≪3d・N≫慣れとは怖いものである。
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「ねぇヌナ」
「今カルボナーラ作ってるから無理」
興奮が隠し切れない声で呼ばれたから一瞬目を向けた。でも顔は真顔。
あのしれっとした顔でえろいことばっか考えてるからね、このキツネゲーマーは。
この前、ソファーを背凭れに座ってワイドショーを見てた時。
ソファーに座ったウォヌが私に覆い被さるみたいに、後ろから急に胸をわし掴みしてきた。
「二の腕の柔らかさと胸の柔らかさって同じらしいよ」
そして無駄に良い声でそう囁いてきた。いや言葉と行動逆だから。
しかもしばらくの間「あー柔らかい。ヌナ最高」「手にギリギリ収まらない絶妙な大きさ」
とか言いながら揉んできた。ほんと私が彼女でよかったな。
しかも極めつけには「やばい元気になってきた」の一言。
さわやかに言い放ったのに何故か無性に腹が立って、少し前かがみになってウォヌの鳩尾に一発決めた。
ソファーに寝転がって蹲ってたのが視界の端に見えた。自業自得だよばーか。
今更胸を揉まれたぐらいじゃ驚きも何もないけど、今は夏真っ盛りってことを考えて欲しい。暑苦しいから。
みたいなことが日常だから、もうウォヌからのセクハラは慣れた。
言っておくが私は別にツンデレじゃない。
(全然さりげなくない)ウォヌからのそういうお誘いがあっても、したくない時には「したくない」って言って誘いを断る(結構本気で拒否しないと奴は本気でやろうとしてくる)。したい時には「したい」って誘いに乗る。
私にもウォヌほどじゃないけど性欲はあるんです。
もうすぐでパスタが茹で上がる。そのあとはカルボナーラの素を混ぜるだけ。
何か作業をしてるわけじゃない。
そんな時いつもならここで抱き着くなり何なりしてくるウォヌが今日はノーアクション。
一体何考えてるんだか…。
少し違和感を抱いた矢先パスタがちょうど茹で上がった。
思うところはあるものの、まあいいかと思い二つの皿にパスタを盛り、カルボナーラの素を混ぜて完成。
「ウォヌ、ご飯できたよ」
カルボナーラ二皿をテーブルに置く。ウォヌがソファーから立ち上がる様子がない。もしかして聞こえてない?
「ちょっと、ウォヌ。ご飯できたってば」
私はソファーの方へ足を向ける。
しかしこれが昼食のカルボナーラが冷める原因になった。
ウォヌの正面に立つといきなり腕を引かれてウォヌの方へ倒れ込んだ。いや普通にびっくりした。
右手は咄嗟にソファーの背凭れに、左手はウォヌに掴まれている。
見方によっては私がウォヌをソファーに押し倒したようにも。
緩く上がった口角とウォヌの雰囲気で、これからどうなるか何となく察した。
それを感じ取ったのかウォヌが小さく笑い、
「ヌナ、俺が声かけた時俺が何考えてたかわかってたでしょ?」
スマホは既に手中にはなく、その手はいつの間にか私の腰へ。
手は私の腰を掴んで、私を自分の方へぐっと引き寄せた。
顔の少し下にある私の胸に顔を埋めた後上目遣いで、
「それなのに、“カルボナーラ”をチョイスするとか…」
キツネゲーマーは完全にそのスイッチが入ったようで。
私を熱っぽい目で見つめ、腰を掴んでいた手がだんだん上に上がり、ホックを意味ありげに指でなぞった。
「スルアヌナ、俺のこと理解し過ぎじゃない?」
別にそんなつもりはなかった、と言おうとした口は声を発する前に塞がれた。
スープ仕立てのカルボナーラで興奮するとか一体何なのほんと。
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