レオラギ短編
明るい日差しが差し込む植物園の片隅で、ラギーはレオナの膝の上に座らされてアログルーミングされていた。初めはただのアログルーミングだったが、途中から手つきがいやらしくなり雲行きが怪しくなってきていた。
「んぁっ……待って、変な声出る。ちょっとレオナさんしつこいッス」
ラギーは先程から苛立ったように、尻尾を勢い良く左右に振ったりレオナの膝を尻尾で叩いていた。しかし、それらすべてを無視し体に触れて深いキスを仕掛けてくるレオナに、ラギーはしびれを切らし噛み付く。
重く響く不機嫌丸出しの低音で威嚇されるが、慣れているラギーはこれっぽっちも怖くはない。
「オレ、やめて欲しいって言ったッスよね」
「そうだな。でも俺の気が済んでない」
「今はアンタのお気持ち表明なんて聞いてないんスよね。それに見世物になる気もないし」
それを聞いても尻尾の付け根のあたりをくすぐるように触れ、耳を甘噛みしてくるレオナの肩にラギーは牙を立てる。流石に痛かったのか、レオナは一瞬動きを止めた。
「おぃ、コラ! そこのアンタたち、見物料はタダじゃないッスよ。アンタたちにマドルを要求するッス!」
クワッと背後に群がる人々に向けて、ラギーは声を放つ。するとレオナとラギーの様子を隠れもせずに眺めていた人物たちは、蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
苛立ちを隠さず舌打ちするラギーに、見物人は消えたと言いながらレオナは口付ける。
「レオナさん、オレの話聞いてました? イヤだって言ってんスけど」
「……ここじゃ嫌だってことだな」
「は? いやいや、まったく伝わってないッスよね、それ。ここもなにもそんな気分じゃ……」
レオナは呪詛のように延々と文句を垂れるラギーを、無言でヒョイと肩に担ぎ上げると歩き出す。
「だから場所を変えたらいいってことじゃないっていう話をさっきから……これから授業もあるんスよ! 授業に出たいし、レオナさんも出ないと日数ヤバイからまた留年……」
ラギーの言葉を無視し、レオナは機嫌良さそうに尻尾をゆらりと揺らしサバナクロー寮へと向かう。
「なんでたまにこういうことするんだか、ったく……」
上から降ってくる言葉に、レオナは鼻で笑いながら呟く。
「テメェが変な虫くっつけてくるからだろうが」
小さな声だったがラギーにはしっかり届いたようで、レオナの肩の上で唸る。ただのレオナのヤキモチで、先程の見世物のような茶番は周りへの牽制だ。
「愛嬌があって愛されるのは世渡り上手の証なんスよ」
「誰にでも尻尾振ってんじゃねぇ」
「はぁ? 犬じゃあるまいし。ただちょーっと愛想よくしてちょーっと融通きかしてもらってるだけッス」
それでレオナさんも得してるんすよ、とラギーが言えばレオナは口角を上げ不敵な笑みを見せる。
「そんなもんは知ってる。だから普段は放置してるだろうが。だが、気に入ってるものを横から掻っ攫われるのは腹が立つ」
その言葉にラギー瞳を輝かせると、シシシッ、と楽しそうに笑いレオナの首に抱きついた。ズルリと体が落ちかけるが、なんなくキャッチしたレオナはラギーを支えながら進む。
「なーんだ、レオナさん。オレのことそんなに好きだったんスか、それはそれは」
担ぎ上げられたままラギーは愉快そうに尻尾でレオナの顔をくすぐった。面倒臭そうに払いのけるが、すぐに尻尾はレオナの顔へと戻ってくる。
「やめろ」
「それは聞けないッスねー、さっきオレが何回やめて欲しいって言ったか言えたらやめてもいいッスけど」
「知るか。テメェも覚えてねぇくせに」
そうなんスけど、とラギーは先程の不機嫌さはどこへ消えたのか、満面の笑みでレオナの耳を甘噛みした。
「んぁっ……待って、変な声出る。ちょっとレオナさんしつこいッス」
ラギーは先程から苛立ったように、尻尾を勢い良く左右に振ったりレオナの膝を尻尾で叩いていた。しかし、それらすべてを無視し体に触れて深いキスを仕掛けてくるレオナに、ラギーはしびれを切らし噛み付く。
重く響く不機嫌丸出しの低音で威嚇されるが、慣れているラギーはこれっぽっちも怖くはない。
「オレ、やめて欲しいって言ったッスよね」
「そうだな。でも俺の気が済んでない」
「今はアンタのお気持ち表明なんて聞いてないんスよね。それに見世物になる気もないし」
それを聞いても尻尾の付け根のあたりをくすぐるように触れ、耳を甘噛みしてくるレオナの肩にラギーは牙を立てる。流石に痛かったのか、レオナは一瞬動きを止めた。
「おぃ、コラ! そこのアンタたち、見物料はタダじゃないッスよ。アンタたちにマドルを要求するッス!」
クワッと背後に群がる人々に向けて、ラギーは声を放つ。するとレオナとラギーの様子を隠れもせずに眺めていた人物たちは、蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
苛立ちを隠さず舌打ちするラギーに、見物人は消えたと言いながらレオナは口付ける。
「レオナさん、オレの話聞いてました? イヤだって言ってんスけど」
「……ここじゃ嫌だってことだな」
「は? いやいや、まったく伝わってないッスよね、それ。ここもなにもそんな気分じゃ……」
レオナは呪詛のように延々と文句を垂れるラギーを、無言でヒョイと肩に担ぎ上げると歩き出す。
「だから場所を変えたらいいってことじゃないっていう話をさっきから……これから授業もあるんスよ! 授業に出たいし、レオナさんも出ないと日数ヤバイからまた留年……」
ラギーの言葉を無視し、レオナは機嫌良さそうに尻尾をゆらりと揺らしサバナクロー寮へと向かう。
「なんでたまにこういうことするんだか、ったく……」
上から降ってくる言葉に、レオナは鼻で笑いながら呟く。
「テメェが変な虫くっつけてくるからだろうが」
小さな声だったがラギーにはしっかり届いたようで、レオナの肩の上で唸る。ただのレオナのヤキモチで、先程の見世物のような茶番は周りへの牽制だ。
「愛嬌があって愛されるのは世渡り上手の証なんスよ」
「誰にでも尻尾振ってんじゃねぇ」
「はぁ? 犬じゃあるまいし。ただちょーっと愛想よくしてちょーっと融通きかしてもらってるだけッス」
それでレオナさんも得してるんすよ、とラギーが言えばレオナは口角を上げ不敵な笑みを見せる。
「そんなもんは知ってる。だから普段は放置してるだろうが。だが、気に入ってるものを横から掻っ攫われるのは腹が立つ」
その言葉にラギー瞳を輝かせると、シシシッ、と楽しそうに笑いレオナの首に抱きついた。ズルリと体が落ちかけるが、なんなくキャッチしたレオナはラギーを支えながら進む。
「なーんだ、レオナさん。オレのことそんなに好きだったんスか、それはそれは」
担ぎ上げられたままラギーは愉快そうに尻尾でレオナの顔をくすぐった。面倒臭そうに払いのけるが、すぐに尻尾はレオナの顔へと戻ってくる。
「やめろ」
「それは聞けないッスねー、さっきオレが何回やめて欲しいって言ったか言えたらやめてもいいッスけど」
「知るか。テメェも覚えてねぇくせに」
そうなんスけど、とラギーは先程の不機嫌さはどこへ消えたのか、満面の笑みでレオナの耳を甘噛みした。