ブルーアワーに魅せられて
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音を絞ったTVから、名前も知らないタレントのはしゃいだ甲高い声がどこか遠くに聞こえていた。
互いの唇が擦れ合う濡れた音が、殊更大きく耳の中を這い回る。触れて、離れて、てらりと部屋の明かりを跳ねて光る唇にもう一度、吸い付いた。きゅう……と喉の奥から切なそうな音が溢れて、アキの細い指が弱い力で此方の部屋着の袖に絡んで引っ張られる。息が続かないことを言外に伝える女の婉曲な仕草に気がつかないふりをして、オレは自身の舌で引き結ばれた彼女の唇をゆっくりと割り開いた。歯列の裏をのたりと舐って、彼女の熱く火照った上顎を舌先で突く。くち……と粘着質な音を立ててびくり、アキの背中が大きく揺れた。うっとり、気持ちよさそうに閉じられていた瞳が開かれ、ガラス玉のような瞳が此方を見詰める。とろりと揺れる、熱を帯びたエメラルドカラーの双眸は熱に融けた硝子によく、似ていた。控えめに侵入してきた異物にそろりと這った彼女の舌を軽い力で吸い上げる。のったりとした動作で押し付けていた唇を離し両頬に添えた掌を解きいて、二人の唇を繋…いだ銀の糸を親指で拭ってやると、オレの膝の上に腰を下ろしているアキの緩くぶかぶかの上着の裾から溢れる白い足に指を這わせた。
「……ひ、っ」
「は……かーわい……」
指の先、触れるか触れないかの距離を柔らかく辿って撫で上げる。女の唾液に濡れた唇から、荒く火照った吐息が吐き出されるのが可愛らしい。耳元で吐息混じりの言葉を低い声で吹き込むと、白く、柔らかな腿がびくりと跳ねて此方の脚をぎゅう、と挟んだ。背中を細く震わせて、俯いた彼女の顕になった頸が筆で刷いたように赤く染まっていて艶めかしい。服の下から下着を辿り、背骨を撫で上げた男の無骨な指を離して、此方の服の袖に縋り付くように絡みついた細く、指をゆっくり解いて首に回してやる。背伸びをするように腰を浮かせて、アキの華奢な肢体が此方の身体に甘えて擦り寄った。厚手の上着を着ているにも関わらず、丸く張り出した胸部の柔らかな塊がオレの胸に押しつぶされて、アキが息をするたびに大きく上下に揺れている。日頃、抱きしめるとゆったり時間を刻む心臓が、小動物のような速さで跳ねていた。
「……は……っ、ぁ……ふ……」
「心音、凄……」
激しい、運動をした後のように女の息が荒れている。小柄な身体と同様に、屹度、肺も可愛らしい大きさをしているのだろう。少し、舌を絡めて、意味ありげに触っただけで呼吸の乱れる素直な身体が愛おしい。酸素を取り込もうと、薄く開かれた潤んだ女の口唇にもう一度、噛み付くように唇を重ねる。熱を纏ったままのエメラルドグリーンの瞳が瞬間、丸く、大きく見開かれ、すぐにどろりと甘く蕩けて閉じられた。触れて、離れてを繰り返すオレの唇に、薄く小さな歯が柔らかく突き立てられる。唇が僅かに裂けるぴり、とした痛みが走って口の中に鉄の味が広がった。血の滲む唇にアキの舌が柔らかく触れて、僅かに開いた口唇に熱の塊がぬるりと静かに滑り込む。一生懸命、舌を伸ばして上顎を撫でる小さな舌に舌を絡めて吸い上げれば、薄い背中がびくりと跳ねた。首に回された細い両腕に力が籠り、女の柔い肢体が己の身体にべったりと張り付いた。溶けて、混ざった荒い呼吸が聞いてもいないテレビの音を掻き消して、いく。
「…………っ、きゅ……っ、んぅ……!」
「っは、ぁ…………」
鉄錆の味が纏わり付いた小さな舌を、思い切り吸い上げる。小型のけものによく似た高い悲鳴がその、細い喉から絞り出すように上げられて、アキの身体がくたりと弛緩した。湿っぽい水音を立ててゆっくり、唇を離す。いつの間にか首から解かれていた手のひらが、力無くシャツの背中に搦み付いていた。はっ、はっ、と荒く呼吸をしているアキの耳が、頬が、首元が刷毛で刷いたようにさぁ、と赤く染まっている。衣服の乱れなどひとつとして無いにも関わらず、やけにに扇情的なその姿に酷く、悪いことをしてしまったような罪悪感が、ぞわりと背骨を甘く、登っていった。
「やらし……」
「っ、ぁ……」
紅潮の引かない、ぽったりとした耳たぶに唇を押し付けてぼそりと囁く。敏感になった彼女の腰が細く跳ねて、声にならない音が喉から溢れた。自身の唇を、薄い肌を辿るように撫で下ろし、付け根のくぼみに音を立てて吸い付いた。焦らされて、焦らされて、どろどろに弛緩した女の煮詰められた瞳が熱っぽく瞬いて、いる。
「キース……」
常ならば酷く嫋やかな女の声が、湿っぽい音に変わってオレの耳を柔らかく嬲った。嫋やかで、清廉で、うつくしい生き物が欲に溺れてオレを強請る。求めて、要る。
「……直ぐに、其処まで行ってやるよ」
ぱきり、高い嶺で清らに咲く、白く美しい何かが音を立てて折り取られる音が熱に支配されたオレの脳裏を薄らと、掠めた。
互いの唇が擦れ合う濡れた音が、殊更大きく耳の中を這い回る。触れて、離れて、てらりと部屋の明かりを跳ねて光る唇にもう一度、吸い付いた。きゅう……と喉の奥から切なそうな音が溢れて、アキの細い指が弱い力で此方の部屋着の袖に絡んで引っ張られる。息が続かないことを言外に伝える女の婉曲な仕草に気がつかないふりをして、オレは自身の舌で引き結ばれた彼女の唇をゆっくりと割り開いた。歯列の裏をのたりと舐って、彼女の熱く火照った上顎を舌先で突く。くち……と粘着質な音を立ててびくり、アキの背中が大きく揺れた。うっとり、気持ちよさそうに閉じられていた瞳が開かれ、ガラス玉のような瞳が此方を見詰める。とろりと揺れる、熱を帯びたエメラルドカラーの双眸は熱に融けた硝子によく、似ていた。控えめに侵入してきた異物にそろりと這った彼女の舌を軽い力で吸い上げる。のったりとした動作で押し付けていた唇を離し両頬に添えた掌を解きいて、二人の唇を繋…いだ銀の糸を親指で拭ってやると、オレの膝の上に腰を下ろしているアキの緩くぶかぶかの上着の裾から溢れる白い足に指を這わせた。
「……ひ、っ」
「は……かーわい……」
指の先、触れるか触れないかの距離を柔らかく辿って撫で上げる。女の唾液に濡れた唇から、荒く火照った吐息が吐き出されるのが可愛らしい。耳元で吐息混じりの言葉を低い声で吹き込むと、白く、柔らかな腿がびくりと跳ねて此方の脚をぎゅう、と挟んだ。背中を細く震わせて、俯いた彼女の顕になった頸が筆で刷いたように赤く染まっていて艶めかしい。服の下から下着を辿り、背骨を撫で上げた男の無骨な指を離して、此方の服の袖に縋り付くように絡みついた細く、指をゆっくり解いて首に回してやる。背伸びをするように腰を浮かせて、アキの華奢な肢体が此方の身体に甘えて擦り寄った。厚手の上着を着ているにも関わらず、丸く張り出した胸部の柔らかな塊がオレの胸に押しつぶされて、アキが息をするたびに大きく上下に揺れている。日頃、抱きしめるとゆったり時間を刻む心臓が、小動物のような速さで跳ねていた。
「……は……っ、ぁ……ふ……」
「心音、凄……」
激しい、運動をした後のように女の息が荒れている。小柄な身体と同様に、屹度、肺も可愛らしい大きさをしているのだろう。少し、舌を絡めて、意味ありげに触っただけで呼吸の乱れる素直な身体が愛おしい。酸素を取り込もうと、薄く開かれた潤んだ女の口唇にもう一度、噛み付くように唇を重ねる。熱を纏ったままのエメラルドグリーンの瞳が瞬間、丸く、大きく見開かれ、すぐにどろりと甘く蕩けて閉じられた。触れて、離れてを繰り返すオレの唇に、薄く小さな歯が柔らかく突き立てられる。唇が僅かに裂けるぴり、とした痛みが走って口の中に鉄の味が広がった。血の滲む唇にアキの舌が柔らかく触れて、僅かに開いた口唇に熱の塊がぬるりと静かに滑り込む。一生懸命、舌を伸ばして上顎を撫でる小さな舌に舌を絡めて吸い上げれば、薄い背中がびくりと跳ねた。首に回された細い両腕に力が籠り、女の柔い肢体が己の身体にべったりと張り付いた。溶けて、混ざった荒い呼吸が聞いてもいないテレビの音を掻き消して、いく。
「…………っ、きゅ……っ、んぅ……!」
「っは、ぁ…………」
鉄錆の味が纏わり付いた小さな舌を、思い切り吸い上げる。小型のけものによく似た高い悲鳴がその、細い喉から絞り出すように上げられて、アキの身体がくたりと弛緩した。湿っぽい水音を立ててゆっくり、唇を離す。いつの間にか首から解かれていた手のひらが、力無くシャツの背中に搦み付いていた。はっ、はっ、と荒く呼吸をしているアキの耳が、頬が、首元が刷毛で刷いたようにさぁ、と赤く染まっている。衣服の乱れなどひとつとして無いにも関わらず、やけにに扇情的なその姿に酷く、悪いことをしてしまったような罪悪感が、ぞわりと背骨を甘く、登っていった。
「やらし……」
「っ、ぁ……」
紅潮の引かない、ぽったりとした耳たぶに唇を押し付けてぼそりと囁く。敏感になった彼女の腰が細く跳ねて、声にならない音が喉から溢れた。自身の唇を、薄い肌を辿るように撫で下ろし、付け根のくぼみに音を立てて吸い付いた。焦らされて、焦らされて、どろどろに弛緩した女の煮詰められた瞳が熱っぽく瞬いて、いる。
「キース……」
常ならば酷く嫋やかな女の声が、湿っぽい音に変わってオレの耳を柔らかく嬲った。嫋やかで、清廉で、うつくしい生き物が欲に溺れてオレを強請る。求めて、要る。
「……直ぐに、其処まで行ってやるよ」
ぱきり、高い嶺で清らに咲く、白く美しい何かが音を立てて折り取られる音が熱に支配されたオレの脳裏を薄らと、掠めた。
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