狼と羊
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“狼と羊、食べるのはどっち?”
ある日、狼は考えた。
羊にねだられたい……と。
『私を食べてね』
これを言わせるには我慢しなければいけない。
狼の邪な欲望から絶食生活が始まった。
エースが●●を抱かない生活を始めて一週間経っていた。
辛いなんてもんじゃないぐらいエースは精神的にも肉体的にもダメージを蓄積していった。
手を繋いだり、キスしたり、抱き合って寝たりはしている。
可愛い恋人が不安になったりしない程度には触っているが――それが半端なくきつい。
片思いの時や付き合い初めの頃ならともかく、味を知っている今では盛りあがったところでの我慢は拷問に近い。
自分で始めたとはいえかなり後悔しているが、聞きたいのも確かだ。
追い詰めて、焦らして、甘く蕩ける●●に言わせる事は出来る。
しかし、エースが聞きたいのは平常時の●●に自然に求めて欲しいと願う。
ここまで頑張って続けてきたのだ。
絶対に言わせると、やる気を奮い立たせるエースだ。
どうやったら……と考える狼は気付いていない。
羊が食べて欲しいと思う前に満足してしまっている事に。
●●がふと、大好きなエースと見つめあって微笑み合う。
エースの手が髪を優しく撫でれば、それだけで幸せなのだ。
『好き……』
●●が告げればエースは優しいキスをくれて抱きしめてくれる。
甘やかされて、包まれてしまえば、これ以上など考えられないぐらい●●は満たされて浸ってしまう。
これでは羊が狼に 『食べて』 などと言う確率は限りなくゼロに近い。
我慢の限界の狼が 「食わせろっ!」 と叫ぶ方が先だろう。
昼下がりの甲板。
他のクルー達から見たらいつも通り座って仲良く話す二人。
見慣れた甘々ぶりだから、目に入っても気にならない。
それぞれのまったりした午後を楽しんでいた。
しかし、エースの内心は楽しんでなどいなかった。
相変わらず一人で勝手に我慢して誘惑から耐えている。
●●はエースに後ろから抱かれるように座っていた。
背中から伝わる体温が好きで、甘えて寄りかかっても、エースは嫌な顔ひとつしない。
むしろ、時々エースに抱きつかれて 『重い……』 と文句を言う時があるくらいだ。
そうするとすぐに 「悪ィな」 と言って撫でてくれる笑顔が堪らなく●●は好きなのだ。
優しくて、温かくて、頼れるエース。
(大好き……)
●●は包まれる腕の中で肩口に甘えて額をつける。
温もりに眠くなって、エースを見上げた。
(寝っちゃってもいいかな……?)
気配を感じたエースは重そうな瞼の●●に微笑する。
「眠ィのか?」
『うん』
「寝てェなら……寝ろ」
『いいの?』
「ああ」
エースに髪を撫でられて気持ち良さで●●の目は蕩けて瞼が落ちる。
安心しきる●●と違って、恋人の可愛らしさにエースは衝動を抑えるのが大変だった。
(これをあと何回我慢すればいいんだ……)
このまま先に寝てくれれば諦めがつくと、この一週間毎回心の中で溜息をついていた。
今も●●が目を閉じた瞬間に息をついた――直後、●●の目がパッと開いた。
いつもと違う事が起きてエースは心臓を鳴らした。
(……何だ!? 起きんのか?)
見つめていれば、●●はニコリと笑う。
可愛いなとエースが思っている間に顔が近付いて、閉じる細い睫と触れあう柔らかい唇に思考が奪われた。
エースは初めて、●●からキスを貰えたのだ。
手を繋いだり、抱きついたりと甘えてくれる事が多い恋人だがキスは無かった。
嬉しさと驚きで、ただ●●を見つめるエース。
そういえば……と記憶にある●●が言っていた事を思い出す。
――近くてキスしたくなる……と。
照れて頬を染める●●の可愛らしさに我慢の針は振り切っていた。
何故、これを堪える必要があるのかと今のエースには疑問すら浮かぶ。
(する必要なんかねェだろ、バカだろおれ……)
黙っているエースの視線から●●は逃げるように俯いて呟いた。
『……したくなっちゃったから』
プツリ――
張りつめた理性の紐が切れた音は●●には聞こえていない。
エースは止められない衝動のまま愛しい恋人を抱き上げた。
何が起きているのか分からない●●は混乱した。
『な、何!? エース!』
「おれもしたくなったから……っていうか、我慢させられ続けて限界」
『が、我慢!? 限界……? 何の話っ!?』
「心配すんな。 もう、終わった事だ」
『何が終わって……っ!? ……ん!』
戸惑う●●にエースはちゅっ……とキスをすると笑う。
「しような!」
何を!? と●●はツッコんで聞きたいが、この流れが分からない程鈍くはない。
『何で、そうなるの?』
「お前がしたくなったって言っただろ」
『あ、それはキスだよ……』
「知ってる」
笑顔のエースに●●は見惚れて目を逸らした。
すでに●●の睡魔など吹っ飛んでどこかに消え去った。
恥かしさでエースの首に抱きつけば、囁かれる。
「なあ……言って欲しい事があんだけど」
『何?』
すぐに返す●●にエースはある事を思いついた。
どうせ言わせるなら逆にしようと。
「おれを食べたい……って」
『え……』
そんな事言えるわけがないと、●●はふるふる……と首を振る。
『み、みんな見てるし……』
そう、ここは甲板。
突然●●を抱き上げたエースをクルー達がまた何かあったのか? と見ていた。
マルコなど、楽しそうなエースの様子に眉をひそめた。
ろくでもない事を考えて●●に無理難題をねだっている顔だからだ。
(また、かい……)
エースは目を細めて●●の耳元で伝える。
「こうしたら、聞こえねェーよ」
顔を真っ赤にさせる●●をエースは意地悪い笑みで追い詰める。
「言わねェと……ずっとこのままだぞ」
ピクリと体を揺らして反応する●●にエースは苦笑してしまう。
結局、●●を脅すように言わせようとしている自分に。
エースは愛しすぎる恋人を甘やかすのも苛めるのも楽しいのだ。
「●●……言えよ」
『…………』
「聞きてェ……」
熱を帯びるエースの声に●●は酔った。
掠れて今にも消え入りそうな声はエースの耳にドクン……と響く。
『エースが食べたい……』
「食わせてやるよ」
ニッと満足そうに上がる口角。
恥かしさにその身を緊張させる●●を解すようにエースは額に口付ける。
今日はゆっくり溶かそう。
柔らかくして、甘くして、蕩けさせる。
どっちがどっちだか分からなくなるまで――
狼と羊は尽きる事のない愛を仲良く食べました。
ある日、狼は考えた。
羊にねだられたい……と。
『私を食べてね』
これを言わせるには我慢しなければいけない。
狼の邪な欲望から絶食生活が始まった。
◇◆◇
エースが●●を抱かない生活を始めて一週間経っていた。
辛いなんてもんじゃないぐらいエースは精神的にも肉体的にもダメージを蓄積していった。
手を繋いだり、キスしたり、抱き合って寝たりはしている。
可愛い恋人が不安になったりしない程度には触っているが――それが半端なくきつい。
片思いの時や付き合い初めの頃ならともかく、味を知っている今では盛りあがったところでの我慢は拷問に近い。
自分で始めたとはいえかなり後悔しているが、聞きたいのも確かだ。
追い詰めて、焦らして、甘く蕩ける●●に言わせる事は出来る。
しかし、エースが聞きたいのは平常時の●●に自然に求めて欲しいと願う。
ここまで頑張って続けてきたのだ。
絶対に言わせると、やる気を奮い立たせるエースだ。
どうやったら……と考える狼は気付いていない。
羊が食べて欲しいと思う前に満足してしまっている事に。
●●がふと、大好きなエースと見つめあって微笑み合う。
エースの手が髪を優しく撫でれば、それだけで幸せなのだ。
『好き……』
●●が告げればエースは優しいキスをくれて抱きしめてくれる。
甘やかされて、包まれてしまえば、これ以上など考えられないぐらい●●は満たされて浸ってしまう。
これでは羊が狼に 『食べて』 などと言う確率は限りなくゼロに近い。
我慢の限界の狼が 「食わせろっ!」 と叫ぶ方が先だろう。
昼下がりの甲板。
他のクルー達から見たらいつも通り座って仲良く話す二人。
見慣れた甘々ぶりだから、目に入っても気にならない。
それぞれのまったりした午後を楽しんでいた。
しかし、エースの内心は楽しんでなどいなかった。
相変わらず一人で勝手に我慢して誘惑から耐えている。
●●はエースに後ろから抱かれるように座っていた。
背中から伝わる体温が好きで、甘えて寄りかかっても、エースは嫌な顔ひとつしない。
むしろ、時々エースに抱きつかれて 『重い……』 と文句を言う時があるくらいだ。
そうするとすぐに 「悪ィな」 と言って撫でてくれる笑顔が堪らなく●●は好きなのだ。
優しくて、温かくて、頼れるエース。
(大好き……)
●●は包まれる腕の中で肩口に甘えて額をつける。
温もりに眠くなって、エースを見上げた。
(寝っちゃってもいいかな……?)
気配を感じたエースは重そうな瞼の●●に微笑する。
「眠ィのか?」
『うん』
「寝てェなら……寝ろ」
『いいの?』
「ああ」
エースに髪を撫でられて気持ち良さで●●の目は蕩けて瞼が落ちる。
安心しきる●●と違って、恋人の可愛らしさにエースは衝動を抑えるのが大変だった。
(これをあと何回我慢すればいいんだ……)
このまま先に寝てくれれば諦めがつくと、この一週間毎回心の中で溜息をついていた。
今も●●が目を閉じた瞬間に息をついた――直後、●●の目がパッと開いた。
いつもと違う事が起きてエースは心臓を鳴らした。
(……何だ!? 起きんのか?)
見つめていれば、●●はニコリと笑う。
可愛いなとエースが思っている間に顔が近付いて、閉じる細い睫と触れあう柔らかい唇に思考が奪われた。
エースは初めて、●●からキスを貰えたのだ。
手を繋いだり、抱きついたりと甘えてくれる事が多い恋人だがキスは無かった。
嬉しさと驚きで、ただ●●を見つめるエース。
そういえば……と記憶にある●●が言っていた事を思い出す。
――近くてキスしたくなる……と。
照れて頬を染める●●の可愛らしさに我慢の針は振り切っていた。
何故、これを堪える必要があるのかと今のエースには疑問すら浮かぶ。
(する必要なんかねェだろ、バカだろおれ……)
黙っているエースの視線から●●は逃げるように俯いて呟いた。
『……したくなっちゃったから』
プツリ――
張りつめた理性の紐が切れた音は●●には聞こえていない。
エースは止められない衝動のまま愛しい恋人を抱き上げた。
何が起きているのか分からない●●は混乱した。
『な、何!? エース!』
「おれもしたくなったから……っていうか、我慢させられ続けて限界」
『が、我慢!? 限界……? 何の話っ!?』
「心配すんな。 もう、終わった事だ」
『何が終わって……っ!? ……ん!』
戸惑う●●にエースはちゅっ……とキスをすると笑う。
「しような!」
何を!? と●●はツッコんで聞きたいが、この流れが分からない程鈍くはない。
『何で、そうなるの?』
「お前がしたくなったって言っただろ」
『あ、それはキスだよ……』
「知ってる」
笑顔のエースに●●は見惚れて目を逸らした。
すでに●●の睡魔など吹っ飛んでどこかに消え去った。
恥かしさでエースの首に抱きつけば、囁かれる。
「なあ……言って欲しい事があんだけど」
『何?』
すぐに返す●●にエースはある事を思いついた。
どうせ言わせるなら逆にしようと。
「おれを食べたい……って」
『え……』
そんな事言えるわけがないと、●●はふるふる……と首を振る。
『み、みんな見てるし……』
そう、ここは甲板。
突然●●を抱き上げたエースをクルー達がまた何かあったのか? と見ていた。
マルコなど、楽しそうなエースの様子に眉をひそめた。
ろくでもない事を考えて●●に無理難題をねだっている顔だからだ。
(また、かい……)
エースは目を細めて●●の耳元で伝える。
「こうしたら、聞こえねェーよ」
顔を真っ赤にさせる●●をエースは意地悪い笑みで追い詰める。
「言わねェと……ずっとこのままだぞ」
ピクリと体を揺らして反応する●●にエースは苦笑してしまう。
結局、●●を脅すように言わせようとしている自分に。
エースは愛しすぎる恋人を甘やかすのも苛めるのも楽しいのだ。
「●●……言えよ」
『…………』
「聞きてェ……」
熱を帯びるエースの声に●●は酔った。
掠れて今にも消え入りそうな声はエースの耳にドクン……と響く。
『エースが食べたい……』
「食わせてやるよ」
ニッと満足そうに上がる口角。
恥かしさにその身を緊張させる●●を解すようにエースは額に口付ける。
今日はゆっくり溶かそう。
柔らかくして、甘くして、蕩けさせる。
どっちがどっちだか分からなくなるまで――
狼と羊は尽きる事のない愛を仲良く食べました。
おしまい。