はじまり
Me
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「ねぇ、お姉ちゃん!この花の名前なんていうの?」
「それはね、_______っていう花だよ」
「へぇ!きれいだね!この花摘んでもいい?」
「ダメダメ!花の命は短いの。せめて咲ける間だけでも綺麗に咲かしてあげなくちゃ。見るだけならタダだからね、そうしてあげて」
「はーい...」
「さっすが我が妹!えらいよ」
そう言って私の頭を優しく撫でたお姉ちゃん。
私の大切な、大切な、最後の家族だった。
全てを失ってしまった私はもう、
_____どう生きればいいのだろう。
…ピピピッ…
「朝…」
枕元に置いてある携帯から朝を告げるアラーム音が鳴り響き、私はゆっくり瞼を浮上させる。
小鳥の囀りと共に窓から差し込む光は眩しくて、爽やかで清々しいものを予感させるが、それとは裏腹に私の喉から漏れた声は重々しいものだった。
施設に来てから、ほぼ毎日同じ夢を見る。________姉の夢を。
姉がかけてくれた言葉、見せてくれた笑顔、与えてくれた愛情…何もかも全てが昨日のことのように鮮明に、脳内が作り上げた映像の中で延々とループしている。
その度、私は救われて、虚しくなって…複雑な心境に襲われて、気持ちいい朝なんて迎えられない。
会えるわけない。それなのに、来るはずない助けを私はずっと期待している。
私をここから連れ出して、救ってくれることを。
自分の居場所を、愛し愛され頼りあえるそんな存在を________私は姉が死んでからずっと、求め続けているのだ。
…でもそんな日は、ここにいる限りやっては来ないことを私は知っている。
「朝ご飯、作らなきゃ…」
私はまだぼんやりと回っていない頭でそんなことを考えて、ゆっくりと上体を起こした。
「それはね、_______っていう花だよ」
「へぇ!きれいだね!この花摘んでもいい?」
「ダメダメ!花の命は短いの。せめて咲ける間だけでも綺麗に咲かしてあげなくちゃ。見るだけならタダだからね、そうしてあげて」
「はーい...」
「さっすが我が妹!えらいよ」
そう言って私の頭を優しく撫でたお姉ちゃん。
私の大切な、大切な、最後の家族だった。
全てを失ってしまった私はもう、
_____どう生きればいいのだろう。
…ピピピッ…
「朝…」
枕元に置いてある携帯から朝を告げるアラーム音が鳴り響き、私はゆっくり瞼を浮上させる。
小鳥の囀りと共に窓から差し込む光は眩しくて、爽やかで清々しいものを予感させるが、それとは裏腹に私の喉から漏れた声は重々しいものだった。
施設に来てから、ほぼ毎日同じ夢を見る。________姉の夢を。
姉がかけてくれた言葉、見せてくれた笑顔、与えてくれた愛情…何もかも全てが昨日のことのように鮮明に、脳内が作り上げた映像の中で延々とループしている。
その度、私は救われて、虚しくなって…複雑な心境に襲われて、気持ちいい朝なんて迎えられない。
会えるわけない。それなのに、来るはずない助けを私はずっと期待している。
私をここから連れ出して、救ってくれることを。
自分の居場所を、愛し愛され頼りあえるそんな存在を________私は姉が死んでからずっと、求め続けているのだ。
…でもそんな日は、ここにいる限りやっては来ないことを私は知っている。
「朝ご飯、作らなきゃ…」
私はまだぼんやりと回っていない頭でそんなことを考えて、ゆっくりと上体を起こした。
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