第六章 シロップ村
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海岸でルフィは張り切っていた。
「よし! おれ達は北の海岸に行くぞ!」
「おお!」
掛け声に応えたのはウソップだ。
ナミはグループ分けに、まだ納得してない様子でいたが、宝は守りたい。
ミコトは船に戻るナミに買った本を預けると、ウソップに声を掛けた。
『ウソップ! この戦いが終わったら、ヤソップさんのことで話があるの』
「ルフィから聞いたよ。 親父がシャンクスのところにいるって」
『うん。 私も会ったことがあって……』
「ああ、だから……あの時、怒ってくれたんだよな。 ……ありがとな、嬉しかった。 全部、終わったら、話……聞かせてくれよ」
『うん。 後でね!』
三人を見送ったあとミコトとゾロは坂の上で海賊を待つ事にした。
坂から海岸線を見つめているものの変化はない。
ただ、待っているだけの時間は長い。
『夜明けまで、まだだね』
「だな……寝るか」
ゾロは地面に寝っころがると、さっさと目を閉じる。
『えっ!? 寝るの?』
「どうせ、海賊達は叫んでやって来るんだ。 寝てたって、起きれるだろ」
『……そうだけど』
(こっちには来ないんだけどな……)
ミコトが呟いている間にゾロは寝息をたてていた。
「……くかーくかー」
『寝るのが早い……』
ミコトはゾロの横で膝を抱えて座っていた。
『……まあ、起こせばいいよね』
嵐の前の静けさのように、海からは波の音しか聞こえない。
三日月は柔らかい光で夜を照らし、森の木々の葉は揺れ、草の間から虫の声する。
(気持ちのいい夜……)
いつしかミコトはうとうとし始めた。
いけないと首を上げ、瞼を開けるが睡魔に襲われる。
コクン、コクン……ストン……と落ちた。
『……………スー…スー…』
ミコトはゾロの方に倒れて眠ってしまった。
しばらくするとゾロは自分の胸が少し重いことに気付いた。
(何だ? 何か……乗っかって……)
眠い目を薄く開けると白い色が目に入って、眉間に皺が寄る。
(ハァ!? 白? くすぐってェし……何だよ!?)
ミコトの白い髪がゾロの顔に掛かっていた。
髪の毛を摘まんでどかすとミコトが視界に入った。
(………ミコトが寝てんのか?)
白い髪がハラハラと摘まんだ指から落とした。
(起こすの、めんどくせェ……。 海賊の気配はねェ……寝よ)
ゾロもまた睡魔に勝てずに重い目蓋を閉じた。
夜明けまであと少し。
海がゆっくりと白く輝きだす。
夜明けが始まる時間。
ジャンゴ率いるクロネコ海賊団は出航し、クロは屋敷の前で静かに報告を待つ。
北の海岸ではルフィ達がウソップの発案で坂道に油を撒いて待ち構えていた。
どうやら三人は徹夜で作業していたようだ。
さて、ミコトとゾロが見張る海岸。
二人はというと、まだ寝ていたが——うおおおおお! という突然の雄叫びが海岸に響いた。
瞬間、ミコトはパッ! と目を開けて、ゾロの胸に手をつき、すぐに起き上がった。
『なっ、何!? あ!』
ゾロはミコトに押されて起きて、片手で緑の髪を掻く。
「何だ! 来たのか?」
聞こえる叫び声に海賊が来た事が分かり顔を引き締める。
ミコトは茫然として海賊を見ていた。
『何で、こっちに……?』
「はあ? 何言ってんだ。 迎え撃つぞ!」
ゾロが刀を抜いて構えると、ミコトが肩を掴んで止めた。
『ちょっと待って!』
(一体どういうこと? あっちはどうなってるの?)
振り返るゾロの目には目を閉じているミコトの姿。
「おい! 何してんだ!?」
ミコトの視える北の海岸にはルフィ達がいて、海賊船が停泊していた。
ジャンゴの姿にミコトは驚いて目を見開いた。
(海賊も二手に分かれたの!? あっちがどう見ても本隊!)
ミコトはゾロに早口で伝える。
『ゾロ! 北の海岸に急いで行って! あっちに、あの催眠術師がいる!』
「ハッ!? 何で、そんなことがわかるんだ!?」
『いいから、こっちは私一人で大丈夫だから! 早く!』
ゾロは怪訝そうな顔をしているが、ミコトが嘘をつく理由もないと頷いた。
「分かった。 北に行く」
『うん!』
ゾロはすぐに走り出したが、ミコトが呼んだ。
『あ、ゾロ!』
「何だ!?」
『真っ直ぐだからねー!』
「ああ!」
ゾロはミコトに背中を見せ、任せろ! と片手を上げて返事をして向かった。
ミコトは小さくなるゾロに一抹の不安を感じた。
(大丈夫かな……)
クロネコ海賊団のベザン・ブラック号は北の海岸に着いた。
船首の黒猫は可愛らしく見えるが、キャプテン・クロの使い魔で、行く先に不幸を知らせる。
昇る朝陽が坂道を明るくしていく。
ジャンゴが坂の上にいるルフィ達を見た。
「お前たち……おれ達を待ち伏せしていたのか。 キャプテン・クロの言う通り、念には念を……二手に分けて正解だったな」
呟くと、ジャンゴは表情を引き締め、命令した。
「かかれ! 野郎共!」
ジャンゴの号令で海賊達は坂を駆け上ろうとしたが、油で滑ってツルツルと転がり、登ることが出来ない。
次々に転びまくる様子がおかしくて大笑いするルフィ達。
ウソップは思惑通りの展開に鼻高々にして高笑いした。
「ほら、みろ! おれ様の作戦通り! はっはっはっ!」
情けない声を出す海賊達に、ジャンゴは冷静に命じる。
「登れないならば、銃で狙い撃て!」
海賊達は銃を取り出すと、ルフィ達に一斉に発砲してきた。
慌てるウソップと違って、オレンジの町で経験済みのナミは心得顔だ。
急いでウソップを引っ張るとルフィの後ろにまわる。
ルフィは任せろ! と息をたくさん吸い込むと一気に膨らんだ。
「ゴムゴムの風船!」
全ての銃弾を受けて海賊達に弾き返した。
——なっ! なんだ!
ウソップと海賊達は驚きの声を上げた。
「おれは、ゴムゴムの実を食ったゴム人間だ」
言い放つルフィの背中を見て、ウソップは呟いた。
「……本当にそんな実があるんだな」
一方、ゾロを見送ったミコトは数十名の海賊の相手をする。
『早く、終わらせないと……!』
坂道を振り返りながら、手を交差させた。
『ウンディーネサイズ “水の乙女の大鎌” !』
両手首から肘掛けて水が流れ出てくると鎌の形を造る。
ミコトの水の鎌の長さや形は自由自在に変えられる。
今の長さは三メートルはあるだろうか。
坂道を塞ぎ、一切通さないと駆け抜けた。
その様子を見た海賊達は信じられないものを目にして、雄叫びから逃げ惑う叫びに変わる。
「うわあああ! 逃げろ!」
「なんだ? あれはっー!」
ミコトは飛びあがると海賊達の退路に着地。
『逃がさない。 アクアトルネード “水竜巻” !』
右足を軸に素早く回転しながら上空に飛び上がると、海賊達は水の鎌に翻弄され飛んでいきバラバラと落ちて倒れた。
ミコトが地面に降り立つ坂道には誰一人立つ者はいない。
倒れる海賊達を上陸してきた船にまとめて乗せると、海に放つ。
『これでよし、と』
(……みんなは大丈夫かな)
目を閉じて視れば——やはりというかゾロは道に迷っていて、 『あ……』 と思わず声が出てしまう。
(でも、もうすぐルフィ達と合流できそう)
北の海岸はウソップの作戦もあり、順調そうな事にミコトは頷いた。
そして、クロの作戦が変わっていた事にミコトは心配になり、屋敷を視る。
この時間、カヤはまだ寝ていて、執事のメリーはクロに襲われた後の筈だ。
(メリーさんは……)
玄関の前で座って報告を待っているのはクロだ。
俯いて表情は窺えないが、機嫌が良いという感じではない。
暗い部屋の床で、血を流して倒れる執事のメリーの姿にミコトは驚いて目を開けた。
あんなに血が出ていただろうか。
記憶にあるよりも、たくさんの血が流れているようで、あれで無事なのかと眉を寄せ、屋敷に行く事を決めた。
ミコトが屋敷に向かって走っている頃、クロは玄関前で痺れを切らしていた。
「……遅い。 あの野郎ども……。 おれの予定を狂わせた奴がどうなるかは、百も承知のハズだぞ。 モタモタしやがって……皆殺しだ!」
怒気と殺気を孕みながら北の海岸に向かった。
その様子をたまねぎが木の陰から震えながら覗いていた。
「よし! おれ達は北の海岸に行くぞ!」
「おお!」
掛け声に応えたのはウソップだ。
ナミはグループ分けに、まだ納得してない様子でいたが、宝は守りたい。
ミコトは船に戻るナミに買った本を預けると、ウソップに声を掛けた。
『ウソップ! この戦いが終わったら、ヤソップさんのことで話があるの』
「ルフィから聞いたよ。 親父がシャンクスのところにいるって」
『うん。 私も会ったことがあって……』
「ああ、だから……あの時、怒ってくれたんだよな。 ……ありがとな、嬉しかった。 全部、終わったら、話……聞かせてくれよ」
『うん。 後でね!』
三人を見送ったあとミコトとゾロは坂の上で海賊を待つ事にした。
坂から海岸線を見つめているものの変化はない。
ただ、待っているだけの時間は長い。
『夜明けまで、まだだね』
「だな……寝るか」
ゾロは地面に寝っころがると、さっさと目を閉じる。
『えっ!? 寝るの?』
「どうせ、海賊達は叫んでやって来るんだ。 寝てたって、起きれるだろ」
『……そうだけど』
(こっちには来ないんだけどな……)
ミコトが呟いている間にゾロは寝息をたてていた。
「……くかーくかー」
『寝るのが早い……』
ミコトはゾロの横で膝を抱えて座っていた。
『……まあ、起こせばいいよね』
嵐の前の静けさのように、海からは波の音しか聞こえない。
三日月は柔らかい光で夜を照らし、森の木々の葉は揺れ、草の間から虫の声する。
(気持ちのいい夜……)
いつしかミコトはうとうとし始めた。
いけないと首を上げ、瞼を開けるが睡魔に襲われる。
コクン、コクン……ストン……と落ちた。
『……………スー…スー…』
ミコトはゾロの方に倒れて眠ってしまった。
しばらくするとゾロは自分の胸が少し重いことに気付いた。
(何だ? 何か……乗っかって……)
眠い目を薄く開けると白い色が目に入って、眉間に皺が寄る。
(ハァ!? 白? くすぐってェし……何だよ!?)
ミコトの白い髪がゾロの顔に掛かっていた。
髪の毛を摘まんでどかすとミコトが視界に入った。
(………ミコトが寝てんのか?)
白い髪がハラハラと摘まんだ指から落とした。
(起こすの、めんどくせェ……。 海賊の気配はねェ……寝よ)
ゾロもまた睡魔に勝てずに重い目蓋を閉じた。
夜明けまであと少し。
◇◆◇
海がゆっくりと白く輝きだす。
夜明けが始まる時間。
ジャンゴ率いるクロネコ海賊団は出航し、クロは屋敷の前で静かに報告を待つ。
北の海岸ではルフィ達がウソップの発案で坂道に油を撒いて待ち構えていた。
どうやら三人は徹夜で作業していたようだ。
さて、ミコトとゾロが見張る海岸。
二人はというと、まだ寝ていたが——うおおおおお! という突然の雄叫びが海岸に響いた。
瞬間、ミコトはパッ! と目を開けて、ゾロの胸に手をつき、すぐに起き上がった。
『なっ、何!? あ!』
ゾロはミコトに押されて起きて、片手で緑の髪を掻く。
「何だ! 来たのか?」
聞こえる叫び声に海賊が来た事が分かり顔を引き締める。
ミコトは茫然として海賊を見ていた。
『何で、こっちに……?』
「はあ? 何言ってんだ。 迎え撃つぞ!」
ゾロが刀を抜いて構えると、ミコトが肩を掴んで止めた。
『ちょっと待って!』
(一体どういうこと? あっちはどうなってるの?)
振り返るゾロの目には目を閉じているミコトの姿。
「おい! 何してんだ!?」
ミコトの視える北の海岸にはルフィ達がいて、海賊船が停泊していた。
ジャンゴの姿にミコトは驚いて目を見開いた。
(海賊も二手に分かれたの!? あっちがどう見ても本隊!)
ミコトはゾロに早口で伝える。
『ゾロ! 北の海岸に急いで行って! あっちに、あの催眠術師がいる!』
「ハッ!? 何で、そんなことがわかるんだ!?」
『いいから、こっちは私一人で大丈夫だから! 早く!』
ゾロは怪訝そうな顔をしているが、ミコトが嘘をつく理由もないと頷いた。
「分かった。 北に行く」
『うん!』
ゾロはすぐに走り出したが、ミコトが呼んだ。
『あ、ゾロ!』
「何だ!?」
『真っ直ぐだからねー!』
「ああ!」
ゾロはミコトに背中を見せ、任せろ! と片手を上げて返事をして向かった。
ミコトは小さくなるゾロに一抹の不安を感じた。
(大丈夫かな……)
◇◆◇
クロネコ海賊団のベザン・ブラック号は北の海岸に着いた。
船首の黒猫は可愛らしく見えるが、キャプテン・クロの使い魔で、行く先に不幸を知らせる。
昇る朝陽が坂道を明るくしていく。
ジャンゴが坂の上にいるルフィ達を見た。
「お前たち……おれ達を待ち伏せしていたのか。 キャプテン・クロの言う通り、念には念を……二手に分けて正解だったな」
呟くと、ジャンゴは表情を引き締め、命令した。
「かかれ! 野郎共!」
ジャンゴの号令で海賊達は坂を駆け上ろうとしたが、油で滑ってツルツルと転がり、登ることが出来ない。
次々に転びまくる様子がおかしくて大笑いするルフィ達。
ウソップは思惑通りの展開に鼻高々にして高笑いした。
「ほら、みろ! おれ様の作戦通り! はっはっはっ!」
情けない声を出す海賊達に、ジャンゴは冷静に命じる。
「登れないならば、銃で狙い撃て!」
海賊達は銃を取り出すと、ルフィ達に一斉に発砲してきた。
慌てるウソップと違って、オレンジの町で経験済みのナミは心得顔だ。
急いでウソップを引っ張るとルフィの後ろにまわる。
ルフィは任せろ! と息をたくさん吸い込むと一気に膨らんだ。
「ゴムゴムの風船!」
全ての銃弾を受けて海賊達に弾き返した。
——なっ! なんだ!
ウソップと海賊達は驚きの声を上げた。
「おれは、ゴムゴムの実を食ったゴム人間だ」
言い放つルフィの背中を見て、ウソップは呟いた。
「……本当にそんな実があるんだな」
◇◆◇
一方、ゾロを見送ったミコトは数十名の海賊の相手をする。
『早く、終わらせないと……!』
坂道を振り返りながら、手を交差させた。
『ウンディーネサイズ “水の乙女の大鎌” !』
両手首から肘掛けて水が流れ出てくると鎌の形を造る。
ミコトの水の鎌の長さや形は自由自在に変えられる。
今の長さは三メートルはあるだろうか。
坂道を塞ぎ、一切通さないと駆け抜けた。
その様子を見た海賊達は信じられないものを目にして、雄叫びから逃げ惑う叫びに変わる。
「うわあああ! 逃げろ!」
「なんだ? あれはっー!」
ミコトは飛びあがると海賊達の退路に着地。
『逃がさない。 アクアトルネード “水竜巻” !』
右足を軸に素早く回転しながら上空に飛び上がると、海賊達は水の鎌に翻弄され飛んでいきバラバラと落ちて倒れた。
ミコトが地面に降り立つ坂道には誰一人立つ者はいない。
倒れる海賊達を上陸してきた船にまとめて乗せると、海に放つ。
『これでよし、と』
(……みんなは大丈夫かな)
目を閉じて視れば——やはりというかゾロは道に迷っていて、 『あ……』 と思わず声が出てしまう。
(でも、もうすぐルフィ達と合流できそう)
北の海岸はウソップの作戦もあり、順調そうな事にミコトは頷いた。
そして、クロの作戦が変わっていた事にミコトは心配になり、屋敷を視る。
この時間、カヤはまだ寝ていて、執事のメリーはクロに襲われた後の筈だ。
(メリーさんは……)
玄関の前で座って報告を待っているのはクロだ。
俯いて表情は窺えないが、機嫌が良いという感じではない。
暗い部屋の床で、血を流して倒れる執事のメリーの姿にミコトは驚いて目を開けた。
あんなに血が出ていただろうか。
記憶にあるよりも、たくさんの血が流れているようで、あれで無事なのかと眉を寄せ、屋敷に行く事を決めた。
ミコトが屋敷に向かって走っている頃、クロは玄関前で痺れを切らしていた。
「……遅い。 あの野郎ども……。 おれの予定を狂わせた奴がどうなるかは、百も承知のハズだぞ。 モタモタしやがって……皆殺しだ!」
怒気と殺気を孕みながら北の海岸に向かった。
その様子をたまねぎが木の陰から震えながら覗いていた。