隙ありっ! [安室透]
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ー隙ありっ!ー
『んー、やっぱりこの時期は多いねぇ...』
今年こそ、福袋を買いたくって出掛けたら 帰り道で渋滞に捕まっちゃった。お正月だもんね、そりゃ多いよね。
完全に止まった訳ではなくて、少しずつゆっくりだけど進んではいる。
ちらりと運転席を見ると、運転中の彼と目が合った。
『...ど、どうしたの?』
「ん?不満げに尖らせた口唇が可愛いな...って。」
『あ、安室さんっ...!運転中っ』
気付けば私の手に悪戯に触れる褐色の手。触り方が...非常によろしくない。
ぺしりと小さく叩けば「イテッ」とわざとらしく痛がる声が聴こえる。
優~しく払っただけだから全然痛くないでしょー?
『危ないでしょ、ちゃんと前見て下さいっ』
「僕がヒロインさんを危険に晒す訳ないでしょ。ちゃんと前見えてるから平気ですよ。」
『そこは...信用してますけど...。』
「なら、良いですよね?」
『そっ...れは、......その、...ちょっとダメです。』
「.........へぇ?」
安室さんの声色が変わったのに気付いて、プイと顔を背けた。
「駄目、なんですか?」
『だ、ダメ...です。』
「何故です?」
『別に.........その、...特に理由は、』
理由はない、なんて嘘。
でも...ちょっと手が触れただけで、見つめられただけで意識しちゃった、なんて子供みたいな事、恥ずかしくて言えない。
そんな私の心の内を見透かされてる気がして、それ以上何も言えなくて言葉を飲み込んだ。
「そうですか。......あ、」
『え?』
やけにあっさり納得してくれた事に安心した矢先、小さく驚きの声を上げた安室さん。その様子につられて、思わず振り向いた。その瞬間、暗くなったかと思えば...
『...っん、』
ちゅ、と小さなリップ音と共に口唇に柔らかな感触。それが一瞬触れて、離れていった。
『.........ぇ?』
脳の処理が追い付かず、呆けていたら「僕から目を離したヒロインさんが悪いんです。」なんて理不尽なお言葉を頂戴した。そりゃあもう、清々しい程のドヤ顔で。
(もうっ...何ですかそれぇ、......安室さんの、バカ。)
(バカにもなりますよ、僕も男ですからね。)
(そんなの、知ってます。...じゃないと、こんな意識してないし...。)
(ヒロインさん、可愛すぎる発言は慎んでもらえますか?僕の心臓がもちません。)
(それはこっちの台詞です!)
渋滞を抜けるまで、あと少し。
理不尽なキスに心臓が止まりかけること、あと何回...?
ーfinー
『んー、やっぱりこの時期は多いねぇ...』
今年こそ、福袋を買いたくって出掛けたら 帰り道で渋滞に捕まっちゃった。お正月だもんね、そりゃ多いよね。
完全に止まった訳ではなくて、少しずつゆっくりだけど進んではいる。
ちらりと運転席を見ると、運転中の彼と目が合った。
『...ど、どうしたの?』
「ん?不満げに尖らせた口唇が可愛いな...って。」
『あ、安室さんっ...!運転中っ』
気付けば私の手に悪戯に触れる褐色の手。触り方が...非常によろしくない。
ぺしりと小さく叩けば「イテッ」とわざとらしく痛がる声が聴こえる。
優~しく払っただけだから全然痛くないでしょー?
『危ないでしょ、ちゃんと前見て下さいっ』
「僕がヒロインさんを危険に晒す訳ないでしょ。ちゃんと前見えてるから平気ですよ。」
『そこは...信用してますけど...。』
「なら、良いですよね?」
『そっ...れは、......その、...ちょっとダメです。』
「.........へぇ?」
安室さんの声色が変わったのに気付いて、プイと顔を背けた。
「駄目、なんですか?」
『だ、ダメ...です。』
「何故です?」
『別に.........その、...特に理由は、』
理由はない、なんて嘘。
でも...ちょっと手が触れただけで、見つめられただけで意識しちゃった、なんて子供みたいな事、恥ずかしくて言えない。
そんな私の心の内を見透かされてる気がして、それ以上何も言えなくて言葉を飲み込んだ。
「そうですか。......あ、」
『え?』
やけにあっさり納得してくれた事に安心した矢先、小さく驚きの声を上げた安室さん。その様子につられて、思わず振り向いた。その瞬間、暗くなったかと思えば...
『...っん、』
ちゅ、と小さなリップ音と共に口唇に柔らかな感触。それが一瞬触れて、離れていった。
『.........ぇ?』
脳の処理が追い付かず、呆けていたら「僕から目を離したヒロインさんが悪いんです。」なんて理不尽なお言葉を頂戴した。そりゃあもう、清々しい程のドヤ顔で。
(もうっ...何ですかそれぇ、......安室さんの、バカ。)
(バカにもなりますよ、僕も男ですからね。)
(そんなの、知ってます。...じゃないと、こんな意識してないし...。)
(ヒロインさん、可愛すぎる発言は慎んでもらえますか?僕の心臓がもちません。)
(それはこっちの台詞です!)
渋滞を抜けるまで、あと少し。
理不尽なキスに心臓が止まりかけること、あと何回...?
ーfinー
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