《第11話》キンム。
お名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
三十分後。
居酒屋。
個室。
神田と薫が横並び。
向かいにラビとリナリー。
完全に取り調べ。
「では。」
リナリーがメモ帳を開く。
「交際はいつからですか?」
神田は無言で薫を見る。
「え、えっと……2週間前です。」
ラビが机を叩く。
「ほら!先輩の結婚式の頃さ!」
「そこで?!」
答え合わせができて気持ちのいいラビと、食い気味のリナリー。
「ユウお前営業部に薫来てもポーカーフェイス貫いてたじゃないか!」
「仕事と私情は別だ。」
「かっこつけんな!」
「事実だ」
ラビが悔しそうに唸る。
「ぐぬぬ………隠してた理由は?」
「仕事に持ち込みたくなかった。」
「私もです。」
ラビが腕を組む。
「真面目か。」
リナリーが次の質問をする。
「どちらから告白を?」
神田が嫌そうな顔をする。
困った顔をする薫。
「馴れ初め。ぜひ聞きたいさー!」
リナリーも身を乗り出す。
「ぜひ。」
薫はお酒の入ったグラスを持ったまま固まる。
「あ……えっと……」
神田がため息をつく。
「話さなくていい」
「いやいやいや!」
ラビが机を叩く。
「ここがメインイベントさ!」
「そうです。」
「教えてください!」
彼女は助けを求めるように神田を見る。
「ユウ……」
「……」
神田は諦めたように額を押さえた。
「好きにしろ」
「えぇぇ……」
薫は深呼吸する。
「先輩の……結婚式あったじゃん?」
「うん」
「二次会で……私が……」
「うん」
「えっと……すごく酔っ払っちゃって……」
「すごい飲んでたもんね」
リナリーが頷く。
ラビも一緒に薫を囲んでいたから知っている。
「そこまでは一緒にいたさ」
神田がぼそっと。
「泥酔だった」
「ユウ!」
「事実だ」
薫は顔を真っ赤にする。
「そ、それで……」
もじもじ。
「ユウが……部屋に送ってくれたんだけど…」
「うん?」
「ユウが部屋に?」
ラビが一瞬止まる。
「……部屋まで送った?」
こくり。
リナリーも固まる。
「え……?」
薫は耳まで真っ赤。
「それで…あの…えと…………いただきました」
「「……はい?」」
「ユウを襲いました」
「えええぇぇええ!!!!」
個室に声が響く。
ラビが神田を見る。
「襲われたの、お前!?」
「ああ」
「あの魔王が!?」
「ああ」
「逆だった!」
神田は淡々とお茶を飲む。
「逆だった…」
リナリーは混乱している。
「そのあと……?」
薫はもう真っ赤になり、俯いてしまっている。
「えっと……ご想像の通りです。」
言葉が出ない。
「あ、でも…」
と顔を上げる。
「キスしようとしたら、直前にユウが『付き合うのか?』って寸止めで聞いてくれて」
神田が横から静かに口を開く。
「それでこいつが付き合うって言った」
「え?」
薫は両手で顔を隠した。
淡々と説明する神田。
ラビは瞬きを繰り返す。
「ちょっと待つさ。……その状況で確認した?」
「ああ」
「普通確認するか?」
神田は真顔。
「付き合わない相手には触れない」
「そんな状況で確認したのか?」
「さすがに勢いだけだとな」
「俺なら余裕で食われてるさ」
「ちゃんと同意した上で事に及びました」
薫は真っ赤になりながら説明し、神田は短く頷く。
「ああ」
その一言だけ。
しばらく沈黙。
ラビがぽつり。
「思ってた話と全然違うさ」
リナリーも頷く。
「ただの勢いだけのお話かと思ってました」
薫は恥ずかしそうに笑う。
「勢いしか……ありませんでしたが………でも、ちゃんと確認してくれました」
神田が続ける。
「こいつらしいだろ」
その言葉に、薫はさらに照れて肩をすくめる。
ラビは腕を組んで何度も頷いた。
「なるほど。だからあの日からユウの雰囲気というか薫への態度が変わったのか」
神田は少しだけ口元を緩める。
「……かもな。」
リナリーは嬉しそうにふたりを見比べる。
「どんな始まり方でも、お互いを大切にしようとしていたことは伝わってきます」
薫は照れ笑いを浮かべ、神田は照れ隠しのようにグラスを口元へ運ぶ。
「では。」
「今、お互いのどこが一番好きですか?」
薫は即答。
「顔」
神田を見る。
「顔が1番なんだけど、声も、優しいところも、不器用なところも全部好き」
神田は少し照れたように目を逸らす。
ラビがニヤニヤ。
「ユウ」
「……」
「お前も答えるさ」
沈黙。
数秒。
薫が期待した目で見上げる。
「ユウ?」
神田は観念したように息を吐いた。
「……全部」
薫がぱぁっと笑う。
「ほんと?」
「ああ」
「えへへ」
嬉しくて肩が神田に寄る。
神田も自然にその肩を受け止める。
「最後の質問です」
リナリーが真面目な顔になる。
「おふたりは、幸せですか?」
一瞬静かになる。
薫が少し照れながら神田を見る。
神田も自然に薫を見る。
「……うん。」
薫が微笑む。
「すごく幸せ」
神田も短く。
「俺も」
ラビが鼻をすすった。
「くそ……」
「泣いてるの?」
「泣いてないさ」
「泣いてますよ」
リナリーが笑う。
「営業部の魔王が恋して、秘書課の女神があんな幸せそうで……。」
ラビはグラスを持ち上げる。
「もういいさ」
神田を見る。
「絶対泣かせるな」
神田も静かにグラスを持ち上げた。
「ああ」
その一言だけだった。
でも、その返事は驚くほど真っ直ぐで、迷いがなかった。
ラビはグラスを置いた。
「負けた。」
「何にですか?」
リナリーが笑う。
「このふたりには敵わないさ」
「最初は問い詰めるつもりだったのに」
「気づいたら惚気聞かされてる」
神田がぼそっと言う。
「聞いたのお前らだ」
「確かに」
ラビは苦笑しながらグラスを掲げた。
「よし」
「営業部と秘書課、合同認定!」
「?」
「このふたり、本物さ」
リナリーも笑顔でグラスを合わせる。
「異議なしです」
リナリーとラビに認められ、もう一度乾杯をする4人だった。
居酒屋。
個室。
神田と薫が横並び。
向かいにラビとリナリー。
完全に取り調べ。
「では。」
リナリーがメモ帳を開く。
「交際はいつからですか?」
神田は無言で薫を見る。
「え、えっと……2週間前です。」
ラビが机を叩く。
「ほら!先輩の結婚式の頃さ!」
「そこで?!」
答え合わせができて気持ちのいいラビと、食い気味のリナリー。
「ユウお前営業部に薫来てもポーカーフェイス貫いてたじゃないか!」
「仕事と私情は別だ。」
「かっこつけんな!」
「事実だ」
ラビが悔しそうに唸る。
「ぐぬぬ………隠してた理由は?」
「仕事に持ち込みたくなかった。」
「私もです。」
ラビが腕を組む。
「真面目か。」
リナリーが次の質問をする。
「どちらから告白を?」
神田が嫌そうな顔をする。
困った顔をする薫。
「馴れ初め。ぜひ聞きたいさー!」
リナリーも身を乗り出す。
「ぜひ。」
薫はお酒の入ったグラスを持ったまま固まる。
「あ……えっと……」
神田がため息をつく。
「話さなくていい」
「いやいやいや!」
ラビが机を叩く。
「ここがメインイベントさ!」
「そうです。」
「教えてください!」
彼女は助けを求めるように神田を見る。
「ユウ……」
「……」
神田は諦めたように額を押さえた。
「好きにしろ」
「えぇぇ……」
薫は深呼吸する。
「先輩の……結婚式あったじゃん?」
「うん」
「二次会で……私が……」
「うん」
「えっと……すごく酔っ払っちゃって……」
「すごい飲んでたもんね」
リナリーが頷く。
ラビも一緒に薫を囲んでいたから知っている。
「そこまでは一緒にいたさ」
神田がぼそっと。
「泥酔だった」
「ユウ!」
「事実だ」
薫は顔を真っ赤にする。
「そ、それで……」
もじもじ。
「ユウが……部屋に送ってくれたんだけど…」
「うん?」
「ユウが部屋に?」
ラビが一瞬止まる。
「……部屋まで送った?」
こくり。
リナリーも固まる。
「え……?」
薫は耳まで真っ赤。
「それで…あの…えと…………いただきました」
「「……はい?」」
「ユウを襲いました」
「えええぇぇええ!!!!」
個室に声が響く。
ラビが神田を見る。
「襲われたの、お前!?」
「ああ」
「あの魔王が!?」
「ああ」
「逆だった!」
神田は淡々とお茶を飲む。
「逆だった…」
リナリーは混乱している。
「そのあと……?」
薫はもう真っ赤になり、俯いてしまっている。
「えっと……ご想像の通りです。」
言葉が出ない。
「あ、でも…」
と顔を上げる。
「キスしようとしたら、直前にユウが『付き合うのか?』って寸止めで聞いてくれて」
神田が横から静かに口を開く。
「それでこいつが付き合うって言った」
「え?」
薫は両手で顔を隠した。
淡々と説明する神田。
ラビは瞬きを繰り返す。
「ちょっと待つさ。……その状況で確認した?」
「ああ」
「普通確認するか?」
神田は真顔。
「付き合わない相手には触れない」
「そんな状況で確認したのか?」
「さすがに勢いだけだとな」
「俺なら余裕で食われてるさ」
「ちゃんと同意した上で事に及びました」
薫は真っ赤になりながら説明し、神田は短く頷く。
「ああ」
その一言だけ。
しばらく沈黙。
ラビがぽつり。
「思ってた話と全然違うさ」
リナリーも頷く。
「ただの勢いだけのお話かと思ってました」
薫は恥ずかしそうに笑う。
「勢いしか……ありませんでしたが………でも、ちゃんと確認してくれました」
神田が続ける。
「こいつらしいだろ」
その言葉に、薫はさらに照れて肩をすくめる。
ラビは腕を組んで何度も頷いた。
「なるほど。だからあの日からユウの雰囲気というか薫への態度が変わったのか」
神田は少しだけ口元を緩める。
「……かもな。」
リナリーは嬉しそうにふたりを見比べる。
「どんな始まり方でも、お互いを大切にしようとしていたことは伝わってきます」
薫は照れ笑いを浮かべ、神田は照れ隠しのようにグラスを口元へ運ぶ。
「では。」
「今、お互いのどこが一番好きですか?」
薫は即答。
「顔」
神田を見る。
「顔が1番なんだけど、声も、優しいところも、不器用なところも全部好き」
神田は少し照れたように目を逸らす。
ラビがニヤニヤ。
「ユウ」
「……」
「お前も答えるさ」
沈黙。
数秒。
薫が期待した目で見上げる。
「ユウ?」
神田は観念したように息を吐いた。
「……全部」
薫がぱぁっと笑う。
「ほんと?」
「ああ」
「えへへ」
嬉しくて肩が神田に寄る。
神田も自然にその肩を受け止める。
「最後の質問です」
リナリーが真面目な顔になる。
「おふたりは、幸せですか?」
一瞬静かになる。
薫が少し照れながら神田を見る。
神田も自然に薫を見る。
「……うん。」
薫が微笑む。
「すごく幸せ」
神田も短く。
「俺も」
ラビが鼻をすすった。
「くそ……」
「泣いてるの?」
「泣いてないさ」
「泣いてますよ」
リナリーが笑う。
「営業部の魔王が恋して、秘書課の女神があんな幸せそうで……。」
ラビはグラスを持ち上げる。
「もういいさ」
神田を見る。
「絶対泣かせるな」
神田も静かにグラスを持ち上げた。
「ああ」
その一言だけだった。
でも、その返事は驚くほど真っ直ぐで、迷いがなかった。
ラビはグラスを置いた。
「負けた。」
「何にですか?」
リナリーが笑う。
「このふたりには敵わないさ」
「最初は問い詰めるつもりだったのに」
「気づいたら惚気聞かされてる」
神田がぼそっと言う。
「聞いたのお前らだ」
「確かに」
ラビは苦笑しながらグラスを掲げた。
「よし」
「営業部と秘書課、合同認定!」
「?」
「このふたり、本物さ」
リナリーも笑顔でグラスを合わせる。
「異議なしです」
リナリーとラビに認められ、もう一度乾杯をする4人だった。