第四章 オレンジの町
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「あっはっはーっ、あなたが “海賊狩りのゾロ” さんだとはつゆ知らずっ! 失礼しましたっ」
バギー一味はルフィ達の小船を漕いでいる。
「何で海賊が海の真ん中で溺れてたんだ」
ゾロが睨んで問いただすと、海賊達は身を乗り出して、“悪魔の女” の話をした。
「それだっ! よく聞いてくれやした」
フナンボローズ達が言うには、 “悪魔の女” の巧みな話術と演技に騙され、天候の予報により、船を奪われたというものだ。
「——ってゆう次第なんですよ! ヒドいでしょ!?」
「へー、天候を操れるのか……すげー! おれの仲間に航海士になってくれねェかな」
ルフィの目は海賊を見ていない。
まだ会っていないナミの航海の腕に期待し、目をキラキラさせていた。
ゾロは海賊達に “悪魔の女” の行方を尋ねる。
「おい! その女はどこに行ったのか、お前ら知らねェのか?」
「知らねェス、海の彼方に行っちゃいましたから……おれ達の宝を持って」
海賊の話を聞いて、がっくりうな垂れるルフィ。
ミコトは鳥を捕まえていたら、今頃ナミに会っていたかもしれないと、申し訳ない気持ちになった。
(ごめんね、ルフィ……)
ただ、ミコトは遭難したバギー一味に会えた事で希望を見た。
(ナミはバギーの持っている “グランドライン” の海図と宝を狙ってるから、きっと会えるはず。 だから——)
『とりあえず、あなた達を送らないとね』
「そうだな! 乗せて送ってくんだから、お前らが頑張って漕げ!」
ルフィの命令に声をあげて 「「「はっはい!」」」 と返事をした。
ルフィ達の目の前にオルガン諸島の島影が見えてきた。
「あそこです。 あの島に我らが船長 “道化のバギー” がいるんです」
「バギー?」
ルフィが聞き返すと海賊達は忠告する。
「そうです! あの人は、あの “悪魔の実シリーズ” のある実を食った男で…恐ろしい人なんすよ!」
「ふーん」
ルフィは興味が無さそうに頷くと島を眺め、隣ではゾロが腕を組んで寝ている。
「着いたら、起こしてくれ」 と頼まれたミコトは徐々に見えてくる島を心配そうに見つめた。
(大丈夫かな……ナミ。 無事だといいな……)
オルガン諸島、オレンジの町の港にはバギーの船が停泊していた。
町は静まり返り、人っ子一人いない。
風だけが通り過ぎていく。
「着きましたぜ、旦那達!」
三人は港に下りると町を見回す。
「誰も歩いていねェぞ」
「何だガランとした町だな。 人気がねぇじゃねぇか……」
ミコトも黙って町の寂しい様子を見た。
「はあ……実はこの町、我々バギー一味が襲撃中でして……」
海賊達はルフィ達に何故か申し訳なさそうに話す。
余程、海賊狩りのゾロが恐ろしいのだろう。
ルフィはもう用も無くなったと海賊達と別れる。
「じゃあな、おれ達は町の中でも探検すっか! 行くぞ!」
ゾロとミコトはルフィの後について、町へと向かった。
三人の姿が見えなくなった頃、フナンボローズ達はボソボソと相談し合う。
「どうする、バギー船長に何て言う。 手ぶらだぜ、おれ達……だから――」
怒られる程度で済めばいいがと肩を落としたが、フナンボローズ達は良い事を閃いた
ようだ。
三人は口端を上げ、後ろを揃って振り返った。
さて、ルフィ、ゾロ、ミコトはしばらく歩いていると、噴水のある広場に辿り着いた。
どこもかしこも町の中はガラーンとしていて、全く人の気配がしない。
ここまで歩いて来ている間も、誰にも会わなかった。
ルフィは周囲を見回すとつまらなさそうに呟いた。
「見事に誰もいないな……」
「海賊に襲撃されてちゃな」
ゾロがルフィに同意して頷いた時、ミコトの歩く足がピタッ! と止まった。
『…………』
(足音が……それに――!?)
「なんか見つけたのか?」 とゾロが尋ねるミコトは町の奥を窺うように見つめていた。
(ナミ!? 海賊から逃げてるんだ! 助けないと!)
『ルフィ、ゾロ! ちょっと行って来る』
ミコトはいてもたってもいられないと、ナミを助けようと通りを走り出した。
ルフィは突然走り出すミコトに驚いて声を掛ける。
「おい、どうしたんだミコト!?」
振りかえるミコトは叫ぶように言った。
『誰かが追われてるみたいなの!』
ミコトの言葉にゾロも通りの先に逃げる足音と人の声に気付いた。
「確かに聞こえるな……」
ルフィとゾロは顔を見合わせるとミコトの後を急いで追った。
ミコトが向かっいている通りにはナミが必死に息を切らして、海賊から走って逃げていた。
その手に持つのは薄汚れた紙ではなく——
「やっと手にいれた! “グランドライン” の海図」
ナミの後ろにはバギーの手下の “怪力ドミンゴス” 。
三人の大男達が必死の形相で叫んで追いかける。
「待ちやがれーっ!」
「捕まえろっ!」
ミコトの目にナミが息を切らして走って逃げている姿が見えた。
(ナミ! 海図を持ってる……て事はバギーから奪って来たんだ)
ナミの背後には海賊の姿が見え、ミコトは更にスピードをあげて走って助けに行く。
風をきって走る白い髪は風の形そのまま流れ、後を追うルフィとゾロはミコトの足の速さに驚きつつ追いかけた。
一方、ナミは通りの先から、すごい速さで迫り来る白い人影に気付いた。
「何!? はさまれたの!」
焦るナミは動揺して、思わず立ち止まってしまう。
絶対に渡さないと海図を握る手に力が入った瞬間、ミコトはナミの横をサッと駆け抜けた。
「え?」
後ろを振り返るナミの目には信じられない光景が映る。
ミコトは三人の大男の中に飛び込み、海賊のうちの一人の顔面に拳を打ちつけると、同時に倒れる胴を足場にし軽く飛ぶ。
右横にいる海賊の顎を蹴ると宙返りをした。
背後にいる最後の一人の足を左足で払い、バランスを崩した胴に右拳を突く。
一連の動作が繋がっていて舞っているようにナミの目には見えた。
白い風が吹き抜けた後に残るのは意識のない三人の海賊。
ナミは一瞬で起きた事に茫然と立ってミコトを見つめている。
「…………」
(女の子……年は同じくらいに見えるけど、何なの?)
ミコトはナミが無事な事にホッとして、ふわりと柔らかく微笑んだ。
(良かった……! 怪我とかしてないよね?)
『えっと……大丈夫ですか? 追われているようだったから……』
ナミはミコトに笑い掛けられて、ハッ! として現実に戻った。
(これって、助けてくれたって事よね)
「あ、ありがとう」
ナミのお礼にミコトは首を横に振ると薄茶色の瞳を輝かせてナミを見つめた。
『ううん……。 あなたが大丈夫ならいいの』
(ナミ、可愛い……! サンジ君じゃないけど、本物は本当に凄く可愛い!)
なんてミコトが考えている事などナミには分からない。
(なんなの、この子? よく見ると私より少し小さいのに、あの大男達を一瞬で……)
ナミに警戒されているミコトだが、無事にナミに会えてニコニコだ。
そこにルフィとゾロがミコトを追いかけてやって来た。
ルフィはミコトに近づいてナミを見て聞いた。
「ミコトの知り合いか?」
『え? 違うよ。 ただ海賊に追われてたから、助けなきゃって思って……』
ゾロは眉をひそめてミコトを見ている。
「ふーん」
(それにしちゃあ随分、必死に走ってたな)
ルフィ達が来た事で、ナミは厄介な連中かどうか探る様にミコトを見て話かけた。
「……あなた、強いのね」
『あのね。 私の名前はクサナギ・ミコト』
ミコトはナミと正反対に無防備な笑顔を見せて自己紹介をした。
ナミはミコトの無警戒さと、唐突な自己紹介に毒気を抜かれ、つい自分も名前を名乗っていた。
「…えっ! あ……私はナミよ。 海賊専門の泥棒をやってるの」
ミコトは戸惑うナミにニコリと笑う。
『ナミって呼んでもいい?』
「いいわよ。 私もミコトって呼ぶわね」
ミコトは嬉しくて 『うん!』 と頷いていた。
初めて会うミコトが何故こんなに無邪気に喜ぶのか、ナミには分からなかったが悪い気はしなかった。
(少し変わってるけど、いい子みたいね。 ただ、一緒にいる奴らは胡散臭いけど……)
ナミがチラッ……とルフィとゾロを見た。
用心深いゾロとナミは一瞬目が合い、逸らさず互いに探り合う——と、その時、グルグルグル! とルフィのお腹が緊張感の欠片もなく鳴った。
「腹へった~ お前さぁ、どっか食いモン食わせてくれるとこ知らねェのか?」
お腹を抱えるルフィはナミに尋ねた。
「あるわよ! 助けてもらったし、案内するわ」
ルフィとゾロとミコトはナミの後について歩き出した。
その様子を建物の影から、港で別れたバギー海賊団の “綱渡りフナンボローズ” の一味が覗いている。
三人は顔を見合わせて頷き、ルフィ達の後をこっそりとつけて行った。
バギー一味はルフィ達の小船を漕いでいる。
「何で海賊が海の真ん中で溺れてたんだ」
ゾロが睨んで問いただすと、海賊達は身を乗り出して、“悪魔の女” の話をした。
「それだっ! よく聞いてくれやした」
フナンボローズ達が言うには、 “悪魔の女” の巧みな話術と演技に騙され、天候の予報により、船を奪われたというものだ。
「——ってゆう次第なんですよ! ヒドいでしょ!?」
「へー、天候を操れるのか……すげー! おれの仲間に航海士になってくれねェかな」
ルフィの目は海賊を見ていない。
まだ会っていないナミの航海の腕に期待し、目をキラキラさせていた。
ゾロは海賊達に “悪魔の女” の行方を尋ねる。
「おい! その女はどこに行ったのか、お前ら知らねェのか?」
「知らねェス、海の彼方に行っちゃいましたから……おれ達の宝を持って」
海賊の話を聞いて、がっくりうな垂れるルフィ。
ミコトは鳥を捕まえていたら、今頃ナミに会っていたかもしれないと、申し訳ない気持ちになった。
(ごめんね、ルフィ……)
ただ、ミコトは遭難したバギー一味に会えた事で希望を見た。
(ナミはバギーの持っている “グランドライン” の海図と宝を狙ってるから、きっと会えるはず。 だから——)
『とりあえず、あなた達を送らないとね』
「そうだな! 乗せて送ってくんだから、お前らが頑張って漕げ!」
ルフィの命令に声をあげて 「「「はっはい!」」」 と返事をした。
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ルフィ達の目の前にオルガン諸島の島影が見えてきた。
「あそこです。 あの島に我らが船長 “道化のバギー” がいるんです」
「バギー?」
ルフィが聞き返すと海賊達は忠告する。
「そうです! あの人は、あの “悪魔の実シリーズ” のある実を食った男で…恐ろしい人なんすよ!」
「ふーん」
ルフィは興味が無さそうに頷くと島を眺め、隣ではゾロが腕を組んで寝ている。
「着いたら、起こしてくれ」 と頼まれたミコトは徐々に見えてくる島を心配そうに見つめた。
(大丈夫かな……ナミ。 無事だといいな……)
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オルガン諸島、オレンジの町の港にはバギーの船が停泊していた。
町は静まり返り、人っ子一人いない。
風だけが通り過ぎていく。
「着きましたぜ、旦那達!」
三人は港に下りると町を見回す。
「誰も歩いていねェぞ」
「何だガランとした町だな。 人気がねぇじゃねぇか……」
ミコトも黙って町の寂しい様子を見た。
「はあ……実はこの町、我々バギー一味が襲撃中でして……」
海賊達はルフィ達に何故か申し訳なさそうに話す。
余程、海賊狩りのゾロが恐ろしいのだろう。
ルフィはもう用も無くなったと海賊達と別れる。
「じゃあな、おれ達は町の中でも探検すっか! 行くぞ!」
ゾロとミコトはルフィの後について、町へと向かった。
三人の姿が見えなくなった頃、フナンボローズ達はボソボソと相談し合う。
「どうする、バギー船長に何て言う。 手ぶらだぜ、おれ達……だから――」
怒られる程度で済めばいいがと肩を落としたが、フナンボローズ達は良い事を閃いた
ようだ。
三人は口端を上げ、後ろを揃って振り返った。
さて、ルフィ、ゾロ、ミコトはしばらく歩いていると、噴水のある広場に辿り着いた。
どこもかしこも町の中はガラーンとしていて、全く人の気配がしない。
ここまで歩いて来ている間も、誰にも会わなかった。
ルフィは周囲を見回すとつまらなさそうに呟いた。
「見事に誰もいないな……」
「海賊に襲撃されてちゃな」
ゾロがルフィに同意して頷いた時、ミコトの歩く足がピタッ! と止まった。
『…………』
(足音が……それに――!?)
「なんか見つけたのか?」 とゾロが尋ねるミコトは町の奥を窺うように見つめていた。
(ナミ!? 海賊から逃げてるんだ! 助けないと!)
『ルフィ、ゾロ! ちょっと行って来る』
ミコトはいてもたってもいられないと、ナミを助けようと通りを走り出した。
ルフィは突然走り出すミコトに驚いて声を掛ける。
「おい、どうしたんだミコト!?」
振りかえるミコトは叫ぶように言った。
『誰かが追われてるみたいなの!』
ミコトの言葉にゾロも通りの先に逃げる足音と人の声に気付いた。
「確かに聞こえるな……」
ルフィとゾロは顔を見合わせるとミコトの後を急いで追った。
◇◆◇
ミコトが向かっいている通りにはナミが必死に息を切らして、海賊から走って逃げていた。
その手に持つのは薄汚れた紙ではなく——
「やっと手にいれた! “グランドライン” の海図」
ナミの後ろにはバギーの手下の “怪力ドミンゴス” 。
三人の大男達が必死の形相で叫んで追いかける。
「待ちやがれーっ!」
「捕まえろっ!」
ミコトの目にナミが息を切らして走って逃げている姿が見えた。
(ナミ! 海図を持ってる……て事はバギーから奪って来たんだ)
ナミの背後には海賊の姿が見え、ミコトは更にスピードをあげて走って助けに行く。
風をきって走る白い髪は風の形そのまま流れ、後を追うルフィとゾロはミコトの足の速さに驚きつつ追いかけた。
一方、ナミは通りの先から、すごい速さで迫り来る白い人影に気付いた。
「何!? はさまれたの!」
焦るナミは動揺して、思わず立ち止まってしまう。
絶対に渡さないと海図を握る手に力が入った瞬間、ミコトはナミの横をサッと駆け抜けた。
「え?」
後ろを振り返るナミの目には信じられない光景が映る。
ミコトは三人の大男の中に飛び込み、海賊のうちの一人の顔面に拳を打ちつけると、同時に倒れる胴を足場にし軽く飛ぶ。
右横にいる海賊の顎を蹴ると宙返りをした。
背後にいる最後の一人の足を左足で払い、バランスを崩した胴に右拳を突く。
一連の動作が繋がっていて舞っているようにナミの目には見えた。
白い風が吹き抜けた後に残るのは意識のない三人の海賊。
ナミは一瞬で起きた事に茫然と立ってミコトを見つめている。
「…………」
(女の子……年は同じくらいに見えるけど、何なの?)
ミコトはナミが無事な事にホッとして、ふわりと柔らかく微笑んだ。
(良かった……! 怪我とかしてないよね?)
『えっと……大丈夫ですか? 追われているようだったから……』
ナミはミコトに笑い掛けられて、ハッ! として現実に戻った。
(これって、助けてくれたって事よね)
「あ、ありがとう」
ナミのお礼にミコトは首を横に振ると薄茶色の瞳を輝かせてナミを見つめた。
『ううん……。 あなたが大丈夫ならいいの』
(ナミ、可愛い……! サンジ君じゃないけど、本物は本当に凄く可愛い!)
なんてミコトが考えている事などナミには分からない。
(なんなの、この子? よく見ると私より少し小さいのに、あの大男達を一瞬で……)
ナミに警戒されているミコトだが、無事にナミに会えてニコニコだ。
そこにルフィとゾロがミコトを追いかけてやって来た。
ルフィはミコトに近づいてナミを見て聞いた。
「ミコトの知り合いか?」
『え? 違うよ。 ただ海賊に追われてたから、助けなきゃって思って……』
ゾロは眉をひそめてミコトを見ている。
「ふーん」
(それにしちゃあ随分、必死に走ってたな)
ルフィ達が来た事で、ナミは厄介な連中かどうか探る様にミコトを見て話かけた。
「……あなた、強いのね」
『あのね。 私の名前はクサナギ・ミコト』
ミコトはナミと正反対に無防備な笑顔を見せて自己紹介をした。
ナミはミコトの無警戒さと、唐突な自己紹介に毒気を抜かれ、つい自分も名前を名乗っていた。
「…えっ! あ……私はナミよ。 海賊専門の泥棒をやってるの」
ミコトは戸惑うナミにニコリと笑う。
『ナミって呼んでもいい?』
「いいわよ。 私もミコトって呼ぶわね」
ミコトは嬉しくて 『うん!』 と頷いていた。
初めて会うミコトが何故こんなに無邪気に喜ぶのか、ナミには分からなかったが悪い気はしなかった。
(少し変わってるけど、いい子みたいね。 ただ、一緒にいる奴らは胡散臭いけど……)
ナミがチラッ……とルフィとゾロを見た。
用心深いゾロとナミは一瞬目が合い、逸らさず互いに探り合う——と、その時、グルグルグル! とルフィのお腹が緊張感の欠片もなく鳴った。
「腹へった~ お前さぁ、どっか食いモン食わせてくれるとこ知らねェのか?」
お腹を抱えるルフィはナミに尋ねた。
「あるわよ! 助けてもらったし、案内するわ」
ルフィとゾロとミコトはナミの後について歩き出した。
その様子を建物の影から、港で別れたバギー海賊団の “綱渡りフナンボローズ” の一味が覗いている。
三人は顔を見合わせて頷き、ルフィ達の後をこっそりとつけて行った。