ねっちゅうしよう [黒羽快斗]
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ーねっちゅうしようー
「ねぇねぇ、ヒロインさんっ!」
『ん?どしたの、快斗くん…』
キッチンで料理をしていたら、パタパタとスリッパの音がして、後ろから伸びてきた腕が私の腰にギュッと巻き付いた。
まるで子犬みたいにじゃれついてくる快斗くんを見てると、何だか可愛くて自然と笑みが溢れた。
カチッと火を止めて振り返る。
見上げる程、身長差があるのに…大型犬じゃなくて子犬のイメージなのよね…。不思議。
「あのさ、"熱中症"って言葉を、ゆっくり言ってみてよ」
『うん?』
うちの年下彼氏くんは…また可愛い悪戯をしようとしてるのかな。
【熱中症】をゆっくり言うと、キスをねだるセリフになるのは割と有名な話。
『いいよ』
どんな反応してくれるのか気になった私は、快斗くんの耳元で囁くように、そのセリフを希望通りゆっくり言ってみた。
『ねっ、ちゅう…しよう…?』
「…っ!!」
快斗くんの肩がピクッと一緒揺れて、顔を覗き込んだら……頬が赤く染まっていた。
あ、耳も赤い。
『快斗くん、……?顔、赤いけど、どうしたの?』
「いやっ、そのっ………ちょっと、思ってたより、刺激が強かったっていうか…」
『ふぅん、………それで?』
「えっ?」
『してくれないの?…ちゅー』
悪戯のお返しに、耳朶にカプリと歯を立てて、そのままペロッと赤く染まったそれを舐めた。
「…っ?!ヒロインさんっ…?!」
バッと耳を隠すように手で覆って、へなへなとその場にしゃがみ込む姿を見ると、悪戯したくなる快斗くんの気持ちがよくわかる。
もっと、困らせたくなる。
『ふふ、…してくれないなら…私の方からしちゃうもんね』
そう言って、耳元でわざとリップ音を立てながらキスをして、耳朶、頬、鼻先へ…触れるだけのキスを降らせていく。
「ぅぁっ、…ヒロインさん、…ちょ、…」
そして次に口唇へと…移動しようとした時に、
『はい、ここから先は…お料理が終わった後ね』
そう言って指先でツンッと快斗くんの口唇に触れた。
そして、その触れた指を自分の口唇に移動させてちゅ、と音を鳴らす。
それを見た快斗くんの喉がゴクリ、と音を立てた。
「うぅ………ヒロインさんの、いじわる…」
『悪戯しようとした誰かさんがそれを言うの?』
「俺はそこまで刺激の強い悪戯はしてないし…」
『あら、それじゃあ……ここへのキスは…いらなかった?』
「それとこれとは別。ちゃんと貰うから」
いきなり、そんな顔するなんて、ずるい。
あんなに可愛い反応してたくせに…急に男の子の顔になるんだから。心臓に悪い。
ちょっとだけ、期待しちゃった事を隠すように私は告げる。
『じゃあ、……後で、ね』
キッチンに向き直り、料理を再開しても、胸の高鳴りは…強くなるばかりで、全然落ち着かなかった。
晩御飯の準備が終わって、エプロンを外す。
快斗くんのいるソファーへ向かったら、…どうやら座ったまま うたた寝しちゃってるみたい。
何だか…ホッとするような……少し残念なような…。
ブランケットを持ってきて、快斗くんにふわりとかけたその瞬間、手首を引かれてバランスを崩した私は、そのまま快斗くんの腕の中へ倒れ込む。
『わっ、』
快斗くんにかけようとしてたブランケットに、二人一緒に覆われてて、暗くて視界がハッキリしない。快斗くんの仕業であることは間違いなくて、…暗い中で密着してるこの状況にドキドキして落ち着かない。
「ヒロインさん、」
『んっ…』
耳元で囁くように呼ばれた名前に、ぴくん、と身体が震える。さっきとは立場が逆だ。
「さっきの続き、…してもいい?」
『さっきの、続き…』
「俺、ちゃんと貰う…って、言ったよね?」
さっき私がしたように、耳朶にカプリと歯を立てて、ちゅ、とリップ音を鳴らす。
『…ぁっ、』
「後で貰ってもいいって…そう言ったのはヒロインさんだもんね」
『う、…うん…っ…』
返事を言い終わる前に、口唇に、柔らかな感触。
ちゅ、ちゅ、と何度も触れては離れて、また触れる。
『んっ、…んんっ、』
「ヒロインさん、…かわいい」
『んっ、快斗…くん、…』
ギュッと抱き締められながら、可愛い、なんて言われて、またキスされて…
まだ触れるだけのキスしか、してないのに…こんなにドキドキしてる。もし、これ以上の大人のキス、…しちゃったら……どうなっちゃうの、かな。
思わず想像しちゃって、カッと顔が熱くなる。
「…あれ、ヒロインさん、…熱いけど、大丈夫?」
『大丈夫じゃ、…ないかも…』
「ぇえっ?!」
慌ててブランケットがバサリと音を立てながら飛んでいく。
「さ、酸欠かな?熱?と、取り敢えずお茶持ってくるからっっ!!!!」
大慌てで冷蔵庫に向かう快斗くんを見送りながら、少しだけホッとした。
大人のキスは、…もうちょっとだけ、お預け、だね。
(ヒロインさん、…ゆっくり飲んでね)
(ありがとう…、ねぇ、快斗くん)
(ん?)
(この続きは……また今度、ね)
ポッと頬を染める快斗くんを見て、やっぱり可愛い、そう思いながら…照れてる様子を堪能したのでした。
ーfinー
「ねぇねぇ、ヒロインさんっ!」
『ん?どしたの、快斗くん…』
キッチンで料理をしていたら、パタパタとスリッパの音がして、後ろから伸びてきた腕が私の腰にギュッと巻き付いた。
まるで子犬みたいにじゃれついてくる快斗くんを見てると、何だか可愛くて自然と笑みが溢れた。
カチッと火を止めて振り返る。
見上げる程、身長差があるのに…大型犬じゃなくて子犬のイメージなのよね…。不思議。
「あのさ、"熱中症"って言葉を、ゆっくり言ってみてよ」
『うん?』
うちの年下彼氏くんは…また可愛い悪戯をしようとしてるのかな。
【熱中症】をゆっくり言うと、キスをねだるセリフになるのは割と有名な話。
『いいよ』
どんな反応してくれるのか気になった私は、快斗くんの耳元で囁くように、そのセリフを希望通りゆっくり言ってみた。
『ねっ、ちゅう…しよう…?』
「…っ!!」
快斗くんの肩がピクッと一緒揺れて、顔を覗き込んだら……頬が赤く染まっていた。
あ、耳も赤い。
『快斗くん、……?顔、赤いけど、どうしたの?』
「いやっ、そのっ………ちょっと、思ってたより、刺激が強かったっていうか…」
『ふぅん、………それで?』
「えっ?」
『してくれないの?…ちゅー』
悪戯のお返しに、耳朶にカプリと歯を立てて、そのままペロッと赤く染まったそれを舐めた。
「…っ?!ヒロインさんっ…?!」
バッと耳を隠すように手で覆って、へなへなとその場にしゃがみ込む姿を見ると、悪戯したくなる快斗くんの気持ちがよくわかる。
もっと、困らせたくなる。
『ふふ、…してくれないなら…私の方からしちゃうもんね』
そう言って、耳元でわざとリップ音を立てながらキスをして、耳朶、頬、鼻先へ…触れるだけのキスを降らせていく。
「ぅぁっ、…ヒロインさん、…ちょ、…」
そして次に口唇へと…移動しようとした時に、
『はい、ここから先は…お料理が終わった後ね』
そう言って指先でツンッと快斗くんの口唇に触れた。
そして、その触れた指を自分の口唇に移動させてちゅ、と音を鳴らす。
それを見た快斗くんの喉がゴクリ、と音を立てた。
「うぅ………ヒロインさんの、いじわる…」
『悪戯しようとした誰かさんがそれを言うの?』
「俺はそこまで刺激の強い悪戯はしてないし…」
『あら、それじゃあ……ここへのキスは…いらなかった?』
「それとこれとは別。ちゃんと貰うから」
いきなり、そんな顔するなんて、ずるい。
あんなに可愛い反応してたくせに…急に男の子の顔になるんだから。心臓に悪い。
ちょっとだけ、期待しちゃった事を隠すように私は告げる。
『じゃあ、……後で、ね』
キッチンに向き直り、料理を再開しても、胸の高鳴りは…強くなるばかりで、全然落ち着かなかった。
晩御飯の準備が終わって、エプロンを外す。
快斗くんのいるソファーへ向かったら、…どうやら座ったまま うたた寝しちゃってるみたい。
何だか…ホッとするような……少し残念なような…。
ブランケットを持ってきて、快斗くんにふわりとかけたその瞬間、手首を引かれてバランスを崩した私は、そのまま快斗くんの腕の中へ倒れ込む。
『わっ、』
快斗くんにかけようとしてたブランケットに、二人一緒に覆われてて、暗くて視界がハッキリしない。快斗くんの仕業であることは間違いなくて、…暗い中で密着してるこの状況にドキドキして落ち着かない。
「ヒロインさん、」
『んっ…』
耳元で囁くように呼ばれた名前に、ぴくん、と身体が震える。さっきとは立場が逆だ。
「さっきの続き、…してもいい?」
『さっきの、続き…』
「俺、ちゃんと貰う…って、言ったよね?」
さっき私がしたように、耳朶にカプリと歯を立てて、ちゅ、とリップ音を鳴らす。
『…ぁっ、』
「後で貰ってもいいって…そう言ったのはヒロインさんだもんね」
『う、…うん…っ…』
返事を言い終わる前に、口唇に、柔らかな感触。
ちゅ、ちゅ、と何度も触れては離れて、また触れる。
『んっ、…んんっ、』
「ヒロインさん、…かわいい」
『んっ、快斗…くん、…』
ギュッと抱き締められながら、可愛い、なんて言われて、またキスされて…
まだ触れるだけのキスしか、してないのに…こんなにドキドキしてる。もし、これ以上の大人のキス、…しちゃったら……どうなっちゃうの、かな。
思わず想像しちゃって、カッと顔が熱くなる。
「…あれ、ヒロインさん、…熱いけど、大丈夫?」
『大丈夫じゃ、…ないかも…』
「ぇえっ?!」
慌ててブランケットがバサリと音を立てながら飛んでいく。
「さ、酸欠かな?熱?と、取り敢えずお茶持ってくるからっっ!!!!」
大慌てで冷蔵庫に向かう快斗くんを見送りながら、少しだけホッとした。
大人のキスは、…もうちょっとだけ、お預け、だね。
(ヒロインさん、…ゆっくり飲んでね)
(ありがとう…、ねぇ、快斗くん)
(ん?)
(この続きは……また今度、ね)
ポッと頬を染める快斗くんを見て、やっぱり可愛い、そう思いながら…照れてる様子を堪能したのでした。
ーfinー
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