《第19話》インスタ。
お名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
週末。
宅配便が届く。
「はーい」
薫が受け取る。
箱。
ひとつ。
ふたつ。
……三つ。
リビングまで運んだところで。
ソファにいた神田が顔を上げる。
「……」
「……」
「なんだこれ」
「お酒」
「見れば分かる」
箱を見る。
「こんなにいるのか」
薫、一瞬目を逸らす。
「……」
「?」
「いる」
「即答だな」
箱を開ける。
中から出てくる瓶。
ジン。
ウォッカ。
テキーラ。
ラム。
カシス。
ピーチ。
アマレット。
ブルーキュラソー。
その他いろいろ。
神田、無言。
「……」
「何」
「店でも開くのか」
「違う」
「違うのか?」
「趣味」
薫は瓶を並べながら説明する。
「ウォッカ、ジン、テキーラ、ラムってベースはほしいじゃん?」
「……」
「そこからカクテルの幅広がるし」
「ほう」
「リキュールも種類あると色々作れるし」
楽しそうに話す。
神田は聞く。
「つまり」
「?」
「全部必要」
「うん」
「……」
「?」
「分かった分かった」
神田がため息。
「使うんだな?」
「使う!」
即答。
少し間。
「……と思う」
神田の眉が動く。
「思うってなんだ」
「いや」
薫、瓶を見る。
「収集癖が……」
「はあ」
神田は立ち上がる。
「整理しろ」
「はーい」
素直。
でも次の瞬間。
「これ見て」
「ん?」
薫が一本持ち上げる。
「珍しいリキュールなんだけど」
「……」
「香りがね」
「……」
神田、聞いてしまう。
「何が違う」
薫の顔がぱっと明るくなる。
「えっとね!」
結局、整理するはずが一時間後。
テーブルの上には試飲用のグラス。
神田。
「……整理は?」
「今から」
「さっきも聞いた」
「……」
棚の前。
薫が悩む。
「ここに並べたら綺麗かな」
「バーみたいだな」
「いいでしょ?」
「……」
神田は少し考える。
「まあ」
「?」
「お前が楽しそうだから」
薫が笑う。
「じゃあ許可?」
「許可じゃない」
「えー」
「ただ」
神田は瓶を見る。
「ちゃんと使え」
「もちろん」
「あと増やすなら先に相談」
「……」
「何」
「バレてた」
「増やす気だったのか」
「少し」
「少しじゃないだろ」
薫は笑う。
神田は呆れながらも並んだ瓶を見る。
さっきまでただのお酒だったものが。
今では、薫が楽しそうにしている理由になっている。
「……」
「ユウ?」
「何」
「怒ってる?」
「いや」
少し間。
「家にバーができそうだなと思っただけだ」
薫の目が輝く。
「え」
神田。
(しまった)
その顔。
また出た。
数日後。
仕事から帰った夜、薫は届いたボトルたちを眺める。
「……」
「何してる」
神田が帰宅して声をかける。
「んー」
薫はジンの瓶を持ち上げる。
「今日はシンプルなの作ろうかなって」
「また新しいのか」
「今日は簡単」
グラスを出す。
「ジントニック」
「それなら聞いたことある」
「有名だからね」
氷をたっぷり入れたグラス。
ジンを注ぐ。
トニックウォーター。
最後にライム。
シュワっと音がする。
薫は少し混ぜる。
「完成」
「……」
「何?」
神田がじっと見る。
「いや」
「?」
「楽しそうだなと思って」
「また?」
「事実」
薫は完成したグラスを撮影する。
ライトを調整。
角度を変える。
テーブルにはグラスだけ。
余計なものは写さない。
「投稿するのか?」
「うん」
いつものヨガ・料理アカウント。
でも今回は少し違う。
⸻
📱Instagram投稿
写真:
透明なグラスに氷。
泡が立つジントニック。
横にはライム。
キャプション。
今日はシンプルに。
暑い日の夜はジントニック🍸
お酒も料理と同じで、
少しの工夫で味が変わるのが楽しい。
⸻
投稿して数時間。
通知が止まらない。
「……?」
薫がスマホを見る。
「え」
「どうした」
神田が見る。
「思ったより反応ある」
コメント。
お酒も作れるんですか!?
ヨガの先生がお酒詳しいの意外!
ジントニックの作り方知りたいです!
グラス綺麗✨
⸻
「へえ」
神田が画面を見る。
「人気だな」
「いや、いつもの料理投稿と違うからかな」
「違うことしたからじゃないか」
「?」
「お前が楽しそうだから」
「……」
また。
薫は顔を覆う。
「ユウ最近それ多い」
「何が」
「普通に褒める」
「普通だろ」
「私には普通じゃない」
翌朝。
会社、秘書課。
「薫さん」
「はい?」
「昨日の投稿見ました」
「え」
「ジントニック」
「会社の人も見てるの!?」
「フォローしてます」
営業部。
ラビがスマホを見せる。
「ユウ」
「何だ」
「お前の彼女、酒まで始めたぞ」
「始めたわけじゃない」
「じゃあ何」
「昔から」
「え?」
ラビ固まる。
「初耳」
神田、ふと思う。
(俺も最近知った)
会社でも話題になりつつある薫の新しい趣味ができた。
宅配便が届く。
「はーい」
薫が受け取る。
箱。
ひとつ。
ふたつ。
……三つ。
リビングまで運んだところで。
ソファにいた神田が顔を上げる。
「……」
「……」
「なんだこれ」
「お酒」
「見れば分かる」
箱を見る。
「こんなにいるのか」
薫、一瞬目を逸らす。
「……」
「?」
「いる」
「即答だな」
箱を開ける。
中から出てくる瓶。
ジン。
ウォッカ。
テキーラ。
ラム。
カシス。
ピーチ。
アマレット。
ブルーキュラソー。
その他いろいろ。
神田、無言。
「……」
「何」
「店でも開くのか」
「違う」
「違うのか?」
「趣味」
薫は瓶を並べながら説明する。
「ウォッカ、ジン、テキーラ、ラムってベースはほしいじゃん?」
「……」
「そこからカクテルの幅広がるし」
「ほう」
「リキュールも種類あると色々作れるし」
楽しそうに話す。
神田は聞く。
「つまり」
「?」
「全部必要」
「うん」
「……」
「?」
「分かった分かった」
神田がため息。
「使うんだな?」
「使う!」
即答。
少し間。
「……と思う」
神田の眉が動く。
「思うってなんだ」
「いや」
薫、瓶を見る。
「収集癖が……」
「はあ」
神田は立ち上がる。
「整理しろ」
「はーい」
素直。
でも次の瞬間。
「これ見て」
「ん?」
薫が一本持ち上げる。
「珍しいリキュールなんだけど」
「……」
「香りがね」
「……」
神田、聞いてしまう。
「何が違う」
薫の顔がぱっと明るくなる。
「えっとね!」
結局、整理するはずが一時間後。
テーブルの上には試飲用のグラス。
神田。
「……整理は?」
「今から」
「さっきも聞いた」
「……」
棚の前。
薫が悩む。
「ここに並べたら綺麗かな」
「バーみたいだな」
「いいでしょ?」
「……」
神田は少し考える。
「まあ」
「?」
「お前が楽しそうだから」
薫が笑う。
「じゃあ許可?」
「許可じゃない」
「えー」
「ただ」
神田は瓶を見る。
「ちゃんと使え」
「もちろん」
「あと増やすなら先に相談」
「……」
「何」
「バレてた」
「増やす気だったのか」
「少し」
「少しじゃないだろ」
薫は笑う。
神田は呆れながらも並んだ瓶を見る。
さっきまでただのお酒だったものが。
今では、薫が楽しそうにしている理由になっている。
「……」
「ユウ?」
「何」
「怒ってる?」
「いや」
少し間。
「家にバーができそうだなと思っただけだ」
薫の目が輝く。
「え」
神田。
(しまった)
その顔。
また出た。
数日後。
仕事から帰った夜、薫は届いたボトルたちを眺める。
「……」
「何してる」
神田が帰宅して声をかける。
「んー」
薫はジンの瓶を持ち上げる。
「今日はシンプルなの作ろうかなって」
「また新しいのか」
「今日は簡単」
グラスを出す。
「ジントニック」
「それなら聞いたことある」
「有名だからね」
氷をたっぷり入れたグラス。
ジンを注ぐ。
トニックウォーター。
最後にライム。
シュワっと音がする。
薫は少し混ぜる。
「完成」
「……」
「何?」
神田がじっと見る。
「いや」
「?」
「楽しそうだなと思って」
「また?」
「事実」
薫は完成したグラスを撮影する。
ライトを調整。
角度を変える。
テーブルにはグラスだけ。
余計なものは写さない。
「投稿するのか?」
「うん」
いつものヨガ・料理アカウント。
でも今回は少し違う。
⸻
📱Instagram投稿
写真:
透明なグラスに氷。
泡が立つジントニック。
横にはライム。
キャプション。
今日はシンプルに。
暑い日の夜はジントニック🍸
お酒も料理と同じで、
少しの工夫で味が変わるのが楽しい。
⸻
投稿して数時間。
通知が止まらない。
「……?」
薫がスマホを見る。
「え」
「どうした」
神田が見る。
「思ったより反応ある」
コメント。
お酒も作れるんですか!?
ヨガの先生がお酒詳しいの意外!
ジントニックの作り方知りたいです!
グラス綺麗✨
⸻
「へえ」
神田が画面を見る。
「人気だな」
「いや、いつもの料理投稿と違うからかな」
「違うことしたからじゃないか」
「?」
「お前が楽しそうだから」
「……」
また。
薫は顔を覆う。
「ユウ最近それ多い」
「何が」
「普通に褒める」
「普通だろ」
「私には普通じゃない」
翌朝。
会社、秘書課。
「薫さん」
「はい?」
「昨日の投稿見ました」
「え」
「ジントニック」
「会社の人も見てるの!?」
「フォローしてます」
営業部。
ラビがスマホを見せる。
「ユウ」
「何だ」
「お前の彼女、酒まで始めたぞ」
「始めたわけじゃない」
「じゃあ何」
「昔から」
「え?」
ラビ固まる。
「初耳」
神田、ふと思う。
(俺も最近知った)
会社でも話題になりつつある薫の新しい趣味ができた。