第一章 フーシャ村
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店の外に出ると港の方から再び悲鳴が聞こえた。
さっきまでは穏やかな波の音、鳥の声、漁師達の笑い声であふれていた様子とは正反対だ。
怒声と叫び声に混ざり大きな物が壊れる音がする。
ミコトは起きている事に眉根を寄せて、港の方角を見つめた。
港へと真っ直ぐ伸びる道の先の左側の建物の影から黒い海賊旗がはためく。
マキノが口元に両手をそろえ、小さく悲鳴のような声をあげる。
「……海賊!」
ミコトはマキノに背を向けて、即座に駆けだそうとしていた。
驚いたマキノは急いでミコトの右腕を掴んだ。
「何しに行くの!? 危ないから止めなさい!」
ミコトは振り返り、微笑して答えた。
『大丈夫。 私、強いから。 マキノさんはここで待っていて』
腕を掴むマキノの手をそっと外すと、港に向かい走って行った。
マキノはミコトの背中が小さくなる様子を見つめた。
「どうして彼女は私の名前を知っているの? 彼女はいったい……?」
マキノが呟くと後ろから、ウープ村長が心配そうに声を掛けた。
「どうしたんじゃ、マキノ? 港が騒がしいようじゃが……」
マキノはそうだった!? と港に見える海賊旗を慌てて指さした。
「港に海賊が!? 女の子が一人で向かって行って……!」
「なんじゃと!」
ウープ村長は叫びに似た声をあげ、止めなくてはと港に向かった。
マキノも後から祈りながら追いかけていく。
(どうか……無事でいて!)
さて、ルフィはというと山を下りていた。
どこまでも青い空に流れる雲や、牛が牧草をおいしそうに食べている姿を眺めて意気揚々歩く。
「明日の誕生日でおれは十七歳。 やっと海へ出れるぞー! 楽しみだな~!」
ルフィはコボル山から、お気に入りの木の枝を振り回す。
「どんな奴を仲間にしようかな~。 いろんな食い物も食べたいしな~」
フンフンと鼻歌まじりのような独り言は楽しくて仕方ないという様子だ。
明日、海に出れると思うとワクワクする気持ちが抑えられない。
「やっぱり、冒険したいよな~!」
突然、きゅ~! と鳴るお腹。
ルフィは立ち止まるとお腹を両手で押さえる。
グルグル……と体の中から声が聞こえた。
「腹が減っちまった……。 メシ、メシ! メシ食いてェ!」
叫ぶと同時にビュン! と走り出した。
向かうはマキノの酒場。
「腹へった~!」
ルフィが村に着くと何やらいつもと違うことに気付いて、腕を組んで首を傾げた。
辺りを見回しても、人の気配がない。
「おっかしいなぁ? 誰もいないぞ!?」
少し足早に進むと、通りの先にウープ村長とマキノが港に向かって走る後姿が見えた。
「いったいなんだ? 行ってみっか!」
ウープ村長とマキノの後を追った。
港ではシャンプーキャップの様な変な水色の帽子を被った浅黒い海賊が勝ち誇ったような雄叫びをあげていた。
村人達は恐怖で海賊達を避けるように立ちすくむ。
海賊と目を合せないように石畳を見詰める者、怒りと恐怖に震えている者、みんな悔しそうに唇を噛んでいる。
しかし、そんな村人達の気持ちなど海賊達には関係ない。
「この村の金品、酒、食糧、女、差し出せ!」
「まとめてシャンプー海賊団がもらってやるぜ!」
「ガハハハハハ!」
海賊達の下品な笑い声が響き、石畳を蹴るように大股に歩く足音が穏やかな波の音をかき消した。
「こんな小さい村じゃ、たいした収穫にはならねぇなぁーオイ! ガハハハハハ!」
「ハイ! リンス船長。 グランドラインに行くおれたちにはものたりねェ!」
ミコトが港に着くと、通りの真ん中を歩く海賊の姿が見えた。
大声で勝手な事を言っている様子にミコトは眉をひそめ、海賊の前に歩み出る。
海賊達は前から歩いて向かってくる少女に気付くと下卑た笑いを浮かべた。
「お頭、前から女がやって来ますぜ!」
「おい、女。 おれ様の女になりに来たのか?」
ミコトは立ち止まり、海賊達に微笑した。
薄茶色のガラスみたいな透ける目は海賊達をドキリとさせた。
『盗んだ物を置いて、この村から今すぐ出ていきなさい。 今なら無傷ですむ』
命乞いではなく、脅しを口にするミコトを海賊は笑い飛ばす。
「ガハハハハ! 女ァ、何言ってるんだ! たった今、この村の物は全部、おれ様の物になったんだよ!」
「そうだ! 血迷った事言ってんじゃねェぞ!」
大声で笑う海賊達とミコトは対峙し、それを信じられないと黙って見守る村人達。
そこに、ウープ村長とマキノが走って来た。
ウープ村長は少女と海賊達の間に飛び込むように入り、ガバッと土下座をした。
「頼む! あんた達と争う気はない。 この村にある金も食料もやる。 だから、この子も村人の命も助けてくれ!」
「フン! 残念ながら駄目だ。 さっきも言っただろーが! もう、おれ様の村なんだよ! ガハハハハ!」
村長の願いを笑い飛ばす海賊をミコトは睨み、地面にうなだれるウープ村長の肩にそっと手を置く。
『大丈夫だよ、村長さん』
「大丈夫って……何言うてるんじゃ! 相手は何十人もいる海賊達じゃぞ!」
ミコトはニコリと笑う。
『私が追い出すから』
「お前さんみたいな子に出来るわけなかろう!」
ウープ村長の当然の否定にもミコトの表情は変わらない。
信じてという目をウープ村長が見つめた瞬間、海賊の笑い声が響いた。
「ガハハハッハ! 女、笑かしてくれるじゃねェかよ!」
唾を吐き捨てると直後に、海賊リンスの右拳がミコトに襲い掛かる。
ミコトが村長を抱き、後ろに跳んで回避したと同時に、リンスの拳が石畳を割った。
拳で砕けた石畳の亀裂に海賊達の歓声が沸く。
「リンス船長の拳は岩をも砕ける!」
海賊達は自慢気に笑ったが、その拳を躱し村長を助けたミコトの素早さに気づかないのか。
マキノと村人達は真っ青な顔をして、えらい事になったとミコトを見た。
その頃の走るルフィの目には港が見えてきた。
「何だー? たくさん人がいるぞ!」
目を凝らしてみると海賊旗が見え、人が集まっているのも分かった。
「もしかして海賊がきてるのか? 悪い奴なのか? 良い奴なら仲間にしよう!」
ルフィはウキウキしながら枝を放り投げて向かった。
さっきまでは穏やかな波の音、鳥の声、漁師達の笑い声であふれていた様子とは正反対だ。
怒声と叫び声に混ざり大きな物が壊れる音がする。
ミコトは起きている事に眉根を寄せて、港の方角を見つめた。
港へと真っ直ぐ伸びる道の先の左側の建物の影から黒い海賊旗がはためく。
マキノが口元に両手をそろえ、小さく悲鳴のような声をあげる。
「……海賊!」
ミコトはマキノに背を向けて、即座に駆けだそうとしていた。
驚いたマキノは急いでミコトの右腕を掴んだ。
「何しに行くの!? 危ないから止めなさい!」
ミコトは振り返り、微笑して答えた。
『大丈夫。 私、強いから。 マキノさんはここで待っていて』
腕を掴むマキノの手をそっと外すと、港に向かい走って行った。
マキノはミコトの背中が小さくなる様子を見つめた。
「どうして彼女は私の名前を知っているの? 彼女はいったい……?」
マキノが呟くと後ろから、ウープ村長が心配そうに声を掛けた。
「どうしたんじゃ、マキノ? 港が騒がしいようじゃが……」
マキノはそうだった!? と港に見える海賊旗を慌てて指さした。
「港に海賊が!? 女の子が一人で向かって行って……!」
「なんじゃと!」
ウープ村長は叫びに似た声をあげ、止めなくてはと港に向かった。
マキノも後から祈りながら追いかけていく。
(どうか……無事でいて!)
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さて、ルフィはというと山を下りていた。
どこまでも青い空に流れる雲や、牛が牧草をおいしそうに食べている姿を眺めて意気揚々歩く。
「明日の誕生日でおれは十七歳。 やっと海へ出れるぞー! 楽しみだな~!」
ルフィはコボル山から、お気に入りの木の枝を振り回す。
「どんな奴を仲間にしようかな~。 いろんな食い物も食べたいしな~」
フンフンと鼻歌まじりのような独り言は楽しくて仕方ないという様子だ。
明日、海に出れると思うとワクワクする気持ちが抑えられない。
「やっぱり、冒険したいよな~!」
突然、きゅ~! と鳴るお腹。
ルフィは立ち止まるとお腹を両手で押さえる。
グルグル……と体の中から声が聞こえた。
「腹が減っちまった……。 メシ、メシ! メシ食いてェ!」
叫ぶと同時にビュン! と走り出した。
向かうはマキノの酒場。
「腹へった~!」
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ルフィが村に着くと何やらいつもと違うことに気付いて、腕を組んで首を傾げた。
辺りを見回しても、人の気配がない。
「おっかしいなぁ? 誰もいないぞ!?」
少し足早に進むと、通りの先にウープ村長とマキノが港に向かって走る後姿が見えた。
「いったいなんだ? 行ってみっか!」
ウープ村長とマキノの後を追った。
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港ではシャンプーキャップの様な変な水色の帽子を被った浅黒い海賊が勝ち誇ったような雄叫びをあげていた。
村人達は恐怖で海賊達を避けるように立ちすくむ。
海賊と目を合せないように石畳を見詰める者、怒りと恐怖に震えている者、みんな悔しそうに唇を噛んでいる。
しかし、そんな村人達の気持ちなど海賊達には関係ない。
「この村の金品、酒、食糧、女、差し出せ!」
「まとめてシャンプー海賊団がもらってやるぜ!」
「ガハハハハハ!」
海賊達の下品な笑い声が響き、石畳を蹴るように大股に歩く足音が穏やかな波の音をかき消した。
「こんな小さい村じゃ、たいした収穫にはならねぇなぁーオイ! ガハハハハハ!」
「ハイ! リンス船長。 グランドラインに行くおれたちにはものたりねェ!」
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ミコトが港に着くと、通りの真ん中を歩く海賊の姿が見えた。
大声で勝手な事を言っている様子にミコトは眉をひそめ、海賊の前に歩み出る。
海賊達は前から歩いて向かってくる少女に気付くと下卑た笑いを浮かべた。
「お頭、前から女がやって来ますぜ!」
「おい、女。 おれ様の女になりに来たのか?」
ミコトは立ち止まり、海賊達に微笑した。
薄茶色のガラスみたいな透ける目は海賊達をドキリとさせた。
『盗んだ物を置いて、この村から今すぐ出ていきなさい。 今なら無傷ですむ』
命乞いではなく、脅しを口にするミコトを海賊は笑い飛ばす。
「ガハハハハ! 女ァ、何言ってるんだ! たった今、この村の物は全部、おれ様の物になったんだよ!」
「そうだ! 血迷った事言ってんじゃねェぞ!」
大声で笑う海賊達とミコトは対峙し、それを信じられないと黙って見守る村人達。
そこに、ウープ村長とマキノが走って来た。
ウープ村長は少女と海賊達の間に飛び込むように入り、ガバッと土下座をした。
「頼む! あんた達と争う気はない。 この村にある金も食料もやる。 だから、この子も村人の命も助けてくれ!」
「フン! 残念ながら駄目だ。 さっきも言っただろーが! もう、おれ様の村なんだよ! ガハハハハ!」
村長の願いを笑い飛ばす海賊をミコトは睨み、地面にうなだれるウープ村長の肩にそっと手を置く。
『大丈夫だよ、村長さん』
「大丈夫って……何言うてるんじゃ! 相手は何十人もいる海賊達じゃぞ!」
ミコトはニコリと笑う。
『私が追い出すから』
「お前さんみたいな子に出来るわけなかろう!」
ウープ村長の当然の否定にもミコトの表情は変わらない。
信じてという目をウープ村長が見つめた瞬間、海賊の笑い声が響いた。
「ガハハハッハ! 女、笑かしてくれるじゃねェかよ!」
唾を吐き捨てると直後に、海賊リンスの右拳がミコトに襲い掛かる。
ミコトが村長を抱き、後ろに跳んで回避したと同時に、リンスの拳が石畳を割った。
拳で砕けた石畳の亀裂に海賊達の歓声が沸く。
「リンス船長の拳は岩をも砕ける!」
海賊達は自慢気に笑ったが、その拳を躱し村長を助けたミコトの素早さに気づかないのか。
マキノと村人達は真っ青な顔をして、えらい事になったとミコトを見た。
◇◆◇
その頃の走るルフィの目には港が見えてきた。
「何だー? たくさん人がいるぞ!」
目を凝らしてみると海賊旗が見え、人が集まっているのも分かった。
「もしかして海賊がきてるのか? 悪い奴なのか? 良い奴なら仲間にしよう!」
ルフィはウキウキしながら枝を放り投げて向かった。