《第1話》オシゴト。
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中田 薫、23歳、
社長秘書してます。
苦手なことは早起き、というか朝。
目覚まし時計が鳴っているのはわかっているが、
お布団様が離してくれない。
知っている、今日も遅刻ギリギリになりそうなことは。
それでも朝は苦手なのだ。
目覚まし時計と携帯のスヌーズが
3度目を迎えた時、やっと目を覚ました。
「やっば…!」
飛び起きて急いで顔を洗う。
長い黒髪はボサボサの寝癖がついている。
化粧をしながらヘアアイロンを温める。
薫の化粧は手早い。
自慢の黒髪をストレートにし、前髪を真ん中で分け、
最後に口紅を塗る。
「よし、今日もかわいいぞ私」
鏡を見て自分に言い聞かせると、
スーツに着替えて家を出る。
会社までは電車で20分、徒歩10分。
この30分すらも寝ていたい薫だが、渋々出社する。
「中田さん、おはようございます」
「おはようございます」
会社のかわいい受付嬢に挨拶をされ、
ニコッと返す。
「今日も中田さんかっこいい!キマってたね」
と、黄色い声援が送られる。
そう、薫は顔が良い。
170cmの高身長、モデル体型なのだ。
キリッとした顔立ちのため、化粧もすぐ終わる。
元がいいのだ。
23歳という若さだが、仕事もできる。
9階の秘書課に向かい、今日の社長のスケジュールを確認すると、
10階の社長室へ。
「クロス社長、おはようございます」
「薫、今日はパンツスーツか、珍しいな」
「今日のスケジュールは……」
卒なくこなす。
一癖も二癖もある社長についていけるのだから。
「その仕事はアレンにやらせておけ」
「またですか…社長の仕事ですよ?」
アレンというのは社長の弟子のような存在。営業部に属している。
一通りの確認をしたところで、営業部に内線を入れる。
「秘書課の中田です。ウォーカーさんいらっしゃいますか?あ…社長からお仕事でして、はい。はい。………………後でお持ちしますので、お願いします」
これもいつものこと。
変わらぬ一日を過ごしていた。
***********
「社長、営業部のウォーカーさんのところ行ってきますね」
押し付ける書類を持ち、5階の営業部へ向かう。
「ウォーカーさんいらっしゃいます?」
ひょこっと顔を出すと
「秘書課の女神が降臨なさったさー!」
女たらしで有名なラビが飛び付いてきた。
これもわかっていたようにサッと避ける。
「ユウみたいな反応するなさ」
「また神田さんと一緒にして!やめてください」
「そんなところもそっくりさー」
神田というのは営業部のエースで、こちらも顔がいい。
薫は秘書課の女神とあだ名が付けられているが、
神田は営業部の魔王と呼ばれており、女子社員人気も高い。
ほとんど無口なのにも関わらず、仕事ができるらしい。
ただ薫はこの神田に似ているとよく言われ、気分が良くない。
(ただでさえ名前も似てるのに、無口でデリカシーもなくて、優しくもない人とそっくりだなんてやめてほしいわ…!)
引っ付くラビをそのままにアレンの元へ移動する。
「社長からです。明日までにはお願いしますね」
「わかりました。…ってええ!!?これを明日まで?!」
いつもの無理難題な仕事の振り方のようだ。
「よろしくお願いします」
ぺこりと礼をして出ていこうとした時、
「おい」
後ろから声がかけられた。
「お前やっぱりパンツスーツだったか。男共にお前に間違われて困るんだが」
神田だ。
「スーツなんだから良くないですか?間違われたくなかったらその長い髪を切ったらどうです?」
「うるせぇ」
「なっ…自分から話しかけておいて…っ」
「とっとと戻れ」
遠目からはなんの会話をしているのか聞き取れないせいか、社員たちは
「美男美女が並んでて眼福」
と、手を合わせていたそうな。
ご立腹の薫はそのまま秘書課に戻り、
愚痴を放つも、魔王こと神田と
話すことができたということを汲み取られ、
羨ましがられるのであった。
社長秘書してます。
苦手なことは早起き、というか朝。
目覚まし時計が鳴っているのはわかっているが、
お布団様が離してくれない。
知っている、今日も遅刻ギリギリになりそうなことは。
それでも朝は苦手なのだ。
目覚まし時計と携帯のスヌーズが
3度目を迎えた時、やっと目を覚ました。
「やっば…!」
飛び起きて急いで顔を洗う。
長い黒髪はボサボサの寝癖がついている。
化粧をしながらヘアアイロンを温める。
薫の化粧は手早い。
自慢の黒髪をストレートにし、前髪を真ん中で分け、
最後に口紅を塗る。
「よし、今日もかわいいぞ私」
鏡を見て自分に言い聞かせると、
スーツに着替えて家を出る。
会社までは電車で20分、徒歩10分。
この30分すらも寝ていたい薫だが、渋々出社する。
「中田さん、おはようございます」
「おはようございます」
会社のかわいい受付嬢に挨拶をされ、
ニコッと返す。
「今日も中田さんかっこいい!キマってたね」
と、黄色い声援が送られる。
そう、薫は顔が良い。
170cmの高身長、モデル体型なのだ。
キリッとした顔立ちのため、化粧もすぐ終わる。
元がいいのだ。
23歳という若さだが、仕事もできる。
9階の秘書課に向かい、今日の社長のスケジュールを確認すると、
10階の社長室へ。
「クロス社長、おはようございます」
「薫、今日はパンツスーツか、珍しいな」
「今日のスケジュールは……」
卒なくこなす。
一癖も二癖もある社長についていけるのだから。
「その仕事はアレンにやらせておけ」
「またですか…社長の仕事ですよ?」
アレンというのは社長の弟子のような存在。営業部に属している。
一通りの確認をしたところで、営業部に内線を入れる。
「秘書課の中田です。ウォーカーさんいらっしゃいますか?あ…社長からお仕事でして、はい。はい。………………後でお持ちしますので、お願いします」
これもいつものこと。
変わらぬ一日を過ごしていた。
***********
「社長、営業部のウォーカーさんのところ行ってきますね」
押し付ける書類を持ち、5階の営業部へ向かう。
「ウォーカーさんいらっしゃいます?」
ひょこっと顔を出すと
「秘書課の女神が降臨なさったさー!」
女たらしで有名なラビが飛び付いてきた。
これもわかっていたようにサッと避ける。
「ユウみたいな反応するなさ」
「また神田さんと一緒にして!やめてください」
「そんなところもそっくりさー」
神田というのは営業部のエースで、こちらも顔がいい。
薫は秘書課の女神とあだ名が付けられているが、
神田は営業部の魔王と呼ばれており、女子社員人気も高い。
ほとんど無口なのにも関わらず、仕事ができるらしい。
ただ薫はこの神田に似ているとよく言われ、気分が良くない。
(ただでさえ名前も似てるのに、無口でデリカシーもなくて、優しくもない人とそっくりだなんてやめてほしいわ…!)
引っ付くラビをそのままにアレンの元へ移動する。
「社長からです。明日までにはお願いしますね」
「わかりました。…ってええ!!?これを明日まで?!」
いつもの無理難題な仕事の振り方のようだ。
「よろしくお願いします」
ぺこりと礼をして出ていこうとした時、
「おい」
後ろから声がかけられた。
「お前やっぱりパンツスーツだったか。男共にお前に間違われて困るんだが」
神田だ。
「スーツなんだから良くないですか?間違われたくなかったらその長い髪を切ったらどうです?」
「うるせぇ」
「なっ…自分から話しかけておいて…っ」
「とっとと戻れ」
遠目からはなんの会話をしているのか聞き取れないせいか、社員たちは
「美男美女が並んでて眼福」
と、手を合わせていたそうな。
ご立腹の薫はそのまま秘書課に戻り、
愚痴を放つも、魔王こと神田と
話すことができたということを汲み取られ、
羨ましがられるのであった。
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