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行き摩りの男と寝る。
…ということがまさか自分の身に起こるなんて思っていなかった。けれど、見知らぬ天井を見て思ったのは、やってしまったな。という至極冷静な感情で。
「起きた?」
まだ靄のかかったような頭に、柔らかい声が響く。声のする方に目をやると、上は何も纏わず、緩いスウェットを履いた男の人が私にミネラルウォーターを差し出す。拓司、と名乗っていた、ような気がする。
「あ、…はい」
ほんのりと体に残る怠さが昨晩を物語る。彼が背を向けている間に枕元のゴミ箱をそっと覗き込むと、情事の名残がひとつ、ふたつ。
「俺のこと、覚えてる?」
整頓されたキッチンから、柔らかい微笑みと共に彼は私に声をかけられる。
「拓司、さん」
「大正解、青ちゃん。」
目を細めて柔らかく笑う彼は、コーヒーを一口。
「名前は覚えてるのね、じゃ、昨日の夜は?」
「夜、は」
確か、友人に誘われて、なにかのパーティーに行って、そこで彼と出会って、それから。
断片的な記憶を辿る。彼の荒い息遣い、熱い掌、ほんのすこし苦いキス。
「…あんまり覚えてなさそうだね。」
残念そうな、けれど楽しそうな表情で、彼はこちらにゆっくりと歩いてきた。
「思い出す?それとも、」
ゆっくりと私に覆いかぶさる拓司さん。
「…もう一回?」
答える前に重ねられた唇からは、コーヒーの柔らかい苦さが伝わる。
そして頬、首筋、そしてもっと下へ、ゆっくりと身体を這う舌に小さく体が跳ねる。快楽を逃がそうと目を背けた先では、節くれ立つ男の手が私の手を握っていて。
ゆるゆると絡みつく蛇のように指を絡められて、私は小さく息を吐いた。
「思い出させて、ください」
逃げきれない快楽に身を任せるように、ゆっくりと目を閉じた。
# Dal Segno
(今日限りの快楽、それとも、今日からの快楽?)
…ということがまさか自分の身に起こるなんて思っていなかった。けれど、見知らぬ天井を見て思ったのは、やってしまったな。という至極冷静な感情で。
「起きた?」
まだ靄のかかったような頭に、柔らかい声が響く。声のする方に目をやると、上は何も纏わず、緩いスウェットを履いた男の人が私にミネラルウォーターを差し出す。拓司、と名乗っていた、ような気がする。
「あ、…はい」
ほんのりと体に残る怠さが昨晩を物語る。彼が背を向けている間に枕元のゴミ箱をそっと覗き込むと、情事の名残がひとつ、ふたつ。
「俺のこと、覚えてる?」
整頓されたキッチンから、柔らかい微笑みと共に彼は私に声をかけられる。
「拓司、さん」
「大正解、青ちゃん。」
目を細めて柔らかく笑う彼は、コーヒーを一口。
「名前は覚えてるのね、じゃ、昨日の夜は?」
「夜、は」
確か、友人に誘われて、なにかのパーティーに行って、そこで彼と出会って、それから。
断片的な記憶を辿る。彼の荒い息遣い、熱い掌、ほんのすこし苦いキス。
「…あんまり覚えてなさそうだね。」
残念そうな、けれど楽しそうな表情で、彼はこちらにゆっくりと歩いてきた。
「思い出す?それとも、」
ゆっくりと私に覆いかぶさる拓司さん。
「…もう一回?」
答える前に重ねられた唇からは、コーヒーの柔らかい苦さが伝わる。
そして頬、首筋、そしてもっと下へ、ゆっくりと身体を這う舌に小さく体が跳ねる。快楽を逃がそうと目を背けた先では、節くれ立つ男の手が私の手を握っていて。
ゆるゆると絡みつく蛇のように指を絡められて、私は小さく息を吐いた。
「思い出させて、ください」
逃げきれない快楽に身を任せるように、ゆっくりと目を閉じた。
# Dal Segno
(今日限りの快楽、それとも、今日からの快楽?)