壊してくれるなら、優しくして
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今日は四月らしい天気だった。
最近はらしくない暑さが続いていたからどこか新鮮な気分になる。
帝国学園でのサッカ一練習を終え、シャワーを浴びてから部屋のソファに腰掛ける。
モニターにはまた、今日の練習の一部始終が映されている。
前線の連携が、まだ甘い。
どうするべきか。
じっくりと映像を見ていたところに、静かなノックの音が響いた。
「なまえ?」
「はい。すこし、お時間いただけます?」
扉が開くと、そこに立っていたのは、まだ緊張気味ではあるが、昨日よりも表情が柔らかくなったなまえだった。
「何か用か?」
「はい…あ、いえ、用というほどではありませんの。ただ…」
一拍置いて、なまえは言った。
「少しだけ、話がしたくなって。…有人さんと」
「…わかった。入れ」
対面のソファに腰を下ろし、なまえは両手を膝に乗せて座る。
「サッカーの映像?」
「今日の練習内容だ。修正点を探している」
「…サッカーって、実はちゃんと見たことがなくて。でも、昨日からずっと気になっていました」
なまえが流れている練習風景に目を向ける。
「有人さんが本気で取り組んでいらっしゃるものを、知っておきたいと思って」
驚いた。
彼女は習い事のピアノ以外、興味が無いのだと思っていた。
「……知りたいのか」
「ええ、聞かせてください」
目を嬉しそうに細めて、頬の横で手を重ねる。
モニターの映像を止め、タブレットで別の画面を出す。
それは、帝国学園の試合のダイジェストだった。
「これは公式戦の映像だ。チーム全体の動きがよく分かる」
説明を始めると、なまえはじっと聞き入った。
時折首をかしげたり、質問を挟んだり、控えめではあるが真剣なまなざしで話を追っていた。
「このタイミングで、前に出るのですか?味方との連携が、すごく大事なのね…」
「そうだ。状況を読む力と判断の速さも、同じくらい重要だ」
「有人さんって、すごいですね。それに優しいし…私、こんなふうに人とたくさん話すの、初めてです」
そう言いながら、ふとなまえが笑った。
その笑顔は、昨日までとはまるで違っていた。 張りついたようなものではない。
目元がふわりとほころび、唇の端が自然に上がった、人間らしい笑み。
それに、一瞬だけ言葉を失った。
「笑えるんだな、お前」
なまえはきょとんとした顔をする。
「なにか、変でした?」
「いや、意外だっただけだ。そういう顔ができるんだなと思ってな」
なまえは少しだけ視線を伏せて、しかしすぐにまた顔を上げた。
「楽しいんです。有人さんと話すの。こうして、 知らないことを教えていただけるのって嬉しいのね」
そうして表情を緩ませた。
それには、どこか惹かれるものがあった。
「不思議な奴だな、お前は」
「初めて言われましたわ」
先程とは違い、目を見開きこちらを見ていた。
最近はらしくない暑さが続いていたからどこか新鮮な気分になる。
帝国学園でのサッカ一練習を終え、シャワーを浴びてから部屋のソファに腰掛ける。
モニターにはまた、今日の練習の一部始終が映されている。
前線の連携が、まだ甘い。
どうするべきか。
じっくりと映像を見ていたところに、静かなノックの音が響いた。
「なまえ?」
「はい。すこし、お時間いただけます?」
扉が開くと、そこに立っていたのは、まだ緊張気味ではあるが、昨日よりも表情が柔らかくなったなまえだった。
「何か用か?」
「はい…あ、いえ、用というほどではありませんの。ただ…」
一拍置いて、なまえは言った。
「少しだけ、話がしたくなって。…有人さんと」
「…わかった。入れ」
対面のソファに腰を下ろし、なまえは両手を膝に乗せて座る。
「サッカーの映像?」
「今日の練習内容だ。修正点を探している」
「…サッカーって、実はちゃんと見たことがなくて。でも、昨日からずっと気になっていました」
なまえが流れている練習風景に目を向ける。
「有人さんが本気で取り組んでいらっしゃるものを、知っておきたいと思って」
驚いた。
彼女は習い事のピアノ以外、興味が無いのだと思っていた。
「……知りたいのか」
「ええ、聞かせてください」
目を嬉しそうに細めて、頬の横で手を重ねる。
モニターの映像を止め、タブレットで別の画面を出す。
それは、帝国学園の試合のダイジェストだった。
「これは公式戦の映像だ。チーム全体の動きがよく分かる」
説明を始めると、なまえはじっと聞き入った。
時折首をかしげたり、質問を挟んだり、控えめではあるが真剣なまなざしで話を追っていた。
「このタイミングで、前に出るのですか?味方との連携が、すごく大事なのね…」
「そうだ。状況を読む力と判断の速さも、同じくらい重要だ」
「有人さんって、すごいですね。それに優しいし…私、こんなふうに人とたくさん話すの、初めてです」
そう言いながら、ふとなまえが笑った。
その笑顔は、昨日までとはまるで違っていた。 張りついたようなものではない。
目元がふわりとほころび、唇の端が自然に上がった、人間らしい笑み。
それに、一瞬だけ言葉を失った。
「笑えるんだな、お前」
なまえはきょとんとした顔をする。
「なにか、変でした?」
「いや、意外だっただけだ。そういう顔ができるんだなと思ってな」
なまえは少しだけ視線を伏せて、しかしすぐにまた顔を上げた。
「楽しいんです。有人さんと話すの。こうして、 知らないことを教えていただけるのって嬉しいのね」
そうして表情を緩ませた。
それには、どこか惹かれるものがあった。
「不思議な奴だな、お前は」
「初めて言われましたわ」
先程とは違い、目を見開きこちらを見ていた。