《第24話》ヤキニク。
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カルビもハラミもきれいになくなり、網の火も弱くなってきた。
薫は満足そうに背もたれへ寄りかかる。
「はぁ〜、食べた」
神田は空いた皿を見回して言った。
「〆頼む」
「うん!」
タブレットを手に取った薫。
「石焼ビビンバは食べたし……」
画面をスクロールする。
「冷麺?」
「いい」
「じゃあ冷麺一つ!」
注文を押す。
数分後。
冷えた冷麺が運ばれてきた。
「いただきまーす」
つるっと麺をすすり、満足そうに笑う。
「焼肉のあとって冷麺最高だね」
「ああ」
神田も少し取り分けてもらい、一口食べる。
「さっぱりする」
「でしょ?」
二人で最後まで食べ終える。
神田は箸を置いた。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
店員が空いた器を下げていく。
神田は伝票に手を伸ばこうとした、その時。
薫がまだタブレットを見ている。
「……何見てる」
「デザート」
神田は無言になる。
「……食うのか」
「別腹」
「入るのか」
「入る」
迷いなくメニューを開く薫。
「バニラアイスもいいなぁ。」
「……」
「黒蜜きなこアイス!」
「……」
「杏仁豆腐もある!」
「一つにしろ」
「えー」
真剣に悩み始める。
「うーん……」
神田は腕を組んで待つ。
「決まった」
「何だ」
「黒蜜きなこアイスと杏仁豆腐」
「二つじゃないか」
「一つに決められなかった」
「さっき一つにしろと言った」
「デザートはノーカウント」
「そんなルールはない」
薫はにこにこしながら注文ボタンを押した。
「ぽちっと」
「押すな」
「押しちゃった」
「……」
神田は呆れたように息をつく。
しばらくして運ばれてきたデザートを見た薫は、目を輝かせた。
「わぁ、おいしそう!」
嬉しそうに黒蜜をかけ、アイスを一口。
「ん〜!」
幸せそうに頬が緩む。
続いて杏仁豆腐も一口。
「これもおいしい!」
神田はその様子を見て、小さく笑った。
「満足か」
「大満足」
「結局、焼肉より嬉しそうだな」
「焼肉もデザートもどっちも幸せ!」
「欲張りだ」
「女の子だから」
「そういうものか」
「そういうもの」
神田は苦笑しながら残った温かいお茶を一口飲む。
向かいでは、最後の一口まで大事そうにデザートを味わう薫。
その幸せそうな笑顔を見ながら、神田は「また来るか」と心の中で静かに思うのだった。
店を出ると、夜風が心地よかった。
焼肉の匂いをまとったまま、二人は並んで駅まで歩き始める。
薫は両手を後ろで組んで、大きく伸びをした。
「大満足〜」
「良かったな」
「焼肉もデザートも最高だった!」
「全部食ったな」
「幸せ」
神田が小さく笑う。
「次のボーリング大会のために練習しようかな」
「お前ガーター祭りだもんな」
「言うなー」
薫が軽く神田の腕を叩く。
「最後はスペア出したもん」
「その前がひどかった」
「最初はウォーミングアップ」
「五フレームもか」
「長めのウォーミングアップ」
「長すぎる」
二人で笑う。
少し歩いて、信号待ち。
薫が神田を見上げる。
「でもさ」
「なんだ」
「ユウ、教えるの上手だったよね」
「そうか?」
「立ち位置とか投げ方とか」
「基本だけだ」
「その基本で最後スペアだったんだよ?」
「お前が合わせた」
「先生が良かったから」
神田は少し照れくさそうに前を向く。
「……なら次も教える」
「やった!」
信号が青になる。
歩き出しながら、薫が楽しそうに話す。
「優勝したら次は何かな」
「商品か」
「旅行券だったら嬉しいなぁ」
「また焼肉券でもいい」
「それもいいね」
「肉は外れがない」
「ユウ、本当にお肉好きだね」
「酒もな」
「知ってる」
「お前も好きだろ」
「私はデザートも」
「それも知ってる」
駅が見えてきた。
薫はふと神田の手に自分の手を重ねる。
自然に指を絡めると、神田も何も言わず握り返した。
「今日は楽しかった」
「ああ」
「優勝してよかったね」
「そうだな」
「焼肉券、使い切っちゃった」
「また勝てばいい」
「そのためにも練習だ!」
「まずガーターを減らせ」
「むぅ」
「10回投げて8回ガーターじゃ勝てるものも勝てない」
「盛ってる!」
「6回か」
「それも盛ってる!」
笑い声が夜道に響く。
「じゃあ今度の休み、ボーリング行こ?」
「いいぞ」
「ほんと?」
「ああ」
「そのあとカフェも行こう!」
「……ボーリングだけじゃ終わらないのか」
「デートなんだから」
神田は少しだけ口元を緩める。
「そうだったな」
「えへへ」
手をつないだまま、二人は他愛ない話を続けながら、ゆっくりと駅へ向かって歩いていった。
薫は満足そうに背もたれへ寄りかかる。
「はぁ〜、食べた」
神田は空いた皿を見回して言った。
「〆頼む」
「うん!」
タブレットを手に取った薫。
「石焼ビビンバは食べたし……」
画面をスクロールする。
「冷麺?」
「いい」
「じゃあ冷麺一つ!」
注文を押す。
数分後。
冷えた冷麺が運ばれてきた。
「いただきまーす」
つるっと麺をすすり、満足そうに笑う。
「焼肉のあとって冷麺最高だね」
「ああ」
神田も少し取り分けてもらい、一口食べる。
「さっぱりする」
「でしょ?」
二人で最後まで食べ終える。
神田は箸を置いた。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
店員が空いた器を下げていく。
神田は伝票に手を伸ばこうとした、その時。
薫がまだタブレットを見ている。
「……何見てる」
「デザート」
神田は無言になる。
「……食うのか」
「別腹」
「入るのか」
「入る」
迷いなくメニューを開く薫。
「バニラアイスもいいなぁ。」
「……」
「黒蜜きなこアイス!」
「……」
「杏仁豆腐もある!」
「一つにしろ」
「えー」
真剣に悩み始める。
「うーん……」
神田は腕を組んで待つ。
「決まった」
「何だ」
「黒蜜きなこアイスと杏仁豆腐」
「二つじゃないか」
「一つに決められなかった」
「さっき一つにしろと言った」
「デザートはノーカウント」
「そんなルールはない」
薫はにこにこしながら注文ボタンを押した。
「ぽちっと」
「押すな」
「押しちゃった」
「……」
神田は呆れたように息をつく。
しばらくして運ばれてきたデザートを見た薫は、目を輝かせた。
「わぁ、おいしそう!」
嬉しそうに黒蜜をかけ、アイスを一口。
「ん〜!」
幸せそうに頬が緩む。
続いて杏仁豆腐も一口。
「これもおいしい!」
神田はその様子を見て、小さく笑った。
「満足か」
「大満足」
「結局、焼肉より嬉しそうだな」
「焼肉もデザートもどっちも幸せ!」
「欲張りだ」
「女の子だから」
「そういうものか」
「そういうもの」
神田は苦笑しながら残った温かいお茶を一口飲む。
向かいでは、最後の一口まで大事そうにデザートを味わう薫。
その幸せそうな笑顔を見ながら、神田は「また来るか」と心の中で静かに思うのだった。
店を出ると、夜風が心地よかった。
焼肉の匂いをまとったまま、二人は並んで駅まで歩き始める。
薫は両手を後ろで組んで、大きく伸びをした。
「大満足〜」
「良かったな」
「焼肉もデザートも最高だった!」
「全部食ったな」
「幸せ」
神田が小さく笑う。
「次のボーリング大会のために練習しようかな」
「お前ガーター祭りだもんな」
「言うなー」
薫が軽く神田の腕を叩く。
「最後はスペア出したもん」
「その前がひどかった」
「最初はウォーミングアップ」
「五フレームもか」
「長めのウォーミングアップ」
「長すぎる」
二人で笑う。
少し歩いて、信号待ち。
薫が神田を見上げる。
「でもさ」
「なんだ」
「ユウ、教えるの上手だったよね」
「そうか?」
「立ち位置とか投げ方とか」
「基本だけだ」
「その基本で最後スペアだったんだよ?」
「お前が合わせた」
「先生が良かったから」
神田は少し照れくさそうに前を向く。
「……なら次も教える」
「やった!」
信号が青になる。
歩き出しながら、薫が楽しそうに話す。
「優勝したら次は何かな」
「商品か」
「旅行券だったら嬉しいなぁ」
「また焼肉券でもいい」
「それもいいね」
「肉は外れがない」
「ユウ、本当にお肉好きだね」
「酒もな」
「知ってる」
「お前も好きだろ」
「私はデザートも」
「それも知ってる」
駅が見えてきた。
薫はふと神田の手に自分の手を重ねる。
自然に指を絡めると、神田も何も言わず握り返した。
「今日は楽しかった」
「ああ」
「優勝してよかったね」
「そうだな」
「焼肉券、使い切っちゃった」
「また勝てばいい」
「そのためにも練習だ!」
「まずガーターを減らせ」
「むぅ」
「10回投げて8回ガーターじゃ勝てるものも勝てない」
「盛ってる!」
「6回か」
「それも盛ってる!」
笑い声が夜道に響く。
「じゃあ今度の休み、ボーリング行こ?」
「いいぞ」
「ほんと?」
「ああ」
「そのあとカフェも行こう!」
「……ボーリングだけじゃ終わらないのか」
「デートなんだから」
神田は少しだけ口元を緩める。
「そうだったな」
「えへへ」
手をつないだまま、二人は他愛ない話を続けながら、ゆっくりと駅へ向かって歩いていった。