第七章 赤髪と白揚羽
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後日、ミコトはシャンクスに魚人島まで送ってもらうことになった。
出航後、行先がシャボンディ諸島に変わったり、鷹の目に会ったりするのはまた別の話。
航海中のミコトとシャンクスは互いに信頼を深め兄妹の絆を強くしたのだった。
シャボンディ諸島。
空に浮かんでは消えるシャボン。
13番GR にある “シャッキー'S ぼったくりBAR” の店の前ではミコトを見送りにシャンクスと幹部達が来ていた。
「それじゃあなミコト。 またどこかの海で会おうな!」
『うん! シャンクス!』
笑顔を見せるミコトにシャンクスは不安になった。
「やっぱり……心配だ」
シャンクスの心配は航海や冒険ではなくミコトに近寄る野郎達だ。
何に心配しているのか分からないミコトは首を傾げている。
その様子に益々、不安になったシャンクスは自分の指にはめる銀の指輪を外してミコトに見せる。
「ミコト」
「これを——お前にやる」
『これって……』
レッドフォースの船首を模った指輪はシャンクスのお気に入りだ。
「身につけとけ」
受け取るミコトは銀の指輪を見つめた。
『サイズが大きいよ……? 落ちちゃうよ』
どこにしたらいいのかと、自分の手を見つめて悩むミコトをシャンクスは笑う。
渡した指輪を手にすると、ミコトの左手の親指にはめた。
目につく場所じゃないと意味がない。
「これでいい。 絶対に外すな!」
『うん……!』
ミコトは左手の親指にはまる指輪を手を広げて眺めた。
キラリと光りを跳ね返す指輪を嬉しそうに見つめる。
『大事にする!』
ニコリと笑うミコトにシャンクスは頷くと真剣な目を向けた。
「ミコト、いいか。 指輪のこと聞かれたら、おれから貰ったって言えよ。 いいな!」
念を押すシャンクスをミコトは見つめた。
『それって——』
ミコトは思いついた理由を尋ねようとしたが、言わなくても分かってるな——という真っすぐな目にミコトは黙って頷いた。
「よし!」
シャンクスはミコトの頭を撫でると満足する。
レイリーはそんな二人の様子を微笑ましく見ていた。
(……本当の兄妹みたいだな)
幹部達の見送りの輪から、ヤソップがミコトの前に出て、手の中に納まってしまう小さい皮の巾着袋を渡す。
「ミコト、頼みたいことがある。 これをウソップに渡してくれ」
『中、見てもいい?』
「ああ、かまわねェよ」
手の中に中身を出すと銃弾が出てきた。
その銃弾には、ヤソップ・バンキーナ・ウソップの名前が彫ってある。
『これは……!?』
ミコトが目を見開いて見つめるヤソップは照れたように頭を掻く。
「それは……おれが初めての猟で使った弾だ」
ミコトは袋ごと銃弾を握りしめた。
まだ会ってないウソップの喜ぶ顔が目に浮かび、涙が滲む。
『あっ……はい。 渡す……絶対に渡す!』
「ヤソップ! 何、ミコトのこと泣かしてんだよ!」
シャンクスはミコトを大げさに心配する。
その様子は四皇の姿はなく、過保護な兄の姿の何ものでもない。
この航海中で見慣れた光景に周囲の者達は、またかと溜息をついた表情を浮かべた。
『大丈夫。 大丈夫だから……シャンクス。 ……嬉しくて』
滲む涙を指で拭くミコトが平気だよ……と微笑すれば、シャンクスは分かったと微笑み返す。
言葉が無くても通じあう兄妹は本当に仲が良い。
シャンクスがミコトにあるモノを取り出す。
「そうだ、もう一つミコトに渡すもんがある」
何だろ? と見るミコトにシャンクスはビブルカードを見せる。
「これだ。 この前、作っただろ。 忘れてたのか?」
『あ……!』
シャンクスは紙の端をちぎって、親紙のほうをミコトに渡した。
「ちゃんと、持っとけよ。 これで無事なのが分かる!」
『うん!』
レイリーは笑うミコトの手元の親紙から同じようにちぎる。
「私も忘れずにもらっておこう」
『はい……!』
ミコトはレイリーとシャッキーと目で頷き合い、そろそろ行く事を決める。
シャンクスに別れを告げようとして、視線が合って言葉が喉に詰まって出ない。
次に会う時は決戦の時だろうか。
その時、自分はルフィもエースも救えているだろうか。
急に不安に駆られて、シャンクスのマントをぎゅ……と掴む。
ジッ……と見つめるミコトにシャンクスも見つめ返す。
『…………』
「どうした?」
尋ねられても、どう答えていいのか分からない。
心が揺れるミコトにシャンクスは笑う。
「ルフィんとこ行くんだろ?」
ミコトは言われた事にハッとして目を見開いた。
行かないと何も始まらない。
何も出来ないと。
ミコトは行けっ! と背中を押してくれるシャンクスに笑顔を見せる。
『うん!』
「よし、行ってこい!」
楽しんでこい! と見送る笑顔にミコトは行ってきます! と元気よく手を振った。
左手の親指の指輪がキラリと輝いた。
—— “意志を貫き願いを叶える”
青い空に陽気な声。
ナミのミコトを呼ぶ声で思い出から戻る。
「ミコト……、ミコト!」
『あ、ごめん。 ボーッしちゃた』
ミコトは笑うとウソップを呼んだ。
『ウソップ! 渡したいものがあるの』
「ん? なんだ!」
ルフィもゾロもナミも覗き見る。
『はい……これ!』
小さい皮袋をポーチから取り出すと手渡した。
ウソップは袋から、何だ? と手の平に出した。
こぼれ出る銃弾を手に取って見る。
「これって……!?」
ウソップの目は見開かれると涙が溢れ、銃弾を持つ手が震えた。
「これは親父の……?」
『うん……。 ヤソップさんから預かってたの。 初めての猟で使った銃弾なんだって。 ウソップに渡してって……ちゃんと見てるよ』
「……ああ、ありがとな。 おれ……誓うよ、親父みたいな “勇敢なる海の戦士” になる!」
ウソップは銃弾を強く握り締めた。
ルフィは声を張り上げた。
「よし! もう一度だ!」
声を揃えて 「乾杯!」 と叫びジョッキを合せて音を鳴らす。
みんなで酒を一気に飲みほした。
ミコトは自分が酒に弱い事を忘れて、嬉しくてつられて飲んでしまった。
『あ……!』
しまったと思った時にはもう遅い。
一気に体が熱をもつのを感じながら意識が遠のく。
(私、お酒……よわいのに……)
伸ばした手の先には笑顔の仲間達。
(みんな……!)
すぐに異変に気づいたナミの驚く目をミコトは見たが、重くなる瞼に逆らえない。
「ミコトっ!」
『……ナ……ミ……』
力が抜ける体が甲板に、きゅー……ばたん——と落ちる。
ミコトは顔を真っ赤にして倒れた。
「「「「ミコトっ!!」」」」
一斉に呼ばれる声にミコトは答えない。
仲間が駆けつけた時には眠っていた。
静かな寝息しか聞こえない。
『……すーすー』
ルフィが不思議そうに寝顔を覗き込んでいる。
「ミコトはどうしたんだ?」
「……寝てるわ。 ミコトはお酒に弱いのね」
ナミはミコトの顔に掛かる白い髪をどかすと寝顔を見つめた。
ゾロとウソップは信じられないものを見る目つきでミコトを見ていた。
「一杯でか……ありえねェ」
「……あんなに強いのに酒には弱ェのか」
全員が甲板で眠るミコトを囲う様に見ていた。
ナミが仕方ない……と溜息をついて、ゾロに声を掛けた。
「ゾロ、運んで。 これじゃあ、風邪ひいちゃうわ」
「なんで、おれが……」
ぼやくゾロは気持ちよさそうに眠るミコトを見て、大きな溜息をつく。
「はあ~、仕方ねェな……運ぶか」
ゾロはミコトを抱きかかえて女部屋に運んだ。
甲板では宴が夜遅くまで続き、ミコトは朝まで目覚めることはなかった。
次の日、甲板を掃除するミコトにウソップが走り寄ってきた。
「ジャーン! ミコト! 見てくれよ」
ウソップは首から小さい袋を下げてる。
『紐を長くしたんだ?』
「こうやったら、なくしたりしねェだろ」
『うん。 いい感じ!』
「お守りだからな。 あらためて、ありがとなミコト!」
ウソップとミコトは笑い合った。
一味はウソップを仲間に加え、海賊船ゴーイング・メリー号と共にグランドラインを目指す——
出航後、行先がシャボンディ諸島に変わったり、鷹の目に会ったりするのはまた別の話。
航海中のミコトとシャンクスは互いに信頼を深め兄妹の絆を強くしたのだった。
◇◆◇
シャボンディ諸島。
空に浮かんでは消えるシャボン。
13番
「それじゃあなミコト。 またどこかの海で会おうな!」
『うん! シャンクス!』
笑顔を見せるミコトにシャンクスは不安になった。
「やっぱり……心配だ」
シャンクスの心配は航海や冒険ではなくミコトに近寄る野郎達だ。
何に心配しているのか分からないミコトは首を傾げている。
その様子に益々、不安になったシャンクスは自分の指にはめる銀の指輪を外してミコトに見せる。
「ミコト」
「これを——お前にやる」
『これって……』
レッドフォースの船首を模った指輪はシャンクスのお気に入りだ。
「身につけとけ」
受け取るミコトは銀の指輪を見つめた。
『サイズが大きいよ……? 落ちちゃうよ』
どこにしたらいいのかと、自分の手を見つめて悩むミコトをシャンクスは笑う。
渡した指輪を手にすると、ミコトの左手の親指にはめた。
目につく場所じゃないと意味がない。
「これでいい。 絶対に外すな!」
『うん……!』
ミコトは左手の親指にはまる指輪を手を広げて眺めた。
キラリと光りを跳ね返す指輪を嬉しそうに見つめる。
『大事にする!』
ニコリと笑うミコトにシャンクスは頷くと真剣な目を向けた。
「ミコト、いいか。 指輪のこと聞かれたら、おれから貰ったって言えよ。 いいな!」
念を押すシャンクスをミコトは見つめた。
『それって——』
ミコトは思いついた理由を尋ねようとしたが、言わなくても分かってるな——という真っすぐな目にミコトは黙って頷いた。
「よし!」
シャンクスはミコトの頭を撫でると満足する。
レイリーはそんな二人の様子を微笑ましく見ていた。
(……本当の兄妹みたいだな)
幹部達の見送りの輪から、ヤソップがミコトの前に出て、手の中に納まってしまう小さい皮の巾着袋を渡す。
「ミコト、頼みたいことがある。 これをウソップに渡してくれ」
『中、見てもいい?』
「ああ、かまわねェよ」
手の中に中身を出すと銃弾が出てきた。
その銃弾には、ヤソップ・バンキーナ・ウソップの名前が彫ってある。
『これは……!?』
ミコトが目を見開いて見つめるヤソップは照れたように頭を掻く。
「それは……おれが初めての猟で使った弾だ」
ミコトは袋ごと銃弾を握りしめた。
まだ会ってないウソップの喜ぶ顔が目に浮かび、涙が滲む。
『あっ……はい。 渡す……絶対に渡す!』
「ヤソップ! 何、ミコトのこと泣かしてんだよ!」
シャンクスはミコトを大げさに心配する。
その様子は四皇の姿はなく、過保護な兄の姿の何ものでもない。
この航海中で見慣れた光景に周囲の者達は、またかと溜息をついた表情を浮かべた。
『大丈夫。 大丈夫だから……シャンクス。 ……嬉しくて』
滲む涙を指で拭くミコトが平気だよ……と微笑すれば、シャンクスは分かったと微笑み返す。
言葉が無くても通じあう兄妹は本当に仲が良い。
シャンクスがミコトにあるモノを取り出す。
「そうだ、もう一つミコトに渡すもんがある」
何だろ? と見るミコトにシャンクスはビブルカードを見せる。
「これだ。 この前、作っただろ。 忘れてたのか?」
『あ……!』
シャンクスは紙の端をちぎって、親紙のほうをミコトに渡した。
「ちゃんと、持っとけよ。 これで無事なのが分かる!」
『うん!』
レイリーは笑うミコトの手元の親紙から同じようにちぎる。
「私も忘れずにもらっておこう」
『はい……!』
ミコトはレイリーとシャッキーと目で頷き合い、そろそろ行く事を決める。
シャンクスに別れを告げようとして、視線が合って言葉が喉に詰まって出ない。
次に会う時は決戦の時だろうか。
その時、自分はルフィもエースも救えているだろうか。
急に不安に駆られて、シャンクスのマントをぎゅ……と掴む。
ジッ……と見つめるミコトにシャンクスも見つめ返す。
『…………』
「どうした?」
尋ねられても、どう答えていいのか分からない。
心が揺れるミコトにシャンクスは笑う。
「ルフィんとこ行くんだろ?」
ミコトは言われた事にハッとして目を見開いた。
行かないと何も始まらない。
何も出来ないと。
ミコトは行けっ! と背中を押してくれるシャンクスに笑顔を見せる。
『うん!』
「よし、行ってこい!」
楽しんでこい! と見送る笑顔にミコトは行ってきます! と元気よく手を振った。
左手の親指の指輪がキラリと輝いた。
—— “意志を貫き願いを叶える”
◇◆◇
青い空に陽気な声。
ナミのミコトを呼ぶ声で思い出から戻る。
「ミコト……、ミコト!」
『あ、ごめん。 ボーッしちゃた』
ミコトは笑うとウソップを呼んだ。
『ウソップ! 渡したいものがあるの』
「ん? なんだ!」
ルフィもゾロもナミも覗き見る。
『はい……これ!』
小さい皮袋をポーチから取り出すと手渡した。
ウソップは袋から、何だ? と手の平に出した。
こぼれ出る銃弾を手に取って見る。
「これって……!?」
ウソップの目は見開かれると涙が溢れ、銃弾を持つ手が震えた。
「これは親父の……?」
『うん……。 ヤソップさんから預かってたの。 初めての猟で使った銃弾なんだって。 ウソップに渡してって……ちゃんと見てるよ』
「……ああ、ありがとな。 おれ……誓うよ、親父みたいな “勇敢なる海の戦士” になる!」
ウソップは銃弾を強く握り締めた。
ルフィは声を張り上げた。
「よし! もう一度だ!」
声を揃えて 「乾杯!」 と叫びジョッキを合せて音を鳴らす。
みんなで酒を一気に飲みほした。
ミコトは自分が酒に弱い事を忘れて、嬉しくてつられて飲んでしまった。
『あ……!』
しまったと思った時にはもう遅い。
一気に体が熱をもつのを感じながら意識が遠のく。
(私、お酒……よわいのに……)
伸ばした手の先には笑顔の仲間達。
(みんな……!)
すぐに異変に気づいたナミの驚く目をミコトは見たが、重くなる瞼に逆らえない。
「ミコトっ!」
『……ナ……ミ……』
力が抜ける体が甲板に、きゅー……ばたん——と落ちる。
ミコトは顔を真っ赤にして倒れた。
「「「「ミコトっ!!」」」」
一斉に呼ばれる声にミコトは答えない。
仲間が駆けつけた時には眠っていた。
静かな寝息しか聞こえない。
『……すーすー』
ルフィが不思議そうに寝顔を覗き込んでいる。
「ミコトはどうしたんだ?」
「……寝てるわ。 ミコトはお酒に弱いのね」
ナミはミコトの顔に掛かる白い髪をどかすと寝顔を見つめた。
ゾロとウソップは信じられないものを見る目つきでミコトを見ていた。
「一杯でか……ありえねェ」
「……あんなに強いのに酒には弱ェのか」
全員が甲板で眠るミコトを囲う様に見ていた。
ナミが仕方ない……と溜息をついて、ゾロに声を掛けた。
「ゾロ、運んで。 これじゃあ、風邪ひいちゃうわ」
「なんで、おれが……」
ぼやくゾロは気持ちよさそうに眠るミコトを見て、大きな溜息をつく。
「はあ~、仕方ねェな……運ぶか」
ゾロはミコトを抱きかかえて女部屋に運んだ。
甲板では宴が夜遅くまで続き、ミコトは朝まで目覚めることはなかった。
次の日、甲板を掃除するミコトにウソップが走り寄ってきた。
「ジャーン! ミコト! 見てくれよ」
ウソップは首から小さい袋を下げてる。
『紐を長くしたんだ?』
「こうやったら、なくしたりしねェだろ」
『うん。 いい感じ!』
「お守りだからな。 あらためて、ありがとなミコト!」
ウソップとミコトは笑い合った。
一味はウソップを仲間に加え、海賊船ゴーイング・メリー号と共にグランドラインを目指す——