《第8話》コウシン。
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「ん…朝?」
薫が珍しく目覚ましより早く目を覚ます。
隣には誰もいない。
「帰っちゃったんだっけ」
夢うつつの中で、鍵はポストにとやりとりをしたのを思い出す。
「寂しいなあ」
神田がいた側を向く。
微かに残る彼の香り。
「……ユウ。きゃー」
布団をかぶる。
「名前、呼んじゃったあ」
嬉しくて、少し恥ずかしくて、愛しさが湧いてくる。
「よしっ」
気合いを入れて朝の準備をする。
「少し浮腫んでるけど、肌は今日も最高ね」
鏡をじっくり見ながら自らの肌調子を確認していく。
「わ…際どいところにまたキスマークつけられてる…」
照れくさそうにそのキスマークを指でなぞりながら、昨晩の情事を思い出す。
「…ユウの前でお酒飲むの控えようかな」
いや、強い酒がダメなわけであって、酒自体そんなに弱い訳ではない。
ただ、安心しきって回りが早くなるだけだ。
色々考えながら朝の支度を整える。
今日もバッチリキマっていることを確認するとヒールを鳴らして歩く。
今日も朝からすし詰め満員電車。
寝起きの幸せな気分もどこへやら。
一気に現実に引き戻される。
それにしても今日はいつもより密度が高い気がする。
そんなことを考えていると
「?」
お尻に何かが触れた感じがした。
荷物か何かかなと気にせず立っていると
「!?」
今度は確実に撫でられた。
声も出せずに驚いていると、その手の主は太ももを撫でてくる。
持っていた鞄を間に入れるが、関係なしに脚を撫で続けている。
そのままスカートの中に手を入れてきたが何も出来ずに固まってしまった。
怖い。
怖い気持ちはあるが声も出せない。
あと一駅だったが耐えられなかった。
「すみません、降ります」
ドアが閉まるギリギリで本来降りる駅とは違う所へと降りた。
「…はぁ」
痴漢に遭うのは初めてではない。
しかし毎回怖くて固まってしまう。
久しぶりに電車が嫌いになった。
会社まで一駅。どうしようかなやんだが歩くことにした。
早く出てきていて良かった。
今頃コーヒーショップでコーヒーを買って出勤していたのにな、なんて当初の予定は崩れてしまった。
結局いつもの時間に出社することになった。
「薫おはようさー」
「あ、ラビ。おはようございます。昨日はお疲れ様でした」
「ユウは一緒じゃないんか?」
「なんでですか?」
「てっきりお持ち帰りしたもんかと…」
言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。
「な…何を言ってるんですか」
顔を赤くしながら、酔った車内での会話も思い出してくる。
「うわああああああ」
「薫は今日一段と色っぽいんじゃないんか?」
揶揄うようにニヤニヤした笑いを込めながら言ってくる。
「言っとくけど俺も本気で薫のこと狙ってるからいつでも鞍替え待ってるさ」
バチンと投げキッスをされたが、それをさっと避ける。
「あ、アレンくんは」
話を逸らす。
「アレンはそこのロビーでまだゾンビさ」
飲みすぎたようで顔色も悪く、ロビーのソファーに座っている。
「仕事になるんですか?」
「わかんねーさ。けど、ほらアレン行くさ」
「薫さんおはようございます、今日もかわいいですね」
「おはよう……………生きてる?」
今にもダウンしそうに引きずられるアレン。
二人と一緒にエレベーターに乗った。
「社長、おはようございます」
「今日は一段と色っぽいな?」
「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す!」
「ちゃんと食ってもらったか?」
「社長、セクハラと捉えますよ」
今日もクロス社長は絶好調に薫に絡む。
何かを見つけたように薫に近づき、首筋をなぞる。
「もう少し見えないところに跡つけてもらえ」
「え、あ…」
バッと両手で首を隠して赤くなる。
それを見て面白がる社長。
「俺のおかげで盛り上がっただろ。礼に一発どうだ?」
グイッと顎を持ち上げられる。
「そろそろ靡いてもいい頃合いじゃねーか?男いてもいいぞ」
「社長とは何もしませんから」
「俺はナニかしたいがな」
そう言って腰を引き寄せる。
「やだ!」
グッと社長を叩いてしまう。
いつもと違う反応に社長も驚いた。
「どうした?」
咄嗟に手を離す。
「や…その…」
「言え」
「………朝、痴漢に遭いまして。それでちょっとフラッシュバックしちゃって…」
「それは悪い事をしたな」
大人しく席に戻る社長。
「いえ…私こそ叩いてしまって申し訳ございません。一度課に戻りますね」
そう言って部屋を出ていった。
薫が珍しく目覚ましより早く目を覚ます。
隣には誰もいない。
「帰っちゃったんだっけ」
夢うつつの中で、鍵はポストにとやりとりをしたのを思い出す。
「寂しいなあ」
神田がいた側を向く。
微かに残る彼の香り。
「……ユウ。きゃー」
布団をかぶる。
「名前、呼んじゃったあ」
嬉しくて、少し恥ずかしくて、愛しさが湧いてくる。
「よしっ」
気合いを入れて朝の準備をする。
「少し浮腫んでるけど、肌は今日も最高ね」
鏡をじっくり見ながら自らの肌調子を確認していく。
「わ…際どいところにまたキスマークつけられてる…」
照れくさそうにそのキスマークを指でなぞりながら、昨晩の情事を思い出す。
「…ユウの前でお酒飲むの控えようかな」
いや、強い酒がダメなわけであって、酒自体そんなに弱い訳ではない。
ただ、安心しきって回りが早くなるだけだ。
色々考えながら朝の支度を整える。
今日もバッチリキマっていることを確認するとヒールを鳴らして歩く。
今日も朝からすし詰め満員電車。
寝起きの幸せな気分もどこへやら。
一気に現実に引き戻される。
それにしても今日はいつもより密度が高い気がする。
そんなことを考えていると
「?」
お尻に何かが触れた感じがした。
荷物か何かかなと気にせず立っていると
「!?」
今度は確実に撫でられた。
声も出せずに驚いていると、その手の主は太ももを撫でてくる。
持っていた鞄を間に入れるが、関係なしに脚を撫で続けている。
そのままスカートの中に手を入れてきたが何も出来ずに固まってしまった。
怖い。
怖い気持ちはあるが声も出せない。
あと一駅だったが耐えられなかった。
「すみません、降ります」
ドアが閉まるギリギリで本来降りる駅とは違う所へと降りた。
「…はぁ」
痴漢に遭うのは初めてではない。
しかし毎回怖くて固まってしまう。
久しぶりに電車が嫌いになった。
会社まで一駅。どうしようかなやんだが歩くことにした。
早く出てきていて良かった。
今頃コーヒーショップでコーヒーを買って出勤していたのにな、なんて当初の予定は崩れてしまった。
結局いつもの時間に出社することになった。
「薫おはようさー」
「あ、ラビ。おはようございます。昨日はお疲れ様でした」
「ユウは一緒じゃないんか?」
「なんでですか?」
「てっきりお持ち帰りしたもんかと…」
言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。
「な…何を言ってるんですか」
顔を赤くしながら、酔った車内での会話も思い出してくる。
「うわああああああ」
「薫は今日一段と色っぽいんじゃないんか?」
揶揄うようにニヤニヤした笑いを込めながら言ってくる。
「言っとくけど俺も本気で薫のこと狙ってるからいつでも鞍替え待ってるさ」
バチンと投げキッスをされたが、それをさっと避ける。
「あ、アレンくんは」
話を逸らす。
「アレンはそこのロビーでまだゾンビさ」
飲みすぎたようで顔色も悪く、ロビーのソファーに座っている。
「仕事になるんですか?」
「わかんねーさ。けど、ほらアレン行くさ」
「薫さんおはようございます、今日もかわいいですね」
「おはよう……………生きてる?」
今にもダウンしそうに引きずられるアレン。
二人と一緒にエレベーターに乗った。
「社長、おはようございます」
「今日は一段と色っぽいな?」
「お・は・よ・う・ご・ざ・い・ま・す!」
「ちゃんと食ってもらったか?」
「社長、セクハラと捉えますよ」
今日もクロス社長は絶好調に薫に絡む。
何かを見つけたように薫に近づき、首筋をなぞる。
「もう少し見えないところに跡つけてもらえ」
「え、あ…」
バッと両手で首を隠して赤くなる。
それを見て面白がる社長。
「俺のおかげで盛り上がっただろ。礼に一発どうだ?」
グイッと顎を持ち上げられる。
「そろそろ靡いてもいい頃合いじゃねーか?男いてもいいぞ」
「社長とは何もしませんから」
「俺はナニかしたいがな」
そう言って腰を引き寄せる。
「やだ!」
グッと社長を叩いてしまう。
いつもと違う反応に社長も驚いた。
「どうした?」
咄嗟に手を離す。
「や…その…」
「言え」
「………朝、痴漢に遭いまして。それでちょっとフラッシュバックしちゃって…」
「それは悪い事をしたな」
大人しく席に戻る社長。
「いえ…私こそ叩いてしまって申し訳ございません。一度課に戻りますね」
そう言って部屋を出ていった。