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“依頼~後編”
奴らの気配が消えたのを確認してシャチに尋ねた。
「確か……お前、言ってたよな。 不審なスーツの男がいたって」
「ん~、大分前で覚えてはいねェけど、背っ恰好はたぶん……」
「どこで見かけた?」
「男娼街のトコに入ったのは見たな」
「人使って、すぐに行って探せ! くれぐれも相手にはバレんなよ!」
「「はい!」」
返事をする二人は素早く屋上の端に打ち付けた太い釘に、ロープを引っ掛けて伝って下りた。
下りるのはロープの方が早ェんだよな。
後は二人に任せればいい。
俺はここでさっき奴に貰った本を早速読もうかと思っていたら、下から呼ぶ声が聞こえた。
「おーい、ロー! ……ボスッ!」
シャチか、何だよっ!?
「聞こえてっかーっ!」
煩いな……と聞こえない振りして無視しようとしたら、ペンギンに先に言われた。
「無視しないで下さい!」
クソッ!
仕方ないから顔を見せた。
「一人でいるならアジトに戻って下さいよ! 荷物なら後で誰かに持ってこさせますし、でなきゃ心配で探しに行けませんからーっ!」
……チッ! 分かったよ。
心配性だなコイツらは!
「受け取れよ!」
俺が二冊の本を上から投げ落とすと、二人が懸命に掴もうとして、ちょこまか動いているのが可笑しかった。
「ハハッ……!」
ま、失敗して本が地面に落ちても気にしない。
本はせいぜい汚れるぐらいだから読むのに支障はない。
ロープを手にして俺が下りたら、文句を言われながらペンギンに渡された。
「ぶ厚い本なんか落とさない下さいよ。 凶器になりますから」
「平気だったし、いいだろ別に」
「まったく、報告はアジトで大人しく待ってて下さい」
……大人しくは余計だ。
ペンギンは最近俺に慣れてきたのか、いちいち一言多い。
です、ます、は止めろと言ったがボスなんだからケジメだっと言って頑固な奴で聞かない。
顔は全然似てないが、少しあのおっさんに似てんなとか思った――が、殴られそうだから言うのを止めた。
「そうそう、女でも呼んで待ってればいいじゃん!」
シャチは会った時同様に軽いままで片手を振っていた。
「……女は面倒だからいい」
「「まさか……?」」
瞬間、二人の疑いの視線が突き刺さり、居心地が悪い。
「男の趣味はねェ」
露骨に安心したとばかりに二人は同時に息を吐いた。
ただ、経験がないと言えば嘘になる。
だいたい試してみたし、やったからな。
やらないと分からねェからやった。
金も手に入るしな。
女も男もやった後は隙だらけだから、奪うのもバラすのも簡単だ。
この町で経験してない奴の方が稀な気もする。
こいつらだって似たり寄ったりのはずだ。
だからこそ、男に流れる奴も多いから安心したんだろうな。
シャチが不思議そうに聞いてきた。
「女は気持ちいいし、何が面倒なんだ?」
「……やるのはいい。 その後だ」
「ああ……」 と薄く笑うのはペンギン。
シャチは首を傾げるものの、思い当たるのか癖のある髪を掻いた。
以前は金欲しさにやって、おしまいだが今は違う。
細い腕がずっと付き纏ってくる。
邪魔だし、鬱陶しいんだよ。
やった後は特にそう感じる。
それまではシャチが言うように気持ちいいが、急に醒める。
好きでも何でもねェ奴と同じベッドにいんのが嫌だ。
終わったんだから、さっさと帰れとさえ思う。
帰らないならと俺が出て行くと、冷たいとか、やっぱガキだからとか文句を言われる。
女はこういう時、遠慮がねェから面倒臭ェ。
ああいう時の口は達者すぎだし、勢いが凄すぎてなんか勝てねェし……。
憮然としてたらペンギンが笑い出した。
「……くっくくく……ははっ!」
何だよ……。
ジトッ……と見たらシャチまで笑い出した。
「わはっははは! ま、気持ちは分かる!」
バシバシと背中を叩かれた。
痛ェーんだよ!
シャチとペンギンのくせに、なんか年上の壁みてェなのがあるのが気に入らねェ!
もう女の話はいいから、さっさと男を探しに行けよ!
てめーら、こんな事して見つからねェなんてしたら承知しねェからな!
「……早く探しに行け」
俺の機嫌悪さを察した二人はすぐに笑いを収めると返事を返してて路地に走って消えた。
――厄介事は向こうからやって来るって本当だなとか思った午後だった。
路地を歩くドフラミンゴとヴェルゴ。
ヴェルゴは海軍の長期休暇期間を使ってドフラミンゴの下に戻って来ていた。
地道に目立たず確実に信用されて海軍の上に上がるのが狙い。
あらゆる海に行き、見聞し、定期的に戻って来てはドフラミンゴに海軍や世界政府の動きを報告する。
ヴェルゴが忠義を誓う男の背中は細かく動いていた。
「フッフッフッ……」
ヴェルゴの睨みに怯まず言い返すローに、ドフラミンゴはご機嫌な笑みを浮かべた。
ローが男を見た事がなくても心当たりがあるらしいのには気付いていた。
少しの表情の変化をドフラミンゴは見逃さない。
見つけろ……と言い挑発した。
どうするのかと思えば、ローは条件を出したうえに報酬を引き上げにきた。
ならば、三倍にして捕まえろと言ってみた。
子供だから食い付くかと予想したが断られた。
リスクを最小限に金を確実に手に入れる方を選ぶその決断が気に入った。
それに、以前にはいなかった隣にいた二人の少年。
あれも面白い。
ローほどじゃなくても自分をしっかり見返していた。
人は人を呼び繋がる。
ローには人を惹きつけるものもあるようだ。
「三日か……。 楽しみじゃねェか、フッフフ……! ヴェルゴ、お前はどう思う?」
「確かに頭は良さそうだが……生意気なガキだな」
「気に入らねェか?」
「ああ」
即答するヴェルゴにドフラミンゴは笑う。
「躾はまだ早ェ……」
「分かっている」
次の日、ペンギンとシャチが男を見つけ出して、約束通り俺は奴とおっさんを案内し金を受け取った。
それ以来、奴は度々俺に用事を頼みに来た。
受ける時もあれば断る時もある。
奴はどっちの答えでもあの気に入らねェ含み笑いを見せた。
奴らの気配が消えたのを確認してシャチに尋ねた。
「確か……お前、言ってたよな。 不審なスーツの男がいたって」
「ん~、大分前で覚えてはいねェけど、背っ恰好はたぶん……」
「どこで見かけた?」
「男娼街のトコに入ったのは見たな」
「人使って、すぐに行って探せ! くれぐれも相手にはバレんなよ!」
「「はい!」」
返事をする二人は素早く屋上の端に打ち付けた太い釘に、ロープを引っ掛けて伝って下りた。
下りるのはロープの方が早ェんだよな。
後は二人に任せればいい。
俺はここでさっき奴に貰った本を早速読もうかと思っていたら、下から呼ぶ声が聞こえた。
「おーい、ロー! ……ボスッ!」
シャチか、何だよっ!?
「聞こえてっかーっ!」
煩いな……と聞こえない振りして無視しようとしたら、ペンギンに先に言われた。
「無視しないで下さい!」
クソッ!
仕方ないから顔を見せた。
「一人でいるならアジトに戻って下さいよ! 荷物なら後で誰かに持ってこさせますし、でなきゃ心配で探しに行けませんからーっ!」
……チッ! 分かったよ。
心配性だなコイツらは!
「受け取れよ!」
俺が二冊の本を上から投げ落とすと、二人が懸命に掴もうとして、ちょこまか動いているのが可笑しかった。
「ハハッ……!」
ま、失敗して本が地面に落ちても気にしない。
本はせいぜい汚れるぐらいだから読むのに支障はない。
ロープを手にして俺が下りたら、文句を言われながらペンギンに渡された。
「ぶ厚い本なんか落とさない下さいよ。 凶器になりますから」
「平気だったし、いいだろ別に」
「まったく、報告はアジトで大人しく待ってて下さい」
……大人しくは余計だ。
ペンギンは最近俺に慣れてきたのか、いちいち一言多い。
です、ます、は止めろと言ったがボスなんだからケジメだっと言って頑固な奴で聞かない。
顔は全然似てないが、少しあのおっさんに似てんなとか思った――が、殴られそうだから言うのを止めた。
「そうそう、女でも呼んで待ってればいいじゃん!」
シャチは会った時同様に軽いままで片手を振っていた。
「……女は面倒だからいい」
「「まさか……?」」
瞬間、二人の疑いの視線が突き刺さり、居心地が悪い。
「男の趣味はねェ」
露骨に安心したとばかりに二人は同時に息を吐いた。
ただ、経験がないと言えば嘘になる。
だいたい試してみたし、やったからな。
やらないと分からねェからやった。
金も手に入るしな。
女も男もやった後は隙だらけだから、奪うのもバラすのも簡単だ。
この町で経験してない奴の方が稀な気もする。
こいつらだって似たり寄ったりのはずだ。
だからこそ、男に流れる奴も多いから安心したんだろうな。
シャチが不思議そうに聞いてきた。
「女は気持ちいいし、何が面倒なんだ?」
「……やるのはいい。 その後だ」
「ああ……」 と薄く笑うのはペンギン。
シャチは首を傾げるものの、思い当たるのか癖のある髪を掻いた。
以前は金欲しさにやって、おしまいだが今は違う。
細い腕がずっと付き纏ってくる。
邪魔だし、鬱陶しいんだよ。
やった後は特にそう感じる。
それまではシャチが言うように気持ちいいが、急に醒める。
好きでも何でもねェ奴と同じベッドにいんのが嫌だ。
終わったんだから、さっさと帰れとさえ思う。
帰らないならと俺が出て行くと、冷たいとか、やっぱガキだからとか文句を言われる。
女はこういう時、遠慮がねェから面倒臭ェ。
ああいう時の口は達者すぎだし、勢いが凄すぎてなんか勝てねェし……。
憮然としてたらペンギンが笑い出した。
「……くっくくく……ははっ!」
何だよ……。
ジトッ……と見たらシャチまで笑い出した。
「わはっははは! ま、気持ちは分かる!」
バシバシと背中を叩かれた。
痛ェーんだよ!
シャチとペンギンのくせに、なんか年上の壁みてェなのがあるのが気に入らねェ!
もう女の話はいいから、さっさと男を探しに行けよ!
てめーら、こんな事して見つからねェなんてしたら承知しねェからな!
「……早く探しに行け」
俺の機嫌悪さを察した二人はすぐに笑いを収めると返事を返してて路地に走って消えた。
――厄介事は向こうからやって来るって本当だなとか思った午後だった。
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路地を歩くドフラミンゴとヴェルゴ。
ヴェルゴは海軍の長期休暇期間を使ってドフラミンゴの下に戻って来ていた。
地道に目立たず確実に信用されて海軍の上に上がるのが狙い。
あらゆる海に行き、見聞し、定期的に戻って来てはドフラミンゴに海軍や世界政府の動きを報告する。
ヴェルゴが忠義を誓う男の背中は細かく動いていた。
「フッフッフッ……」
ヴェルゴの睨みに怯まず言い返すローに、ドフラミンゴはご機嫌な笑みを浮かべた。
ローが男を見た事がなくても心当たりがあるらしいのには気付いていた。
少しの表情の変化をドフラミンゴは見逃さない。
見つけろ……と言い挑発した。
どうするのかと思えば、ローは条件を出したうえに報酬を引き上げにきた。
ならば、三倍にして捕まえろと言ってみた。
子供だから食い付くかと予想したが断られた。
リスクを最小限に金を確実に手に入れる方を選ぶその決断が気に入った。
それに、以前にはいなかった隣にいた二人の少年。
あれも面白い。
ローほどじゃなくても自分をしっかり見返していた。
人は人を呼び繋がる。
ローには人を惹きつけるものもあるようだ。
「三日か……。 楽しみじゃねェか、フッフフ……! ヴェルゴ、お前はどう思う?」
「確かに頭は良さそうだが……生意気なガキだな」
「気に入らねェか?」
「ああ」
即答するヴェルゴにドフラミンゴは笑う。
「躾はまだ早ェ……」
「分かっている」
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次の日、ペンギンとシャチが男を見つけ出して、約束通り俺は奴とおっさんを案内し金を受け取った。
それ以来、奴は度々俺に用事を頼みに来た。
受ける時もあれば断る時もある。
奴はどっちの答えでもあの気に入らねェ含み笑いを見せた。