに怒るフルボディはまだ気付いていない。
どうにかして報復したいと思いついた嫌がらせは、スープに虫を入れて店の評判を下げるというものだ。
スープを味わう彼女に気づかれないように虫を入れると、フルボディは大声で呼んだ。
「ウエイター!」
サンジは呼ばれて、仕方ないとテーブルにつくが、フルボディの彼女をナンパする。
「ウエイターじゃねェっつってんでしょ——しかし、きれいな人だなァ。 どうです、おねーさん。 おれと向こうで、ワインでも飲みませんか? 上等なのがあるんだ」
「え……」 と頬に手を添える彼女もまんざらでもない様子で、フルボディはイラついた。
(へらへら笑っていられんのも今だけだ……!)
「おい! この店はこんな虫入りのスープを客に出すのか?」
フルボディは澄んだコンソメスープに浮かぶ虫を指差して怒鳴った。
ホールに響く声にルフィ達や周りの客も何かあったのかと見たタイミングで、フルボディは問いただす。
「一体、何なんだこの虫は!」
サンジは 「虫……?」 とスープを覗いて、呆れた溜息を飲み込み、素知らぬ顔で答える。
「すいません……お客さん、わかりません。 昆虫には、あまり詳しくないもので」
その途端、ホールは爆笑の渦に変わる。
フルボディの彼女まで吹き出す始末に、フルボディは羞恥と怒りで震え、メリケンサックをはめる右拳を握りしめた。
離れた席に座るルフィもまたサンジの受け答えに笑っていた。
「面白い奴だな! あいつなんかどうかな?」
「ウエイターじゃねぇのか? 必要なのはコックだろ」
頬杖をついてメニューを見ていたゾロが言うとルフィは肩を落とした。
「そっかー……残念だな」
ゾロと話すルフィに、ミコトはホッ…として息を吐いた。
(良かった。 ルフィが興味持ってくれて……。 ちょっと不安だったんだよね)
「おい、やべェぞ! あの野郎、大砲でこっち狙ってやがる!」
全員が何っ!? と海軍の船を見つめた。
ミコトはそうだった!? と顔を上げて考えを巡らす。
(どうする? ……砲弾を止める? もうレストランには行くんだし、オーナー室が壊れることはないよね! うん……!)
ドウン……! と撃たれた砲弾。
「撃ちやがったァ~っ!」
ウソップの慌てて叫ぶ声の直後に、ルフィが息を吸い込もうとするのをミコトは止める。
『ダメ! ルフィ! 任せて!』
「え? なんだ……」
ミコトは叫ぶと同時に動き、甲板にあるゾロの刀を一振り掴むと走った。
『ゾロ、借りるね!』
「あ?」
ゾロが走り過ぎるミコトを見た時には、ミコトは船首に向かって飛び上がり、飛んできた砲弾を一刀両断する。
ガラン、ゴロン……! と甲板には二つに割れた砲弾が落ちた。
ミコトは軽い足音を鳴らし着地した。
大砲を撃った海軍も、見守るルフィ達も何が起きた!? と驚いている。
ゾロは信じられないという顔でミコトを見つめた。
(あいつ、砲弾を……!)
フルボディは斬られたことに、怒りを露わに 「撃て撃て撃て!」 と叫んだ。
海兵は命令通り、次々と撃つがミコトに、ことごとく半分にされる。
フルボディが苦虫を噛んだところで、再び女性の声が聞こえ、口端をあげた。
「フン! おれが休みで助かったな海賊達。 これで勘弁してやる」
ルフィ達に再び同じ捨て台詞を吐くと、レストランに向かった。
フルボディの言う事など全く聞いていないルフィは興奮していた。
「ミコト! すげーな! 砲弾を斬っちゃうなんて! カッコいいぞ!」
「ホントにすげーよ! あんなの初めて見るぜ!」
ミコトはルフィとウソップに笑うと、刀を鞘に納めてゾロに返した。
『ありがとう、ゾロ』
「お前……刀も使えるのか?」
『うん』
「何で、刀持ってねェんだ?」
『今、武器屋に預けてあるから……手元にはないの。 それに剣は少し苦手なの。 剣の先生には “まだまだ” って言われてるんだよ。 はあ……』
ミコトはゾロに言うと溜め息をついて、がっくりと項垂れた。
ゾロは肩を落とすミコトを (あれで苦手なのか……) と黙って見つめる。
「すごいっスね! ミコトの姉貴は……何モンなんスかねェ」
ヨサクとジョニーが呑気に倒れたままで話している側では、ナミがゾロとミコトの話を耳にして考えていた。
(ミコトって本当に強いわ。 ……あいつも倒せるほど強いの?)
「ミコトは……」
『なあに?』
呼びかけに振り向くミコトにナミは自分の考えを消すように首をふる。
「……なんでもないわ」
ルフィが片手をあげて声をあげた。
「よし、ちょうど腹も減ったし、レストランに食いにいこう!」
メリー号はレストランに向かった。
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海上レストラン “バラティエ” は食事を楽しむ人達で賑わっていた。
その中でも、一際目立つカップルがワインを味わう。
フルボディがワイングラスを持ち、揺らしながら語る様子に、周りの客は感心している。
そこに黒いスーツを着たウエイターがスープを出しに来た。
さらりとした金髪の前髪を横で分けて、左目を隠した男の名はサンジだ。
フルボディはワインの銘柄を言い当ててみせると得意気な顔で、サンジに尋ねた。
「軽い酸味にコクのある辛口……このワインはイテュルツブルガー・シュタインだな! 違うかウエイター?」
咥えタバコに、頭と右手にスープを乗せて持つサンジの一言。
「クソ違います。 お客様」
「!?」
自信満々で間違えたフルボディ。
彼女からクスと笑われ、周囲からも失笑され、赤面して、どうなってんだ!? と俯いた。
(確かにおれは今のワインを出せとオーナーに予約入れといたハズだぜ!)
眉間に皺を寄せるフルボディの上から、サンジはすました声で答えながら皿を置く。
「ちなみに私は副料理長。 ウエイターは昨日全員逃げ出しまして、スープです。 熱いうちにどうぞ!」
サンジの右のくるんと巻き上がった眉と口端に、フルボディはわざと恥をかかせやがったなと怒るが、サンジからしたら 「ウエイター?」 と聞かれたから 「違う」 と答えただけだ。
そして、料理に合うワインにサンジが勝手に変更したから、銘柄は当たってない。
フルボディは去っていくサンジの後ろ姿を睨んだ。
一方、ルフィ達は船番をヨサクとジョニーに任せて、レストランに入るとテーブルに案内される。
時計回りにルフィ、ゾロ、ウソップ、ナミ、ミコトと席に座った。
ルフィとウソップはキョロキョロと店内を見て、ワクワクしながらメニューを見る。
「すげー旨そうな店だな。 いいコックがいそうだな!」
「何食べるかな~」
ゾロもまたホールを見回しているが、その目は訝しんだ。
ホールの広さや客の人数に対して、給仕をしている人達が極端に少ないからだ。
「それにしても……店の人間がすくねェな」
「ホントね。 なんでかしら?」
『……何でだろうね』
ゾロの呟きにナミが問いかけ、ミコトがおかしいねと相槌をうって視線を泳がせる。
ナミはミコトの目の動きを追うと、フルボディに気付いた。
「あそこ見て! さっきの大尉じゃないの」
「あ、ホントだ」
フルボディを見るルフィに、ナミは小声で即座に注意した。
「ルフィ! こんなところで暴れないでよ」
ルフィ達がいる事に、サンジに怒るフルボディはまだ気付いていない。
どうにかして報復したいと思いついた嫌がらせは、スープに虫を入れて店の評判を下げるというものだ。
スープを味わう彼女に気づかれないように虫を入れると、フルボディは大声で呼んだ。
「ウエイター!」
サンジは呼ばれて、仕方ないとテーブルにつくが、フルボディの彼女をナンパする。
「ウエイターじゃねェっつってんでしょ——しかし、きれいな人だなァ。 どうです、おねーさん。 おれと向こうで、ワインでも飲みませんか? 上等なのがあるんだ」
「え……」 と頬に手を添える彼女もまんざらでもない様子で、フルボディはイラついた。
(へらへら笑っていられんのも今だけだ……!)
「おい! この店はこんな虫入りのスープを客に出すのか?」
フルボディは澄んだコンソメスープに浮かぶ虫を指差して怒鳴った。
ホールに響く声にルフィ達や周りの客も何かあったのかと見たタイミングで、フルボディは問いただす。
「一体、何なんだこの虫は!」
サンジは 「虫……?」 とスープを覗いて、呆れた溜息を飲み込み、素知らぬ顔で答える。
「すいません……お客さん、わかりません。 昆虫には、あまり詳しくないもので」
その途端、ホールは爆笑の渦に変わる。
フルボディの彼女まで吹き出す始末に、フルボディは羞恥と怒りで震え、メリケンサックをはめる右拳を握りしめた。
離れた席に座るルフィもまたサンジの受け答えに笑っていた。
「面白い奴だな! あいつなんかどうかな?」
「ウエイターじゃねぇのか? 必要なのはコックだろ」
頬杖をついてメニューを見ていたゾロが言うとルフィは肩を落とした。
「そっかー……残念だな」
ゾロと話すルフィに、ミコトはホッ…として息を吐いた。
(良かった。 ルフィが興味持ってくれて……。 ちょっと不安だったんだよね)