第四章 オレンジの町
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酒場の屋上では大砲とバギーの似顔絵のついた砲弾が用意される。
「船長、バギー玉セット完了しました!」
「よし! 見せろ~ その威力!」
——ドゴゴゴーーン!
四人が通りに出た瞬間、物凄い轟音とともに、さっきまで居た家から遠くの家まで破壊されていった。
爆風で空気がうねり、土埃が舞い上がり、あたりが見えなくなった。
ミコトは土煙が渦巻くなか眉をひそめた。
(バギー玉を撃ったの!?)
次第に周囲が見えてくる光景に全員が絶句した。
通りの横にある家々が全て同じ方向を向いて倒壊している様は、バギー玉の威力の凄さが一目で分かる。
『「「「…………」」」』
四人が異様な倒れ方を見つめ言葉を失くしていると、通りの横道から一人の老人がやって来た。
ふわふわの白髪の眼鏡を掛けたオレンジの町のブードル町長だ。
「大丈夫だったかの……おぬしら、なんじゃぁ?」
「誰だ、おっさん?」
ゾロはブードルに聞き返した。
「わしは、この町の長。 さながらの町長じゃ! こんなとこじゃ目立つ。 こっちに、来なさい」
ルフィ達とナミは町長の言葉に従い後について行った。
その頃、酒場ではバギーがご機嫌で叫んでいた。
「はっはっはっ! まさにど派手っ! 下手な町なら一発で消し飛ぶぜ! おれ様の力を見たか! モージ!」
「お呼びで、バギー船長」
バギーに呼ばれて現れたのは巨大なライオンのリッチーに乗った “猛獣使いのモージ” 。
「いいかァ! バギー玉でぶっ飛ばしてやったが、まだ虫の息で助かってるようなら……お前が行って、奴らの息を止めて来い! 奴らには海賊の一団を敵に回す事の恐ろしさを教える必要がある! ここで一発 “猛獣ショー” だ!」
「はい、わかりました! バギー船長!」
そう言うとモージはリッチーに乗って町に出て行った。
さて、ルフィ達はブードルの案内で別の場所に移動していたが、どこに行っても町は閑散としていた。
ブードルが道で立ち止まりルフィ達に尋ねた。
「まぁ、ここでいいだろ。 そんで、お前さん達は何してるんじゃ」
「おれはルフィ! 海賊だ。 こっちはミコト、そこの剣士はゾロだ。 それから……これから仲間になる航海士のナミは……」
バキッ!
ルフィは勝手にナミを仲間として紹介しようとして殴られた。
「……っ痛ェ」
頭を抱えて呻くルフィにナミは怒鳴った。
「ちょっ……何、勝手に私があんたの仲間になってんのよ!」
「……なんだかの」
訳がわからないブードルはルフィとナミの言い合いを交互に見て溜息をついた。
ゾロはルフィの強引さもナミの海賊嫌いも理解したから、口を挟まないと決めたが、ミコトはどうするのか気になった。
二人の間に入るのかと見れば、ルフィとナミを見ていなかった。
(何、見てんだ……犬?)
ミコトの視線の先にはペットフード店の前に座っている白い小さな犬がいた。
(あっ! シュシュだ! かわいい!)
シュシュが餌をおいしそうに食べている様子をミコトはニコニコしながら見ていた。
ゾロは内心で口端を上げた。
ルフィとナミの間でオロオロしていたミコトはどこにいったのか。
(こいつ、案外マイペースだな……)
ナミはゾロとミコトの視線の先に犬がいる事に気付いて、ルフィとの言い合いを止めた。
「あっ、犬? こんなところに……?」
ナミがシュシュを不思議そうに見つめて尋ねる。
「町長さんの犬なんですか?」
「いんや。 わしの親友の犬でな。 シュシュって言う名前なのだ。 ほれ、あそこにペットフード店があるだろう……その店の主人でな。 シュシュは店番をしてるんだな」
そして、煙管 に火をつけるとシュシュの事をルフィ達に語った。
シュシュの主が病気で死んでしまった事や、それでもシュシュが店番をずっと続けている事——
「きっと、この店はシュシュにとって宝なんじゃ。 大好きだった主人の形見だから……それを守り続けとるのだとわしは思う」
ブードルは煙管から、フーッと煙を吐き出した。
「困ったもんよ。 わしが何度、避難させようとしても一歩たりとも、ここを動こうとせんのだ。 放っとけば餓死しても居続けるつもりらしい」
仕方ないと苦笑するプードルはシュシュが心配で見に来ている。
ルフィ達はブードルの話を聞き終えると、ペットフード店の前に座るシュシュの姿を見つめた。
酒場ではバギーが戻って来ないモージにイライラを募らせていた。
「モージは、まだ帰って来ねェのか!」
「はい! まだです。 バギー船長!」
「よしっ! 景気づけにもう一発! バギー玉撃つぞ! 用意しろ」
待つことを知らないバギーは再びバギー玉の発射準備を命令した。
海賊達は雄叫びをあげて準備にとりかかり、慣れた手つきでバギー玉を特製の大砲に入れて準備を終わらせる。
「ぎゃーはっはっは! 野郎共、準備は出来たか!」
「はい! 船長」
「撃てェい!」
ド派手に二発目のバギー玉が発射された。
シュシュを見ていたミコトは嫌な気配を感じ、目を閉じて探り視る。
(バギー……! まさか!?)
バギー玉が装填された大砲が狙っている方角にはシュシュがいる。
(シュシュが危ない!)
こんな事なかった筈なのに!? と瞬時にミコトはシュシュの所へと駆けつける。
『シュシュ!』
突然のミコトの行動にゾロは眉間に皺を寄せた。
「また、ミコトは何だってんだ!?」
「ミコト?」
ルフィもミコトの急いでいる様子に首を傾げた。
「何、どうしたの?」
ナミにも何が何だか分からない。
そして、ブードルが 「なんじゃ」 と言った瞬間、ミコトはシュシュに覆い被さった。
直後、バギー玉が発射された。
——ドゴゴゴーン!
爆音が轟き、町が破壊されていく音は破片と土煙が舞わせた。
ルフィ達は土埃で開けられない目を閉じて、耳と頭を手で覆う。
「「「くっ……!」」」
音が止み、収まりかけた土埃の中、ミコトがうずくまっている姿をルフィは見つけた。
「……ミコトっ!」
ルフィはミコトを心配して側に駆けつけた。
「ミコト、大丈夫か!」
『うん、シュシュも私も大丈夫だよ!』
ミコトは笑ってルフィに応えると、腕の中からシュシュを解放した。
鼻をひくひくさせながらシュシュは出て来ると、ペットフード店のある方へ歩いて行った。
次第に土埃が収まってくると周囲の様子が見えてきた。
シュシュが座って見つめる先に、さっきまであったペットフード店はない。
バギー玉で一列根こそぎふっ飛ばされ、大破した家々の瓦礫しかなかった。
『あ……』
ミコトは地面に座ったまま、シュシュの白い小さな後ろ姿を見つめた。
目の前で失う事ほど悲しいものはない。
ルフィとゾロは目の前の惨状に眉をひそめた。
シュシュは鳴くわけでもなく、壊れて瓦礫と化した店のあった場所をジッと見つめている。
ルフィもゾロもナミもミコトも町長も声を掛けられずに、シュシュのその様子を黙って見守った。
ナミは自分の過去とシュシュを重ねたのか、耐えきれなくなって目を逸らした。
そして、唇を噛み悔しさを滲ませて、ルフィに捲し立てるように叫ぶ。
「どいつもこいつも……! 海賊なんて、みんな同じよ……! 人の大切なものを平気で奪って!」
ルフィが振り向くと、さらにナミは続けた。
「あんた達が、海賊の仲間を集めて町を襲い出す前に、ここで殺してやろうか!」
ルフィに襲いかかろうとする勢いのナミをブードルが後ろから羽交い絞めして止めに入る。
「おい、やめんか娘っ!」
ルフィは怒るナミを黙って見つめて一言。
「お前なんかに、おれがやられるか! べー」
「何!? よーし、やったろうじゃないの!」
ナミはルフィが舌を出した言い方にカチン! ときて腕をまくる。
その時——ガラガラッ! と瓦礫が崩れる音がした。
いつの間にかミコトは立ち上がって、瓦礫となった店に足を踏み入れていた。
(ルフィはペットフードを取ってきてた……)
モージが燃やした状況とは違うけど、もしかしたらあるかもしれない。
瓦礫の中は壊れた屋根と壁、折れた柱にガラスの破片や木片と原型が残っている物なんて一つもない。
それをどかしてミコトは懸命に探している。
なぜ、ミコトがそんな事をするのかナミは分からないと首を横に振る。
「ミコト……何をしてるの?」
ナミは疑い、ルフィ達が海賊なんだと顔を顰めて 「まさか……!」 と呟いた。
逆にルフィはニィ! と笑うと、ミコトのいる瓦礫の中に走って行った。
二人の様子にゾロは一呼吸する。
「はぁ……しょうがねぇな」
口角をあげて笑うゾロもまた、ルフィとミコトの所に向かった。
「船長、バギー玉セット完了しました!」
「よし! 見せろ~ その威力!」
——ドゴゴゴーーン!
四人が通りに出た瞬間、物凄い轟音とともに、さっきまで居た家から遠くの家まで破壊されていった。
爆風で空気がうねり、土埃が舞い上がり、あたりが見えなくなった。
ミコトは土煙が渦巻くなか眉をひそめた。
(バギー玉を撃ったの!?)
次第に周囲が見えてくる光景に全員が絶句した。
通りの横にある家々が全て同じ方向を向いて倒壊している様は、バギー玉の威力の凄さが一目で分かる。
『「「「…………」」」』
四人が異様な倒れ方を見つめ言葉を失くしていると、通りの横道から一人の老人がやって来た。
ふわふわの白髪の眼鏡を掛けたオレンジの町のブードル町長だ。
「大丈夫だったかの……おぬしら、なんじゃぁ?」
「誰だ、おっさん?」
ゾロはブードルに聞き返した。
「わしは、この町の長。 さながらの町長じゃ! こんなとこじゃ目立つ。 こっちに、来なさい」
ルフィ達とナミは町長の言葉に従い後について行った。
◇◆◇
その頃、酒場ではバギーがご機嫌で叫んでいた。
「はっはっはっ! まさにど派手っ! 下手な町なら一発で消し飛ぶぜ! おれ様の力を見たか! モージ!」
「お呼びで、バギー船長」
バギーに呼ばれて現れたのは巨大なライオンのリッチーに乗った “猛獣使いのモージ” 。
「いいかァ! バギー玉でぶっ飛ばしてやったが、まだ虫の息で助かってるようなら……お前が行って、奴らの息を止めて来い! 奴らには海賊の一団を敵に回す事の恐ろしさを教える必要がある! ここで一発 “猛獣ショー” だ!」
「はい、わかりました! バギー船長!」
そう言うとモージはリッチーに乗って町に出て行った。
◇◆◇
さて、ルフィ達はブードルの案内で別の場所に移動していたが、どこに行っても町は閑散としていた。
ブードルが道で立ち止まりルフィ達に尋ねた。
「まぁ、ここでいいだろ。 そんで、お前さん達は何してるんじゃ」
「おれはルフィ! 海賊だ。 こっちはミコト、そこの剣士はゾロだ。 それから……これから仲間になる航海士のナミは……」
バキッ!
ルフィは勝手にナミを仲間として紹介しようとして殴られた。
「……っ痛ェ」
頭を抱えて呻くルフィにナミは怒鳴った。
「ちょっ……何、勝手に私があんたの仲間になってんのよ!」
「……なんだかの」
訳がわからないブードルはルフィとナミの言い合いを交互に見て溜息をついた。
ゾロはルフィの強引さもナミの海賊嫌いも理解したから、口を挟まないと決めたが、ミコトはどうするのか気になった。
二人の間に入るのかと見れば、ルフィとナミを見ていなかった。
(何、見てんだ……犬?)
ミコトの視線の先にはペットフード店の前に座っている白い小さな犬がいた。
(あっ! シュシュだ! かわいい!)
シュシュが餌をおいしそうに食べている様子をミコトはニコニコしながら見ていた。
ゾロは内心で口端を上げた。
ルフィとナミの間でオロオロしていたミコトはどこにいったのか。
(こいつ、案外マイペースだな……)
ナミはゾロとミコトの視線の先に犬がいる事に気付いて、ルフィとの言い合いを止めた。
「あっ、犬? こんなところに……?」
ナミがシュシュを不思議そうに見つめて尋ねる。
「町長さんの犬なんですか?」
「いんや。 わしの親友の犬でな。 シュシュって言う名前なのだ。 ほれ、あそこにペットフード店があるだろう……その店の主人でな。 シュシュは店番をしてるんだな」
そして、
シュシュの主が病気で死んでしまった事や、それでもシュシュが店番をずっと続けている事——
「きっと、この店はシュシュにとって宝なんじゃ。 大好きだった主人の形見だから……それを守り続けとるのだとわしは思う」
ブードルは煙管から、フーッと煙を吐き出した。
「困ったもんよ。 わしが何度、避難させようとしても一歩たりとも、ここを動こうとせんのだ。 放っとけば餓死しても居続けるつもりらしい」
仕方ないと苦笑するプードルはシュシュが心配で見に来ている。
ルフィ達はブードルの話を聞き終えると、ペットフード店の前に座るシュシュの姿を見つめた。
◇◆◇
酒場ではバギーが戻って来ないモージにイライラを募らせていた。
「モージは、まだ帰って来ねェのか!」
「はい! まだです。 バギー船長!」
「よしっ! 景気づけにもう一発! バギー玉撃つぞ! 用意しろ」
待つことを知らないバギーは再びバギー玉の発射準備を命令した。
海賊達は雄叫びをあげて準備にとりかかり、慣れた手つきでバギー玉を特製の大砲に入れて準備を終わらせる。
「ぎゃーはっはっは! 野郎共、準備は出来たか!」
「はい! 船長」
「撃てェい!」
ド派手に二発目のバギー玉が発射された。
◇◆◇
シュシュを見ていたミコトは嫌な気配を感じ、目を閉じて探り視る。
(バギー……! まさか!?)
バギー玉が装填された大砲が狙っている方角にはシュシュがいる。
(シュシュが危ない!)
こんな事なかった筈なのに!? と瞬時にミコトはシュシュの所へと駆けつける。
『シュシュ!』
突然のミコトの行動にゾロは眉間に皺を寄せた。
「また、ミコトは何だってんだ!?」
「ミコト?」
ルフィもミコトの急いでいる様子に首を傾げた。
「何、どうしたの?」
ナミにも何が何だか分からない。
そして、ブードルが 「なんじゃ」 と言った瞬間、ミコトはシュシュに覆い被さった。
直後、バギー玉が発射された。
——ドゴゴゴーン!
爆音が轟き、町が破壊されていく音は破片と土煙が舞わせた。
ルフィ達は土埃で開けられない目を閉じて、耳と頭を手で覆う。
「「「くっ……!」」」
音が止み、収まりかけた土埃の中、ミコトがうずくまっている姿をルフィは見つけた。
「……ミコトっ!」
ルフィはミコトを心配して側に駆けつけた。
「ミコト、大丈夫か!」
『うん、シュシュも私も大丈夫だよ!』
ミコトは笑ってルフィに応えると、腕の中からシュシュを解放した。
鼻をひくひくさせながらシュシュは出て来ると、ペットフード店のある方へ歩いて行った。
次第に土埃が収まってくると周囲の様子が見えてきた。
シュシュが座って見つめる先に、さっきまであったペットフード店はない。
バギー玉で一列根こそぎふっ飛ばされ、大破した家々の瓦礫しかなかった。
『あ……』
ミコトは地面に座ったまま、シュシュの白い小さな後ろ姿を見つめた。
目の前で失う事ほど悲しいものはない。
ルフィとゾロは目の前の惨状に眉をひそめた。
シュシュは鳴くわけでもなく、壊れて瓦礫と化した店のあった場所をジッと見つめている。
ルフィもゾロもナミもミコトも町長も声を掛けられずに、シュシュのその様子を黙って見守った。
ナミは自分の過去とシュシュを重ねたのか、耐えきれなくなって目を逸らした。
そして、唇を噛み悔しさを滲ませて、ルフィに捲し立てるように叫ぶ。
「どいつもこいつも……! 海賊なんて、みんな同じよ……! 人の大切なものを平気で奪って!」
ルフィが振り向くと、さらにナミは続けた。
「あんた達が、海賊の仲間を集めて町を襲い出す前に、ここで殺してやろうか!」
ルフィに襲いかかろうとする勢いのナミをブードルが後ろから羽交い絞めして止めに入る。
「おい、やめんか娘っ!」
ルフィは怒るナミを黙って見つめて一言。
「お前なんかに、おれがやられるか! べー」
「何!? よーし、やったろうじゃないの!」
ナミはルフィが舌を出した言い方にカチン! ときて腕をまくる。
その時——ガラガラッ! と瓦礫が崩れる音がした。
いつの間にかミコトは立ち上がって、瓦礫となった店に足を踏み入れていた。
(ルフィはペットフードを取ってきてた……)
モージが燃やした状況とは違うけど、もしかしたらあるかもしれない。
瓦礫の中は壊れた屋根と壁、折れた柱にガラスの破片や木片と原型が残っている物なんて一つもない。
それをどかしてミコトは懸命に探している。
なぜ、ミコトがそんな事をするのかナミは分からないと首を横に振る。
「ミコト……何をしてるの?」
ナミは疑い、ルフィ達が海賊なんだと顔を顰めて 「まさか……!」 と呟いた。
逆にルフィはニィ! と笑うと、ミコトのいる瓦礫の中に走って行った。
二人の様子にゾロは一呼吸する。
「はぁ……しょうがねぇな」
口角をあげて笑うゾロもまた、ルフィとミコトの所に向かった。