目隠しの合瀬 [赤井秀一]
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ー目隠しの合瀬ー
『あっ、沖矢さーん!』
「おや、ヒロインさん、こんにちは。」
『ふふ、こんにちは。洗車中にすみません......手が空いたらで構わないので、ちょっとお願いがあるんですが...』
「えぇ、良いですよ。もうすぐ終わりますので、少し待っててもらえますか?」
『はい、...ありがとうございます』
爽やかな笑顔で頷く沖矢さん。
いつ見ても不思議な感じがする。
その見た目も、口調も...。
よく見知った彼のものとは、違うから。
「お待たせしました。...それで、お願いというのは...」
『ええと、...私一人じゃ解けない謎がありまして...』
「ほぅ......謎、ですか。中で詳しい話を聞きましょう」
工藤邸の中へと通されて、二人並んでソファーへ腰掛ける。大きなソファーだから、二人で座ってもスペースは有り余ってる筈なのに、膝同士が触れ合う程に、近い。
「......で?謎と言うのは何ですか?」
『えっと、...ここでも、そのままなの?』
「そのまま、というのは」
『せめて声くらい、戻してもいいんじゃないかなーって...思うんだけど...』
急な来客対応だってあるかもしれない。(探偵団の子供たちとか)
だから今すぐ、変装自体解くのは難しいと分かってる。
でも、スイッチ一つで声は変えられるから、...せめて、声だけでも元に戻す事は、出来ないんだろうか。
「僕はこのままでも構いませんが...」
『......私が、......赤井さんの声、...聴きたいの...』
二人きりなのに、姿も声も別人のようで、
少し淋しく思えて、
本来の声が聴きたいと、願ってしまった。
きっと赤井さんは、そんな私の心の内を知ってて言わせたんだろうけど。
ピッと小さな機械音の後、いつもの赤井さんの声が耳を優しく擽る。
「...すまない、わざとだ。その台詞が聴きたかったんだ。」
『もう、...赤井さんたら...っ...いじわる...』
拗ねたフリをして、ふいと視線を逸らしたら、手を頬に優しく添えられて顔の向きを戻された。
「なぁ、Sweetie...機嫌を直してくれないか...?」
『ん、......あ!ストップ!キスは、ダメっ!』
つい、いつもの流れでキスを受け入れそうになって自然に目を閉じたけど、ハッと思い出して赤井さんの口元を手で覆ってキスを拒んだ。
「ヒロイン、...嫌、なのか...?」
『あっ、いや、その...』
この世の終わりみたいな絶望した表情を向けられて焦ってあたふた。キスが嫌とか、そういうのじゃないんだけど...
『だって、...今の姿、...沖矢さんなんだもん...』
「沖矢も俺なんだが...」
『それは分かってるんだけど...何だか......浮気してるみたいで、...背徳感がすごい』
「成る程な...」
納得...してくれたみたい?
沖矢さんの姿が嫌いじゃないから、寧ろ困るのだ。
中身が赤井さんだと分かってるから尚更。
ドキドキしてしまう事に罪悪感を感じてしまうというか...何というか...
別人のように見えて、でもふとした仕草に赤井さんの存在を感じて無意識にときめいてしまう。
触れて欲しいのに、それを口にしてはいけないような気がして...複雑で...。
『あ、そ、そうそう、解いてほしい謎っていうのが...これなんだけど、』
意識を逸らすように、コナンくんから渡されたメモをバッグから取り出してテーブルに広げる。
コナンくんたら、私が数式系苦手なのわかってて「沖矢さんに聞けばわかるよ」ってニコニコ可愛い笑顔でメモを渡してきた。それと、「最近会えてないんでしょ?これ、口実にしてイイよ」とも言っていた。
最近あまり会えてなくて淋しがってたの、バレてたんだろうなぁ。流石探偵。侮れないなぁ。
メモに書かれてあったのは
x²+(y-∛x²)²=1
この数式が何を意味するのか、私には全くわからなかったんだけど...
「...ボウヤは何と?」
『沖矢さんに聞けばわかる...って。これを口実にしてイイよ...って言ってた』
「フッ...そうか、」
赤井さんには、この数式を一目見ただけでわかったみたい。多分、コナンくんの考えも。
「有難い。今日はずっと、ヒロインを独り占め出来そうだ」
『...え?』
「何も邪魔が入らない、という事だ」
『えっと、...因みに、この数式って...?』
「答えはこれだ」
彼に手を取られ、私の手の平に指先を滑らせる。
見慣れたその形は...
『ハートマーク...?』
「あぁ...グラフ化すると、この形になる」
そのまま手の平にちゅ、と口付けされて、心拍数がグンと上がる。
普段沖矢さんの姿の時は閉ざされてる翡翠の瞳が、...今はしっかりと私を見つめている。
「俺がこの姿だと、...ヒロインは気になるんだろう?」
『う、うん...』
「なら見えなければ、...問題ないな?」
『え...?』
目元を手で覆われて、視界が閉ざされる。
暗くて、暖かい。
『あの、赤井さん...?』
「ん?どうした...?」
『や、どうした?じゃなくて...っ』
視覚が遮断されている所為か...いつもよりも声が、ハッキリと聴こえる気がする。それは、普段、耳に届かないような小さな息遣いまで...。
『...っ、...ぁ、』
ふに、と口唇に触れる指の感触。
下唇を指の腹でゆるゆると撫でられて、その指の動きに誘い出されるように口唇が勝手に開いてしまう。
「可愛い。...直ぐにでも、食べてしまいたいよ」
『...ぁぅ、...んんっ、』
ちゅぷ、と口の中に差し込まれた指先に、舌をぐにぐにと弄ばれて唾液が零れてしまいそう。
『...っふ、...ゃ、...』
どうしよう。閉じないと。
咄嗟に口内の侵入者を、追い出そうとして、カプリ...と、彼の指先を噛んでしまった。
「ふふ、...俺の方が先に食べられてしまったな」
『ぁ、ごめ、なひゃっ...』
慌てて謝ると、するりと簡単に侵入者は退散した。
「こんな愛おしい噛み跡なら、いくらでも」
『...っん、ふ...ぁ、』
でも、解放されたのは、ほんの僅かな時間だけで、
ホッとしたのもつかの間、口唇へと触れる新しい熱によって再度翻弄される事になる。
キスされている事に気付いた頃には...、抵抗しようとしても、もう遅かった。
...嫌だったのかと問われると、そんな気持ちは少しもなかったのだけれど。
必死に、彼からのキスに応えようとしている間に、目元を覆っていた手が外れた事も、ズルズルと体勢が崩れてソファーに押し倒された事にも、...暫く気付くことはなかったのでした。
(場所を変えよう)
(...、ふ、...はぁ、...ばしょ、...?)
抱き上げられた時にはもう沖矢さんの姿ではなく、赤井さんの姿に変わっていた事も、
指の噛み跡に口唇を寄せて、愛おしげに見つめていた事も...。
それに気付くのは、もう少し後の事。
ーfinー
『あっ、沖矢さーん!』
「おや、ヒロインさん、こんにちは。」
『ふふ、こんにちは。洗車中にすみません......手が空いたらで構わないので、ちょっとお願いがあるんですが...』
「えぇ、良いですよ。もうすぐ終わりますので、少し待っててもらえますか?」
『はい、...ありがとうございます』
爽やかな笑顔で頷く沖矢さん。
いつ見ても不思議な感じがする。
その見た目も、口調も...。
よく見知った彼のものとは、違うから。
「お待たせしました。...それで、お願いというのは...」
『ええと、...私一人じゃ解けない謎がありまして...』
「ほぅ......謎、ですか。中で詳しい話を聞きましょう」
工藤邸の中へと通されて、二人並んでソファーへ腰掛ける。大きなソファーだから、二人で座ってもスペースは有り余ってる筈なのに、膝同士が触れ合う程に、近い。
「......で?謎と言うのは何ですか?」
『えっと、...ここでも、そのままなの?』
「そのまま、というのは」
『せめて声くらい、戻してもいいんじゃないかなーって...思うんだけど...』
急な来客対応だってあるかもしれない。(探偵団の子供たちとか)
だから今すぐ、変装自体解くのは難しいと分かってる。
でも、スイッチ一つで声は変えられるから、...せめて、声だけでも元に戻す事は、出来ないんだろうか。
「僕はこのままでも構いませんが...」
『......私が、......赤井さんの声、...聴きたいの...』
二人きりなのに、姿も声も別人のようで、
少し淋しく思えて、
本来の声が聴きたいと、願ってしまった。
きっと赤井さんは、そんな私の心の内を知ってて言わせたんだろうけど。
ピッと小さな機械音の後、いつもの赤井さんの声が耳を優しく擽る。
「...すまない、わざとだ。その台詞が聴きたかったんだ。」
『もう、...赤井さんたら...っ...いじわる...』
拗ねたフリをして、ふいと視線を逸らしたら、手を頬に優しく添えられて顔の向きを戻された。
「なぁ、Sweetie...機嫌を直してくれないか...?」
『ん、......あ!ストップ!キスは、ダメっ!』
つい、いつもの流れでキスを受け入れそうになって自然に目を閉じたけど、ハッと思い出して赤井さんの口元を手で覆ってキスを拒んだ。
「ヒロイン、...嫌、なのか...?」
『あっ、いや、その...』
この世の終わりみたいな絶望した表情を向けられて焦ってあたふた。キスが嫌とか、そういうのじゃないんだけど...
『だって、...今の姿、...沖矢さんなんだもん...』
「沖矢も俺なんだが...」
『それは分かってるんだけど...何だか......浮気してるみたいで、...背徳感がすごい』
「成る程な...」
納得...してくれたみたい?
沖矢さんの姿が嫌いじゃないから、寧ろ困るのだ。
中身が赤井さんだと分かってるから尚更。
ドキドキしてしまう事に罪悪感を感じてしまうというか...何というか...
別人のように見えて、でもふとした仕草に赤井さんの存在を感じて無意識にときめいてしまう。
触れて欲しいのに、それを口にしてはいけないような気がして...複雑で...。
『あ、そ、そうそう、解いてほしい謎っていうのが...これなんだけど、』
意識を逸らすように、コナンくんから渡されたメモをバッグから取り出してテーブルに広げる。
コナンくんたら、私が数式系苦手なのわかってて「沖矢さんに聞けばわかるよ」ってニコニコ可愛い笑顔でメモを渡してきた。それと、「最近会えてないんでしょ?これ、口実にしてイイよ」とも言っていた。
最近あまり会えてなくて淋しがってたの、バレてたんだろうなぁ。流石探偵。侮れないなぁ。
メモに書かれてあったのは
x²+(y-∛x²)²=1
この数式が何を意味するのか、私には全くわからなかったんだけど...
「...ボウヤは何と?」
『沖矢さんに聞けばわかる...って。これを口実にしてイイよ...って言ってた』
「フッ...そうか、」
赤井さんには、この数式を一目見ただけでわかったみたい。多分、コナンくんの考えも。
「有難い。今日はずっと、ヒロインを独り占め出来そうだ」
『...え?』
「何も邪魔が入らない、という事だ」
『えっと、...因みに、この数式って...?』
「答えはこれだ」
彼に手を取られ、私の手の平に指先を滑らせる。
見慣れたその形は...
『ハートマーク...?』
「あぁ...グラフ化すると、この形になる」
そのまま手の平にちゅ、と口付けされて、心拍数がグンと上がる。
普段沖矢さんの姿の時は閉ざされてる翡翠の瞳が、...今はしっかりと私を見つめている。
「俺がこの姿だと、...ヒロインは気になるんだろう?」
『う、うん...』
「なら見えなければ、...問題ないな?」
『え...?』
目元を手で覆われて、視界が閉ざされる。
暗くて、暖かい。
『あの、赤井さん...?』
「ん?どうした...?」
『や、どうした?じゃなくて...っ』
視覚が遮断されている所為か...いつもよりも声が、ハッキリと聴こえる気がする。それは、普段、耳に届かないような小さな息遣いまで...。
『...っ、...ぁ、』
ふに、と口唇に触れる指の感触。
下唇を指の腹でゆるゆると撫でられて、その指の動きに誘い出されるように口唇が勝手に開いてしまう。
「可愛い。...直ぐにでも、食べてしまいたいよ」
『...ぁぅ、...んんっ、』
ちゅぷ、と口の中に差し込まれた指先に、舌をぐにぐにと弄ばれて唾液が零れてしまいそう。
『...っふ、...ゃ、...』
どうしよう。閉じないと。
咄嗟に口内の侵入者を、追い出そうとして、カプリ...と、彼の指先を噛んでしまった。
「ふふ、...俺の方が先に食べられてしまったな」
『ぁ、ごめ、なひゃっ...』
慌てて謝ると、するりと簡単に侵入者は退散した。
「こんな愛おしい噛み跡なら、いくらでも」
『...っん、ふ...ぁ、』
でも、解放されたのは、ほんの僅かな時間だけで、
ホッとしたのもつかの間、口唇へと触れる新しい熱によって再度翻弄される事になる。
キスされている事に気付いた頃には...、抵抗しようとしても、もう遅かった。
...嫌だったのかと問われると、そんな気持ちは少しもなかったのだけれど。
必死に、彼からのキスに応えようとしている間に、目元を覆っていた手が外れた事も、ズルズルと体勢が崩れてソファーに押し倒された事にも、...暫く気付くことはなかったのでした。
(場所を変えよう)
(...、ふ、...はぁ、...ばしょ、...?)
抱き上げられた時にはもう沖矢さんの姿ではなく、赤井さんの姿に変わっていた事も、
指の噛み跡に口唇を寄せて、愛おしげに見つめていた事も...。
それに気付くのは、もう少し後の事。
ーfinー
1/1ページ
