《第13話》ノミカイ。
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「飲み会するさ!」
「は?」
それは突然だった。
「営業部飲み会(神田事情聴取会)開催するさー!」
ラビが声をかけると営業部の男性陣数人がそれに乗っかる。
「ってことでユウ」
ニコッと笑うラビ。
「今日は残業禁止さ」
「行かねえ」
「行くさ」
夜の予定が強制的に決まり、機嫌良く仕事をする飲み会参加予定の数名と、明らかに不機嫌な神田。
ラビはその状況さえも楽しんでいた。
夜。
いつもの居酒屋の個室へ集まった営業部。
ビールが全員に渡るとラビが一言。
「それじゃあ神田ユウ事情聴取会を始めるさー!」
「「カンパーイ」」
「おい、なんだそれは」
「ほらユウ、まず飲むさ」
とジョッキを乾杯して神田に飲ませる。
渋々ビールを口にする神田。
「今日はユウに色々聞きたいんさ」
「…………」
嫌な予感のする神田。
仕切り役のラビがどんどん場を進めていく。
「はいはい、順番にいくさ。逃げ禁止さ」
隣に座る神田は、もう最初から諦め顔でジョッキを口にする。
「じゃあ一問目さ」
ラビが指を立てる。
「付き合ってどれくらいさ?」
「……聞くな」
即答。
「ダメさ。業務命令さ」
「いつから業務になった」
周囲の営業がニヤニヤする中、神田は一拍置いてから、
「……短い」
「短いって何さ!」
「期間だ」
「いやそれは知ってるさ!」
さらに詰められる。
「俺は知ってるけど再確認さ」
神田は目をそらす。
「……1ヶ月」
「短いっ」
テーブル爆笑。
「次さ」
「告白はどっちからさ?」
ここで空気が少し変わる。
神田の箸が止まる。
「……」
「沈黙は肯定さ」
「勝手に決めるな」
だが、答えは出ない。
ラビがさらに追う。
「ユウの馴れ初めもう1回聞きたいさ」
「女神をどうやって落としたのか聞きたいです」
周りの営業もラビに乗っかる。
「……………付き合うのか」
営業たちが一斉にどよめく。
「それだけ?」
「え、それだけで女神落ちるの?」
神田は淡々とビールを飲む。
営業部は?マークを頭に浮かべる。
「うるさい」
しかし耳が少しだけ赤い。
ラビ、畳みかける。
「キスした?」
一瞬、空気が止まる。
「……」
「はい沈黙2回目さ」
「してる」
ぼそっと。
一拍遅れて爆発するように笑いが起きる。
「言った!」
「普通に言ったぞ今!」
ラビが机を叩く。
「言うと思わなかったさ!」
「いつも?」
「…………」
「いつもなんさね」
「………」
神田はそれ以上言わない。
だが、完全に“語る気がない人間の顔”だった。
ラビ、次の質問を投げる。
「薫のどこが好きさ?」
「………………………」
長い沈黙。
その間、誰も茶化さない。
少しだけ空気が静かになる。
神田はため息をついて、
「……全部」
「地味に重いさ」
神田は眉をひそめる。
「それでいいだろ」
一瞬、空気が止まりかける。
最後の質問。
営業が真顔で聞いてくる。
「柔軟剤何使ってるんですか」
「……は?」
「ユウ同棲疑惑が湧いてるさ」
営業たちが一斉に前のめりになる。
神田は完全に呆れた顔で、
「それ必要か」
「重要情報さ」
「知らん」
「え?」
「気にしたことない」
ラビが固まる。
「薫管理じゃないさ?」
「……そういうのは向こうがやってる」
一瞬の静寂。
そして爆笑。
「完全に生活回ってる男の発言だろそれ!」
「もう隠す気ゼロじゃん!」
神田はジョッキを一口飲む。
「事情聴取終わりか」
ラビは満足そうに頷く。
「ユウ、同棲疑惑否定しなかったっていうことはそういうことでいいんさね」
「待ってください」
営業部の後輩が声をあげる。
「付き合って1ヶ月で同棲?」
「…………ああ」
「「は?」」
他のみんなもその異常なスピードに気づく。
「待て待て。付き合って1ヶ月であの女神と同棲だと?」
「悪いか」
「どう転がったらそんなことになるんだ」
悔しそうな、羨ましそうな呻きが聞こえる。
「結婚するんさ?」
食い気味に神田に注目する面々。
「知らん」
「ユウはそういう気あるんさ?」
「…………」
「今日3回目の沈黙!肯定さね!」
神田は何も否定せず、ただ一言。
「うるさい」
怒られているのに湧き上がる営業部だった。
「は?」
それは突然だった。
「営業部飲み会(神田事情聴取会)開催するさー!」
ラビが声をかけると営業部の男性陣数人がそれに乗っかる。
「ってことでユウ」
ニコッと笑うラビ。
「今日は残業禁止さ」
「行かねえ」
「行くさ」
夜の予定が強制的に決まり、機嫌良く仕事をする飲み会参加予定の数名と、明らかに不機嫌な神田。
ラビはその状況さえも楽しんでいた。
夜。
いつもの居酒屋の個室へ集まった営業部。
ビールが全員に渡るとラビが一言。
「それじゃあ神田ユウ事情聴取会を始めるさー!」
「「カンパーイ」」
「おい、なんだそれは」
「ほらユウ、まず飲むさ」
とジョッキを乾杯して神田に飲ませる。
渋々ビールを口にする神田。
「今日はユウに色々聞きたいんさ」
「…………」
嫌な予感のする神田。
仕切り役のラビがどんどん場を進めていく。
「はいはい、順番にいくさ。逃げ禁止さ」
隣に座る神田は、もう最初から諦め顔でジョッキを口にする。
「じゃあ一問目さ」
ラビが指を立てる。
「付き合ってどれくらいさ?」
「……聞くな」
即答。
「ダメさ。業務命令さ」
「いつから業務になった」
周囲の営業がニヤニヤする中、神田は一拍置いてから、
「……短い」
「短いって何さ!」
「期間だ」
「いやそれは知ってるさ!」
さらに詰められる。
「俺は知ってるけど再確認さ」
神田は目をそらす。
「……1ヶ月」
「短いっ」
テーブル爆笑。
「次さ」
「告白はどっちからさ?」
ここで空気が少し変わる。
神田の箸が止まる。
「……」
「沈黙は肯定さ」
「勝手に決めるな」
だが、答えは出ない。
ラビがさらに追う。
「ユウの馴れ初めもう1回聞きたいさ」
「女神をどうやって落としたのか聞きたいです」
周りの営業もラビに乗っかる。
「……………付き合うのか」
営業たちが一斉にどよめく。
「それだけ?」
「え、それだけで女神落ちるの?」
神田は淡々とビールを飲む。
営業部は?マークを頭に浮かべる。
「うるさい」
しかし耳が少しだけ赤い。
ラビ、畳みかける。
「キスした?」
一瞬、空気が止まる。
「……」
「はい沈黙2回目さ」
「してる」
ぼそっと。
一拍遅れて爆発するように笑いが起きる。
「言った!」
「普通に言ったぞ今!」
ラビが机を叩く。
「言うと思わなかったさ!」
「いつも?」
「…………」
「いつもなんさね」
「………」
神田はそれ以上言わない。
だが、完全に“語る気がない人間の顔”だった。
ラビ、次の質問を投げる。
「薫のどこが好きさ?」
「………………………」
長い沈黙。
その間、誰も茶化さない。
少しだけ空気が静かになる。
神田はため息をついて、
「……全部」
「地味に重いさ」
神田は眉をひそめる。
「それでいいだろ」
一瞬、空気が止まりかける。
最後の質問。
営業が真顔で聞いてくる。
「柔軟剤何使ってるんですか」
「……は?」
「ユウ同棲疑惑が湧いてるさ」
営業たちが一斉に前のめりになる。
神田は完全に呆れた顔で、
「それ必要か」
「重要情報さ」
「知らん」
「え?」
「気にしたことない」
ラビが固まる。
「薫管理じゃないさ?」
「……そういうのは向こうがやってる」
一瞬の静寂。
そして爆笑。
「完全に生活回ってる男の発言だろそれ!」
「もう隠す気ゼロじゃん!」
神田はジョッキを一口飲む。
「事情聴取終わりか」
ラビは満足そうに頷く。
「ユウ、同棲疑惑否定しなかったっていうことはそういうことでいいんさね」
「待ってください」
営業部の後輩が声をあげる。
「付き合って1ヶ月で同棲?」
「…………ああ」
「「は?」」
他のみんなもその異常なスピードに気づく。
「待て待て。付き合って1ヶ月であの女神と同棲だと?」
「悪いか」
「どう転がったらそんなことになるんだ」
悔しそうな、羨ましそうな呻きが聞こえる。
「結婚するんさ?」
食い気味に神田に注目する面々。
「知らん」
「ユウはそういう気あるんさ?」
「…………」
「今日3回目の沈黙!肯定さね!」
神田は何も否定せず、ただ一言。
「うるさい」
怒られているのに湧き上がる営業部だった。