St. Valentine's Day [江戸川コナン vs 安室透]
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ーSt. Valentine's Dayー
「ねぇ、ヒロインさん」
『どうしたんですか?安室さん...」
「2/14は何の日か知ってますか?」
『えっ、何ですか、藪から棒に...』
「いえ、...聞いてみただけですけど」
『Valentine's Day...ウァレンティヌスの殉教を記念する日、なんていう返答は正解じゃないんですかね』
「おや、よく知ってますね」
『雑学王の安室さんには負けますよ』
「それ程でもありますが」
『あるんかい』
ポアロにて、いつものカウンター席に座って美味しいミルクティーを味わっていたら、安室さんに絡まれた。バレンタインデーについて聴かれたけど、貴方には縁ありまくりの日でしょうに。
ポアロのイケメン看板店員さんなんだから、チョコレートの一つや二つ...いや、両手で持ちきれない程に貰うのでは?
漫画で見るような、ロッカーの扉を開けたらドサドサとチョコが落ちてくる様子を思い浮かべた。
沢山貰うんだろうなぁ、と。
「それも正しいんですが、日本では最早伝統的とも言える文化があるじゃないですか」
『安室さんはよ~く御存知でしょ』
「えぇ、勿論」
『いいですよね、バレンタインデー...色んな所で美味しいチョコに出会えるので、毎年楽しみにしてるんですよね』
「チョコ、もう誰かに差し上げたんですか?」
『え?いえ、...』
安室さんからの問いに応えようとしたタイミングで来客を告げるドアベルの音。
『あ!コナンくん!』
「ヒロインさん、こんにちは!」
『こんにちは!ちょうど良かった~』
手招きしたら、私の隣の椅子にちょこん、と座るコナンくん。かわいい。
『はい、これ...バレンタインのチョコ!珈琲味の生チョコにしてみました~!』
「わぁ!ヒロインさんありがとう!!食べてみていい?」
『もちろん!』
コナンくんは私の家でもよくアイスコーヒー飲んでるから、ちょっと大人っぽい味付けにした。
綺麗に開封して、ピックに一つ刺してから『どうぞ』とチョコを差し出す。それをパクっと食べて「ん~っ!すっごく美味しい!」と満面の笑みをいただいた。やった!心の中でガッツポーズした。
「ちょちょちょっと待って下さい、何ナチュラルにあーん、なんてしてるんですか」
『ん?別に、いつものことだよ』
『「ね~」』
見てくれ、この天使を!!
顔を見合わせて微笑むこの可愛い天使を!!
...って、何で不機嫌そうな顔してるんですか、安室さん...。
「僕はちゃんと事前にヒロインさんにリクエストしてたからね」
「リクエスト...そんなシステムがあったんですか...」
「安室さんも素直に言えば良かったんじゃない?チョコが欲しいです...って。」
「くっ......僕に足りなかったのは、その素直さ..ってことですか...」
もう一つ差し出したら「安室の兄ちゃんが可哀想だから自分で食べるね」なんて言ってコナンくんはピックごと受け取った。対応が大人だなぁ。
チョコをパクリと食べて、項垂れてる安室さんをちらりと横目で見つつコナンくんは話を続ける。
「その素直さ...って、まだ今からでも遅くないんじゃない?」
「そ...れは、どういう事かな、コナンくん...」
「あれれ?安室さんなら気付いてると思ってたよ。...ヒロインさんのことだから、ポアロに来るなら持ってきてるんじゃない?」
さすが、コナンくん。
彼の言う通り、私のバッグにはもう一つチョコレートが入ってる。渡す相手は...言わずもがな。
「わざわざ遠回しに言う必要ないのにね、ヒロインさん?」
『ふふ、...さっきまでの安室さんとのやり取りも、コナンくんにはお見通しみたいだね』
「えっ?僕、子供だからわかんな~い!」
『か、かわっっ......!』
コナンくんのあざと可愛さに悶絶してたら、横からツンッと袖を引かれた。そちらに目を向けたら、
「あの、ヒロインさん、......僕も、チョコ...欲しいです...」
『んぐっ...』
こっちにもいた...!!あざと可愛さ爆発してる人...!
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めてる安室さん可愛すぎか。ご馳走さまです。何なの、両サイド可愛いのパレードか。
『さ、最初から私は渡すつもりだったんですからね...!でも、安室さん...モテそうだから沢山貰うだろうな...って、もうチョコは食べ飽きてるかもしれないな~って思うと...なかなか渡せなくて...』
「...誰にも、貰ってないです」
『...へ?』
「ヒロインさん以外の人から、貰うつもりなかったので」
『...私がチョコ用意してないとは思わなかったんですか?』
「その時は一人淋しくチョコの無いバレンタインを過ごすだけですから」
そんな風に、儚くも切ない笑顔を見せられたら私の心臓はぎゅんぎゅんです。
いくらでも貢いであげたくなってしまうじゃないか。
あ、いや、チョコレートの話ですよ?
『......で、では、改めまして......こちら、ご用意させていただいたチョコボンボンでございます。ウイスキーを使用しておりますので、ご自宅に帰られてからお召し上がり下さいませ』
「こ、これはご丁寧に...、謹んで頂戴つかまつり候」
「ねぇ、二人とも...緊張し過ぎておかしなことになってるよ」
コナンくんに指摘されて、安室さんと顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
『ふっ、...ふふふ、確かに、...変だね』
「ハハッ、嬉しくて、つい...」
『つっ、つかまつりそうろう...ふっ、ふふっ、...現代でなかなか聞かないぃ......っ...』
あ、ダメ。ツボに入ってしまって腹筋がぷるぷるしてる。
「ヒロインさん、大丈夫?」
『コナンくん...っふ、ふふふ、...だいじょばない...』
「えいっ」
『ぴゃっ!ここここコナンくん???』
突如腕にピトッとくっついてきたコナンくん。
一瞬思考が停止した。ここが天国か。
「意識がそれたら元に戻るかなって」
『別の意味で大丈夫じゃなくなるよ、ときめきで尊死しちゃう』
「そんなんじゃ人は死なないから大丈夫」
『そこはクールなのね。好き。』
「僕も、ヒロインさんの事だーいすき!」
だーいすき...だーいすき...だーいすき...
頭の中でコナンくんのキュートボイスが響く。
脳内メモリに書き込んで永久保存しないと。
嗚呼、尊い。
口元がだらしなく緩みそうになるのを全力で阻止して微笑んだ。
「ねぇコナンくん、僕の味方じゃなかったんですか?僕も好きなんて言われたことないのに...」
「安室さんの味方?僕そんな事言った覚えないけどなぁ」
「さっき助けてくれましたよね」
「可哀想だからハンデをあげただけだよ」
「ハンデ、ね。ホワイトデーにはそんな事言ってられないくらいの差を見せつけてあげるよ」
「ふぅん」
あ、なんか二人とも澄ました顔でチクチクとやりあってる。ピリッとした空気を感じながら、冷めかけたミルクティーに口を付けた。
くるりとこちらを向いた安室さんと目が合う。
えっ、何なに?
「ヒロインさんっ!ホワイトデーは楽しみにしてて下さいね!300倍にしてお返ししますから!」
『さっ、......300...倍、...聞き間違いですかね。』
「300倍です!」
『財力で殴るのはやめてくださいね?怖いです』
「えー」
『えーじゃないです』
ポアロのアルバイトと私立探偵のお給料からどうやって捻出するの。怖いよ。安室さんの愛車もお高そうだし、どこかの御曹司なのかな。いや、聞くまい。
取り敢えず高価なお返しはお断りした。嫌なら渡したチョコ没収と言ったら渋々頷いてくれた。
「ヒロインさん、」
『んー?どうしたの、コナンくん』
「僕ね、ホワイトデーにお返ししたいんだけど...ヒロインさんの家で、一緒にお菓子作りして、それをプレゼントするのって...ダメかな」
『だっ、ダメなわけないよ!ウェルカム!最高に嬉しい...っ!』
「ふふ、じゃあ決まりだね」
約束ね、と小さな小指が差し出されて、迷わず自らの小指を絡めた。ありがとう。このまま浄化されてもいい。
「じゃあそろそろ、僕帰るね」
『うん、またね、コナンくん』
「またね、ヒロインさんっ!......あぁ、そうだ、」
丁寧に包み直したチョコの箱を大事そうに抱えた後、何かを思い出したようにトコトコとカウンターの側に近寄ったコナンくんは安室さんを見上げて言った。
「"差" 、つけられたらいいね...?」
「上等だ、...受けて立つよ」
一体何の勝負をしてるんだか。
でも、二人とも楽しそうだから、まぁいっか。
ーfinー
「ねぇ、ヒロインさん」
『どうしたんですか?安室さん...」
「2/14は何の日か知ってますか?」
『えっ、何ですか、藪から棒に...』
「いえ、...聞いてみただけですけど」
『Valentine's Day...ウァレンティヌスの殉教を記念する日、なんていう返答は正解じゃないんですかね』
「おや、よく知ってますね」
『雑学王の安室さんには負けますよ』
「それ程でもありますが」
『あるんかい』
ポアロにて、いつものカウンター席に座って美味しいミルクティーを味わっていたら、安室さんに絡まれた。バレンタインデーについて聴かれたけど、貴方には縁ありまくりの日でしょうに。
ポアロのイケメン看板店員さんなんだから、チョコレートの一つや二つ...いや、両手で持ちきれない程に貰うのでは?
漫画で見るような、ロッカーの扉を開けたらドサドサとチョコが落ちてくる様子を思い浮かべた。
沢山貰うんだろうなぁ、と。
「それも正しいんですが、日本では最早伝統的とも言える文化があるじゃないですか」
『安室さんはよ~く御存知でしょ』
「えぇ、勿論」
『いいですよね、バレンタインデー...色んな所で美味しいチョコに出会えるので、毎年楽しみにしてるんですよね』
「チョコ、もう誰かに差し上げたんですか?」
『え?いえ、...』
安室さんからの問いに応えようとしたタイミングで来客を告げるドアベルの音。
『あ!コナンくん!』
「ヒロインさん、こんにちは!」
『こんにちは!ちょうど良かった~』
手招きしたら、私の隣の椅子にちょこん、と座るコナンくん。かわいい。
『はい、これ...バレンタインのチョコ!珈琲味の生チョコにしてみました~!』
「わぁ!ヒロインさんありがとう!!食べてみていい?」
『もちろん!』
コナンくんは私の家でもよくアイスコーヒー飲んでるから、ちょっと大人っぽい味付けにした。
綺麗に開封して、ピックに一つ刺してから『どうぞ』とチョコを差し出す。それをパクっと食べて「ん~っ!すっごく美味しい!」と満面の笑みをいただいた。やった!心の中でガッツポーズした。
「ちょちょちょっと待って下さい、何ナチュラルにあーん、なんてしてるんですか」
『ん?別に、いつものことだよ』
『「ね~」』
見てくれ、この天使を!!
顔を見合わせて微笑むこの可愛い天使を!!
...って、何で不機嫌そうな顔してるんですか、安室さん...。
「僕はちゃんと事前にヒロインさんにリクエストしてたからね」
「リクエスト...そんなシステムがあったんですか...」
「安室さんも素直に言えば良かったんじゃない?チョコが欲しいです...って。」
「くっ......僕に足りなかったのは、その素直さ..ってことですか...」
もう一つ差し出したら「安室の兄ちゃんが可哀想だから自分で食べるね」なんて言ってコナンくんはピックごと受け取った。対応が大人だなぁ。
チョコをパクリと食べて、項垂れてる安室さんをちらりと横目で見つつコナンくんは話を続ける。
「その素直さ...って、まだ今からでも遅くないんじゃない?」
「そ...れは、どういう事かな、コナンくん...」
「あれれ?安室さんなら気付いてると思ってたよ。...ヒロインさんのことだから、ポアロに来るなら持ってきてるんじゃない?」
さすが、コナンくん。
彼の言う通り、私のバッグにはもう一つチョコレートが入ってる。渡す相手は...言わずもがな。
「わざわざ遠回しに言う必要ないのにね、ヒロインさん?」
『ふふ、...さっきまでの安室さんとのやり取りも、コナンくんにはお見通しみたいだね』
「えっ?僕、子供だからわかんな~い!」
『か、かわっっ......!』
コナンくんのあざと可愛さに悶絶してたら、横からツンッと袖を引かれた。そちらに目を向けたら、
「あの、ヒロインさん、......僕も、チョコ...欲しいです...」
『んぐっ...』
こっちにもいた...!!あざと可愛さ爆発してる人...!
ちょっと恥ずかしそうに頬を染めてる安室さん可愛すぎか。ご馳走さまです。何なの、両サイド可愛いのパレードか。
『さ、最初から私は渡すつもりだったんですからね...!でも、安室さん...モテそうだから沢山貰うだろうな...って、もうチョコは食べ飽きてるかもしれないな~って思うと...なかなか渡せなくて...』
「...誰にも、貰ってないです」
『...へ?』
「ヒロインさん以外の人から、貰うつもりなかったので」
『...私がチョコ用意してないとは思わなかったんですか?』
「その時は一人淋しくチョコの無いバレンタインを過ごすだけですから」
そんな風に、儚くも切ない笑顔を見せられたら私の心臓はぎゅんぎゅんです。
いくらでも貢いであげたくなってしまうじゃないか。
あ、いや、チョコレートの話ですよ?
『......で、では、改めまして......こちら、ご用意させていただいたチョコボンボンでございます。ウイスキーを使用しておりますので、ご自宅に帰られてからお召し上がり下さいませ』
「こ、これはご丁寧に...、謹んで頂戴つかまつり候」
「ねぇ、二人とも...緊張し過ぎておかしなことになってるよ」
コナンくんに指摘されて、安室さんと顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
『ふっ、...ふふふ、確かに、...変だね』
「ハハッ、嬉しくて、つい...」
『つっ、つかまつりそうろう...ふっ、ふふっ、...現代でなかなか聞かないぃ......っ...』
あ、ダメ。ツボに入ってしまって腹筋がぷるぷるしてる。
「ヒロインさん、大丈夫?」
『コナンくん...っふ、ふふふ、...だいじょばない...』
「えいっ」
『ぴゃっ!ここここコナンくん???』
突如腕にピトッとくっついてきたコナンくん。
一瞬思考が停止した。ここが天国か。
「意識がそれたら元に戻るかなって」
『別の意味で大丈夫じゃなくなるよ、ときめきで尊死しちゃう』
「そんなんじゃ人は死なないから大丈夫」
『そこはクールなのね。好き。』
「僕も、ヒロインさんの事だーいすき!」
だーいすき...だーいすき...だーいすき...
頭の中でコナンくんのキュートボイスが響く。
脳内メモリに書き込んで永久保存しないと。
嗚呼、尊い。
口元がだらしなく緩みそうになるのを全力で阻止して微笑んだ。
「ねぇコナンくん、僕の味方じゃなかったんですか?僕も好きなんて言われたことないのに...」
「安室さんの味方?僕そんな事言った覚えないけどなぁ」
「さっき助けてくれましたよね」
「可哀想だからハンデをあげただけだよ」
「ハンデ、ね。ホワイトデーにはそんな事言ってられないくらいの差を見せつけてあげるよ」
「ふぅん」
あ、なんか二人とも澄ました顔でチクチクとやりあってる。ピリッとした空気を感じながら、冷めかけたミルクティーに口を付けた。
くるりとこちらを向いた安室さんと目が合う。
えっ、何なに?
「ヒロインさんっ!ホワイトデーは楽しみにしてて下さいね!300倍にしてお返ししますから!」
『さっ、......300...倍、...聞き間違いですかね。』
「300倍です!」
『財力で殴るのはやめてくださいね?怖いです』
「えー」
『えーじゃないです』
ポアロのアルバイトと私立探偵のお給料からどうやって捻出するの。怖いよ。安室さんの愛車もお高そうだし、どこかの御曹司なのかな。いや、聞くまい。
取り敢えず高価なお返しはお断りした。嫌なら渡したチョコ没収と言ったら渋々頷いてくれた。
「ヒロインさん、」
『んー?どうしたの、コナンくん』
「僕ね、ホワイトデーにお返ししたいんだけど...ヒロインさんの家で、一緒にお菓子作りして、それをプレゼントするのって...ダメかな」
『だっ、ダメなわけないよ!ウェルカム!最高に嬉しい...っ!』
「ふふ、じゃあ決まりだね」
約束ね、と小さな小指が差し出されて、迷わず自らの小指を絡めた。ありがとう。このまま浄化されてもいい。
「じゃあそろそろ、僕帰るね」
『うん、またね、コナンくん』
「またね、ヒロインさんっ!......あぁ、そうだ、」
丁寧に包み直したチョコの箱を大事そうに抱えた後、何かを思い出したようにトコトコとカウンターの側に近寄ったコナンくんは安室さんを見上げて言った。
「"差" 、つけられたらいいね...?」
「上等だ、...受けて立つよ」
一体何の勝負をしてるんだか。
でも、二人とも楽しそうだから、まぁいっか。
ーfinー
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