壊してくれるなら、優しくして
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…また、今日も来てしまった。
ピアノの練習は無かったけれど、なんだか、今更見に行きたいというのも気が引けて…
前みたいに校舎の影から見つめる。
この前の練習で何となく人は覚えたつもり。
オレンジのバンダナを付けているのがGKの円堂さん。
白い髪がFWの豪炎寺さん。
「よし、もう一度だ!」
円堂さんが声を張り上げる。
「鬼道、豪炎寺、頼むぜ!」
「いくぞ!」
有人さんの掛け声を合図にボールが放たれる。
中に舞ったボール。
三人の視線が、完全に重なった。
「イナズマ!!」
「ブレイクッ!!」
大きな音を立てて勢いよくボールが蹴りあげられる。
そのままボールは鋭く唸りを上げて、ゴールネットを揺らした。
練習グラウンドが静寂に包まれたあと、円堂さんがガッツボーズを見せる。
「よっしゃあああああ!!!!!!」
「やったな円堂…!」
三人が笑顔を交わすその光景を、見て、そっと胸を撫で下ろす。
「よかった……!」
彼の役に立てた…それが何よりも嬉しかった。
ーー
【鬼道有人】
「よし!今日は終わりにしよう!」
円堂の声が響くと、選手たちは一斉に水筒に手を伸ばし、木陰へと散っていった。
グラウンドには安堵と疲労が混じった空気が流れる。
イナズマブレイクがようやく形になったその瞬間、何かが噛み合った、という確かな実感があった。
部員がフィールドから掃ける中、ひとり立ったまま校舎を眺めていた。
その影に立つ、少女の姿。
やはり、見に来ていたのか。
この辺りではそうそう見ることの無い春百合女子の制服が大いに際立っていた。
俺はそちらへ静かに歩み寄る。
彼女は俺が近づくのを感じたようで、スカートを翻しその場を離れようとした。
「待て、なまえ」
そう、ハッキリと言うとなまえの足が止まる。
こちらを向いた彼女は気まずそうに目を泳がせていた。
どう説明しようか考えているようで、胸元に落ちている綺麗な髪を指で弄んでいる。
「お前のおかげだって言いたいのに、逃げようとするな」
「え…っ!?」
「昨日渡されたノートを二人に見せたんだ」
「まってください…!私の書いたものだっていつからっ」
「字で最初から分かった」
「あ、あ…」
なまえは口元を手で抑えて、顔を赤くした。
俺はそんな彼女の頭を撫でる。
「ありがとう、助かった」
「……有人さんっ」
俺の名前を呼びながら、胸の中に飛び込んでくる。
すこし驚いたが、引き剥がそうとは当然思わなかった。
代わりにそっと指先でなまえの髪を解いた。
「…驚いたな、そんなに嬉しかったか」
「嬉しいに、決まってますわ…!」
なまえはそのまま、胸元に顔をうずめるようにして言う。
「私、あまり有人さんの役に立ててないって思っていたから…」
「なまえは十分、俺の役に立っている」
「うふふっ…!」
気づけば夕陽の伸ばした影が、お互いの足元を包みこんでいく。
「日が暮れる前に帰ろう」
「ええ…!」
ピアノの練習は無かったけれど、なんだか、今更見に行きたいというのも気が引けて…
前みたいに校舎の影から見つめる。
この前の練習で何となく人は覚えたつもり。
オレンジのバンダナを付けているのがGKの円堂さん。
白い髪がFWの豪炎寺さん。
「よし、もう一度だ!」
円堂さんが声を張り上げる。
「鬼道、豪炎寺、頼むぜ!」
「いくぞ!」
有人さんの掛け声を合図にボールが放たれる。
中に舞ったボール。
三人の視線が、完全に重なった。
「イナズマ!!」
「ブレイクッ!!」
大きな音を立てて勢いよくボールが蹴りあげられる。
そのままボールは鋭く唸りを上げて、ゴールネットを揺らした。
練習グラウンドが静寂に包まれたあと、円堂さんがガッツボーズを見せる。
「よっしゃあああああ!!!!!!」
「やったな円堂…!」
三人が笑顔を交わすその光景を、見て、そっと胸を撫で下ろす。
「よかった……!」
彼の役に立てた…それが何よりも嬉しかった。
ーー
【鬼道有人】
「よし!今日は終わりにしよう!」
円堂の声が響くと、選手たちは一斉に水筒に手を伸ばし、木陰へと散っていった。
グラウンドには安堵と疲労が混じった空気が流れる。
イナズマブレイクがようやく形になったその瞬間、何かが噛み合った、という確かな実感があった。
部員がフィールドから掃ける中、ひとり立ったまま校舎を眺めていた。
その影に立つ、少女の姿。
やはり、見に来ていたのか。
この辺りではそうそう見ることの無い春百合女子の制服が大いに際立っていた。
俺はそちらへ静かに歩み寄る。
彼女は俺が近づくのを感じたようで、スカートを翻しその場を離れようとした。
「待て、なまえ」
そう、ハッキリと言うとなまえの足が止まる。
こちらを向いた彼女は気まずそうに目を泳がせていた。
どう説明しようか考えているようで、胸元に落ちている綺麗な髪を指で弄んでいる。
「お前のおかげだって言いたいのに、逃げようとするな」
「え…っ!?」
「昨日渡されたノートを二人に見せたんだ」
「まってください…!私の書いたものだっていつからっ」
「字で最初から分かった」
「あ、あ…」
なまえは口元を手で抑えて、顔を赤くした。
俺はそんな彼女の頭を撫でる。
「ありがとう、助かった」
「……有人さんっ」
俺の名前を呼びながら、胸の中に飛び込んでくる。
すこし驚いたが、引き剥がそうとは当然思わなかった。
代わりにそっと指先でなまえの髪を解いた。
「…驚いたな、そんなに嬉しかったか」
「嬉しいに、決まってますわ…!」
なまえはそのまま、胸元に顔をうずめるようにして言う。
「私、あまり有人さんの役に立ててないって思っていたから…」
「なまえは十分、俺の役に立っている」
「うふふっ…!」
気づけば夕陽の伸ばした影が、お互いの足元を包みこんでいく。
「日が暮れる前に帰ろう」
「ええ…!」