《第8話》コウシン。
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丸一日仕事にならなかった。
うっかりミスはもちろんのことだったのだが、大きなミスがなかっただけまだマシと言うべきか。
「…はぁ」
「薫調子悪いわね。どうかしたの?」
「あ、リナリー」
「話聞くわよ?」
「実は……」
「それは薫全然悪くないじゃない!痴漢野郎地に落ちろ」
笑顔で怖いことを言っている。
しかし話をしたことで少しスッキリした。
「神田に送ってもらえば?」
「ちょ、リナリーその名前は」
神田、という名前に反応する課の女性陣。
噂話には敏感だ。
リナリーを引っ張って廊下へと連れていく。
「ごめんごめん。内緒だったわね。」
悪びれた様子もなく、わざとらしいリナリー。
「でも薫、本当に神田に送ってもらえないの?」
「退勤時間も違うし、神田さんにご迷惑になるかと…」
「彼女なんだから遠慮しなくてよくない?あ、私から言いに行こうか?」
「いい!いい!大丈夫だからリナリー」
そのままの勢いで行ってしまいそうなリナリーを引き止める。
「じゃあ今すぐ連絡!スマホ出して」
連絡しないと解放してくれなそうな勢いのため、ポチポチとメッセージを打つ。
一緒に帰りませんか、と。
ピロン
定時にロビー
短いが返信がきた。
「リナリー!一緒に帰れるって!」
「良かったじゃない」
友達の恋路が上手くいっているようで安心するリナリー。
気持ちを持ち直し、仕事に励んだ。
定時に上がるために仕事をがんばった。
社長に小言を言われながらもがんばった。
ロビーにつくと
「神田さんっ」
すでに神田がいた。
定時時間ということもあり人も多い。
魔王と女神という珍しい組み合わせに注目を浴びる。
「行くぞ」
少し離れながら車に向かった。
「今日ジムじゃねーよな?」
「違うんです。電車に乗りたくなかっただけで…」
「なんかあったのか?」
朝の出来事を素直に伝える。
怖くてちょっと電車に乗りたくないと。
それを静かに聞いていた神田は、特に何かを言う訳でもなくまっすぐ車を走らせる。
薫の家とは方向が違う。
「どちらへ?」
知らない道を通り、着いたのは立派なタワーマンション。
「降りろ」
慣れた素振りで中に入っていく神田。
「ここって…?」
反して薫は慣れない景色に思わずキョロキョロとしてしまう。
「俺の城」
「え、あ、神田さんのお家?!」
エレベーターはどんどん上に上がっていく。
着いた階は静かで落ち着いていた。
「入れよ」
迎え入れた先はとても広い部屋。
東京の夜景が一望できる。
「お…お邪魔します」
緊張気味に足を踏み入れる。
ふわっと香る他人の家の匂い。
それは神田の匂いで思わずドキリとしてしまう。
「あの、えと…」
「座れ」
ソファーを促され、そこに小さくなって座る。
「何緊張してんだよ」
「神田さんの」
「名前」
「ユウの匂いがいっぱいで変になりそうです」
本当だった。
抱きしめられているような感覚に襲われ、ドキドキしてしまう。
「お前、本当に変態だよな」
「違っ…いや、違わなくはないけど…好きな人の匂いって良くないです!?」
ふと、何かを考えたように見えると薫の隣に座った神田。
「な…なんですか」
そのまま薫の首元に顔を埋める。
「…っぁ…ちょ…」
ペロリと首に付けられた跡を舐められる。
「ん…」
「確かに匂いに関しては同意だな」
イタズラ気に笑う神田。
顔を赤くし、舐められた首元を押さえて隠す。
そのままソファーに組み敷かれる。
「どうだ?」
「どうだって何がですか」
「俺の城は気に入ったか?」
「玄関とリビングしか見てませんがすごいとは思います」
「……………他の部屋も見てきていいぞ」
解放される。
ルームツアーは大好きだ。
「どの部屋開けても?」
「いいぞ」
「やったあ!」
ガバッと勢いよく起き上がると室内を散策し始める。
キッチン、バスルーム、1つ目の部屋…と開けたが何も置いていない。
2つ目の部屋を開けてもここも空だった。
もう1つの部屋を開けると、更に神田の匂いを強く感じる。
寝室だ。
匂いに当てられ、変な気分になってくる。
「ユ…ユウの家、空き部屋多いね。使わないの?」
誤魔化そうとリビングに戻ると神田から少し離れてにちょこんと座る。
それを許さないかのように近づいてくる神田。
「使っていいぜ」
「へ?」
「住めばいいだろ」
「はい?」
何を言っているのだろう。
迫ってくると顎を持ち上げられる、そのままキスされる。
「ん…」
触れるだけのキス。
「嫌か?」
「なにが…」
「一緒に住むの」
「ゃ…ん…」
返事をする前に唇を塞がれる。
今度は唇を深く合わせて、キスを味わうように。
「ユ…ん…待っ…」
「なんだよ」
途中で止められて面白くなさそうな神田。
「なんで一緒に住むことに」
「部屋。更新だろ?」
「見たの?」
「部屋ン真ん中に置かれてりゃーな」
手紙を見られたのは自業自得だ。だがしかし
「付き合って間もないのに一緒に住んでいんですかね?」
「別れる気あんのか?」
「ないです」
「じゃあいいじゃねーか」
強引な誘いだった。
返事をする前に決まっていることのように話が進んでいく。
一緒に住んだらなんて想像もしていなかった。
どうしようか悩んでいるとまた唇を塞がれる。
「ん…」
唇を離れると耳たぶを甘噛みしていく。
「どうする?」
囁くように深く落ちる彼の声。
「っあ…」
大好きな低音ボイスに落とされてしまいそうになる。
「ユ…ユウ」
「なんだ」
「本当に一緒に住んでもいいの?」
「やめるなら今のうちだぞ」
「やめない」
そう言うと薫は舌を絡めるように神田に口付けた。
うっかりミスはもちろんのことだったのだが、大きなミスがなかっただけまだマシと言うべきか。
「…はぁ」
「薫調子悪いわね。どうかしたの?」
「あ、リナリー」
「話聞くわよ?」
「実は……」
「それは薫全然悪くないじゃない!痴漢野郎地に落ちろ」
笑顔で怖いことを言っている。
しかし話をしたことで少しスッキリした。
「神田に送ってもらえば?」
「ちょ、リナリーその名前は」
神田、という名前に反応する課の女性陣。
噂話には敏感だ。
リナリーを引っ張って廊下へと連れていく。
「ごめんごめん。内緒だったわね。」
悪びれた様子もなく、わざとらしいリナリー。
「でも薫、本当に神田に送ってもらえないの?」
「退勤時間も違うし、神田さんにご迷惑になるかと…」
「彼女なんだから遠慮しなくてよくない?あ、私から言いに行こうか?」
「いい!いい!大丈夫だからリナリー」
そのままの勢いで行ってしまいそうなリナリーを引き止める。
「じゃあ今すぐ連絡!スマホ出して」
連絡しないと解放してくれなそうな勢いのため、ポチポチとメッセージを打つ。
一緒に帰りませんか、と。
ピロン
定時にロビー
短いが返信がきた。
「リナリー!一緒に帰れるって!」
「良かったじゃない」
友達の恋路が上手くいっているようで安心するリナリー。
気持ちを持ち直し、仕事に励んだ。
定時に上がるために仕事をがんばった。
社長に小言を言われながらもがんばった。
ロビーにつくと
「神田さんっ」
すでに神田がいた。
定時時間ということもあり人も多い。
魔王と女神という珍しい組み合わせに注目を浴びる。
「行くぞ」
少し離れながら車に向かった。
「今日ジムじゃねーよな?」
「違うんです。電車に乗りたくなかっただけで…」
「なんかあったのか?」
朝の出来事を素直に伝える。
怖くてちょっと電車に乗りたくないと。
それを静かに聞いていた神田は、特に何かを言う訳でもなくまっすぐ車を走らせる。
薫の家とは方向が違う。
「どちらへ?」
知らない道を通り、着いたのは立派なタワーマンション。
「降りろ」
慣れた素振りで中に入っていく神田。
「ここって…?」
反して薫は慣れない景色に思わずキョロキョロとしてしまう。
「俺の城」
「え、あ、神田さんのお家?!」
エレベーターはどんどん上に上がっていく。
着いた階は静かで落ち着いていた。
「入れよ」
迎え入れた先はとても広い部屋。
東京の夜景が一望できる。
「お…お邪魔します」
緊張気味に足を踏み入れる。
ふわっと香る他人の家の匂い。
それは神田の匂いで思わずドキリとしてしまう。
「あの、えと…」
「座れ」
ソファーを促され、そこに小さくなって座る。
「何緊張してんだよ」
「神田さんの」
「名前」
「ユウの匂いがいっぱいで変になりそうです」
本当だった。
抱きしめられているような感覚に襲われ、ドキドキしてしまう。
「お前、本当に変態だよな」
「違っ…いや、違わなくはないけど…好きな人の匂いって良くないです!?」
ふと、何かを考えたように見えると薫の隣に座った神田。
「な…なんですか」
そのまま薫の首元に顔を埋める。
「…っぁ…ちょ…」
ペロリと首に付けられた跡を舐められる。
「ん…」
「確かに匂いに関しては同意だな」
イタズラ気に笑う神田。
顔を赤くし、舐められた首元を押さえて隠す。
そのままソファーに組み敷かれる。
「どうだ?」
「どうだって何がですか」
「俺の城は気に入ったか?」
「玄関とリビングしか見てませんがすごいとは思います」
「……………他の部屋も見てきていいぞ」
解放される。
ルームツアーは大好きだ。
「どの部屋開けても?」
「いいぞ」
「やったあ!」
ガバッと勢いよく起き上がると室内を散策し始める。
キッチン、バスルーム、1つ目の部屋…と開けたが何も置いていない。
2つ目の部屋を開けてもここも空だった。
もう1つの部屋を開けると、更に神田の匂いを強く感じる。
寝室だ。
匂いに当てられ、変な気分になってくる。
「ユ…ユウの家、空き部屋多いね。使わないの?」
誤魔化そうとリビングに戻ると神田から少し離れてにちょこんと座る。
それを許さないかのように近づいてくる神田。
「使っていいぜ」
「へ?」
「住めばいいだろ」
「はい?」
何を言っているのだろう。
迫ってくると顎を持ち上げられる、そのままキスされる。
「ん…」
触れるだけのキス。
「嫌か?」
「なにが…」
「一緒に住むの」
「ゃ…ん…」
返事をする前に唇を塞がれる。
今度は唇を深く合わせて、キスを味わうように。
「ユ…ん…待っ…」
「なんだよ」
途中で止められて面白くなさそうな神田。
「なんで一緒に住むことに」
「部屋。更新だろ?」
「見たの?」
「部屋ン真ん中に置かれてりゃーな」
手紙を見られたのは自業自得だ。だがしかし
「付き合って間もないのに一緒に住んでいんですかね?」
「別れる気あんのか?」
「ないです」
「じゃあいいじゃねーか」
強引な誘いだった。
返事をする前に決まっていることのように話が進んでいく。
一緒に住んだらなんて想像もしていなかった。
どうしようか悩んでいるとまた唇を塞がれる。
「ん…」
唇を離れると耳たぶを甘噛みしていく。
「どうする?」
囁くように深く落ちる彼の声。
「っあ…」
大好きな低音ボイスに落とされてしまいそうになる。
「ユ…ユウ」
「なんだ」
「本当に一緒に住んでもいいの?」
「やめるなら今のうちだぞ」
「やめない」
そう言うと薫は舌を絡めるように神田に口付けた。