《第9話》オソロイ。
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アンティークショップを出て、少し歩いたところで薫が足を止める。
「……コーヒー飲みたい」
そう言うと、神田は特に反対もせず、横目だけで看板を見る。
「近いな」
「うん、寄っていい?」
「構わない」
即答。
ちょうど飲みたいと思っていたところだった。タイミングが合う。
店に入ると、外の空気とはまた違う温度になる。
コーヒーの香りと、木のカウンターの落ち着いた雰囲気。
薫の甘ロリがそのまま空間に溶けこむ感じで、少しだけ視線が集まるけど、本人は気にしない。
(似合ってるから問題なし)
神田は後ろに半歩遅れて入る。
「何にする?」
薫がメニューを見ながら聞くと、神田は一瞬だけ目を落とす。
「コーヒー」
「それは分かるけど」
「ブラックでいい」
即答。迷う要素ゼロだった。
彼女はフラペチーノを頼む。
何かわからないが楽しそうにトッピングをたくさん乗せている様子。
注文し終わり薫がふと視線を上げると、神田は窓の外を見ている。
淹れたてのコーヒーの香りが広がる。
薫が小さく笑う。
「ねえ、今日さ」
「何だ」
「普通にデートっぽいですよね」
一瞬だけ間。
神田はコーヒーを受け取るタイミングで答える。
「そういうものか」
また曖昧な肯定。
でも否定はしてない。
薫はフラペチーノを両手で持つ。
「ユウはこういうとこよく来るんですか?」
「必要があれば来る」
「じゃあ今日は?」
神田は少しだけ視線を上げる。
「お前がいる」
それだけ。
理由としては十分すぎるほどシンプルで、でも重い。
薫は一瞬だけ言葉に詰まってから、笑って誤魔化す。
「……そういうの、普通に言うんですね」
「事実だ」
即答。
だが嫌ではない。
コーヒー片手に店を出ると、少しだけ風が軽い。
薫は両手でしっかりフラペチーノを持っているが、神田は片手に先程買った荷物とコーヒー。
両手が塞がっている。
薫は今の状況がくすぶったくて嬉しくて。
少しだけ神田との距離を詰める。
神田の歩幅は一切変わらないのに、薫の歩くスピードに合わせてくれる。
それがまた嬉しい。
「ねえユウ」
「なんだ」
「今日はデートってことでいいんですよね」
もう一度確認する。
彼に、これはデートだと教えたかった。
「…知らねーよ」
薫がふふっと笑う。
「じゃあ教えます。デートですよ」
そのまま歩き出すふたり。
外とコーヒーの匂いが混ざり、風に流されていった。
「次は何買うんですか?」
「何がいる?」
「歯ブラシとかはあるし、なんだろ。本当にユウの部屋のものが把握できてないから…」
「なら明日買いに行くか」
それは一度家に帰り、部屋をよく見ろということ。
「お前の着替えも欲しいだろ」
「明日も出かけます?」
「必要なら」
休みの日に出かけるならロリータ服がいい。
だが、寝て過ごしたいという願望もある。
「お部屋のもの、そんなに急がなくてもいいですか?」
「なんでだ」
「寝たい」
素直にそう答える薫。
神田はじっと薫を見据えると観念したように答える。
「飯」
「え?」
「飯係だからな」
家賃はいらない、その代わり飯を作れと言われたことを思い出す。
そこでパチンと思い出したように手を叩く。
「エプロン!エプロン買いに行きましょ!」
「必要か?」
「必要ですよ。汚れちゃうし」
「汚れたら洗ったらいい」
合理性を求めてくる。確かにそうなのではあるが…
「可愛いエプロンつけた可愛い薫ちゃん、見たくありません?」
神田を見上げる。
「美味しい料理付きですよ」
そういうと観念したように神田は言う。
「今度はどこの店だ」
「私の行きつけのお店行きましょ」
薫はエプロンを眺めながらわかりやすくテンションが上がっている。
「これなんてどうでしょう?」
淡い色にレースのついたエプロン。
甘ロリの薫がつけるとそのレースは霞んで見える。
神田は一目見て
「いいんじゃねーか」
と評価を下す。
薫は少しだけ唇を尖らせる。
「ユウ絶対どれもいいんじゃねーかって言うやつだ」
「どれも同じだ」
「違いますよ。機能とか可愛さとか」
「なら機能的なのを選べばいいだろ」
実用性を求めてくる。確かにそうなのだが薫は神田に似合ってる、だとか可愛いと思わせたい。
ロングタイプのバーテンダーエプロンを付けると神田が反応する。
「それいいじゃねーか」
さっきまでの評価とは違い、一段階声色が明るくなった。
レースも着いていなければ色も黒ととてもシンプル。
だがしかし重要なのはそこではない。
「じゃあこれにする」
神田が明らかにいいんじゃないかと認めてくれたこと。
「可愛さは私が補填してあげましょう」
そういうとレジに向かった。
「……コーヒー飲みたい」
そう言うと、神田は特に反対もせず、横目だけで看板を見る。
「近いな」
「うん、寄っていい?」
「構わない」
即答。
ちょうど飲みたいと思っていたところだった。タイミングが合う。
店に入ると、外の空気とはまた違う温度になる。
コーヒーの香りと、木のカウンターの落ち着いた雰囲気。
薫の甘ロリがそのまま空間に溶けこむ感じで、少しだけ視線が集まるけど、本人は気にしない。
(似合ってるから問題なし)
神田は後ろに半歩遅れて入る。
「何にする?」
薫がメニューを見ながら聞くと、神田は一瞬だけ目を落とす。
「コーヒー」
「それは分かるけど」
「ブラックでいい」
即答。迷う要素ゼロだった。
彼女はフラペチーノを頼む。
何かわからないが楽しそうにトッピングをたくさん乗せている様子。
注文し終わり薫がふと視線を上げると、神田は窓の外を見ている。
淹れたてのコーヒーの香りが広がる。
薫が小さく笑う。
「ねえ、今日さ」
「何だ」
「普通にデートっぽいですよね」
一瞬だけ間。
神田はコーヒーを受け取るタイミングで答える。
「そういうものか」
また曖昧な肯定。
でも否定はしてない。
薫はフラペチーノを両手で持つ。
「ユウはこういうとこよく来るんですか?」
「必要があれば来る」
「じゃあ今日は?」
神田は少しだけ視線を上げる。
「お前がいる」
それだけ。
理由としては十分すぎるほどシンプルで、でも重い。
薫は一瞬だけ言葉に詰まってから、笑って誤魔化す。
「……そういうの、普通に言うんですね」
「事実だ」
即答。
だが嫌ではない。
コーヒー片手に店を出ると、少しだけ風が軽い。
薫は両手でしっかりフラペチーノを持っているが、神田は片手に先程買った荷物とコーヒー。
両手が塞がっている。
薫は今の状況がくすぶったくて嬉しくて。
少しだけ神田との距離を詰める。
神田の歩幅は一切変わらないのに、薫の歩くスピードに合わせてくれる。
それがまた嬉しい。
「ねえユウ」
「なんだ」
「今日はデートってことでいいんですよね」
もう一度確認する。
彼に、これはデートだと教えたかった。
「…知らねーよ」
薫がふふっと笑う。
「じゃあ教えます。デートですよ」
そのまま歩き出すふたり。
外とコーヒーの匂いが混ざり、風に流されていった。
「次は何買うんですか?」
「何がいる?」
「歯ブラシとかはあるし、なんだろ。本当にユウの部屋のものが把握できてないから…」
「なら明日買いに行くか」
それは一度家に帰り、部屋をよく見ろということ。
「お前の着替えも欲しいだろ」
「明日も出かけます?」
「必要なら」
休みの日に出かけるならロリータ服がいい。
だが、寝て過ごしたいという願望もある。
「お部屋のもの、そんなに急がなくてもいいですか?」
「なんでだ」
「寝たい」
素直にそう答える薫。
神田はじっと薫を見据えると観念したように答える。
「飯」
「え?」
「飯係だからな」
家賃はいらない、その代わり飯を作れと言われたことを思い出す。
そこでパチンと思い出したように手を叩く。
「エプロン!エプロン買いに行きましょ!」
「必要か?」
「必要ですよ。汚れちゃうし」
「汚れたら洗ったらいい」
合理性を求めてくる。確かにそうなのではあるが…
「可愛いエプロンつけた可愛い薫ちゃん、見たくありません?」
神田を見上げる。
「美味しい料理付きですよ」
そういうと観念したように神田は言う。
「今度はどこの店だ」
「私の行きつけのお店行きましょ」
薫はエプロンを眺めながらわかりやすくテンションが上がっている。
「これなんてどうでしょう?」
淡い色にレースのついたエプロン。
甘ロリの薫がつけるとそのレースは霞んで見える。
神田は一目見て
「いいんじゃねーか」
と評価を下す。
薫は少しだけ唇を尖らせる。
「ユウ絶対どれもいいんじゃねーかって言うやつだ」
「どれも同じだ」
「違いますよ。機能とか可愛さとか」
「なら機能的なのを選べばいいだろ」
実用性を求めてくる。確かにそうなのだが薫は神田に似合ってる、だとか可愛いと思わせたい。
ロングタイプのバーテンダーエプロンを付けると神田が反応する。
「それいいじゃねーか」
さっきまでの評価とは違い、一段階声色が明るくなった。
レースも着いていなければ色も黒ととてもシンプル。
だがしかし重要なのはそこではない。
「じゃあこれにする」
神田が明らかにいいんじゃないかと認めてくれたこと。
「可愛さは私が補填してあげましょう」
そういうとレジに向かった。