Chocolateよりも甘い夜 [赤井秀一]
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「離してあげなさいよ...ヒロイン、貴方から離れようと踠いてるじゃないの...」
「Darling...もう俺に抱き締められるのも、嫌になってしまったのか...?」
いえっ、あのっ、違うんです...!
会話を...させて下さい...!!
モゾモゾ動いてたら顔だけ何とか抜け出せた。上を向いて酸素を取り込む。
『はぁ、...はぁ、....違っ.....誤解だよっ......』
若干酸欠で涙目になっていたから説得力に欠ける。
そのままポロリと涙が一粒零れ、頬を伝う。
「やっと泣き止んだのに...シュウ?!」
鬼のような形相で赤井さんを睨み付けるジョディ。
私の顔を見て「Baby...すまない、...泣き止んでくれ...俺が悪かった...」と慌てながら私の頭を撫でる赤井さん。
「弁明させてくれ。あれは、"あの可愛い彼女に渡してくれ"...と同僚からフランス土産の紅茶と紅茶ジャムを受け取っていた所で、...紅茶好きの君が喜ぶだろうと思って......あの時はヒロインの事を考えていたんだ。」
「......あぁ、そういえば私も今朝彼女から貰ったわね。ハネムーン土産のワイン」
「以前、ヒロインの事を話したことがあって...それを覚えていたようでな」
「また惚気てたのね」
その話を聴いてる間もずっと頭撫で撫では継続されていた。
完全に私の勘違いで嫉妬して泣いてたんだ...ってわかったら、もう恥ずかしくて、さっきとは別の理由でまた泣きそうになった。
でも、ちゃんと、言っとかなきゃ。
これ以上二人を困らせる訳にはいかない。
『あの、...ごめん、...ただのヤキモチだから、...気にしないで...ね。...うぅぅ......恥ずかしぃ......』
今度は自発的に赤井さんの胸元に顔を埋めた。
「Oh......So Cute......」
「可愛いわね......家に連れて帰りたいくらい」
「駄目だ」
「わかってるわよ。早くこの可愛いウサギちゃんを家に連れて帰って、世界一のお姫様ってくらい甘やかしてあげなさいよ!」
「そのつもりだ」
「ジェームズにはメッセージ送っておいたから」
「助かる」
「はい、これ、ヒロインの荷物」
「Thanks」
赤井さんはジョディから私のバッグと紙袋を受け取ると、私をひょいと横抱きにした。そのままスタスタと歩き出す。
『わ!えっ、ぇえっ!?』
「またね、ヒロイン~!今度は二人で女子会しましょ!」
『う、うん!ありがとうジョディ...!』
「Have a happy Valentine's Day!」
そう言って手を振りながらパチンっと可愛くウインクするジョディ。美女のウインク、様になるなぁ。
「ふぅ......これで暫く、職場の平和が約束されたも同然ね。シュウのあの様子だと一週間はご機嫌でしょ。ヒロインの誤解も解けたし。...私、良い仕事したわ~!」
私も赤井さんも、ジョディの手の平の上でコロコロ転がされてたなんて、...後日女子会でジョディから「計画通りだったわ」って眩しい笑顔で言われるまで全然気付かなかった。
それから、流れるような動作で赤井さんの車に乗せられ家に向かい、家に着いてからも横抱きで室内に運ばれる私。
『あ、あの、赤井さんっ...』
「ん...?Darling...?」
ソファーに座っても尚、横抱きの体勢は解かれることはなくて...
そのまま抱きかかえられたまま、今私は赤井さんの膝の上。
さすがに恥ずかしくなってきて、体勢を変えて欲しいと赤井さんに伝えようしたけれど、とろりと甘い声色で頬を寄せるものだから...何も言えなくなる。
「こら、...言いかけてやめるのは無しだぞ...?」
『うぅ、...』
耳元で響く、まるで媚薬のように艶っぽい低音が鼓膜を優しく擽る。
私、赤井さんの言う “こら” って言葉に弱いみたいで、それを聴くと不思議と素直に何でも話してしまいそうになる。魔力でもあるんじゃないかと思う。
『この体勢が、...ちょっと、恥ずかしくて...っ、』
ちゅ、...と控え目なリップ音と共に、頬に柔らかな感触。
そちらに意識が逸れてしまって、それ以上言葉が紡げなくなった。
「俺は密着できて嬉しいんだが、...嫌だったか...?」
『いっ、嫌って訳じゃ...』
「良かった...、君に離れて欲しいだなんて言われた日には淋しくて泣いてしまうよ」
『赤井さんが、...泣く......?』
全く想像出来なかった。
しかも、その理由が “淋しくて” ...だと...?
私が、赤井さんを泣かせてしまう...?
そんな罪深い事、出来ない。
軽い冗談で言っただけかもしれないけれど、嬉し涙以外で泣かせるような真似は絶対に避けたいと思った。
ふと、駐車場で私の泣き顔を見た時の赤井さんの慌てた様子を思い出す。成る程、確かにこれは平常心じゃいられない。逆の立場なら、私も動揺しまくりだったろう。
『前言撤回します。...もう少しだけ、このままで...』
「Of Course...My Princess」
誤解だったとは言え、泣いて困らせてしまったのは事実。お詫びの意味も込めて、珍しく私の方から...赤井さんの頬にキスをした。
『後で......バレンタインのやり直し、しても良い...?』
「あぁ。喜んで。...ヒロイン、...Kissのおかわりは貰えるだろうか?」
『...ぅ、...頬になら、』
再度、小さなリップ音と共に、赤井さんの頬へキスを落とす。今はこれが精一杯。
「ありがとう。...Kissのお返しは、たっぷりとさせてもらおう。White Dayまで待てそうにないから、今すぐに」
『今すぐって、...っん、』
言葉の通り、次の瞬間には口唇に温もりが触れていて、柔く口唇を食まれた。
舌で優しく口唇を割り開かれて、そのまま侵入を受け入れると、くちゅ、と水音を立てて舌同士が絡まった。
『...っん、...は、...っ、...んぅっ...ぁ、』
そのキスは優しくて、息継ぎも上手く出来てない私のペースに合わせてくれてる。吐息が口唇をなぞり、舌を絡め取られ、時折舌先をジュッと吸われる。優しい、でも確実に弱い所をわかってるそれの動きで、じわじわと上がる息。潤む瞳。
苦しいのに、余裕なんて欠片もないのに、...もっとして欲しいだなんて考えが過るのは何故だろう。それを口にしてはいけない気がして、言葉を飲み込む。
でも、赤井さんの前で隠し事なんて出来る訳もなく、
「恥ずかしがらなくて良い...隠さなくて良いんだ。思ったままを言ってくれないか?」
『苦しい、のに、......もっと、してほし...って、変だよ...』
「変じゃないさ。熱に浮かされたように潤んだ瞳も、熟した果実のように赤く染まった頬も、艶やかに光る小さな口唇も、...綺麗だ。俺が原因でそうなったのかと思ったら、愛おしくて仕方ない」
『......っでも、......」
赤井さんの瞳に見つめられて、身体が動かない。
勿論、拘束なんてされていないし、頬に手を添えられているだけなのに...。
「ヒロイン、......Tell me...」
こんなに優しい声色なのに、表情なのに、...翡翠の瞳の奥は僅かにギラついてて...
それに気付いて、ゴクリと喉が鳴った。
「さぁ、」
穏やかに、優しく、私を急かす低音。
逃げられない事を悟って、躊躇いがちに口唇を薄く開いた。小さく、頼りない震えた声で赤井さんからの問いに応える。
『...チョコレートよりも、甘い夜を下さい』
それに応えるように、再度口唇を塞がれて噛み付くような熱いキス。そして浮遊感の後、
二人が移動した先は、...言わずもがな。
ーfinー
「Darling...もう俺に抱き締められるのも、嫌になってしまったのか...?」
いえっ、あのっ、違うんです...!
会話を...させて下さい...!!
モゾモゾ動いてたら顔だけ何とか抜け出せた。上を向いて酸素を取り込む。
『はぁ、...はぁ、....違っ.....誤解だよっ......』
若干酸欠で涙目になっていたから説得力に欠ける。
そのままポロリと涙が一粒零れ、頬を伝う。
「やっと泣き止んだのに...シュウ?!」
鬼のような形相で赤井さんを睨み付けるジョディ。
私の顔を見て「Baby...すまない、...泣き止んでくれ...俺が悪かった...」と慌てながら私の頭を撫でる赤井さん。
「弁明させてくれ。あれは、"あの可愛い彼女に渡してくれ"...と同僚からフランス土産の紅茶と紅茶ジャムを受け取っていた所で、...紅茶好きの君が喜ぶだろうと思って......あの時はヒロインの事を考えていたんだ。」
「......あぁ、そういえば私も今朝彼女から貰ったわね。ハネムーン土産のワイン」
「以前、ヒロインの事を話したことがあって...それを覚えていたようでな」
「また惚気てたのね」
その話を聴いてる間もずっと頭撫で撫では継続されていた。
完全に私の勘違いで嫉妬して泣いてたんだ...ってわかったら、もう恥ずかしくて、さっきとは別の理由でまた泣きそうになった。
でも、ちゃんと、言っとかなきゃ。
これ以上二人を困らせる訳にはいかない。
『あの、...ごめん、...ただのヤキモチだから、...気にしないで...ね。...うぅぅ......恥ずかしぃ......』
今度は自発的に赤井さんの胸元に顔を埋めた。
「Oh......So Cute......」
「可愛いわね......家に連れて帰りたいくらい」
「駄目だ」
「わかってるわよ。早くこの可愛いウサギちゃんを家に連れて帰って、世界一のお姫様ってくらい甘やかしてあげなさいよ!」
「そのつもりだ」
「ジェームズにはメッセージ送っておいたから」
「助かる」
「はい、これ、ヒロインの荷物」
「Thanks」
赤井さんはジョディから私のバッグと紙袋を受け取ると、私をひょいと横抱きにした。そのままスタスタと歩き出す。
『わ!えっ、ぇえっ!?』
「またね、ヒロイン~!今度は二人で女子会しましょ!」
『う、うん!ありがとうジョディ...!』
「Have a happy Valentine's Day!」
そう言って手を振りながらパチンっと可愛くウインクするジョディ。美女のウインク、様になるなぁ。
「ふぅ......これで暫く、職場の平和が約束されたも同然ね。シュウのあの様子だと一週間はご機嫌でしょ。ヒロインの誤解も解けたし。...私、良い仕事したわ~!」
私も赤井さんも、ジョディの手の平の上でコロコロ転がされてたなんて、...後日女子会でジョディから「計画通りだったわ」って眩しい笑顔で言われるまで全然気付かなかった。
それから、流れるような動作で赤井さんの車に乗せられ家に向かい、家に着いてからも横抱きで室内に運ばれる私。
『あ、あの、赤井さんっ...』
「ん...?Darling...?」
ソファーに座っても尚、横抱きの体勢は解かれることはなくて...
そのまま抱きかかえられたまま、今私は赤井さんの膝の上。
さすがに恥ずかしくなってきて、体勢を変えて欲しいと赤井さんに伝えようしたけれど、とろりと甘い声色で頬を寄せるものだから...何も言えなくなる。
「こら、...言いかけてやめるのは無しだぞ...?」
『うぅ、...』
耳元で響く、まるで媚薬のように艶っぽい低音が鼓膜を優しく擽る。
私、赤井さんの言う “こら” って言葉に弱いみたいで、それを聴くと不思議と素直に何でも話してしまいそうになる。魔力でもあるんじゃないかと思う。
『この体勢が、...ちょっと、恥ずかしくて...っ、』
ちゅ、...と控え目なリップ音と共に、頬に柔らかな感触。
そちらに意識が逸れてしまって、それ以上言葉が紡げなくなった。
「俺は密着できて嬉しいんだが、...嫌だったか...?」
『いっ、嫌って訳じゃ...』
「良かった...、君に離れて欲しいだなんて言われた日には淋しくて泣いてしまうよ」
『赤井さんが、...泣く......?』
全く想像出来なかった。
しかも、その理由が “淋しくて” ...だと...?
私が、赤井さんを泣かせてしまう...?
そんな罪深い事、出来ない。
軽い冗談で言っただけかもしれないけれど、嬉し涙以外で泣かせるような真似は絶対に避けたいと思った。
ふと、駐車場で私の泣き顔を見た時の赤井さんの慌てた様子を思い出す。成る程、確かにこれは平常心じゃいられない。逆の立場なら、私も動揺しまくりだったろう。
『前言撤回します。...もう少しだけ、このままで...』
「Of Course...My Princess」
誤解だったとは言え、泣いて困らせてしまったのは事実。お詫びの意味も込めて、珍しく私の方から...赤井さんの頬にキスをした。
『後で......バレンタインのやり直し、しても良い...?』
「あぁ。喜んで。...ヒロイン、...Kissのおかわりは貰えるだろうか?」
『...ぅ、...頬になら、』
再度、小さなリップ音と共に、赤井さんの頬へキスを落とす。今はこれが精一杯。
「ありがとう。...Kissのお返しは、たっぷりとさせてもらおう。White Dayまで待てそうにないから、今すぐに」
『今すぐって、...っん、』
言葉の通り、次の瞬間には口唇に温もりが触れていて、柔く口唇を食まれた。
舌で優しく口唇を割り開かれて、そのまま侵入を受け入れると、くちゅ、と水音を立てて舌同士が絡まった。
『...っん、...は、...っ、...んぅっ...ぁ、』
そのキスは優しくて、息継ぎも上手く出来てない私のペースに合わせてくれてる。吐息が口唇をなぞり、舌を絡め取られ、時折舌先をジュッと吸われる。優しい、でも確実に弱い所をわかってるそれの動きで、じわじわと上がる息。潤む瞳。
苦しいのに、余裕なんて欠片もないのに、...もっとして欲しいだなんて考えが過るのは何故だろう。それを口にしてはいけない気がして、言葉を飲み込む。
でも、赤井さんの前で隠し事なんて出来る訳もなく、
「恥ずかしがらなくて良い...隠さなくて良いんだ。思ったままを言ってくれないか?」
『苦しい、のに、......もっと、してほし...って、変だよ...』
「変じゃないさ。熱に浮かされたように潤んだ瞳も、熟した果実のように赤く染まった頬も、艶やかに光る小さな口唇も、...綺麗だ。俺が原因でそうなったのかと思ったら、愛おしくて仕方ない」
『......っでも、......」
赤井さんの瞳に見つめられて、身体が動かない。
勿論、拘束なんてされていないし、頬に手を添えられているだけなのに...。
「ヒロイン、......Tell me...」
こんなに優しい声色なのに、表情なのに、...翡翠の瞳の奥は僅かにギラついてて...
それに気付いて、ゴクリと喉が鳴った。
「さぁ、」
穏やかに、優しく、私を急かす低音。
逃げられない事を悟って、躊躇いがちに口唇を薄く開いた。小さく、頼りない震えた声で赤井さんからの問いに応える。
『...チョコレートよりも、甘い夜を下さい』
それに応えるように、再度口唇を塞がれて噛み付くような熱いキス。そして浮遊感の後、
二人が移動した先は、...言わずもがな。
ーfinー
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