《第9話》オソロイ。
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帰りにスーパーに寄った。
「何食べたいです?」
「なんでもいい」
「それ一番困る回答」
ロリータ服でカートを押していると目立つ。
だが薫は気にしない。
「じゃあお肉か魚かは選んでください」
「肉」
「じゃあ照り焼きにしようかなー」
付け合せは何にしようか、楽しそうに材料を選んでいく。
「おい。」
「はい?」
「塩しかねーからな」
「何がです?」
「調味料」
「え」
衝撃だった。料理はしないと言っていたが、本当にしない人の家だ。
「お醤油は」
「ない」
「みりんは」
「あるわけない」
「砂糖…ないって言ってましたね」
「必要な物買え」
薫にとっても料理は趣味程度だが、凝りたいものだった。
「いっぱい買っちゃいますよ?」
「車だ。構わねー」
「じゃあ遠慮せず…」
と、次々調味料をカゴに入れていくと2袋分の買い物になった。
どちらも神田が袋を持ってくれ、車に戻る。
「一旦お前の家だろ」
「お願いします」
薫のマンションへと向かった。
「……明日も泊まっていいですか?」
「構わねーよ」
「やった」
仕事用のスーツも持ち、明日用のロリータ服も持った。
随分な量の荷物になったので、キャリーケースに詰め込んだ。
今度は部屋着も忘れないようにしっかり持った。
「お待たせしました」
旅行する勢いの荷物。
「お前それどこ行く気だよ」
「ユウのお家ですが?」
「そんな荷物量じゃねーだろ」
「ロリータナメないでくださいね」
ニコリと笑っているけど、目は笑っていなかった。
好きな物に茶々を入れられるのはおもしろくない。
「まあいい」
薫の荷物も車に詰め込んで神田のマンションへと移動した。
「ねえ、待って待って待って」
「なんだ」
「何もなさ過ぎない?!」
神田の家に着くと、買ってきた食材を冷蔵庫に入れていく。
お茶とコーヒー豆しか入っていない冷蔵庫。
使われていない綺麗なIHコンロ。
「待って。本当に何も無い」
棚を開けてみるが何も無い。無さすぎる。
「フライパンは?」
「ない」
「お鍋は」
「ない」
「電子レンジ」
「ない」
この人は本当にここで暮らしているのかというくらい何も無い。
「さすがにお料理できないです。材料だけでどうしろと…」
とりあえず買ってきた食材を冷蔵庫に入れていく。
買ってきた皿を眺めながら、
「このプレート使いたかったのに…」
とボソッと言う。
「明日!キッチン用品買いに行きます!」
「寝るんじゃなかったのか?」
「衣食住の食が全くできない家なんて困ります」
「わかった」
それだけの返事。
「明日材料使うとして、今日はどうしよう」
「食いに行くか」
「いつもそうやって過ごしてるんですね」
神田の食事事情が垣間見えた瞬間だった。
しかし今日はどうしようもできない。
仕方なく外に食べに行くことにした。
「何食べるんですか?」
「蕎麦」
神田行きつけの店に連れていかれた。
「今日はお人形さんみたいな子と一緒なんだね」
と女将さんに声をかけられた。
常連のようだ。
「天ぷら蕎麦2人分」
「はいよ」
メニュー見る前から決められてしまった。
「ここの蕎麦はうまい」
「お蕎麦、好きなんですか?」
「ああ」
いつになくテンションが上がっているように見える神田。
「メニューも見てみたいです」
と、メニュー表越しにそんな神田の表情を観察する。
そして思わず頬が緩む。
彼の好きな物を、彼から教えてもらえたことが嬉しくて。
ふふふ、と笑っていると
「なんだよ」
「なんでもないですよー」
神田も気を許している店なのだろう。
2人のやり取りを店主と女将さんが優しく見守っている。
「おまちどうさま」
「わ、綺麗な天ぷら!」
揚げたての天ぷらなんていつぶりだろう。
「いただきます!……ん、サックサクー!」
大葉の天ぷらに手を伸ばしてテンションが上がる。
蕎麦も喉越しがいい。
「美味しいです」
「だろ」
それだけ言うと黙々と食事をしていた。
「お嬢ちゃん、神田くんの彼女かい?」
「あ、はい!」
そば湯を持ってきた女将さんに聞かれる。
「いつも一人でよく来るからね。そうかい。いい子ができたんだねえ」
「なんだかお母さんみたいですね」
「こんなイケメンの母親なんて嬉しいねえ」
そう言って笑った。
帰り道
「いいお店ですね!お蕎麦美味しいし、女将さんも優しいし」
神田は静かに聞いている。
「また連れてきてくださいね」
そう言いながら車に乗った。
「何食べたいです?」
「なんでもいい」
「それ一番困る回答」
ロリータ服でカートを押していると目立つ。
だが薫は気にしない。
「じゃあお肉か魚かは選んでください」
「肉」
「じゃあ照り焼きにしようかなー」
付け合せは何にしようか、楽しそうに材料を選んでいく。
「おい。」
「はい?」
「塩しかねーからな」
「何がです?」
「調味料」
「え」
衝撃だった。料理はしないと言っていたが、本当にしない人の家だ。
「お醤油は」
「ない」
「みりんは」
「あるわけない」
「砂糖…ないって言ってましたね」
「必要な物買え」
薫にとっても料理は趣味程度だが、凝りたいものだった。
「いっぱい買っちゃいますよ?」
「車だ。構わねー」
「じゃあ遠慮せず…」
と、次々調味料をカゴに入れていくと2袋分の買い物になった。
どちらも神田が袋を持ってくれ、車に戻る。
「一旦お前の家だろ」
「お願いします」
薫のマンションへと向かった。
「……明日も泊まっていいですか?」
「構わねーよ」
「やった」
仕事用のスーツも持ち、明日用のロリータ服も持った。
随分な量の荷物になったので、キャリーケースに詰め込んだ。
今度は部屋着も忘れないようにしっかり持った。
「お待たせしました」
旅行する勢いの荷物。
「お前それどこ行く気だよ」
「ユウのお家ですが?」
「そんな荷物量じゃねーだろ」
「ロリータナメないでくださいね」
ニコリと笑っているけど、目は笑っていなかった。
好きな物に茶々を入れられるのはおもしろくない。
「まあいい」
薫の荷物も車に詰め込んで神田のマンションへと移動した。
「ねえ、待って待って待って」
「なんだ」
「何もなさ過ぎない?!」
神田の家に着くと、買ってきた食材を冷蔵庫に入れていく。
お茶とコーヒー豆しか入っていない冷蔵庫。
使われていない綺麗なIHコンロ。
「待って。本当に何も無い」
棚を開けてみるが何も無い。無さすぎる。
「フライパンは?」
「ない」
「お鍋は」
「ない」
「電子レンジ」
「ない」
この人は本当にここで暮らしているのかというくらい何も無い。
「さすがにお料理できないです。材料だけでどうしろと…」
とりあえず買ってきた食材を冷蔵庫に入れていく。
買ってきた皿を眺めながら、
「このプレート使いたかったのに…」
とボソッと言う。
「明日!キッチン用品買いに行きます!」
「寝るんじゃなかったのか?」
「衣食住の食が全くできない家なんて困ります」
「わかった」
それだけの返事。
「明日材料使うとして、今日はどうしよう」
「食いに行くか」
「いつもそうやって過ごしてるんですね」
神田の食事事情が垣間見えた瞬間だった。
しかし今日はどうしようもできない。
仕方なく外に食べに行くことにした。
「何食べるんですか?」
「蕎麦」
神田行きつけの店に連れていかれた。
「今日はお人形さんみたいな子と一緒なんだね」
と女将さんに声をかけられた。
常連のようだ。
「天ぷら蕎麦2人分」
「はいよ」
メニュー見る前から決められてしまった。
「ここの蕎麦はうまい」
「お蕎麦、好きなんですか?」
「ああ」
いつになくテンションが上がっているように見える神田。
「メニューも見てみたいです」
と、メニュー表越しにそんな神田の表情を観察する。
そして思わず頬が緩む。
彼の好きな物を、彼から教えてもらえたことが嬉しくて。
ふふふ、と笑っていると
「なんだよ」
「なんでもないですよー」
神田も気を許している店なのだろう。
2人のやり取りを店主と女将さんが優しく見守っている。
「おまちどうさま」
「わ、綺麗な天ぷら!」
揚げたての天ぷらなんていつぶりだろう。
「いただきます!……ん、サックサクー!」
大葉の天ぷらに手を伸ばしてテンションが上がる。
蕎麦も喉越しがいい。
「美味しいです」
「だろ」
それだけ言うと黙々と食事をしていた。
「お嬢ちゃん、神田くんの彼女かい?」
「あ、はい!」
そば湯を持ってきた女将さんに聞かれる。
「いつも一人でよく来るからね。そうかい。いい子ができたんだねえ」
「なんだかお母さんみたいですね」
「こんなイケメンの母親なんて嬉しいねえ」
そう言って笑った。
帰り道
「いいお店ですね!お蕎麦美味しいし、女将さんも優しいし」
神田は静かに聞いている。
「また連れてきてくださいね」
そう言いながら車に乗った。