壊してくれるなら、優しくして
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有人さんが雷門に転校して1週間。
雷門の学ラン姿も様になってきている。
この間、いつもみたいに夜、お話をしていた時、部員からあまりよく思われていないと打ち明けられた。
私は、雷門中がどういう雰囲気かもわからなくて、アドバイスすら出来なかった。
彼はそんなことで折れる性格ではないけれど…
少し気になって、今日はピアノの練習を休んで雷門中へ来てしまっていた。
じりじりと照りつける陽射しの中。
グラウンドでは、全国大会に向けた練習が行われていた。
今日は有人さんに何も言っていないから、こっそり校舎の影から眺める。
「円堂!豪炎寺!もう一度だ!」
有人さんが大きく声を張り上げる。
「こい!鬼道!!」
有人さんのから放たれたボールは、勢いよく空に向かう。
その一瞬を逃さず、円堂、豪炎寺と呼ばれた二人が走り出して…
「イナズマッ!!」
三人の声が重なりかけた、瞬間だった。
「うお!?!?」
「っく!!」
ボールを蹴る前に宙で二人が衝突してしまう。
「あっ…!」
私も少し身を乗り出して小さく声を上げてしまう。
「ッチ…」
「わりぃ、豪炎寺、俺のタイミングがズレたんだ」
そう、言って申し訳なさそうに頭をかいている。
「いや、俺の指示が曖昧だった」
有人さんは額の汗を拭いながら冷静にそう言うが、どこか焦っているようだった。
私は急いで今見た光景を、忘れないようにと、カバンから適当に出してきたノートに書き留める。
ボールの軌道。足の角度。三人の視線のタイミング。
彼らの動きを自分なりに、必死に目で追った。
気づけば日が落ちてきていて、だんだんと人が少なくなってきた。
サッカー部もそろそろ終わりにしよう、という空気になっていて、私も我に帰る。
少しだけのつもりが、いつの間にか彼らの動きに見入っていた。
有人さんにバレてはいけない、と足早に帰路に着いた。
ーー
【鬼道有人】
雷門中に転校して、サッカー部に入ってから、ひとつ悩みができた。
俺のことを、あまりメンバーはよく思っていないらしい。
それもそうだ。
今まで帝国がやって来たことは、理解しがたいことばかり。
なまえにも相談したが、雷門のことを知らない彼女は困った顔で見つめてくるばかりだった。
サッカーは全員が同じ気持ちにならないと、どこかで歯車が狂って上手くいかない。
俺が本気なことを示すためにも、全国大会で勝つためにも、イナズマブレイクを成功させる他なかった。
今日も練習を終えて帰宅し、夕食を終えるといつものように彼女が部屋に来る。
「練習お疲れ様です、有人さん」
「ああ…」
なまえはサッカー本を読み込む俺の横に座った。
そして、少し、緊張した素振りを見せてから俺の名前を呼んだ。
「あの、!私の学校に雷門中のファンの子がいて…これを、渡して欲しいと…」
差し出されたピンク色のノート。
不思議に思いながらもなまえから受け取って中を開く。
そこには細かく記された、三人の動きのズレや、タイミング、視線のズレ……
どれも、素人とは思えないほどの観察眼だった。
この字、どこかで…
「今日の練習見てたみたいで…!」
「そうか……」
静かにそのページを読み込み、無言のままめくる手を止めない。
「あ、っ!見当違いなら見なかったことにして欲しいとも……」
「……いや、助かった」
「え…」
「ここに書いてある通り、GPである円堂と、FWの豪炎寺、そしてMFである俺ではそれぞれタイミングが全く違う。お互いそれに気づけていなかった」
なまえは、目を丸くしたあと、ふっと優しく笑った。
「そうなんですね」
「明日、二人に相談しよう」
「ええ…!それがいいと思いますわ」
雷門の学ラン姿も様になってきている。
この間、いつもみたいに夜、お話をしていた時、部員からあまりよく思われていないと打ち明けられた。
私は、雷門中がどういう雰囲気かもわからなくて、アドバイスすら出来なかった。
彼はそんなことで折れる性格ではないけれど…
少し気になって、今日はピアノの練習を休んで雷門中へ来てしまっていた。
じりじりと照りつける陽射しの中。
グラウンドでは、全国大会に向けた練習が行われていた。
今日は有人さんに何も言っていないから、こっそり校舎の影から眺める。
「円堂!豪炎寺!もう一度だ!」
有人さんが大きく声を張り上げる。
「こい!鬼道!!」
有人さんのから放たれたボールは、勢いよく空に向かう。
その一瞬を逃さず、円堂、豪炎寺と呼ばれた二人が走り出して…
「イナズマッ!!」
三人の声が重なりかけた、瞬間だった。
「うお!?!?」
「っく!!」
ボールを蹴る前に宙で二人が衝突してしまう。
「あっ…!」
私も少し身を乗り出して小さく声を上げてしまう。
「ッチ…」
「わりぃ、豪炎寺、俺のタイミングがズレたんだ」
そう、言って申し訳なさそうに頭をかいている。
「いや、俺の指示が曖昧だった」
有人さんは額の汗を拭いながら冷静にそう言うが、どこか焦っているようだった。
私は急いで今見た光景を、忘れないようにと、カバンから適当に出してきたノートに書き留める。
ボールの軌道。足の角度。三人の視線のタイミング。
彼らの動きを自分なりに、必死に目で追った。
気づけば日が落ちてきていて、だんだんと人が少なくなってきた。
サッカー部もそろそろ終わりにしよう、という空気になっていて、私も我に帰る。
少しだけのつもりが、いつの間にか彼らの動きに見入っていた。
有人さんにバレてはいけない、と足早に帰路に着いた。
ーー
【鬼道有人】
雷門中に転校して、サッカー部に入ってから、ひとつ悩みができた。
俺のことを、あまりメンバーはよく思っていないらしい。
それもそうだ。
今まで帝国がやって来たことは、理解しがたいことばかり。
なまえにも相談したが、雷門のことを知らない彼女は困った顔で見つめてくるばかりだった。
サッカーは全員が同じ気持ちにならないと、どこかで歯車が狂って上手くいかない。
俺が本気なことを示すためにも、全国大会で勝つためにも、イナズマブレイクを成功させる他なかった。
今日も練習を終えて帰宅し、夕食を終えるといつものように彼女が部屋に来る。
「練習お疲れ様です、有人さん」
「ああ…」
なまえはサッカー本を読み込む俺の横に座った。
そして、少し、緊張した素振りを見せてから俺の名前を呼んだ。
「あの、!私の学校に雷門中のファンの子がいて…これを、渡して欲しいと…」
差し出されたピンク色のノート。
不思議に思いながらもなまえから受け取って中を開く。
そこには細かく記された、三人の動きのズレや、タイミング、視線のズレ……
どれも、素人とは思えないほどの観察眼だった。
この字、どこかで…
「今日の練習見てたみたいで…!」
「そうか……」
静かにそのページを読み込み、無言のままめくる手を止めない。
「あ、っ!見当違いなら見なかったことにして欲しいとも……」
「……いや、助かった」
「え…」
「ここに書いてある通り、GPである円堂と、FWの豪炎寺、そしてMFである俺ではそれぞれタイミングが全く違う。お互いそれに気づけていなかった」
なまえは、目を丸くしたあと、ふっと優しく笑った。
「そうなんですね」
「明日、二人に相談しよう」
「ええ…!それがいいと思いますわ」