《第27話》イエノミ。
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ゴッドマザーを取り上げられた後も、薫の機嫌はすこぶる良かった。
頬が少し赤くなって、いつもより表情が柔らかい。
「ふふーん♪ 次、誰作る?」
完全に楽しんでいる。
アレンがグラスを持って控えめに手を挙げた。
「あの……僕、またもらってもいいですか?」
「いいよー!」
薫は嬉しそうにカウンターへ戻る。
「アレンにはねー……」
ボトルを選んで、にこっと笑う。
「はい、テキーラサンライズ」
オレンジ色から赤へグラデーションになった美しいカクテルを差し出す。
「うわぁ……!」
アレンの目が輝く。
「綺麗ですね!」
一口飲む。
「……!」
「美味しいです!」
そして。
ゴクゴク。
「え、アレン?」
「飲みやすいですね!」
薫は満足そうに頷く。
「ねー。どんどん飲めちゃうよねー」
「はい!」
ラビが横で嫌な予感を感じる。
「……その言い方、なんか聞いたことあるさ」
神田は黙って薫を見る。
薫は楽しそうに続けた。
「でもねー、」
「?」
「それ、レディーキラーって言われてるお酒なんだよー」
「……え?」
アレンの動きが止まる。
「レディー……キラー?」
「うん」
薫はケロッとしている。
「飲みやすいのに、ちゃんと度数あるから」
「……」
アレンはゆっくりグラスを見る。
「先に言ってくださいよ!?」
「え?」
「いや、今ですか!?」
ラビが爆笑する。
「アレン、完全に引っかかったさ!」
リナリーも笑う。
「確かに見た目も味もジュースっぽいものね」
神田がため息をつく。
「お前」
「ん?」
「酔ってる時に人に酒を勧めるな」
「だって美味しいんだもん」
「理由がさっきから同じだ」
アレンはグラスを見ながら苦笑する。
「……でも美味しいです」
「ほら!」
「そこじゃない」
神田のツッコミが入る。
ラビはニヤニヤしながら神田を見る。
「ユウ、これ毎日管理大変じゃないさ?」
「……」
「否定しないんですね」
「慣れた」
その一言に、三人は吹き出した。
薫はそんな会話を聞きながら、楽しそうに次のグラスを磨いていた。
ラビがグラスを空にして、満足そうに息を吐く。
「いやー……最高さ。もう一杯お願いしてもいい?」
薫はぱっと笑う。
「いいよー!」
神田が嫌な予感を覚えたように顔を上げる。
「……」
薫はカウンターの奥へ向かう。
「ラビにはねー……面白いやつ作る」
「面白いやつ?」
「うん!」
そう言って、次々と酒瓶を並べていく。
ウォッカ。
ジン。
ラム。
テキーラ。
トリプルセック。
ラビの顔が少し引きつる。
「……なんか瓶の数、多くないさ?」
「気のせい気のせい」
全然気のせいではない。
薫は楽しそうにシェイカーを振る。
「これねー、ロングアイランドアイスティーっていうんだけど」
「へー」
「でもね」
ニコッ。
「紅茶入ってないのに、アイスティーなんだよー」
「え?」
ラビがグラスを見る。
見た目は本当にアイスティーみたいな色。
「面白いさ!」
「でしょー?」
薫は満足そうにグラスを差し出す。
「はい、どうぞ。」
「いただきますさー」
ラビは一口。
「……」
もう一口。
「……!」
そして。
「ゴクゴク……」
「うわ。めっちゃうまいさ!!」
薫は嬉しそうに笑う。
「でしょー!」
「これ好きさ!」
「飲みやすいよねー」
「めちゃくちゃ飲めるさ!」
その瞬間。
神田が静かに口を開いた。
「……」
「ラビ」
「ん?」
「気をつけろ」
「え?」
薫がニコニコしながら言う。
「でもそれねー」
「?」
「度数えぐいからねー」
「……は?」
ラビの笑顔が止まる。
「え?」
「材料見たでしょ?」
ラビはゆっくりカウンターを見る。
並んでいた大量のボトル。
「あ……」
アレンも気づく。
「確かに……さっき何種類も入れてましたね……。」
リナリーが呆れた顔で笑う。
「神田が止める理由、分かったわ」
「いやいやいや!」
ラビがグラスを見る。
「これ見た目完全に紅茶さ!」
「だから面白いんだよー」
薫はご機嫌。
「美味しくて危険なのがカクテルの面白いところ」
神田がため息をつく。
「お前、酔うと酒の魅力を語り出すな」
「だって好きなんだもん」
「……」
ラビは一口飲んで、真剣な顔になる。
「でも……」
「?」
「美味しいさ」
「でしょう?」
「……ユウ」
「なんだ」
「女神、酒強すぎないさ?」
神田は薫を見る。
本人はケロッとして、次のグラスを作っている。
「……否定はしない」
「認めた!」
アレンとリナリーが笑う中、神田だけは薫の前に水のグラスをそっと置いた。
「これも飲め」
「はーい」
素直に受け取る薫。
ラビが小声で言う。
「……世話焼き魔王さ」
「聞こえてる」
「怖っ」
でも神田の口元は、少しだけ緩んでいた。
薫は次の注文を聞くように、カウンターから顔を出す。
「次はリナリーだねー」
「え、私?」
リナリーが嬉しそうにグラスを持つ。
「何作ってくれるの?」
薫は意味ありげに笑った。
「リナリーにはねー……」
「……?」
ラビがその顔を見て警戒する。
「その顔、絶対なんかあるさ」
「覚悟する」
薫は楽しそうにボトルを取り出す。
「じゃーん」
「……?」
ミントリキュール。
ホワイトカカオリキュール。
クリーム。
シェイカーに材料を入れる。
シャカシャカ……
そして、綺麗な淡い緑色のカクテルをグラスへ。
「はい。」
にこっ。
「グラスホッパー♡」
「グラスホッパー?」
リナリーはグラスを覗き込む。
「綺麗……」
「でしょー?」
一口。
「……!」
「甘い!」
薫は満足そうに頷く。
「チョコミントみたいでしょ?」
「本当だわ!」
ラビが横から覗く。
「見た目も可愛いさ」
アレンも笑う。
「リナリーにぴったりですね」
リナリーは嬉しそうにもう一口。
「美味しい……」
すると薫が人差し指を立てる。
「でもねー」
「?」
「甘くて飲みやすいけど、ちゃんとお酒だからね?」
「……」
ラビが即座に反応する。
「またそのパターンさ!!」
「え?」
「さっきから!」
アレンも思い出す。
「テキーラサンライズもそうでしたね……」
「ロングアイランドも……」
リナリーがグラスを見る。
「……まさか」
薫は笑う。
「ふふ」
神田が呆れたように口を挟む。
「甘いからって油断するな」
「ユウまで」
「お前が説明しないからだ」
「ちゃんと言ったよー?」
「後からな」
ラビが笑いながらリナリーを見る。
「リナリー、これ女神セレクトさ」
「?」
「美味しいけど危険なやつ」
リナリーはグラスを見て笑う。
「……でも、もう一杯飲みたいかも」
「おい」
神田の低い声。
薫が嬉しそうに笑った。
「じゃあ次は少し軽めにするねー」
「信用できないさ……」
その場の全員が同じことを思った。
頬が少し赤くなって、いつもより表情が柔らかい。
「ふふーん♪ 次、誰作る?」
完全に楽しんでいる。
アレンがグラスを持って控えめに手を挙げた。
「あの……僕、またもらってもいいですか?」
「いいよー!」
薫は嬉しそうにカウンターへ戻る。
「アレンにはねー……」
ボトルを選んで、にこっと笑う。
「はい、テキーラサンライズ」
オレンジ色から赤へグラデーションになった美しいカクテルを差し出す。
「うわぁ……!」
アレンの目が輝く。
「綺麗ですね!」
一口飲む。
「……!」
「美味しいです!」
そして。
ゴクゴク。
「え、アレン?」
「飲みやすいですね!」
薫は満足そうに頷く。
「ねー。どんどん飲めちゃうよねー」
「はい!」
ラビが横で嫌な予感を感じる。
「……その言い方、なんか聞いたことあるさ」
神田は黙って薫を見る。
薫は楽しそうに続けた。
「でもねー、」
「?」
「それ、レディーキラーって言われてるお酒なんだよー」
「……え?」
アレンの動きが止まる。
「レディー……キラー?」
「うん」
薫はケロッとしている。
「飲みやすいのに、ちゃんと度数あるから」
「……」
アレンはゆっくりグラスを見る。
「先に言ってくださいよ!?」
「え?」
「いや、今ですか!?」
ラビが爆笑する。
「アレン、完全に引っかかったさ!」
リナリーも笑う。
「確かに見た目も味もジュースっぽいものね」
神田がため息をつく。
「お前」
「ん?」
「酔ってる時に人に酒を勧めるな」
「だって美味しいんだもん」
「理由がさっきから同じだ」
アレンはグラスを見ながら苦笑する。
「……でも美味しいです」
「ほら!」
「そこじゃない」
神田のツッコミが入る。
ラビはニヤニヤしながら神田を見る。
「ユウ、これ毎日管理大変じゃないさ?」
「……」
「否定しないんですね」
「慣れた」
その一言に、三人は吹き出した。
薫はそんな会話を聞きながら、楽しそうに次のグラスを磨いていた。
ラビがグラスを空にして、満足そうに息を吐く。
「いやー……最高さ。もう一杯お願いしてもいい?」
薫はぱっと笑う。
「いいよー!」
神田が嫌な予感を覚えたように顔を上げる。
「……」
薫はカウンターの奥へ向かう。
「ラビにはねー……面白いやつ作る」
「面白いやつ?」
「うん!」
そう言って、次々と酒瓶を並べていく。
ウォッカ。
ジン。
ラム。
テキーラ。
トリプルセック。
ラビの顔が少し引きつる。
「……なんか瓶の数、多くないさ?」
「気のせい気のせい」
全然気のせいではない。
薫は楽しそうにシェイカーを振る。
「これねー、ロングアイランドアイスティーっていうんだけど」
「へー」
「でもね」
ニコッ。
「紅茶入ってないのに、アイスティーなんだよー」
「え?」
ラビがグラスを見る。
見た目は本当にアイスティーみたいな色。
「面白いさ!」
「でしょー?」
薫は満足そうにグラスを差し出す。
「はい、どうぞ。」
「いただきますさー」
ラビは一口。
「……」
もう一口。
「……!」
そして。
「ゴクゴク……」
「うわ。めっちゃうまいさ!!」
薫は嬉しそうに笑う。
「でしょー!」
「これ好きさ!」
「飲みやすいよねー」
「めちゃくちゃ飲めるさ!」
その瞬間。
神田が静かに口を開いた。
「……」
「ラビ」
「ん?」
「気をつけろ」
「え?」
薫がニコニコしながら言う。
「でもそれねー」
「?」
「度数えぐいからねー」
「……は?」
ラビの笑顔が止まる。
「え?」
「材料見たでしょ?」
ラビはゆっくりカウンターを見る。
並んでいた大量のボトル。
「あ……」
アレンも気づく。
「確かに……さっき何種類も入れてましたね……。」
リナリーが呆れた顔で笑う。
「神田が止める理由、分かったわ」
「いやいやいや!」
ラビがグラスを見る。
「これ見た目完全に紅茶さ!」
「だから面白いんだよー」
薫はご機嫌。
「美味しくて危険なのがカクテルの面白いところ」
神田がため息をつく。
「お前、酔うと酒の魅力を語り出すな」
「だって好きなんだもん」
「……」
ラビは一口飲んで、真剣な顔になる。
「でも……」
「?」
「美味しいさ」
「でしょう?」
「……ユウ」
「なんだ」
「女神、酒強すぎないさ?」
神田は薫を見る。
本人はケロッとして、次のグラスを作っている。
「……否定はしない」
「認めた!」
アレンとリナリーが笑う中、神田だけは薫の前に水のグラスをそっと置いた。
「これも飲め」
「はーい」
素直に受け取る薫。
ラビが小声で言う。
「……世話焼き魔王さ」
「聞こえてる」
「怖っ」
でも神田の口元は、少しだけ緩んでいた。
薫は次の注文を聞くように、カウンターから顔を出す。
「次はリナリーだねー」
「え、私?」
リナリーが嬉しそうにグラスを持つ。
「何作ってくれるの?」
薫は意味ありげに笑った。
「リナリーにはねー……」
「……?」
ラビがその顔を見て警戒する。
「その顔、絶対なんかあるさ」
「覚悟する」
薫は楽しそうにボトルを取り出す。
「じゃーん」
「……?」
ミントリキュール。
ホワイトカカオリキュール。
クリーム。
シェイカーに材料を入れる。
シャカシャカ……
そして、綺麗な淡い緑色のカクテルをグラスへ。
「はい。」
にこっ。
「グラスホッパー♡」
「グラスホッパー?」
リナリーはグラスを覗き込む。
「綺麗……」
「でしょー?」
一口。
「……!」
「甘い!」
薫は満足そうに頷く。
「チョコミントみたいでしょ?」
「本当だわ!」
ラビが横から覗く。
「見た目も可愛いさ」
アレンも笑う。
「リナリーにぴったりですね」
リナリーは嬉しそうにもう一口。
「美味しい……」
すると薫が人差し指を立てる。
「でもねー」
「?」
「甘くて飲みやすいけど、ちゃんとお酒だからね?」
「……」
ラビが即座に反応する。
「またそのパターンさ!!」
「え?」
「さっきから!」
アレンも思い出す。
「テキーラサンライズもそうでしたね……」
「ロングアイランドも……」
リナリーがグラスを見る。
「……まさか」
薫は笑う。
「ふふ」
神田が呆れたように口を挟む。
「甘いからって油断するな」
「ユウまで」
「お前が説明しないからだ」
「ちゃんと言ったよー?」
「後からな」
ラビが笑いながらリナリーを見る。
「リナリー、これ女神セレクトさ」
「?」
「美味しいけど危険なやつ」
リナリーはグラスを見て笑う。
「……でも、もう一杯飲みたいかも」
「おい」
神田の低い声。
薫が嬉しそうに笑った。
「じゃあ次は少し軽めにするねー」
「信用できないさ……」
その場の全員が同じことを思った。