きっとコイツは偽物DA!!!! [赤井秀一]
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ーきっとコイツは偽物DA!!!!ー
私の愛する秀一さんが、爆発に巻き込まれて亡くなったと聴いて、私は全く信じられなかった。
絶対絶対、生きてるって、信じてた。
何があっても、必ず私の元へ帰ってくるって、約束したから。
どんな姿だっていい。
例え幽霊になっちゃってても…。傍にいられるなら、どんな形だって、私は受け入れるよ。
ただ、現実が受け入れられていないだけだとしても。
ちゃんと、この目で確かめるまでは、絶対認めないから。
………なんて、言ってたけど。
チャイムが鳴って
家の玄関を開けたら彼がいた。
目の前にいる秀一さんは、本物なのだろうか?
本物…?それとも亡霊かなにか…?
爆発に巻き込まれた証拠のように、目の前にいる彼にも顔に火傷の跡がある。
でも、何だか違う。顔はよく知ってるそれなのに。
『しゅ…いち、さん…?え…?生きて、…え…?ゆう、れい…?ほんもの…??』
私のカラカラの喉から、掠れた声が出る。
何も答えてくれない彼は、私の事をじっと見つめるだけ。
『こ、声が…出せないの…?』
こくり、と頷く秀一さん
恐る恐る、彼の頬に手を当てたら、暖かい。
体温がちゃんとある。生きてる。
『ぅ、…うぅっ……しゅ、いち、さんっ…!!!!』
涙で視界がぼやける。ポロポロと涙が出て、止まらなくて、
でもそれを拭うこともせずに、私は秀一さんに抱き付いた。
………あれ?
いつもと、違う。
煙草の香りも、珈琲の香りもしない。自発的に禁煙なんてする人じゃないし、何なら医者に止められても吸いそうな彼から、…煙草の香りが一切しないのだ。
この人…秀一さん、じゃない…?
いや、まだ決めつけるには早いかな?
私は秀一さん(仮)に問い掛けた。
『お帰りなさい。……ただいまのキスは、して…くれないの…?』
躊躇うことなく、私の言う通りに口唇を重ねる秀一さん(仮)
『もっと』とねだって、舌で彼の口唇をなぞる。そのまま口内に侵入して歯列を舌でなぞった。
間違いない。別人。
口唇の感触も、歯並びも違う。
キスのクセも、全然違う。
お前、誰なんだよ。
…私の心の中で、ゴングが鳴った瞬間だった。
ただでは帰さない。ぬか喜びさせやがって。
心の中で暴言を吐きまくり、怒りの炎を燃やしながら、『さ、入って!さっき晩御飯作ったばかりだったから、まだ暖かいよ』と、部屋の中へと招いた。
『お風呂入る?』
その問いには秀一さん(仮)は首を横に振って断っていた。
そりゃそうだろうなぁ!特殊メイクかマスクが剥がれるもんなぁ!!!
なんて考えながらも笑顔を貫いた私偉い。
私は少し肝が据わってるくらいで、ただの一般人。
でも、たまたま事情をよく知ってるらしいメガネの坊やと何度か遭遇して、その時うっかり色々聴いてしまってて…
少しだけだけど、情報は持ってるのだ。
例えば、秀一さんが組織に潜入してたことがあるとか、変装の達人のお姉さんがいるとか、秀一さんとめちゃめちゃ仲が悪い……組織に潜入中のトリプルフェイスがいるとか、ね。
それに、事前にその坊やからは、秀一さんのことで探りを入れられる可能性があることも聴いてたし、そのトリプルフェイスの彼が色々と調べようとしてるのも、聴いていた。
だからきっと、この秀一さん(仮)の中身はその人なんじゃないかな…と私は考えてるんだけど、もしくは変装の達人のお姉さん…とか。多分前者だ。勘だけど。
『今日は中華にしてみたの。秀一さん、また食べたいって…言ってたから……。いなくなった日から、ずっと…中華ばっかり、作っちゃって…。もう帰って来ないって、聴いても……二人分、作っちゃってたんだよ…』
切なげに目を伏せる私。
んなわけあるかい!!とか自分でツッコミ入れながら、『準備してくるから、座って待っててね』と、キッチンへと向かった。
準備の終わった私は、テーブルの上に料理を並べた。
全て激辛にしてある。沢山唐辛子を追加しておいた。さぁ、食え。
『前に作った時は、辛さが足りないって言ってたから……前よりちょっと辛めに味付けしといたよ。さ、どうぞ!』
勿論自分用には辛さ控えめの料理を並べて、機嫌よくいただきますした。
おい、ちゃんと左手で食べるんだろうなぁぁ?
それくらい徹底するよなぁぁぁ??
…と、心の中で問い掛けてたんだけど、その秀一さん(仮)はちゃんと左手で器用に食べていた。
「…っ……」
『どうかな?まだ辛さ足りなかった?追加する?』
その問いには勢い良く首を横に振って断られた。チッ。
ちゃんと完食してくれたから、今日はこれくらいにしといてやろうと…帰してあげた。
家に泊めて朝ご飯で激辛再チャレンジさせようかな…なんて考えていたのは内緒だ。
そんなことがあってから、暫くたった後の
とある夜のこと…
夜中の2時くらいだろうか、喉が渇いてお茶を取りにキッチンへ向かったら…
人影が見えて、ビビった。
ホラーな展開かと思ったけど、この辺りは事件が日常茶飯事だから、強盗とかそっち系かもしれないと…余計に怖くなった。
「ヒロイン、」
『えっ…』
聞き覚えのある声
私の名前を呼んでる…
『秀一、さん…?』
今度こそ、本物……?
それとも、今度も変装した誰かが、今度は声真似までして私を探ろうとしてる…?
一歩進んだ彼が、月明かりに照らされると、
そこにいたのは…
『え、誰?』
見たことない人だった。
茶髪でメガネをかけていて…ハイネックの服を着てる。見た目は優しそうな青年。
知らない人。だけど、……何だか雰囲気は、よく知ってる人のそれで、
『秀一さん……なの?』
何故か、そう思った。
「あぁ、…来るのが遅くなって、すまない」
『もう…っ……遅いよ!』
勢い良く抱きついたら、ギュッと抱き締め返してくれた。微かにいつもの煙草と珈琲の香り。
いつものそれに安心して、涙が一粒ポロリと零れた。
『秀一さん…、お帰りなさい』
「あぁ、…ただいま」
秀一さんは私が何も言わなくても、ただいまのキス、してくれるんだから。
ちゅ、と重なった二つの口唇。
背伸びして、秀一さんの首の後ろに両腕を回した。
それを合図に、キスが深くなる。
『…っん、…ふ、ぁ……』
舌が絡み合って、上顎をなぞられて、息が上がっていく。たまに口唇を甘噛みされたりして、まるで食べられてるみたいなキスにくらくらする。
『秀一、さっ……んっ、…っ…ほんもの、だ…』
やっと、…本当に戻って来たんだと、改めて実感した。
『いつもと姿が違ってたから、また別人かと思ったよ。前回は顔だけ変装してたけど、今度は声だけ真似て来たのかなって』
「やはり、探りに来ていたか…』
『煙草の香りもしないし、キスもいつもと違うし、…取り敢えず腹立ったから激辛料理を振る舞ってあげてから帰したよ』
「…待て、君はまさか……彼ともキスで本人確認したのか?」
『え、うん。見た目秀一さんそっくりだったから、最初本人かと思ったんだけど……キスしたらすぐ別人だなって』
両肩をガシッと掴まれて、焦ったような様子の秀一さんに、一部始終を話したんだけど…
すごく心配された。
『だって……家を訪ねて来られたんだもん。…選択肢、少なかったし…』
もう逃げるか戦うか、その二択しかないでしょう。
私の力じゃ、逃げるなんて無理だろうし…
不自然じゃない方法…って考えたら、あれが最善だったのだ。
『あの変装してたのって、ポアロにいる店員さんだったんでしょ?…次会ったら、キス下手くそですねって言ってやろ』
「どうしてそう好戦的なんだ。…ヒロイン、彼にはあまり近付かないでくれ」
『……うん、…善処する』
「ヒロイン、」
『うぅ……私の大好きな秀一さんに変装して騙すなんて、…なんか許せなくて』
「…せめて、俺の見える範囲で、な」
『うん!任せて!』
後日、ポアロに寄った際、わざとじゃないけど…ピンヒールで力強く安室さんの足を踏みつけてしまったり、うっかり顎に頭突きしてしまったりしたけど、
決してわざとじゃないよ。たまたまだよ、たまたま。
(あっ!…ご、ごめんなさい!私ったら…)
(っ……いえ、大丈夫ですよ。気にしないで下さい)
安室透の災難は続く。
ーfinー
私の愛する秀一さんが、爆発に巻き込まれて亡くなったと聴いて、私は全く信じられなかった。
絶対絶対、生きてるって、信じてた。
何があっても、必ず私の元へ帰ってくるって、約束したから。
どんな姿だっていい。
例え幽霊になっちゃってても…。傍にいられるなら、どんな形だって、私は受け入れるよ。
ただ、現実が受け入れられていないだけだとしても。
ちゃんと、この目で確かめるまでは、絶対認めないから。
………なんて、言ってたけど。
チャイムが鳴って
家の玄関を開けたら彼がいた。
目の前にいる秀一さんは、本物なのだろうか?
本物…?それとも亡霊かなにか…?
爆発に巻き込まれた証拠のように、目の前にいる彼にも顔に火傷の跡がある。
でも、何だか違う。顔はよく知ってるそれなのに。
『しゅ…いち、さん…?え…?生きて、…え…?ゆう、れい…?ほんもの…??』
私のカラカラの喉から、掠れた声が出る。
何も答えてくれない彼は、私の事をじっと見つめるだけ。
『こ、声が…出せないの…?』
こくり、と頷く秀一さん
恐る恐る、彼の頬に手を当てたら、暖かい。
体温がちゃんとある。生きてる。
『ぅ、…うぅっ……しゅ、いち、さんっ…!!!!』
涙で視界がぼやける。ポロポロと涙が出て、止まらなくて、
でもそれを拭うこともせずに、私は秀一さんに抱き付いた。
………あれ?
いつもと、違う。
煙草の香りも、珈琲の香りもしない。自発的に禁煙なんてする人じゃないし、何なら医者に止められても吸いそうな彼から、…煙草の香りが一切しないのだ。
この人…秀一さん、じゃない…?
いや、まだ決めつけるには早いかな?
私は秀一さん(仮)に問い掛けた。
『お帰りなさい。……ただいまのキスは、して…くれないの…?』
躊躇うことなく、私の言う通りに口唇を重ねる秀一さん(仮)
『もっと』とねだって、舌で彼の口唇をなぞる。そのまま口内に侵入して歯列を舌でなぞった。
間違いない。別人。
口唇の感触も、歯並びも違う。
キスのクセも、全然違う。
お前、誰なんだよ。
…私の心の中で、ゴングが鳴った瞬間だった。
ただでは帰さない。ぬか喜びさせやがって。
心の中で暴言を吐きまくり、怒りの炎を燃やしながら、『さ、入って!さっき晩御飯作ったばかりだったから、まだ暖かいよ』と、部屋の中へと招いた。
『お風呂入る?』
その問いには秀一さん(仮)は首を横に振って断っていた。
そりゃそうだろうなぁ!特殊メイクかマスクが剥がれるもんなぁ!!!
なんて考えながらも笑顔を貫いた私偉い。
私は少し肝が据わってるくらいで、ただの一般人。
でも、たまたま事情をよく知ってるらしいメガネの坊やと何度か遭遇して、その時うっかり色々聴いてしまってて…
少しだけだけど、情報は持ってるのだ。
例えば、秀一さんが組織に潜入してたことがあるとか、変装の達人のお姉さんがいるとか、秀一さんとめちゃめちゃ仲が悪い……組織に潜入中のトリプルフェイスがいるとか、ね。
それに、事前にその坊やからは、秀一さんのことで探りを入れられる可能性があることも聴いてたし、そのトリプルフェイスの彼が色々と調べようとしてるのも、聴いていた。
だからきっと、この秀一さん(仮)の中身はその人なんじゃないかな…と私は考えてるんだけど、もしくは変装の達人のお姉さん…とか。多分前者だ。勘だけど。
『今日は中華にしてみたの。秀一さん、また食べたいって…言ってたから……。いなくなった日から、ずっと…中華ばっかり、作っちゃって…。もう帰って来ないって、聴いても……二人分、作っちゃってたんだよ…』
切なげに目を伏せる私。
んなわけあるかい!!とか自分でツッコミ入れながら、『準備してくるから、座って待っててね』と、キッチンへと向かった。
準備の終わった私は、テーブルの上に料理を並べた。
全て激辛にしてある。沢山唐辛子を追加しておいた。さぁ、食え。
『前に作った時は、辛さが足りないって言ってたから……前よりちょっと辛めに味付けしといたよ。さ、どうぞ!』
勿論自分用には辛さ控えめの料理を並べて、機嫌よくいただきますした。
おい、ちゃんと左手で食べるんだろうなぁぁ?
それくらい徹底するよなぁぁぁ??
…と、心の中で問い掛けてたんだけど、その秀一さん(仮)はちゃんと左手で器用に食べていた。
「…っ……」
『どうかな?まだ辛さ足りなかった?追加する?』
その問いには勢い良く首を横に振って断られた。チッ。
ちゃんと完食してくれたから、今日はこれくらいにしといてやろうと…帰してあげた。
家に泊めて朝ご飯で激辛再チャレンジさせようかな…なんて考えていたのは内緒だ。
そんなことがあってから、暫くたった後の
とある夜のこと…
夜中の2時くらいだろうか、喉が渇いてお茶を取りにキッチンへ向かったら…
人影が見えて、ビビった。
ホラーな展開かと思ったけど、この辺りは事件が日常茶飯事だから、強盗とかそっち系かもしれないと…余計に怖くなった。
「ヒロイン、」
『えっ…』
聞き覚えのある声
私の名前を呼んでる…
『秀一、さん…?』
今度こそ、本物……?
それとも、今度も変装した誰かが、今度は声真似までして私を探ろうとしてる…?
一歩進んだ彼が、月明かりに照らされると、
そこにいたのは…
『え、誰?』
見たことない人だった。
茶髪でメガネをかけていて…ハイネックの服を着てる。見た目は優しそうな青年。
知らない人。だけど、……何だか雰囲気は、よく知ってる人のそれで、
『秀一さん……なの?』
何故か、そう思った。
「あぁ、…来るのが遅くなって、すまない」
『もう…っ……遅いよ!』
勢い良く抱きついたら、ギュッと抱き締め返してくれた。微かにいつもの煙草と珈琲の香り。
いつものそれに安心して、涙が一粒ポロリと零れた。
『秀一さん…、お帰りなさい』
「あぁ、…ただいま」
秀一さんは私が何も言わなくても、ただいまのキス、してくれるんだから。
ちゅ、と重なった二つの口唇。
背伸びして、秀一さんの首の後ろに両腕を回した。
それを合図に、キスが深くなる。
『…っん、…ふ、ぁ……』
舌が絡み合って、上顎をなぞられて、息が上がっていく。たまに口唇を甘噛みされたりして、まるで食べられてるみたいなキスにくらくらする。
『秀一、さっ……んっ、…っ…ほんもの、だ…』
やっと、…本当に戻って来たんだと、改めて実感した。
『いつもと姿が違ってたから、また別人かと思ったよ。前回は顔だけ変装してたけど、今度は声だけ真似て来たのかなって』
「やはり、探りに来ていたか…』
『煙草の香りもしないし、キスもいつもと違うし、…取り敢えず腹立ったから激辛料理を振る舞ってあげてから帰したよ』
「…待て、君はまさか……彼ともキスで本人確認したのか?」
『え、うん。見た目秀一さんそっくりだったから、最初本人かと思ったんだけど……キスしたらすぐ別人だなって』
両肩をガシッと掴まれて、焦ったような様子の秀一さんに、一部始終を話したんだけど…
すごく心配された。
『だって……家を訪ねて来られたんだもん。…選択肢、少なかったし…』
もう逃げるか戦うか、その二択しかないでしょう。
私の力じゃ、逃げるなんて無理だろうし…
不自然じゃない方法…って考えたら、あれが最善だったのだ。
『あの変装してたのって、ポアロにいる店員さんだったんでしょ?…次会ったら、キス下手くそですねって言ってやろ』
「どうしてそう好戦的なんだ。…ヒロイン、彼にはあまり近付かないでくれ」
『……うん、…善処する』
「ヒロイン、」
『うぅ……私の大好きな秀一さんに変装して騙すなんて、…なんか許せなくて』
「…せめて、俺の見える範囲で、な」
『うん!任せて!』
後日、ポアロに寄った際、わざとじゃないけど…ピンヒールで力強く安室さんの足を踏みつけてしまったり、うっかり顎に頭突きしてしまったりしたけど、
決してわざとじゃないよ。たまたまだよ、たまたま。
(あっ!…ご、ごめんなさい!私ったら…)
(っ……いえ、大丈夫ですよ。気にしないで下さい)
安室透の災難は続く。
ーfinー
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