《第17話》オンセン。
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童話村を満喫し、花巻温泉へ向かう途中。
薫がスマホを見ながら突然神田を呼ぶ。
「ユウ!」
「なんだ」
「ねえ!」
「大谷翔〇の母校だって!」
神田が学校の横断幕を見る。
「花巻〇高校か。」
「こんなところから世界へ飛び立ったのか……」
薫は感心したように学校の方向を見る。
「すごいなぁ」
神田も頷く。
「ああ」
「世界一の選手がこの辺歩いてたのか。不思議な感じだ」
薫はスマホでさらにサーチする。
「あ」
「ん?」
「待って」
神田を見る。
「そこの公園に手形あるらしいよ?!」
「手形?」
「行ってみよ!」
神田は苦笑する。
「また寄り道か。」
「旅行だもん!」
「今日は予定通り進まんな」
「予定通りじゃない方が楽しい!」
神田は笑いながらハンドルを切る。
「お前」
「ん?」
「野球興味あったのか?」
薫はきょとんとした顔で運転席の神田を見る。
「ないよ?」
「……」
神田が止まる。
「じゃあなんで」
薫 は満面の笑み。
「え、観光」
「観光」
「有名なものがあるなら見たいじゃん」
「なるほど」
「野球詳しくなくても、大谷翔〇は知ってるし」
「確かにな」
薫は笑いながら続ける。
「旅行ってそういうものじゃない?」
「どういう」
「知らないことを見つけて、『へぇー!』ってなるの」
神田は少し考えて頷く。
「お前らしい」
「でしょ?」
「じゃあ手形見に行こう!」
「はいはい。」
神田はナビに出された公園に向かいながら
「次は何を見つけるんだ」
「わかんない!」
「だから楽しい!」
花巻〇高校を後にし、車を走らせる。
しばらくして神田が口を開く。
「昼、どうする?」
「あ」
薫がスマホで観光情報を見始める。
「花巻、お蕎麦有名みたいだよ」
「本当か?」
蕎麦好きの神田、少し反応する。
「うん」
スクロールしながら目を輝かせる。
「わんこそばやってるみたい!」
神田が少し驚く。
「わんこそばか」
「挑戦してみようよ!」
「……」
神田は少し考える。
「予約なしでもいけるのか?」
「聞いてみる!」
薫はすぐに電話をかける。
「もしもし。今日なんですけど、二人なんですが……」
神田はその様子を静かに見守る。
「はい……はい……」
数秒後。
薫の表情がぱあっと明るくなる。
「ありがとうございます!」
電話を切る。
「いけるって!」
「空いてたか」
「うん!」
嬉しそうに拳を握る。
「初わんこそば!」
「何杯食べるつもりだ」
「んー……」
真剣に考え始める。
「50杯?」
「控えめだな」
「え?」
「お前ならもっと食うだろ」
「そんな食べないよ」
薫が笑う。
「ユウは?」
「食えるだけ」
「100杯とか?」
「そこまでは無理だ」
「じゃあ勝負ね!」
「何の勝負だ」
「どっちが多く食べられるか!」
「競技じゃない」
「でも楽しそう」
神田は苦笑する。
「まあ、やってみるか」
「やった!」
わんこそばの店へ到着。
店員に案内され、席へ着く。
薫はきょろきょろ。
「なんか緊張する」
神田も周りを見回す。
「みんな結構食ってるな」
隣の席では、
「はい、じゃんじゃん!」
「はい、どんどん!」
威勢のいい掛け声とともに、次々とそばがお椀へ入れられている。
薫は思わず笑う。
「テレビで見たやつだ。」
店員が二人の前へ。
「初めてですか?」
「はい!」
「それでは説明しますね。」
食べ終わるたびにお椀を差し出すと、すぐに次の一口分が入ること。
終わりたい時は、お椀に蓋をすること。
「蓋を閉める前に入れられることもありますので、お早めに」
「なるほど……」
薫が真剣な顔で頷く。
神田が小声で。
「戦いだな」
「うん」
店員が笑う。
「それでは始めます!」
威勢よく声が響く。
「はい、じゃんじゃん!」
1杯目。
「いただきます!」
つるっ。
食べ終わる。
「はい、どんどん!」
すぐ2杯目。
「早っ!」
「はい、じゃんじゃん!」
3杯、4杯、5杯。
薫は笑いながら食べ続ける。
「これ楽しい!」
神田も淡々と食べる。
「テンポがすごいな」
「はい、どんどん!」
「はい、じゃんじゃん!」
店員のリズムが止まらない。
20杯。
「まだいける!」
30杯。
「美味しい!」
40杯。
「思ったより食べられる!」
神田も同じくらいのペース。
「調子いいな」
「ユウ、何杯?」
「42」
「私40!」
「ほぼ同じだ。」
周りの席からも応援が飛ぶ。
「頑張ってー!」
「初めてでそのペースすごい!」
薫は笑顔で手を振る。
「ありがとうございます!」
「はい、どんどん!」
50杯。
少しずつペースが落ちる。
「……お腹いっぱいになってきた」
神田も頷く。
「俺もだ」
それでも店員は笑顔。
「はい、じゃんじゃん!」
「負けるもんか……」
「何と戦ってる」
神田が苦笑する。
60杯。
薫が箸を置く。
「……む、無理」
素早く蓋を――
「はい、どんどん!」
「あーー!」
ギリギリ一杯追加。
店内が笑いに包まれる。
「今のは一本取られましたね!」
「油断したぁ……!」
ようやく蓋を閉めることに成功。
「ごちそうさまでした!」
店員が拍手する。
「61杯! 初挑戦では十分すごいですよ!」
「やったー!」
薫は達成感いっぱい。
神田を見るとまだ頑張っていた。
「まだいける?」
無言で食べる神田。
そして静かに蓋を閉める。
「終わり」
店員が数える。
「78杯!」
「負けたー!」
薫が悔しそうに笑う。
神田は肩をすくめる。
「勝負だったのか」
「勝手に!」
「なら勝ったな」
「次は勝つ!」
「次があるのか」
店員たちも笑う。
「ぜひまた岩手に来て挑戦してください!」
店を出る二人。
薫はお腹をさすりながら満面の笑み。
「わんこそば、めちゃくちゃ楽しかった!」
神田も珍しく満足そうな表情を浮かべる。
「ああ。食事というより、イベントだったな」
「またやりたい!」
「次は少し腹を空かせて来よう」
「うん!」
満腹になった二人は、笑いながら次の目的地・花巻温泉へと車を走らせた。
薫がスマホを見ながら突然神田を呼ぶ。
「ユウ!」
「なんだ」
「ねえ!」
「大谷翔〇の母校だって!」
神田が学校の横断幕を見る。
「花巻〇高校か。」
「こんなところから世界へ飛び立ったのか……」
薫は感心したように学校の方向を見る。
「すごいなぁ」
神田も頷く。
「ああ」
「世界一の選手がこの辺歩いてたのか。不思議な感じだ」
薫はスマホでさらにサーチする。
「あ」
「ん?」
「待って」
神田を見る。
「そこの公園に手形あるらしいよ?!」
「手形?」
「行ってみよ!」
神田は苦笑する。
「また寄り道か。」
「旅行だもん!」
「今日は予定通り進まんな」
「予定通りじゃない方が楽しい!」
神田は笑いながらハンドルを切る。
「お前」
「ん?」
「野球興味あったのか?」
薫はきょとんとした顔で運転席の神田を見る。
「ないよ?」
「……」
神田が止まる。
「じゃあなんで」
薫 は満面の笑み。
「え、観光」
「観光」
「有名なものがあるなら見たいじゃん」
「なるほど」
「野球詳しくなくても、大谷翔〇は知ってるし」
「確かにな」
薫は笑いながら続ける。
「旅行ってそういうものじゃない?」
「どういう」
「知らないことを見つけて、『へぇー!』ってなるの」
神田は少し考えて頷く。
「お前らしい」
「でしょ?」
「じゃあ手形見に行こう!」
「はいはい。」
神田はナビに出された公園に向かいながら
「次は何を見つけるんだ」
「わかんない!」
「だから楽しい!」
花巻〇高校を後にし、車を走らせる。
しばらくして神田が口を開く。
「昼、どうする?」
「あ」
薫がスマホで観光情報を見始める。
「花巻、お蕎麦有名みたいだよ」
「本当か?」
蕎麦好きの神田、少し反応する。
「うん」
スクロールしながら目を輝かせる。
「わんこそばやってるみたい!」
神田が少し驚く。
「わんこそばか」
「挑戦してみようよ!」
「……」
神田は少し考える。
「予約なしでもいけるのか?」
「聞いてみる!」
薫はすぐに電話をかける。
「もしもし。今日なんですけど、二人なんですが……」
神田はその様子を静かに見守る。
「はい……はい……」
数秒後。
薫の表情がぱあっと明るくなる。
「ありがとうございます!」
電話を切る。
「いけるって!」
「空いてたか」
「うん!」
嬉しそうに拳を握る。
「初わんこそば!」
「何杯食べるつもりだ」
「んー……」
真剣に考え始める。
「50杯?」
「控えめだな」
「え?」
「お前ならもっと食うだろ」
「そんな食べないよ」
薫が笑う。
「ユウは?」
「食えるだけ」
「100杯とか?」
「そこまでは無理だ」
「じゃあ勝負ね!」
「何の勝負だ」
「どっちが多く食べられるか!」
「競技じゃない」
「でも楽しそう」
神田は苦笑する。
「まあ、やってみるか」
「やった!」
わんこそばの店へ到着。
店員に案内され、席へ着く。
薫はきょろきょろ。
「なんか緊張する」
神田も周りを見回す。
「みんな結構食ってるな」
隣の席では、
「はい、じゃんじゃん!」
「はい、どんどん!」
威勢のいい掛け声とともに、次々とそばがお椀へ入れられている。
薫は思わず笑う。
「テレビで見たやつだ。」
店員が二人の前へ。
「初めてですか?」
「はい!」
「それでは説明しますね。」
食べ終わるたびにお椀を差し出すと、すぐに次の一口分が入ること。
終わりたい時は、お椀に蓋をすること。
「蓋を閉める前に入れられることもありますので、お早めに」
「なるほど……」
薫が真剣な顔で頷く。
神田が小声で。
「戦いだな」
「うん」
店員が笑う。
「それでは始めます!」
威勢よく声が響く。
「はい、じゃんじゃん!」
1杯目。
「いただきます!」
つるっ。
食べ終わる。
「はい、どんどん!」
すぐ2杯目。
「早っ!」
「はい、じゃんじゃん!」
3杯、4杯、5杯。
薫は笑いながら食べ続ける。
「これ楽しい!」
神田も淡々と食べる。
「テンポがすごいな」
「はい、どんどん!」
「はい、じゃんじゃん!」
店員のリズムが止まらない。
20杯。
「まだいける!」
30杯。
「美味しい!」
40杯。
「思ったより食べられる!」
神田も同じくらいのペース。
「調子いいな」
「ユウ、何杯?」
「42」
「私40!」
「ほぼ同じだ。」
周りの席からも応援が飛ぶ。
「頑張ってー!」
「初めてでそのペースすごい!」
薫は笑顔で手を振る。
「ありがとうございます!」
「はい、どんどん!」
50杯。
少しずつペースが落ちる。
「……お腹いっぱいになってきた」
神田も頷く。
「俺もだ」
それでも店員は笑顔。
「はい、じゃんじゃん!」
「負けるもんか……」
「何と戦ってる」
神田が苦笑する。
60杯。
薫が箸を置く。
「……む、無理」
素早く蓋を――
「はい、どんどん!」
「あーー!」
ギリギリ一杯追加。
店内が笑いに包まれる。
「今のは一本取られましたね!」
「油断したぁ……!」
ようやく蓋を閉めることに成功。
「ごちそうさまでした!」
店員が拍手する。
「61杯! 初挑戦では十分すごいですよ!」
「やったー!」
薫は達成感いっぱい。
神田を見るとまだ頑張っていた。
「まだいける?」
無言で食べる神田。
そして静かに蓋を閉める。
「終わり」
店員が数える。
「78杯!」
「負けたー!」
薫が悔しそうに笑う。
神田は肩をすくめる。
「勝負だったのか」
「勝手に!」
「なら勝ったな」
「次は勝つ!」
「次があるのか」
店員たちも笑う。
「ぜひまた岩手に来て挑戦してください!」
店を出る二人。
薫はお腹をさすりながら満面の笑み。
「わんこそば、めちゃくちゃ楽しかった!」
神田も珍しく満足そうな表情を浮かべる。
「ああ。食事というより、イベントだったな」
「またやりたい!」
「次は少し腹を空かせて来よう」
「うん!」
満腹になった二人は、笑いながら次の目的地・花巻温泉へと車を走らせた。