第八章 海上レストラン・バラティエ
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メリー号は風を受けて元気よく海をゆく。
五人は朝食後の甲板で、それぞれ過ごしていた。
ルフィは大きい白い布を甲板に広げて、夢中で何か描いている。
ゾロは腕立て伏せ、ナミは “世界の黄金史” の本を読んで調べていた。
ウソップとミコトは欄干で海を見ながら、話をしていた。
「そういえばさ、ミコトは本当にあの “賞金狩りのシロ” なのか?」
聞こえた話にナミも本に栞を挟んで閉じると加わった。
「あ! 私も、その話したかったんだよね。 で、どうなの?」
ゾロも気になるのか、チラッ……と三人を見た。
『そうだよ』 と頷くミコトに、ウソップは疑問に思ってた事を続けて尋ねる。
誰もが知りたいと思っている仮面をする賞金稼ぎの素顔。
「ふーん。 じゃあ、なんで仮面なんかすんだ? 名前だって違うだろ」
『そっ、それは師匠が—— 「お前は黙っていれば年相応で、大人に見えるが口を開くといまいち自信がなさそうで子供っぽい。 仮面をつけて顔を隠したらどうだ」 って言って……。 だから、つけてたんだよ』
ウソップとナミは 「「あー、なるほど!!」」 と声を揃え、ゾロはそうだろうなと無言で腕立てを続けながら納得した。
ミコトはみんなの反応に、少しいじけながらも話を続けた。
『……納得しちゃうんだ。 あとは 「隠してたほうが面白そう!」 とかかな。 それから、仮面の話の流れで、顔も隠すなら名前も偽名にしたらどうだってことになって、この通り白いから……シロでいいかみたいな』
案外、真実というものは単純なのかもしれない。
「へー」
ウソップはミコトを見る。
「ミコト、お前って結構、人に流されやすいのな」
『……そうかな?』
ミコトに自覚はないが、そうなのかもしれないと考え始めている時点で、三人はそういうところだ——と思ったが、言わなかった。
ナミが微妙な間に一呼吸入れて、今度は聞いた。
「ミコトって何才なの?」
『十九だよ!』
「えーっ! 見えない! 私より一つ上だったの!?」
「おれも……。 同い年くらいかと思ったぜ……」
『そんなに驚かなくても……』
ナミとウソップはミコトの年齢に驚き、ゾロも腕を伸ばした位置で止めると、まじまじとミコトを見た。
(あいつ、おれとタメなのか……どう見ても年下だろっ! ……ありえねェ)
ウソップがまたミコトに質問しようとした時、ルフィの声がした。
「ミコトの腰のうしろにある——」
「できたぞ! 海賊旗!」
「わははは!」 と大声で笑いながら、みんなに海賊旗を広げて見せる。
四人が振り向いた先には、言葉では言い表せない歪んで曲がった麦わら帽子の海賊マーク。
思わず無言になってしまうという、破壊力のある海賊旗なことは確かだった。
「ちゃんと考えてあったんだ。 おれたちのマーク!」
ルフィは仕事をやり遂げて、満足そうな笑みを浮かべた。
褒めてくれと言わんばかりの表情だ。
ゾロは腕を組んで茫然と海賊旗を見つめた。
「お…おれたちの…」
ウソップはガボーン……と開いた口で頷く。
「コイツには……つまり絵心ってもんがないんだな」
「ううん……。 もしかして、これって芸術なんじゃないかしら」
眺めるナミとミコトは微妙な表情を浮かべた。
『……うーん』
(実物はなんていうか……)
ウソップが肩を上げて息を吐くと、仕方ねェなという調子で、ルフィの使っていた筆をとる。
「海賊旗は “死の象徴” のハズだろ? まァ、ある意味…恐怖だけどよ。 お前は下手クソだルフィ! おれが描く!」
そう言うとウソップは描きなおした……自分のマークに。
「「マーク変わってんじゃねェか!」」
すぐにウソップの後頭部にルフィとゾロのツッコミが入り、再び描きなおされる海賊旗。
筆を振り上げウソップは 「こんなとこか」 と仲間に披露した。
「うん! 上手いっ!」
ナミは笑顔で褒める。
「同じマークとは思えねェな」
ゾロも納得の出来でいいじゃねェかと笑った。
『ほんと、ウソップ上手!』
ミコトは手を一つ叩いて喜んだ。
「いいな! あと帆にも描こう!」
ルフィも気に入ったようで満足していた。
そして、みんなで帆に描くことになった。
描き終ると同時にゾロ、ナミ、ウソップ、ミコトの四人は言葉もなく疲れて甲板に寝転んだ。
「よし! 完成っ! これで “海賊船ゴーイング・メリー号” の出来上がりだ!」
ルフィは元気に叫ぶと、風を受けて膨らむ帆を嬉しそうに眺める。
「うん」 と頷いた後、休む間もなく、次に何をしようかと駆けていく。
突如、鳴り響く大砲の音。
ドウン!
驚いて跳ね起きる四人は何をしてるんだ!? と顔を見合わせる。
ゾロが大声でルフィに聞いた。
「お前、一体……何やってんだ! 突然っ!」
「大砲の練習だよ。 せっかくついてるし……でも、うまく飛ばねェもんだな」
ルフィが大砲の横で砲弾の落ちた先を眺めていると、ウソップが興味が湧いて腰を上げる。
「ばかめ、おれにかしてみろ」
得意気な顔で言うと、ルフィに頼まれた遠くに見える岩を狙う。
「OK、今の飛距離からみて……これくらいか」
ウソップは狙いを定め、初めての大砲を撃つ。
轟音をあげ、見事に命中した腕前はさすがだった。
一発で当てたことに、ルフィと撃った本人のウソップは驚いた。
ミコトは離れた場所でウソップを見て感心していた。
『すごいね、ウソップ』
「まぐれでしょ」
『そんなナミ……。 まぐれで大砲は撃てないよ。 カッコいいな、ウソップ』
はしゃぐルフィとウソップを見ているミコトをナミは横目で見て誘った。
「ミコト、お茶でも飲みましょ。 あいつら相手にしてると疲れるわ」
その声にルフィも 「おれも!」 と声を上げ、ウソップもゾロも続いた。
キッチンでお茶を飲んでいると、ルフィが楽しそうにウソップに告げる。
「お前はさ “狙撃手” に決まりだな!」
「まあ、いいけど。 お前がフガイねェことしてたら、船長交代だからな」
「ああ、いいよ」
ルフィは “グランドライン” に入る前に必要なポジションを話しはじめた。
「やっぱり……音楽家だ!」
「アホか、てめェっ!」
ゾロがすぐに否定すると、ナミとウソップも呆れた表情で口々に言う。
「あんた、航海を何だと思ってんの?」
「めずらしく……いいこと言うと思ったらそうきたか!」
『……ルフィ』
ミコトは分かっているだけに、何とも言えない。
「だって……海賊っつたら歌うだろ!? 当然みんなで……」
ルフィが反対する雰囲気に言い返そうとした——その時、突然メリー号の甲板から怒号と樽の壊れる音が響いた。
「出て来い、海賊どもォーっ! てめェら全員、ブッ殺してやる!」
すぐにルフィが勢いよくキッチンから出た。
「おい! 誰だ、お前!」
サングラスをした男が怒りのままにルフィに襲いかかった。
避けるルフィと暴れる男をキッチンの丸窓に顔をくっつけて、ナミとウソップは覗いている。
ゾロは様子を見ている二人に尋ねた。
「相手、何人だ」
「一人……かな」
「じゃ、あいつに任せとけ」
「「うん」」 とナミとウソップは頷き、外の様子を見守る。
ミコトは席を立つと冷蔵庫に向かう。
(ジョニーが来たなら……ライムを用意しておこう)
いくつかライムを取り出し、調理台で半分に切っては絞り始めた。
敵が来たのに、何故かジュースを作り始めるミコトの行動に、ゾロは片眉を上げた。
「何やってんだ? ミコト」
『酸っぱいものが飲みたいなぁみたいな……』
ゾロを振り返るミコトの目は泳いでいる。
「今?」
『うん。 ゾロも飲む?』
「いらね」
『そう』
返事をするとライムを手に取るミコトの姿をゾロはジッと見ている。
(確かに、黙ってれば……大人っぽいかもな)
視線を感じて、ミコトは何かおかしいと思われているのではと肩をびくりとさせて振り向いた。
『な……なあに?』
「なんでもねェ」
ミコトは何もないなら、何故見るのかと、ゾロを不思議そうに見返す。
『やっぱり、飲みたいの?』
「くっくっくっ」
(リスみてェ)
『何で笑うの?』
「べつに……。 ん? 静かになったな」
『あ! ホントだ。 終わったのかな』
ミコトも外が静かになったことに気付き、「見てくる」 とゾロは腰を上げる。
ナミとウソップに 「ここにいろ」 と扉に手をかけて、チラッと視線を流すと、ライムジュースを味見しているミコトが目に入った。
ミコトは酸っぱかったのか小さく舌をだして、目をつぶって顔を顰めていた。
それを見たゾロはプッ……! と小さく吹き出して甲板に向かった。
五人は朝食後の甲板で、それぞれ過ごしていた。
ルフィは大きい白い布を甲板に広げて、夢中で何か描いている。
ゾロは腕立て伏せ、ナミは “世界の黄金史” の本を読んで調べていた。
ウソップとミコトは欄干で海を見ながら、話をしていた。
「そういえばさ、ミコトは本当にあの “賞金狩りのシロ” なのか?」
聞こえた話にナミも本に栞を挟んで閉じると加わった。
「あ! 私も、その話したかったんだよね。 で、どうなの?」
ゾロも気になるのか、チラッ……と三人を見た。
『そうだよ』 と頷くミコトに、ウソップは疑問に思ってた事を続けて尋ねる。
誰もが知りたいと思っている仮面をする賞金稼ぎの素顔。
「ふーん。 じゃあ、なんで仮面なんかすんだ? 名前だって違うだろ」
『そっ、それは師匠が—— 「お前は黙っていれば年相応で、大人に見えるが口を開くといまいち自信がなさそうで子供っぽい。 仮面をつけて顔を隠したらどうだ」 って言って……。 だから、つけてたんだよ』
ウソップとナミは 「「あー、なるほど!!」」 と声を揃え、ゾロはそうだろうなと無言で腕立てを続けながら納得した。
ミコトはみんなの反応に、少しいじけながらも話を続けた。
『……納得しちゃうんだ。 あとは 「隠してたほうが面白そう!」 とかかな。 それから、仮面の話の流れで、顔も隠すなら名前も偽名にしたらどうだってことになって、この通り白いから……シロでいいかみたいな』
案外、真実というものは単純なのかもしれない。
「へー」
ウソップはミコトを見る。
「ミコト、お前って結構、人に流されやすいのな」
『……そうかな?』
ミコトに自覚はないが、そうなのかもしれないと考え始めている時点で、三人はそういうところだ——と思ったが、言わなかった。
ナミが微妙な間に一呼吸入れて、今度は聞いた。
「ミコトって何才なの?」
『十九だよ!』
「えーっ! 見えない! 私より一つ上だったの!?」
「おれも……。 同い年くらいかと思ったぜ……」
『そんなに驚かなくても……』
ナミとウソップはミコトの年齢に驚き、ゾロも腕を伸ばした位置で止めると、まじまじとミコトを見た。
(あいつ、おれとタメなのか……どう見ても年下だろっ! ……ありえねェ)
ウソップがまたミコトに質問しようとした時、ルフィの声がした。
「ミコトの腰のうしろにある——」
「できたぞ! 海賊旗!」
「わははは!」 と大声で笑いながら、みんなに海賊旗を広げて見せる。
四人が振り向いた先には、言葉では言い表せない歪んで曲がった麦わら帽子の海賊マーク。
思わず無言になってしまうという、破壊力のある海賊旗なことは確かだった。
「ちゃんと考えてあったんだ。 おれたちのマーク!」
ルフィは仕事をやり遂げて、満足そうな笑みを浮かべた。
褒めてくれと言わんばかりの表情だ。
ゾロは腕を組んで茫然と海賊旗を見つめた。
「お…おれたちの…」
ウソップはガボーン……と開いた口で頷く。
「コイツには……つまり絵心ってもんがないんだな」
「ううん……。 もしかして、これって芸術なんじゃないかしら」
眺めるナミとミコトは微妙な表情を浮かべた。
『……うーん』
(実物はなんていうか……)
ウソップが肩を上げて息を吐くと、仕方ねェなという調子で、ルフィの使っていた筆をとる。
「海賊旗は “死の象徴” のハズだろ? まァ、ある意味…恐怖だけどよ。 お前は下手クソだルフィ! おれが描く!」
そう言うとウソップは描きなおした……自分のマークに。
「「マーク変わってんじゃねェか!」」
すぐにウソップの後頭部にルフィとゾロのツッコミが入り、再び描きなおされる海賊旗。
筆を振り上げウソップは 「こんなとこか」 と仲間に披露した。
「うん! 上手いっ!」
ナミは笑顔で褒める。
「同じマークとは思えねェな」
ゾロも納得の出来でいいじゃねェかと笑った。
『ほんと、ウソップ上手!』
ミコトは手を一つ叩いて喜んだ。
「いいな! あと帆にも描こう!」
ルフィも気に入ったようで満足していた。
そして、みんなで帆に描くことになった。
描き終ると同時にゾロ、ナミ、ウソップ、ミコトの四人は言葉もなく疲れて甲板に寝転んだ。
「よし! 完成っ! これで “海賊船ゴーイング・メリー号” の出来上がりだ!」
ルフィは元気に叫ぶと、風を受けて膨らむ帆を嬉しそうに眺める。
「うん」 と頷いた後、休む間もなく、次に何をしようかと駆けていく。
突如、鳴り響く大砲の音。
ドウン!
驚いて跳ね起きる四人は何をしてるんだ!? と顔を見合わせる。
ゾロが大声でルフィに聞いた。
「お前、一体……何やってんだ! 突然っ!」
「大砲の練習だよ。 せっかくついてるし……でも、うまく飛ばねェもんだな」
ルフィが大砲の横で砲弾の落ちた先を眺めていると、ウソップが興味が湧いて腰を上げる。
「ばかめ、おれにかしてみろ」
得意気な顔で言うと、ルフィに頼まれた遠くに見える岩を狙う。
「OK、今の飛距離からみて……これくらいか」
ウソップは狙いを定め、初めての大砲を撃つ。
轟音をあげ、見事に命中した腕前はさすがだった。
一発で当てたことに、ルフィと撃った本人のウソップは驚いた。
ミコトは離れた場所でウソップを見て感心していた。
『すごいね、ウソップ』
「まぐれでしょ」
『そんなナミ……。 まぐれで大砲は撃てないよ。 カッコいいな、ウソップ』
はしゃぐルフィとウソップを見ているミコトをナミは横目で見て誘った。
「ミコト、お茶でも飲みましょ。 あいつら相手にしてると疲れるわ」
その声にルフィも 「おれも!」 と声を上げ、ウソップもゾロも続いた。
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キッチンでお茶を飲んでいると、ルフィが楽しそうにウソップに告げる。
「お前はさ “狙撃手” に決まりだな!」
「まあ、いいけど。 お前がフガイねェことしてたら、船長交代だからな」
「ああ、いいよ」
ルフィは “グランドライン” に入る前に必要なポジションを話しはじめた。
「やっぱり……音楽家だ!」
「アホか、てめェっ!」
ゾロがすぐに否定すると、ナミとウソップも呆れた表情で口々に言う。
「あんた、航海を何だと思ってんの?」
「めずらしく……いいこと言うと思ったらそうきたか!」
『……ルフィ』
ミコトは分かっているだけに、何とも言えない。
「だって……海賊っつたら歌うだろ!? 当然みんなで……」
ルフィが反対する雰囲気に言い返そうとした——その時、突然メリー号の甲板から怒号と樽の壊れる音が響いた。
「出て来い、海賊どもォーっ! てめェら全員、ブッ殺してやる!」
すぐにルフィが勢いよくキッチンから出た。
「おい! 誰だ、お前!」
サングラスをした男が怒りのままにルフィに襲いかかった。
避けるルフィと暴れる男をキッチンの丸窓に顔をくっつけて、ナミとウソップは覗いている。
ゾロは様子を見ている二人に尋ねた。
「相手、何人だ」
「一人……かな」
「じゃ、あいつに任せとけ」
「「うん」」 とナミとウソップは頷き、外の様子を見守る。
ミコトは席を立つと冷蔵庫に向かう。
(ジョニーが来たなら……ライムを用意しておこう)
いくつかライムを取り出し、調理台で半分に切っては絞り始めた。
敵が来たのに、何故かジュースを作り始めるミコトの行動に、ゾロは片眉を上げた。
「何やってんだ? ミコト」
『酸っぱいものが飲みたいなぁみたいな……』
ゾロを振り返るミコトの目は泳いでいる。
「今?」
『うん。 ゾロも飲む?』
「いらね」
『そう』
返事をするとライムを手に取るミコトの姿をゾロはジッと見ている。
(確かに、黙ってれば……大人っぽいかもな)
視線を感じて、ミコトは何かおかしいと思われているのではと肩をびくりとさせて振り向いた。
『な……なあに?』
「なんでもねェ」
ミコトは何もないなら、何故見るのかと、ゾロを不思議そうに見返す。
『やっぱり、飲みたいの?』
「くっくっくっ」
(リスみてェ)
『何で笑うの?』
「べつに……。 ん? 静かになったな」
『あ! ホントだ。 終わったのかな』
ミコトも外が静かになったことに気付き、「見てくる」 とゾロは腰を上げる。
ナミとウソップに 「ここにいろ」 と扉に手をかけて、チラッと視線を流すと、ライムジュースを味見しているミコトが目に入った。
ミコトは酸っぱかったのか小さく舌をだして、目をつぶって顔を顰めていた。
それを見たゾロはプッ……! と小さく吹き出して甲板に向かった。