《第19話》インスタ。
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営業部と秘書課の仲良いメンバーだけで、小さな飲み会。
「今日は仕事の話禁止な!」
ラビが乾杯前から宣言する。
「無理だろ」
と神田。
「いやいや、今日は普通の飲み会!社長もいない!案件もない!」
アレンも笑う。
「神田さん、今日はただの同僚として参加してくださいね」
「……努力する」
「努力する時点で仕事人間なんですよ」
秘書課の子たちが笑う。
居酒屋の個室。
料理が並んで、ビールやソフトドリンクが置かれる。
「じゃ、改めて!」
「乾杯!」
カンッ。
いつもの社内の緊張感がない。
「しかしさ」
営業部の一人が薫を見る。
「本当に神田さんと付き合ってるんだよね?」
「今さら確認?」
薫が笑う。
「いや、だって……」
隣を見る。
無表情で焼き鳥を食べる神田。
「この人が?」
「失礼だな」
神田が即答。
「いやだって魔王って呼ばれてるじゃないですか」
「誰が広めた」
全員、ラビを見る。
「俺じゃないよ?」
「目を逸らすな」
「気付いたら魔王と女神だったじゃん」
「でも意外ですよね」
秘書課の子が言う。
「神田さん、会社だと必要最低限しか話さないのに」
「家では?」
全員が薫を見る。
「え?」
「気になる」
「普通ですよ?」
「普通?」
「普通に話します」
「何話すんですか?」
薫が少し考える。
「……今日何食べたいとか」
「平和!」
「魔王が食事相談してる!」
「そういえば」
営業部の後輩が聞く。
「薫さんってインスタやってますよね?」
「あ、はい」
「ヨガとご飯のやつ」
「見てます!」
「え!?」
薫が驚く。
「料理の投稿も」
「会社の人見てたの?」
「フォローしてます」
「言ってよ!」
神田がスマホを見る。
「……」
「神田さん?」
「フォローしてる」
「え?」
薫が固まる。
「いつから?」
「前」
「前って」
「付き合った頃」
一瞬静かになる。
「ええええ!?」
全員叫ぶ。
ラビが机を叩く。
「ユウ、お前それ大好きじゃん!」
「否定しない」
自然に笑いが起きる。
「魔王が大好きって肯定したさ」
「うるせえ」
「でもなんで」
「普通に見てたら流れてきた」
「薫ってわかったんさ?」
「名前も載ってたし、ヨガで顔出してるだろ」
「そういえばそう」
薫、笑う。
その後は本当に普通の飲み会。
仕事の愚痴。
好きな食べ物。
休日何してるか。
「神田さんって休み何してるんですか?」
「特に何もしてない」
「え?」
「以上」
「趣味ないんですか」
少し考える神田。
「……最近は」
薫を見る。
「筋トレとか」
「筋トレ」
全員爆笑。
帰り道。
「楽しかったね」
「ああ」
「こういう飲み会もいいね」
「……」
「ユウ?」
「会社の人間と、こういう話するの久しぶりだった」
「そっか」
薫が笑う。
「じゃあまた参加しようね」
「ああ」
神田、少しだけ口元を緩める。
普通の飲み会。
でも周りから見ると、魔王が一人の女性の前だけ普通の男になる日だった。
「今日は仕事の話禁止な!」
ラビが乾杯前から宣言する。
「無理だろ」
と神田。
「いやいや、今日は普通の飲み会!社長もいない!案件もない!」
アレンも笑う。
「神田さん、今日はただの同僚として参加してくださいね」
「……努力する」
「努力する時点で仕事人間なんですよ」
秘書課の子たちが笑う。
居酒屋の個室。
料理が並んで、ビールやソフトドリンクが置かれる。
「じゃ、改めて!」
「乾杯!」
カンッ。
いつもの社内の緊張感がない。
「しかしさ」
営業部の一人が薫を見る。
「本当に神田さんと付き合ってるんだよね?」
「今さら確認?」
薫が笑う。
「いや、だって……」
隣を見る。
無表情で焼き鳥を食べる神田。
「この人が?」
「失礼だな」
神田が即答。
「いやだって魔王って呼ばれてるじゃないですか」
「誰が広めた」
全員、ラビを見る。
「俺じゃないよ?」
「目を逸らすな」
「気付いたら魔王と女神だったじゃん」
「でも意外ですよね」
秘書課の子が言う。
「神田さん、会社だと必要最低限しか話さないのに」
「家では?」
全員が薫を見る。
「え?」
「気になる」
「普通ですよ?」
「普通?」
「普通に話します」
「何話すんですか?」
薫が少し考える。
「……今日何食べたいとか」
「平和!」
「魔王が食事相談してる!」
「そういえば」
営業部の後輩が聞く。
「薫さんってインスタやってますよね?」
「あ、はい」
「ヨガとご飯のやつ」
「見てます!」
「え!?」
薫が驚く。
「料理の投稿も」
「会社の人見てたの?」
「フォローしてます」
「言ってよ!」
神田がスマホを見る。
「……」
「神田さん?」
「フォローしてる」
「え?」
薫が固まる。
「いつから?」
「前」
「前って」
「付き合った頃」
一瞬静かになる。
「ええええ!?」
全員叫ぶ。
ラビが机を叩く。
「ユウ、お前それ大好きじゃん!」
「否定しない」
自然に笑いが起きる。
「魔王が大好きって肯定したさ」
「うるせえ」
「でもなんで」
「普通に見てたら流れてきた」
「薫ってわかったんさ?」
「名前も載ってたし、ヨガで顔出してるだろ」
「そういえばそう」
薫、笑う。
その後は本当に普通の飲み会。
仕事の愚痴。
好きな食べ物。
休日何してるか。
「神田さんって休み何してるんですか?」
「特に何もしてない」
「え?」
「以上」
「趣味ないんですか」
少し考える神田。
「……最近は」
薫を見る。
「筋トレとか」
「筋トレ」
全員爆笑。
帰り道。
「楽しかったね」
「ああ」
「こういう飲み会もいいね」
「……」
「ユウ?」
「会社の人間と、こういう話するの久しぶりだった」
「そっか」
薫が笑う。
「じゃあまた参加しようね」
「ああ」
神田、少しだけ口元を緩める。
普通の飲み会。
でも周りから見ると、魔王が一人の女性の前だけ普通の男になる日だった。