《第5話》コマッタゾ。
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会社のロビーに戻るとちょうど営業から戻ってきた神田と一緒になった。
「神田さ…」
「神田さん!」
声をかけようとしたが、他の女子社員にかき消された。
今日大変なんだぞ、と伝えたくて、聞いてもらいたくて、それだけだったのだが、女子社員に囲まれている姿が面白くない。
明らかに面倒くさそうにはしている。
「お前らどけ」
(わあ、いつもの神田さんだ)
ぶっきらぼうで容赦なく冷たく相手をしている。
そんな神田にすらキュンとしてしまう。
(いや、ここキュンとする場面じゃないよね。なんだこれ)
重症だ。
会えただけで嬉しいのだ。
文句のひとつでも言ってやろうと思ったのだが、自分からいつも通りにしてほしいと、バレないようにしてほしいと言った手前、その場で話しかけることはしなかった。
その代わりメッセージを送る。
ピロン
神田も着信に気付いてスマホを確認する。
画面を見てしかめっ面になる。
そして駆け足でエレベーターに向かう。
「…おい、バカってなんだよ」
エレベーターのドアが閉まる直前、ドアを抑えて神田が乗り込んできた。
「神田さん?!」
間に合ったの?!と驚きを隠せない。
エレベーター内、会話はない。
2
3
4
「今日大変なんだから」
5 チンッ
神田の降りる階に着く。
「大変ってなんだよ」
「ほら、早く降りてください」
「あ、おい」
会話も終結しないままに降ろされる神田。
「ばーか」
ドアが閉まる直前に言い逃げをする。
(もっと言ってやれば良かった)
ピロン
「帰り乗ってけ、だあ?」
神田からメッセージが入った。
何を言われるかわからない。
「まーじーかー」
午後は午後で、午前中とは違う焦燥感に駆られながら仕事をしていた。
終業時間----------------
ロビーで待っていた神田と一緒になる。
なんとなく離れて歩き、駐車場へ向かう。
車に乗って第一声。
「今日一日大変だったんですよ!」
「何がだ」
車のエンジンをかける。
「神田さんの……が…出てきて…ゴニョゴニョ」
エンジン音と一緒にかき消される薫の声。
「俺の、なんだって?」
本気で聞こえてなかったため、聞き返される。
しかし2度も言えない。
「バカってことです」
「お前昼からなんなんだよ」
訳もわからず中傷されている神田は面白くない。
「スーパー寄って帰りたいです」
「お前自炊してんのか」
「こう見えて料理上手ですからね。薫ちゃんの手料理食べたら惚れますよ」
わかった、とだけ返し、薫のマンション近くのスーパーに向かう。
「今日車だからアイスも買っちゃおう」
1週間分の食料を買っていた。
「神田さん、食べていきます?」
車に乗り込みながら聞く。
「お前気軽に男家に上げるな」
「彼氏は良くないですか?」
今日は何作ろう、何の食べ物好きですか、なんて聞きながら薫のマンションに向かう。
部屋に着くと慣れた手つきでキッチンに向かう。
「適当に寛いでてくださいね」
エプロンをし、買ってきたものを選別していく。
「彼氏にご飯作るの夢だったんですよ」
など、キッチンから聞こえてくる。
トントントンと包丁の音と、肉の焼ける匂いがしてくる。
誰かがいるとはこんな感覚か、と神田は感じた。
それにしても。
物がごちゃごちゃしているすごい部屋だなと眺める。
アンティーク仕様にまとめられた室内、昨日は気にならなかったがよく集めたものだと感心する。
ご機嫌で料理していた薫だが
(神田さんが!私の部屋にいる!やばい)
内心落ち着かない様子だった。
「できましたー!今日は生姜焼きです」
丁寧にも一汁三菜、プレートに乗せてでてきた。
朝は抜き、昼は外で食べることが多いが、夜は丁寧な暮らしを意識している。
「付け合せは作り置きなんですけど、味は保証します!」
「いただきます」
味噌汁を一口飲むと
「!」
「お口に合います?」
「美味いな」
「実家でご飯作るの私だったんですよー。だから料理はめちゃくちゃ自信あって…」
ニコニコ話し、実家のことを思い返している薫は機嫌がいい。
「神田さんは料理します?」
「いや。いつも外だ」
「体に悪いですよ」
会話を楽しみながら食事をしていった。
「神田さ…」
「神田さん!」
声をかけようとしたが、他の女子社員にかき消された。
今日大変なんだぞ、と伝えたくて、聞いてもらいたくて、それだけだったのだが、女子社員に囲まれている姿が面白くない。
明らかに面倒くさそうにはしている。
「お前らどけ」
(わあ、いつもの神田さんだ)
ぶっきらぼうで容赦なく冷たく相手をしている。
そんな神田にすらキュンとしてしまう。
(いや、ここキュンとする場面じゃないよね。なんだこれ)
重症だ。
会えただけで嬉しいのだ。
文句のひとつでも言ってやろうと思ったのだが、自分からいつも通りにしてほしいと、バレないようにしてほしいと言った手前、その場で話しかけることはしなかった。
その代わりメッセージを送る。
ピロン
神田も着信に気付いてスマホを確認する。
画面を見てしかめっ面になる。
そして駆け足でエレベーターに向かう。
「…おい、バカってなんだよ」
エレベーターのドアが閉まる直前、ドアを抑えて神田が乗り込んできた。
「神田さん?!」
間に合ったの?!と驚きを隠せない。
エレベーター内、会話はない。
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「今日大変なんだから」
5 チンッ
神田の降りる階に着く。
「大変ってなんだよ」
「ほら、早く降りてください」
「あ、おい」
会話も終結しないままに降ろされる神田。
「ばーか」
ドアが閉まる直前に言い逃げをする。
(もっと言ってやれば良かった)
ピロン
「帰り乗ってけ、だあ?」
神田からメッセージが入った。
何を言われるかわからない。
「まーじーかー」
午後は午後で、午前中とは違う焦燥感に駆られながら仕事をしていた。
終業時間----------------
ロビーで待っていた神田と一緒になる。
なんとなく離れて歩き、駐車場へ向かう。
車に乗って第一声。
「今日一日大変だったんですよ!」
「何がだ」
車のエンジンをかける。
「神田さんの……が…出てきて…ゴニョゴニョ」
エンジン音と一緒にかき消される薫の声。
「俺の、なんだって?」
本気で聞こえてなかったため、聞き返される。
しかし2度も言えない。
「バカってことです」
「お前昼からなんなんだよ」
訳もわからず中傷されている神田は面白くない。
「スーパー寄って帰りたいです」
「お前自炊してんのか」
「こう見えて料理上手ですからね。薫ちゃんの手料理食べたら惚れますよ」
わかった、とだけ返し、薫のマンション近くのスーパーに向かう。
「今日車だからアイスも買っちゃおう」
1週間分の食料を買っていた。
「神田さん、食べていきます?」
車に乗り込みながら聞く。
「お前気軽に男家に上げるな」
「彼氏は良くないですか?」
今日は何作ろう、何の食べ物好きですか、なんて聞きながら薫のマンションに向かう。
部屋に着くと慣れた手つきでキッチンに向かう。
「適当に寛いでてくださいね」
エプロンをし、買ってきたものを選別していく。
「彼氏にご飯作るの夢だったんですよ」
など、キッチンから聞こえてくる。
トントントンと包丁の音と、肉の焼ける匂いがしてくる。
誰かがいるとはこんな感覚か、と神田は感じた。
それにしても。
物がごちゃごちゃしているすごい部屋だなと眺める。
アンティーク仕様にまとめられた室内、昨日は気にならなかったがよく集めたものだと感心する。
ご機嫌で料理していた薫だが
(神田さんが!私の部屋にいる!やばい)
内心落ち着かない様子だった。
「できましたー!今日は生姜焼きです」
丁寧にも一汁三菜、プレートに乗せてでてきた。
朝は抜き、昼は外で食べることが多いが、夜は丁寧な暮らしを意識している。
「付け合せは作り置きなんですけど、味は保証します!」
「いただきます」
味噌汁を一口飲むと
「!」
「お口に合います?」
「美味いな」
「実家でご飯作るの私だったんですよー。だから料理はめちゃくちゃ自信あって…」
ニコニコ話し、実家のことを思い返している薫は機嫌がいい。
「神田さんは料理します?」
「いや。いつも外だ」
「体に悪いですよ」
会話を楽しみながら食事をしていった。