大きなあなたと
あなたの名前は?
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夕飯を済ませた後、リビングのソファに座って私はまったりしていた。
れい君は先にお風呂に入っている。
お風呂に入る前にひと悶着あったが。
「れい君、お風呂沸いたから、先に入っていいよ」
「権兵衛さんは?」
「私は、もうちょっとしてから入るから」
「わかりました」
「あ、それとも一緒に入る?」
「…………」
れい君が一人で入れるのは知っているけど、何となく心配で思わず言ってしまった。
口にしてから、あ、これ、れい君が照れちゃうヤツや…って思ったけど、ちょっと反応が違った。
真っ先に「入りません!」って否定されるかと思ったら、無言で見つめられた。
え、どうした?
無言のれい君に首を傾げていると、れい君が深いため息をついた。
ついに照れを通り越して、呆れる境地に至ってしまったらしい。
3年も経つと、大人になるのね…!
「権兵衛さん……それ、あまり他の人には言わないようにしてくださいね…」
「れい君にしか言ったことないよ」
「…………冗談でも言わない方が」
「やだな、冗談じゃないよ、本気です」
冗談だと思われたようで、私はきりっとした顔で本気だと言う。
そんな私を見て、視線を床に落としたれい君。
「……じゃあ、僕が入りたいって言ったら本気で入る気ですか?」
「うん」
「………………」
「れい君?」
再び黙り込んでしまったれい君に、私はハッとする。
もしかして……れい君、本当に一緒に入りたいんじゃ…!
その可能性に至った私は、れい君の前にしゃがみこみ、れい君の顔を下から覗き込む。
「れい君、一緒に入る?」
「…………」
無言のまま視線を彷徨わせるれい君。
うんうん、照れ屋さんだから聞かれても「はい」とは言えないんだよね。
なんだか前より甘えん坊になったれい君が可愛くてたまらない。
私はれい君の頭を一撫でして、小さく笑う。
「今日は一緒に入ろっか」
「……え?」
「ちょっと待ってて、着替え持ってくるから」
「ちょっ、権兵衛さんっ!?」
着替えを取りに行こうとしたら、手をれい君に掴まれて止められた。
焦った顔をしたれい君に苦笑する。
「どうしたの?」
「………いいです……一人で入れます!」
「いいの?」
「……はい…」
れい君は私の手を放すと、ぱっと浴室へ走っていってしまった。
ちょっと迷ってたと思うけど、やっぱり照れてしまったようだ。
「………あんなに照れるなんて…素っ裸になるわけじゃないのに」
自分で口に出して、ハッとした。
私は服着たまま入るつもりだったけど、もしかしてれい君は私も素っ裸になると思ったのでは。
………ごめんね、れい君!
ちゃんと言わなかった私が悪いと思います。
次はちゃんと服着るよって教えてあげよう。
さすがにね、私の素っ裸なんて目の毒だわ。
でも、ちょっと迷うなんて……やっぱりれい君も男の子だねぇ。
思わず緩む顔をれい君に見られなくて本当に良かったと思う。