第四章 オレンジの町
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「おれは…この先、剣士と名乗る野郎には、たった一度でも敗ける訳にはいかねェんだ!」
ゾロの鬼気迫る宣言にカバジも負けじと話す。
「成程……。 これがロロノア・ゾロか……。 強い志の成せる業か……。 まあ、それだけの重傷で相手がこのおれとあっちゃあ、敗けの言い訳には充分だ」
「……逆だ! これくらいの傷で、てめェごときに敗けたとあっちゃ、おれのこの先が思いやられるよ……!」
ニヤリと笑うゾロを憎たらしそうに睨むバギーとカバジ。
その時、このタイミングを逃してはならないと唐突にナミはポン! とルフィの肩を軽く叩いた。
「聞いて! 吹き飛んだ酒場の裏に小屋があるの。 あいつらの “お宝” はそこにあるから、私は今のうちに小屋の宝を頂いて逃げる!」
勝負の行方が分からない戦いは注意を引いてくれるのに充分すぎるチャンス。
奪うモノは奪いたいナミだ。
「あんた達が、この戦いに勝とうが負けようが、私には関係ないからね! 宝を奪えたら、また会いましょう! じゃあね! 健闘を祈るわ!」
ナミは言うが早く、走って小道に駆けだす後ろ姿に、ルフィとミコトは声を掛けた。
「おお、ありがとう」
『ナミ、気をつけてね!』
ナミは片手をあげて返事をすると消え去り、ルフィとミコトは再びゾロとカバジの戦いを見つめた。
「おれの最高の曲技を味わうがいい! ロロノア・ゾロ! 曲技っ! “カミカゼ百コマ劇場” 」
無数の回転する駒をゾロに飛ばすと連続技を繰り出す。
「曲技! “山登ろー” 」
「曲技! “納涼打ち上げ花火”」
「曲技! “一輪刺し”」
一輪車で壁をよじ登り、屋根から空高く跳躍し、ゾロを剣で突き刺そうと襲いかかった。
刃が駒と擦れ金属音が響く。
ゾロが駒をはじき飛ばしている隙に、カバジとバギーは再び目で合図を交わした。
空中にいるカバジをゾロが見上げた瞬間、すっ……と腕を上げるバギー。
ミコトはカバジとバギーの連携行動に、ルフィの赤いベストを引っ張った。
『ルフィ』
「なんだ?」
振り向くルフィにミコトはバギーを指さした。
ルフィの顔はしかめられ 「やらせるか!」 と言うと飛び出した。
バギーが得意顔で叫ぶ。
「地をはう、バラバラ砲ーうっ! カバジッ! おれが抑える。 ゾロを仕留めろ!」
「御意」
バギーの右手がゾロに飛んでいく一方で、カバジは空から狙う。
ドン!
ルフィがバギーの手を踏みつけて押さえ、痛くて叫び声をあげるバギーに向かって叫ぶ。
「ゾロの野望に手ェ出すな!」
バギーが動けない事を悟るカバジは渾身の一撃をゾロに繰り出す。
「船長の手を借りずとも貴様くらい殺せるわ!」
ゾロは横に飛んで躱すと、膝をついて着地した。
荒い息を整えながら立ち上がる。
「もういい……。 疲れた……」
「疲れた? ……くくくくくく、さすがに貧血ぎみか? とうとう勝負を諦めたな!」
カバジはゾロが疲労困憊なようだと、笑みを浮かべて髪をかきあげる。
「まァ、当然と言えば当然…! むしろ、その深傷でよく今まで立っていられたと……」
止めを刺してやろうと一輪車を走らせたが、ゾロは詰まらなさそうに一輪車を蹴飛ばした。
ガシャン!
「く……!」
転んで倒れるカバジをゾロは見下ろした。
「お前の下らなねェ曲技につきあうのが疲れたって言ったんだ!」
「ならば、この辺で止めを刺してやろうか! おれの本物の剣技で」
カバジは意気がり剣を抜く。
ゾロは両腕を交差させて構えると、スウ…と静かに腰を落とし、突進して一気にカバジを斬りつけた。
「鬼……斬り!」
勝負は一瞬。
バギーが 「カバジ!」 と叫んで呼ぶが、力なくカバジの手から刀が落ちる。
「くそ…我々、バギー一味がコソ泥ごときに……!」
体を逸らせながらカバジは言い残して倒れた。
「……コソ泥じゃねェ、海賊だ!」
ゾロは背後のカバジに告げ、黒手拭いに手を掛けて脱ぐと、ドサリと地面に仰向けになって寝転んだ。
「ルフィ……ミコト、おれは寝るぞ」
「おう、寝てろ。 あとは、おれがやる!」
ルフィは指をパキパキと鳴らしながらバギーを睨むが、バギーはルフィを馬鹿にした様な顔で見て笑っている。
一触即発の睨み合う海賊——と緊張感漂うなか、ミコトは寝っころがるゾロの所に行くと横にしゃがんだ。
『お疲れ、ゾロ!』
「……寝るから邪魔すんな」
目を閉じて開けようとしないゾロにミコトは話し掛けた。
『でも、寝る前に、その傷は手当てしようよ』
「あァ! ……別に手当てしなくても、寝てれば治る」
ゾロは片目を開けるも、面倒くさいとばかりに閉じる。
『やっぱり』 と溜息をつくミコトに、ゾロは分かってんなら、 「放って——」 と言いかけて止まる。
『じゃあ、止血だけしとこ? すぐだから、その方が寝れるし』
ゾロはミコトの言葉に、閉じていた目を開ける。
さすがのゾロも出血したままは危ないと思っていたのか、聞いた。
「……血、止められるのか?」
『うん』 と微笑するミコトに 「じゃ、頼む」 とゾロが言うと、話が聞こえていたルフィがバギーを放って振り返る。
「ミコト、そんな事できんのか!? おい、お前! ちょっと待ってろ!」
「ハアァ!? てめェ、何なめた事言っていやがる!」
バギーは怒鳴ったものの、内心でニヤリと笑った。
(待っててやるが——)
ルフィはバギーに背を向けて、ゾロとミコトの所に行く。
「どうすんだ?」
『うんとね。 傷を治したりは出来ないけど、血を止めるくらいなら出来るの。 人の体は70%くらい水分で出来てるから……』
ミコトがルフィに説明しているとゾロが 「はァ……」 と遮った。
「難しい話はいいから、早くしてくれ……眠ィ」
『……ゴメン。 えっと……ゾロは寝ててもいいよ、出来るから』
ミコトはゾロの脇腹の傷を見つめ、ドクドクと血が流れている様子に痛々しくて眉根を寄せた。
(よくこの状態で戦えるな……ゾロは)
傷の上に両手をそっと添えると目を閉じて集中した。
意識をゾロの体内に流れる血を感じて念じる——血を止める。
ルフィはワクワクしながら、ゾロの傷の上にあるミコトの手を見つめていた。
手当されているゾロは黙っていた。
思っているより出血が多いせいで、普段は絶対に気にも止めないものを眺めていた。
目を開けて視界に入る目を瞑るミコトの顔。
(コイツ……眉毛とか睫も白いんだな。 長いし細い……)
見たままの当たり前の事を確認するゾロの頭は怪我でボーッとしているのだろう。
閉じる瞼が開くと、透き通った薄茶色の瞳が現れる。
ミコトの手は傷から離れ、ゾロに声を掛けた。
『終わったよ……』
「…………」
(琥珀みてェ……)
ゾロは聞こえているのかいないのかミコトの目を見ていた。
白い睫が瞬きをする度に見える瞳にゾロの顔が映る。
答えないゾロをミコトが心配そうに覗きこんだ。
『ゾロ、血……止まってるよね?』
「……おっオウ」
(な、何、見てたんだ。 おれは……!)
ハッ!? として焦って答えるゾロをミコトは不思議そうに首を傾げた。
ルフィが興奮した様子で 「すげー、ミコト! 今度、おれにもやってくれよ!」 と頼んでいる。
ミコトはルフィを呆れた顔で見た。
『ルフィ……それって怪我するってこと?』
「あっ!? それは……まあな。 ははは」
ルフィも自分の失言に気付いたのか、誤魔化すように笑っていた。
一方、ゾロは動揺を隠すように、眉を寄せて目を閉じる。
すぐに自分の脇腹の傷から、ドクドクと感じていた血が止まっていることを感じた。
(本当に止まってんな……)
ゾロの鬼気迫る宣言にカバジも負けじと話す。
「成程……。 これがロロノア・ゾロか……。 強い志の成せる業か……。 まあ、それだけの重傷で相手がこのおれとあっちゃあ、敗けの言い訳には充分だ」
「……逆だ! これくらいの傷で、てめェごときに敗けたとあっちゃ、おれのこの先が思いやられるよ……!」
ニヤリと笑うゾロを憎たらしそうに睨むバギーとカバジ。
その時、このタイミングを逃してはならないと唐突にナミはポン! とルフィの肩を軽く叩いた。
「聞いて! 吹き飛んだ酒場の裏に小屋があるの。 あいつらの “お宝” はそこにあるから、私は今のうちに小屋の宝を頂いて逃げる!」
勝負の行方が分からない戦いは注意を引いてくれるのに充分すぎるチャンス。
奪うモノは奪いたいナミだ。
「あんた達が、この戦いに勝とうが負けようが、私には関係ないからね! 宝を奪えたら、また会いましょう! じゃあね! 健闘を祈るわ!」
ナミは言うが早く、走って小道に駆けだす後ろ姿に、ルフィとミコトは声を掛けた。
「おお、ありがとう」
『ナミ、気をつけてね!』
ナミは片手をあげて返事をすると消え去り、ルフィとミコトは再びゾロとカバジの戦いを見つめた。
「おれの最高の曲技を味わうがいい! ロロノア・ゾロ! 曲技っ! “カミカゼ百コマ劇場” 」
無数の回転する駒をゾロに飛ばすと連続技を繰り出す。
「曲技! “山登ろー” 」
「曲技! “納涼打ち上げ花火”」
「曲技! “一輪刺し”」
一輪車で壁をよじ登り、屋根から空高く跳躍し、ゾロを剣で突き刺そうと襲いかかった。
刃が駒と擦れ金属音が響く。
ゾロが駒をはじき飛ばしている隙に、カバジとバギーは再び目で合図を交わした。
空中にいるカバジをゾロが見上げた瞬間、すっ……と腕を上げるバギー。
ミコトはカバジとバギーの連携行動に、ルフィの赤いベストを引っ張った。
『ルフィ』
「なんだ?」
振り向くルフィにミコトはバギーを指さした。
ルフィの顔はしかめられ 「やらせるか!」 と言うと飛び出した。
バギーが得意顔で叫ぶ。
「地をはう、バラバラ砲ーうっ! カバジッ! おれが抑える。 ゾロを仕留めろ!」
「御意」
バギーの右手がゾロに飛んでいく一方で、カバジは空から狙う。
ドン!
ルフィがバギーの手を踏みつけて押さえ、痛くて叫び声をあげるバギーに向かって叫ぶ。
「ゾロの野望に手ェ出すな!」
バギーが動けない事を悟るカバジは渾身の一撃をゾロに繰り出す。
「船長の手を借りずとも貴様くらい殺せるわ!」
ゾロは横に飛んで躱すと、膝をついて着地した。
荒い息を整えながら立ち上がる。
「もういい……。 疲れた……」
「疲れた? ……くくくくくく、さすがに貧血ぎみか? とうとう勝負を諦めたな!」
カバジはゾロが疲労困憊なようだと、笑みを浮かべて髪をかきあげる。
「まァ、当然と言えば当然…! むしろ、その深傷でよく今まで立っていられたと……」
止めを刺してやろうと一輪車を走らせたが、ゾロは詰まらなさそうに一輪車を蹴飛ばした。
ガシャン!
「く……!」
転んで倒れるカバジをゾロは見下ろした。
「お前の下らなねェ曲技につきあうのが疲れたって言ったんだ!」
「ならば、この辺で止めを刺してやろうか! おれの本物の剣技で」
カバジは意気がり剣を抜く。
ゾロは両腕を交差させて構えると、スウ…と静かに腰を落とし、突進して一気にカバジを斬りつけた。
「鬼……斬り!」
勝負は一瞬。
バギーが 「カバジ!」 と叫んで呼ぶが、力なくカバジの手から刀が落ちる。
「くそ…我々、バギー一味がコソ泥ごときに……!」
体を逸らせながらカバジは言い残して倒れた。
「……コソ泥じゃねェ、海賊だ!」
ゾロは背後のカバジに告げ、黒手拭いに手を掛けて脱ぐと、ドサリと地面に仰向けになって寝転んだ。
「ルフィ……ミコト、おれは寝るぞ」
「おう、寝てろ。 あとは、おれがやる!」
ルフィは指をパキパキと鳴らしながらバギーを睨むが、バギーはルフィを馬鹿にした様な顔で見て笑っている。
一触即発の睨み合う海賊——と緊張感漂うなか、ミコトは寝っころがるゾロの所に行くと横にしゃがんだ。
『お疲れ、ゾロ!』
「……寝るから邪魔すんな」
目を閉じて開けようとしないゾロにミコトは話し掛けた。
『でも、寝る前に、その傷は手当てしようよ』
「あァ! ……別に手当てしなくても、寝てれば治る」
ゾロは片目を開けるも、面倒くさいとばかりに閉じる。
『やっぱり』 と溜息をつくミコトに、ゾロは分かってんなら、 「放って——」 と言いかけて止まる。
『じゃあ、止血だけしとこ? すぐだから、その方が寝れるし』
ゾロはミコトの言葉に、閉じていた目を開ける。
さすがのゾロも出血したままは危ないと思っていたのか、聞いた。
「……血、止められるのか?」
『うん』 と微笑するミコトに 「じゃ、頼む」 とゾロが言うと、話が聞こえていたルフィがバギーを放って振り返る。
「ミコト、そんな事できんのか!? おい、お前! ちょっと待ってろ!」
「ハアァ!? てめェ、何なめた事言っていやがる!」
バギーは怒鳴ったものの、内心でニヤリと笑った。
(待っててやるが——)
ルフィはバギーに背を向けて、ゾロとミコトの所に行く。
「どうすんだ?」
『うんとね。 傷を治したりは出来ないけど、血を止めるくらいなら出来るの。 人の体は70%くらい水分で出来てるから……』
ミコトがルフィに説明しているとゾロが 「はァ……」 と遮った。
「難しい話はいいから、早くしてくれ……眠ィ」
『……ゴメン。 えっと……ゾロは寝ててもいいよ、出来るから』
ミコトはゾロの脇腹の傷を見つめ、ドクドクと血が流れている様子に痛々しくて眉根を寄せた。
(よくこの状態で戦えるな……ゾロは)
傷の上に両手をそっと添えると目を閉じて集中した。
意識をゾロの体内に流れる血を感じて念じる——血を止める。
ルフィはワクワクしながら、ゾロの傷の上にあるミコトの手を見つめていた。
手当されているゾロは黙っていた。
思っているより出血が多いせいで、普段は絶対に気にも止めないものを眺めていた。
目を開けて視界に入る目を瞑るミコトの顔。
(コイツ……眉毛とか睫も白いんだな。 長いし細い……)
見たままの当たり前の事を確認するゾロの頭は怪我でボーッとしているのだろう。
閉じる瞼が開くと、透き通った薄茶色の瞳が現れる。
ミコトの手は傷から離れ、ゾロに声を掛けた。
『終わったよ……』
「…………」
(琥珀みてェ……)
ゾロは聞こえているのかいないのかミコトの目を見ていた。
白い睫が瞬きをする度に見える瞳にゾロの顔が映る。
答えないゾロをミコトが心配そうに覗きこんだ。
『ゾロ、血……止まってるよね?』
「……おっオウ」
(な、何、見てたんだ。 おれは……!)
ハッ!? として焦って答えるゾロをミコトは不思議そうに首を傾げた。
ルフィが興奮した様子で 「すげー、ミコト! 今度、おれにもやってくれよ!」 と頼んでいる。
ミコトはルフィを呆れた顔で見た。
『ルフィ……それって怪我するってこと?』
「あっ!? それは……まあな。 ははは」
ルフィも自分の失言に気付いたのか、誤魔化すように笑っていた。
一方、ゾロは動揺を隠すように、眉を寄せて目を閉じる。
すぐに自分の脇腹の傷から、ドクドクと感じていた血が止まっていることを感じた。
(本当に止まってんな……)