《第32話》キュウユウ。
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「そういえば……」
薫が隣の神田を見る。
「ユウって、大学時代どんな学生だったんですか?」
「お、聞く?」
男友達4人が一斉に食いつく。
「神田の大学時代?」
「めちゃくちゃ普通だよ」
「いや、普通じゃねえだろ」
「どっちだよ」
「基本、無口」
「一人でいること多かったな」
「でも頼まれたら断れないんだよ」
「そうそう。なんだかんだ面倒見いい」
薫が嬉しそうに聞いている。
「へえー」
「あと、成績は普通に良かった」
「スポーツもできたしな」
「顔もこの頃から変わらん」
「で、無駄にモテる」
神田が眉を寄せる。
「余計なこと言うな」
「事実だろ」
「女子から結構告白されてたよな」
「でも本人が全然なびかない」
「……そうなんだ」
薫がちらっと神田を見る。
神田はビールを飲んでいる。
「じゃあ……」
薫が少しだけ聞きにくそうに、
「元カノとかは?」
男友達4人が顔を見合わせる。
「元カノ?」
「いたいた」
「2人くらいいたなー」
「えっ」
薫の目が少し大きくなる。
神田が即座に口を挟む。
「……お前ら」
「いや、聞かれたから答えただけだろ!」
「そうそう」
「大学時代に2人くらい」
「どっちも長かったっけ?」
「いや、そんなでもない」
薫は神田を見る。
「ユウ、元カノ2人いたんだ?」
「……いた」
「ふーん」
「その顔やめろ」
「どんな顔?」
「知らねえ」
友達がニヤニヤする。
「でも神田、元カノの話ほとんどしなかったからな」
「そうそう。俺らも詳しく知らん」
「付き合ってても、大学でベタベタするタイプじゃなかったし」
「むしろ今のほうが別人じゃね?」
全員の視線が薫と神田へ。
薫はきょとん。
「そう?」
「そうだよ!」
「今なんか……」
友人が二人の間を指差す。
「めちゃくちゃ彼女大事にしてるじゃん」
神田は何も言わない。
薫が少し照れながら神田を見る。
「……そうなの?」
「知らねえ」
「またそうやって」
「本当に知らねえよ」
男友達の一人が吹き出す。
「神田、昔から自分のことになると何も言わねえな」
「でもさ」
別の友人がニヤッとする。
「元カノ2人いたって聞いても、彼女さん全然怒らないんだな」
「え?」
薫は首を傾げる。
「だって大学時代の話でしょ?」
「まあ、そうだけど」
「私だって過去はあるし」
神田が一瞬、薫を見る。
「……そういうもんだろ」
「お、神田が珍しくフォローした」
「うるせえ」
「でもなんか安心したわ」
「何が」
「彼女さん、器でけえ」
「それな」
「神田にはもったいねえ」
「さっきからそればっかだな」
薫が笑いながら、神田の肩に軽く寄りかかる。
「私は今のユウが好きだから大丈夫」
「…………」
神田、黙る。
男友達4人。
「…………」
「…………」
「…………」
「……今のは強い」
「神田、顔見ろ」
「絶対照れてる」
「うるせえ」
耳だけ、ほんのり赤くなっていた
「でもさ、彼女たちとは、なんで別れたの?」
友達の一人が聞く。
神田は少し考えてから、淡々と答える。
「一人は自然消滅」
「もう一人は?」
「もっと愛情表現してって、うるさかったな」
「へえ……」
男友達が神田を見る。
「神田、愛情表現する?」
薫が先に答える。
「好きって言えば、『ああ』って言ってくれますよ?」
「…………」
「それでいいの?!」
「え?」
薫、きょとん。
「十分じゃないですか?」
「いやいやいや!」
「それ、愛情表現っていうか返事じゃね!?」
「でも『ああ』って言ってくれますよ?」
「神田の『ああ』だぞ!?」
「はい」
「もっとなんかないの!?」
薫は少し考える。
「それにユウ、普段からめちゃくちゃ優しいし」
「へえ」
「私に甘いし」
「神田が?」
「そうですよ」
神田は何も言わずビールを飲んでいる。
「……あと」
薫が神田を見ながら続ける。
「あ、でも『好き』って言ってほしいタイプの子なら、気づかないかも!」
「どういうこと?」
「ユウって、好きとか普段から言うタイプじゃないのにねー」
「…………」
男友達たちが神田を見る。
「確かに」
「大学時代からそうだった」
「神田って、そういうこと言わなそうだもんな」
「だから元カノに『もっと愛情表現して』って言われてたんじゃね?」
神田は黙っている。
すると薫が笑う。
「でも私は別に、言葉だけじゃなくても分かるから」
「…………」
「迎えに来てくれたり、私の好きなもの覚えててくれたり」
「……」
「疲れてたら何も言わずに色々やってくれたり」
薫は少し照れながら笑う。
「そういうのが、ユウなりの愛情表現なんじゃないかなって思ってます」
男友達たちが神田を見る。
「…………」
「神田……」
「何だ」
「お前、ちゃんと彼女に伝わってるじゃん」
「……そうか」
「しかも彼女さん、めちゃくちゃ分かってんじゃん」
薫が首を傾げる。
「だってユウ、分かりやすいですよ?」
「「「「どこが!?」」」」
全員同時。
薫が笑う。
「えー?」
「俺らには全然分からん!」
「大学時代なんて、何考えてるか分からない代表みたいな男だったぞ!」
「そうなの?」
「そうだよ!」
薫は隣の神田を見る。
「私は分かるよ?」
神田が薫を見る。
「……そうか」
「うん」
「…………」
男友達たち、また顔を見合わせる。
「なんか……」
「この二人、本当に相性いいんだな」
「神田がこんな自然に彼女といるの初めて見たわ」
「しかも付き合って3ヶ月……」
薫は何でもないようにカシスソーダを飲む。
神田はそんな薫の空いた小皿に、料理を少し取り分ける。
「これ食うか?」
「食べる」
「ほら」
「ありがとう、ユウ」
男友達たちは黙ってその光景を見る。
「……なるほどな」
「何が?」
「いや」
「神田、確かに甘いわ」
「……うるせえ」
薫が隣の神田を見る。
「ユウって、大学時代どんな学生だったんですか?」
「お、聞く?」
男友達4人が一斉に食いつく。
「神田の大学時代?」
「めちゃくちゃ普通だよ」
「いや、普通じゃねえだろ」
「どっちだよ」
「基本、無口」
「一人でいること多かったな」
「でも頼まれたら断れないんだよ」
「そうそう。なんだかんだ面倒見いい」
薫が嬉しそうに聞いている。
「へえー」
「あと、成績は普通に良かった」
「スポーツもできたしな」
「顔もこの頃から変わらん」
「で、無駄にモテる」
神田が眉を寄せる。
「余計なこと言うな」
「事実だろ」
「女子から結構告白されてたよな」
「でも本人が全然なびかない」
「……そうなんだ」
薫がちらっと神田を見る。
神田はビールを飲んでいる。
「じゃあ……」
薫が少しだけ聞きにくそうに、
「元カノとかは?」
男友達4人が顔を見合わせる。
「元カノ?」
「いたいた」
「2人くらいいたなー」
「えっ」
薫の目が少し大きくなる。
神田が即座に口を挟む。
「……お前ら」
「いや、聞かれたから答えただけだろ!」
「そうそう」
「大学時代に2人くらい」
「どっちも長かったっけ?」
「いや、そんなでもない」
薫は神田を見る。
「ユウ、元カノ2人いたんだ?」
「……いた」
「ふーん」
「その顔やめろ」
「どんな顔?」
「知らねえ」
友達がニヤニヤする。
「でも神田、元カノの話ほとんどしなかったからな」
「そうそう。俺らも詳しく知らん」
「付き合ってても、大学でベタベタするタイプじゃなかったし」
「むしろ今のほうが別人じゃね?」
全員の視線が薫と神田へ。
薫はきょとん。
「そう?」
「そうだよ!」
「今なんか……」
友人が二人の間を指差す。
「めちゃくちゃ彼女大事にしてるじゃん」
神田は何も言わない。
薫が少し照れながら神田を見る。
「……そうなの?」
「知らねえ」
「またそうやって」
「本当に知らねえよ」
男友達の一人が吹き出す。
「神田、昔から自分のことになると何も言わねえな」
「でもさ」
別の友人がニヤッとする。
「元カノ2人いたって聞いても、彼女さん全然怒らないんだな」
「え?」
薫は首を傾げる。
「だって大学時代の話でしょ?」
「まあ、そうだけど」
「私だって過去はあるし」
神田が一瞬、薫を見る。
「……そういうもんだろ」
「お、神田が珍しくフォローした」
「うるせえ」
「でもなんか安心したわ」
「何が」
「彼女さん、器でけえ」
「それな」
「神田にはもったいねえ」
「さっきからそればっかだな」
薫が笑いながら、神田の肩に軽く寄りかかる。
「私は今のユウが好きだから大丈夫」
「…………」
神田、黙る。
男友達4人。
「…………」
「…………」
「…………」
「……今のは強い」
「神田、顔見ろ」
「絶対照れてる」
「うるせえ」
耳だけ、ほんのり赤くなっていた
「でもさ、彼女たちとは、なんで別れたの?」
友達の一人が聞く。
神田は少し考えてから、淡々と答える。
「一人は自然消滅」
「もう一人は?」
「もっと愛情表現してって、うるさかったな」
「へえ……」
男友達が神田を見る。
「神田、愛情表現する?」
薫が先に答える。
「好きって言えば、『ああ』って言ってくれますよ?」
「…………」
「それでいいの?!」
「え?」
薫、きょとん。
「十分じゃないですか?」
「いやいやいや!」
「それ、愛情表現っていうか返事じゃね!?」
「でも『ああ』って言ってくれますよ?」
「神田の『ああ』だぞ!?」
「はい」
「もっとなんかないの!?」
薫は少し考える。
「それにユウ、普段からめちゃくちゃ優しいし」
「へえ」
「私に甘いし」
「神田が?」
「そうですよ」
神田は何も言わずビールを飲んでいる。
「……あと」
薫が神田を見ながら続ける。
「あ、でも『好き』って言ってほしいタイプの子なら、気づかないかも!」
「どういうこと?」
「ユウって、好きとか普段から言うタイプじゃないのにねー」
「…………」
男友達たちが神田を見る。
「確かに」
「大学時代からそうだった」
「神田って、そういうこと言わなそうだもんな」
「だから元カノに『もっと愛情表現して』って言われてたんじゃね?」
神田は黙っている。
すると薫が笑う。
「でも私は別に、言葉だけじゃなくても分かるから」
「…………」
「迎えに来てくれたり、私の好きなもの覚えててくれたり」
「……」
「疲れてたら何も言わずに色々やってくれたり」
薫は少し照れながら笑う。
「そういうのが、ユウなりの愛情表現なんじゃないかなって思ってます」
男友達たちが神田を見る。
「…………」
「神田……」
「何だ」
「お前、ちゃんと彼女に伝わってるじゃん」
「……そうか」
「しかも彼女さん、めちゃくちゃ分かってんじゃん」
薫が首を傾げる。
「だってユウ、分かりやすいですよ?」
「「「「どこが!?」」」」
全員同時。
薫が笑う。
「えー?」
「俺らには全然分からん!」
「大学時代なんて、何考えてるか分からない代表みたいな男だったぞ!」
「そうなの?」
「そうだよ!」
薫は隣の神田を見る。
「私は分かるよ?」
神田が薫を見る。
「……そうか」
「うん」
「…………」
男友達たち、また顔を見合わせる。
「なんか……」
「この二人、本当に相性いいんだな」
「神田がこんな自然に彼女といるの初めて見たわ」
「しかも付き合って3ヶ月……」
薫は何でもないようにカシスソーダを飲む。
神田はそんな薫の空いた小皿に、料理を少し取り分ける。
「これ食うか?」
「食べる」
「ほら」
「ありがとう、ユウ」
男友達たちは黙ってその光景を見る。
「……なるほどな」
「何が?」
「いや」
「神田、確かに甘いわ」
「……うるせえ」