第三章 海軍基地の町
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ルフィとミコトは海軍基地に向かう途中で、モーガン大佐について話していた。
「なあ、ミコト。 モーガンってどんな奴なんだろーな」
両手を頭の後ろに回して歩くルフィは近づく海軍基地を眺めた。
『斧手のモーガン大佐って呼ばれてるみたいだよ』
「へー、斧が手なのか」
『違うよ、手が斧だよルフィ』
「それ……どう違うんだ」
ルフィに聞かれ、ミコトは 『ん?』 と目が合って、『あれ、あれれ?』 と顎に指で触ると首を傾げた。
(斧が手、手が斧……どうっちにしても、斧なのかな?)
一瞬、考えが過って訳が分らなくなった。
『う~ん』
(でも―― どっちでも一緒かな。 ルフィが勝つもの)
ミコトは答えを出して、ニコリと笑った。
『とっ、とにかくルフィの方が強いよ。 信じてるからねルフィ!』
ルフィはミコトの答えになっていない答えに吹き出して笑った。
「ぷっ! なんだ、それ! でも、バカ親はおれが、ぶっ飛ばす!」
磔場にやって来た二人は早速、ゾロの所に行った。
右手を軽くあげて 「よっ」 と挨拶をするルフィに、ゾロはこりない奴と呆れた。
「また来たのか。 海賊の勧誘なら断ったハズだぜ……!」
「おれはルフィ! こっちはミコト。 縄、解いてやるから仲間になってくれ!」
ゾロの話を完全に流して話を進めるルフィに、ゾロは眉間に皺をよせた。
「話、聞いてんのか! おれには、やりてェ事があると言っただろう。 誰が好んで海賊なんて外道になるか」
ゾロははっきりと断るが、ルフィは開き直っている。
「別にいいじゃんか、お前元々悪い賞金稼ぎって言われてんだから」
「世間で、どう言われているかは知らんが……おれは、おれの信念に後悔するような事は何一つやっちゃいねェ! これからもそうだ……だから、海賊にもならねェ!」
ゾロは睨みつけて言い放つがルフィは聞かない。
「知るかっ! おれは、お前を仲間にするって決めた!」
まったく聞く耳を持たないルフィに、ゾロは話にならないと呆れて矛先をミコトに向けた。
「はァ! ホントに聞いてんのかよ! そこの……おめェからも何とか言えよ! 諦めろって!」
『ルフィは諦めないよ。 私もゾロに仲間になってほしいし、二人より三人いたほうが楽しいしね!』
ミコトは手を楽しそうにパンッ! と叩いた。
「てめェら……勝手な事、言ってんじゃねェ!」
歯をむきだして本気で怒るゾロにルフィは腕を組んで尋ねる。
「お前、刀使えるんだってな!」
磔にされているゾロは正面にいるルフィを見返す。
「………! フン…ああ、何かに体をくくりつけられてなきゃ一応な」
「刀は?」
「取られたよ、バカ息子にな。 命の次に大切な、おれの宝だ……!」
「へー 宝物か。 そりゃ一大事だな!」
うんうんと頷くルフィはニヤリと笑った。
その笑みにゾロは嫌な予感がした。
「よし! あのバカ息子から、おれ達が刀を奪ってやる!」
「何!?」
ゾロが聞き返した瞬間、ルフィはとんでもない一言を放つ。
「そして、おれから刀を返してほしけりゃ、仲間になれ」
あまりの言い分に、ゾロの動かせない体は怒りで震えた。
「たち悪ィぞ、てめェ!」
怒鳴りつけるゾロを置いて走りだすルフィは楽しそうだ。
ミコトはゾロに 『ごめんね』 と肩をすくませて小さく謝った。
「じゃあ……お前があいつを説得しろよ」
ぼやくゾロにミコトは笑った。
『それは無理。 諦めて仲間になろうよ!』
「なんで、おれが諦めんだよ!」
ゾロがミコトに怒鳴った時、ルフィの呼ぶ声がした。
「ミコト、何やってんだ! 刀を奪いに行くぞ!」
『はーい! それじゃあゾロ、またあとでね!』
ミコトはゾロに声を掛けると、ルフィの後を元気よく走ってついていく。
「おい、待て! ……基地にのり込むつもりかよ。 バカかあいつら…!」
残されたゾロは離れていく二人の気配に、呆れ気味に見送った。
海軍基地なのに海兵の一人もいない庭に、ルフィとミコトは少し戸惑っていた。
「だーれもいねェ。 どうすっかなー」
『ルフィ、二手に分かれようか? 私はこっちの建物の中を探すよ』
「よし、そうするか!」
ルフィは走って、基地の中庭の方へ向かった。
ミコトは建物の裏口らしきところから静かに侵入した。
(さてと、この建物はなんだろ? 探るかな……)
目を瞑るミコトには建物内部から基地全体が視えてくる。
壁の先には大量の書類がある事に資料室や事務室だと分かると、更に隣の建物を視て驚く。
(え!? あれは、ナミ! ……どうして?)
こそこそと動くナミが狙っているのは金庫のようだ。
鍵を開けて、目的のものがなかったのか舌打ちしていた。
ナミは悔しそうに呟く。
「グランドラインの海図があるって情報だったのに……!」
ナミの唇が動いているのは分かるが、何を言っているのかまではミコトには分からない。
(何で、ここにいるんだろ……)
獲物がないなら長居は無用とナミは逃げようとしていた。
(ナミとは会わないようにしないと……他は――)
ミコトは視界を広げる。
屋上ではモーガンの指示で、悪趣味なモーガン銅像を大勢の海兵達が立てようとしていた。
だから、敷地内に海兵達がいなかったのだ。
視える磔場にはまだコビーは来ていないようだと、別の建物の内部に探していた部屋を見つけた。
(あった! ヘルメッポの部屋だ!)
よし! とミコトは頷くと、ヘルメッポの部屋に用心しながら急いで向かった。
やはりというか、海兵達はモーガンの銅像の設置に駆り出され、建物内にも人の気配がなかった。
ミコトは簡単にヘルメッポの部屋の階に到着した。
(よし、このまま見つからないで行けるかも……ナミも上手く脱出したみたいだし)
廊下まで進んだところでホッ……と息をついて安心した時。
外からとてつもない大きな物が壊れる音と怒号が基地中に響いた。
―― バカッ! ガシャァァン!
「あいつを捕まえろ、おれが殺す!」
モーガンの怒鳴り声が響いた。
(ルフィが銅像を壊したんだ)
ミコトは急ごう! と部屋へ入った。
ヘルメッポの部屋は意外にも綺麗に片づけられていた。
何だかいい匂いもする部屋の隅に、無造作に立てかけてある三本の刀を見つける。
『あった!』
嬉しくて無意識に声が出て、笑みがこぼれた。
ポケットからハンカチを取り出すと、素早く三本の刀をまとめた。
その頃、磔場ではいつの間にか来ていたコビーが、懸命にゾロの縄をほどこうと頑張っていた。
固く結ばれた縄はゾロの血が染みこみ、さらにほどけにくくした。
ゾロはコビーを心配して縄をほどこうとするのを止める。
「おい、いいのか! おれに手を貸せば、てめェが殺されるぞ」
「あなたに捕まる理由はない筈です! ぼくは、こんな海軍見てられない!」
コビーは海軍の姿に悔しくて歯を食いしばって叫んだ。
「ぼくはきっと正しい海兵になるんです! ルフィさんが海賊王になるように!」
ゾロの刀をまとめ終わったミコトは窓をバッ! と開け放ち磔場の様子を見止めた。
(コビーがゾロの縄をほどこうとしてるって事は……!)
屋上に視線を向けると、モーガンの命令で狙撃手が狙いを定め、引き金の指を掛けている。
(間に合わない!)
飛び下りて地上に着く前に狙撃されてしまう。
ミコトは素早くスッ……と右腕を伸ばし手を銃の形にすると、指先に水の弾丸を作り出す。
直後、乾いた銃の発砲音が響き、ミコトも撃つ。
――パーン!
『バン!』
コビーを狙う銃弾の軌道の先がミコトの狙った場所。
先に発砲された弾丸よりもミコトの水の弾丸のほうが早い。
コビーに当たる前にパシャ! と音をたてて銃弾が破片となり地上に落ちた。
発砲音を聞いて空を見上げるゾロとコビーは、ミコトが窓から銃弾を打ち落とすところを見ていた。
どうやって!? という浮かぶ疑問は当然だ。
今見えるミコトの手には何もないのだから。
「あいつ……」
「ミコトさん……」
ゾロとコビーは驚いて呟いた。
屋上にいる狙撃手もまた驚いていた。
狙ったはずのコビーに当たらず、自分の銃弾が建物の窓から撃ち落とされたのだから。
邪魔をしたのは――と視線を流せば見えた人物の行動に驚いて目を丸くした。
白い影が窓から飛んだからだ。
人が落ちて助かる高さじゃないのに、ミコトは微笑して飛び下りる。
狙撃手は飛び下りている白い人影が狙撃を邪魔したと直感的に判断した。
そして、再び構えるとミコトに狙いを定めた。
飛び降りるミコトの白い髪は宙に舞い翼の様に広がって見える。
ゾロとコビーの視線に気付くと空中で、にこやかに小さく手を振っている。
瞬間、パーン! という銃声が響いた。
銃弾は真っ直ぐ飛んでミコトに向かう。
ゾロとコビーの目にはミコトは撃たれて倒れると思ったが、まったく違う事が目の前で起きていた。
―― 何ィーっ!?
ミコトの背中から胸に銃弾がパシャンと音をたてて、体に波紋を作り抜けたのだ。
そして、ミコトは微笑み何事もないように両腕を横に広げてトン……と地面に静かに着地した。
銃弾はというとコビーの足元に撃ち込まれ、コビーは 「うわァ!」 と片足をあげて転んだ。
ゾロとコビーは目の前で起きた事が理解できない顔でミコトを見つめた。
「お前……」
「ミコトさん……」
ミコトは二人の反応に、驚かせてしまった事に気づき、地面に座り込むコビーに手を差し出して微笑した。
『ごめんね。 驚かせちゃった。 コビー、水人間って言ったでしょ?』
ゾロは聞いたこともない言葉に疑問を浮かべた。
「……水人間?」
コビーは立ち上がり土埃を払っていた。
「悪魔の実の能力です。 ミコトさんはミズミズの実を食べた水人間。 ルフィさんはゴムゴムの実を食べたゴム人間です」
「そんな人間がいるのか……」
「ぼくも、初めてルフィさんの能力を見たときは驚きましたが……いるんですよね」
呆然とも感心ともとれるコビーの言葉にゾロは頷こうとして、ハッ! とした。
「そんなことより、お前らすぐに逃げろ! あいつらが下りてくるぜ。 おれは、いいんだ一か月耐えれば――」
「助かりませんよ! あなたは三日後に処刑されるんです!」
コビーはゾロの逃げろと言う言葉を叫び消す。
ゾロは告げられた真実に絶句した。
「なあ、ミコト。 モーガンってどんな奴なんだろーな」
両手を頭の後ろに回して歩くルフィは近づく海軍基地を眺めた。
『斧手のモーガン大佐って呼ばれてるみたいだよ』
「へー、斧が手なのか」
『違うよ、手が斧だよルフィ』
「それ……どう違うんだ」
ルフィに聞かれ、ミコトは 『ん?』 と目が合って、『あれ、あれれ?』 と顎に指で触ると首を傾げた。
(斧が手、手が斧……どうっちにしても、斧なのかな?)
一瞬、考えが過って訳が分らなくなった。
『う~ん』
(でも―― どっちでも一緒かな。 ルフィが勝つもの)
ミコトは答えを出して、ニコリと笑った。
『とっ、とにかくルフィの方が強いよ。 信じてるからねルフィ!』
ルフィはミコトの答えになっていない答えに吹き出して笑った。
「ぷっ! なんだ、それ! でも、バカ親はおれが、ぶっ飛ばす!」
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磔場にやって来た二人は早速、ゾロの所に行った。
右手を軽くあげて 「よっ」 と挨拶をするルフィに、ゾロはこりない奴と呆れた。
「また来たのか。 海賊の勧誘なら断ったハズだぜ……!」
「おれはルフィ! こっちはミコト。 縄、解いてやるから仲間になってくれ!」
ゾロの話を完全に流して話を進めるルフィに、ゾロは眉間に皺をよせた。
「話、聞いてんのか! おれには、やりてェ事があると言っただろう。 誰が好んで海賊なんて外道になるか」
ゾロははっきりと断るが、ルフィは開き直っている。
「別にいいじゃんか、お前元々悪い賞金稼ぎって言われてんだから」
「世間で、どう言われているかは知らんが……おれは、おれの信念に後悔するような事は何一つやっちゃいねェ! これからもそうだ……だから、海賊にもならねェ!」
ゾロは睨みつけて言い放つがルフィは聞かない。
「知るかっ! おれは、お前を仲間にするって決めた!」
まったく聞く耳を持たないルフィに、ゾロは話にならないと呆れて矛先をミコトに向けた。
「はァ! ホントに聞いてんのかよ! そこの……おめェからも何とか言えよ! 諦めろって!」
『ルフィは諦めないよ。 私もゾロに仲間になってほしいし、二人より三人いたほうが楽しいしね!』
ミコトは手を楽しそうにパンッ! と叩いた。
「てめェら……勝手な事、言ってんじゃねェ!」
歯をむきだして本気で怒るゾロにルフィは腕を組んで尋ねる。
「お前、刀使えるんだってな!」
磔にされているゾロは正面にいるルフィを見返す。
「………! フン…ああ、何かに体をくくりつけられてなきゃ一応な」
「刀は?」
「取られたよ、バカ息子にな。 命の次に大切な、おれの宝だ……!」
「へー 宝物か。 そりゃ一大事だな!」
うんうんと頷くルフィはニヤリと笑った。
その笑みにゾロは嫌な予感がした。
「よし! あのバカ息子から、おれ達が刀を奪ってやる!」
「何!?」
ゾロが聞き返した瞬間、ルフィはとんでもない一言を放つ。
「そして、おれから刀を返してほしけりゃ、仲間になれ」
あまりの言い分に、ゾロの動かせない体は怒りで震えた。
「たち悪ィぞ、てめェ!」
怒鳴りつけるゾロを置いて走りだすルフィは楽しそうだ。
ミコトはゾロに 『ごめんね』 と肩をすくませて小さく謝った。
「じゃあ……お前があいつを説得しろよ」
ぼやくゾロにミコトは笑った。
『それは無理。 諦めて仲間になろうよ!』
「なんで、おれが諦めんだよ!」
ゾロがミコトに怒鳴った時、ルフィの呼ぶ声がした。
「ミコト、何やってんだ! 刀を奪いに行くぞ!」
『はーい! それじゃあゾロ、またあとでね!』
ミコトはゾロに声を掛けると、ルフィの後を元気よく走ってついていく。
「おい、待て! ……基地にのり込むつもりかよ。 バカかあいつら…!」
残されたゾロは離れていく二人の気配に、呆れ気味に見送った。
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海軍基地なのに海兵の一人もいない庭に、ルフィとミコトは少し戸惑っていた。
「だーれもいねェ。 どうすっかなー」
『ルフィ、二手に分かれようか? 私はこっちの建物の中を探すよ』
「よし、そうするか!」
ルフィは走って、基地の中庭の方へ向かった。
ミコトは建物の裏口らしきところから静かに侵入した。
(さてと、この建物はなんだろ? 探るかな……)
目を瞑るミコトには建物内部から基地全体が視えてくる。
壁の先には大量の書類がある事に資料室や事務室だと分かると、更に隣の建物を視て驚く。
(え!? あれは、ナミ! ……どうして?)
こそこそと動くナミが狙っているのは金庫のようだ。
鍵を開けて、目的のものがなかったのか舌打ちしていた。
ナミは悔しそうに呟く。
「グランドラインの海図があるって情報だったのに……!」
ナミの唇が動いているのは分かるが、何を言っているのかまではミコトには分からない。
(何で、ここにいるんだろ……)
獲物がないなら長居は無用とナミは逃げようとしていた。
(ナミとは会わないようにしないと……他は――)
ミコトは視界を広げる。
屋上ではモーガンの指示で、悪趣味なモーガン銅像を大勢の海兵達が立てようとしていた。
だから、敷地内に海兵達がいなかったのだ。
視える磔場にはまだコビーは来ていないようだと、別の建物の内部に探していた部屋を見つけた。
(あった! ヘルメッポの部屋だ!)
よし! とミコトは頷くと、ヘルメッポの部屋に用心しながら急いで向かった。
◇◆◇
やはりというか、海兵達はモーガンの銅像の設置に駆り出され、建物内にも人の気配がなかった。
ミコトは簡単にヘルメッポの部屋の階に到着した。
(よし、このまま見つからないで行けるかも……ナミも上手く脱出したみたいだし)
廊下まで進んだところでホッ……と息をついて安心した時。
外からとてつもない大きな物が壊れる音と怒号が基地中に響いた。
―― バカッ! ガシャァァン!
「あいつを捕まえろ、おれが殺す!」
モーガンの怒鳴り声が響いた。
(ルフィが銅像を壊したんだ)
ミコトは急ごう! と部屋へ入った。
ヘルメッポの部屋は意外にも綺麗に片づけられていた。
何だかいい匂いもする部屋の隅に、無造作に立てかけてある三本の刀を見つける。
『あった!』
嬉しくて無意識に声が出て、笑みがこぼれた。
ポケットからハンカチを取り出すと、素早く三本の刀をまとめた。
◇◆◇
その頃、磔場ではいつの間にか来ていたコビーが、懸命にゾロの縄をほどこうと頑張っていた。
固く結ばれた縄はゾロの血が染みこみ、さらにほどけにくくした。
ゾロはコビーを心配して縄をほどこうとするのを止める。
「おい、いいのか! おれに手を貸せば、てめェが殺されるぞ」
「あなたに捕まる理由はない筈です! ぼくは、こんな海軍見てられない!」
コビーは海軍の姿に悔しくて歯を食いしばって叫んだ。
「ぼくはきっと正しい海兵になるんです! ルフィさんが海賊王になるように!」
ゾロの刀をまとめ終わったミコトは窓をバッ! と開け放ち磔場の様子を見止めた。
(コビーがゾロの縄をほどこうとしてるって事は……!)
屋上に視線を向けると、モーガンの命令で狙撃手が狙いを定め、引き金の指を掛けている。
(間に合わない!)
飛び下りて地上に着く前に狙撃されてしまう。
ミコトは素早くスッ……と右腕を伸ばし手を銃の形にすると、指先に水の弾丸を作り出す。
直後、乾いた銃の発砲音が響き、ミコトも撃つ。
――パーン!
『バン!』
コビーを狙う銃弾の軌道の先がミコトの狙った場所。
先に発砲された弾丸よりもミコトの水の弾丸のほうが早い。
コビーに当たる前にパシャ! と音をたてて銃弾が破片となり地上に落ちた。
発砲音を聞いて空を見上げるゾロとコビーは、ミコトが窓から銃弾を打ち落とすところを見ていた。
どうやって!? という浮かぶ疑問は当然だ。
今見えるミコトの手には何もないのだから。
「あいつ……」
「ミコトさん……」
ゾロとコビーは驚いて呟いた。
屋上にいる狙撃手もまた驚いていた。
狙ったはずのコビーに当たらず、自分の銃弾が建物の窓から撃ち落とされたのだから。
邪魔をしたのは――と視線を流せば見えた人物の行動に驚いて目を丸くした。
白い影が窓から飛んだからだ。
人が落ちて助かる高さじゃないのに、ミコトは微笑して飛び下りる。
狙撃手は飛び下りている白い人影が狙撃を邪魔したと直感的に判断した。
そして、再び構えるとミコトに狙いを定めた。
飛び降りるミコトの白い髪は宙に舞い翼の様に広がって見える。
ゾロとコビーの視線に気付くと空中で、にこやかに小さく手を振っている。
瞬間、パーン! という銃声が響いた。
銃弾は真っ直ぐ飛んでミコトに向かう。
ゾロとコビーの目にはミコトは撃たれて倒れると思ったが、まったく違う事が目の前で起きていた。
―― 何ィーっ!?
ミコトの背中から胸に銃弾がパシャンと音をたてて、体に波紋を作り抜けたのだ。
そして、ミコトは微笑み何事もないように両腕を横に広げてトン……と地面に静かに着地した。
銃弾はというとコビーの足元に撃ち込まれ、コビーは 「うわァ!」 と片足をあげて転んだ。
ゾロとコビーは目の前で起きた事が理解できない顔でミコトを見つめた。
「お前……」
「ミコトさん……」
ミコトは二人の反応に、驚かせてしまった事に気づき、地面に座り込むコビーに手を差し出して微笑した。
『ごめんね。 驚かせちゃった。 コビー、水人間って言ったでしょ?』
ゾロは聞いたこともない言葉に疑問を浮かべた。
「……水人間?」
コビーは立ち上がり土埃を払っていた。
「悪魔の実の能力です。 ミコトさんはミズミズの実を食べた水人間。 ルフィさんはゴムゴムの実を食べたゴム人間です」
「そんな人間がいるのか……」
「ぼくも、初めてルフィさんの能力を見たときは驚きましたが……いるんですよね」
呆然とも感心ともとれるコビーの言葉にゾロは頷こうとして、ハッ! とした。
「そんなことより、お前らすぐに逃げろ! あいつらが下りてくるぜ。 おれは、いいんだ一か月耐えれば――」
「助かりませんよ! あなたは三日後に処刑されるんです!」
コビーはゾロの逃げろと言う言葉を叫び消す。
ゾロは告げられた真実に絶句した。