大きなあなたと
あなたの名前は?
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お客様用の布団があった事をすっかり忘れていた。
まぁ、れい君が来た時には怪我とか熱とかでそんなものの事を考える余裕もなかった。
今はれい君が大人だから、ちゃんと思いついたんだけど、まさかそれを指摘されるとは思わなかった。
むむ…そんなに一緒に寝るの嫌だったかな…。
少しだけ残念な気持ちになったが、中身が大人だったらさすがに嫌か…と考える。
布団をリビングに運び込んだ後は、れい君にお任せすることにした。
もう好きなように寝てください。
ふっと時計を見るといつの間かに10時を過ぎている。
「あ、れい君、ねるじか…………んじゃないねー…」
「……………そうですね、まだ起きてます」
「ハイ」
思わず、子どものれい君を思い浮かべて、寝る時間過ぎてるって言いかけた。
れい君は、苦笑しながら、まだ起きてると……なんていうかごめんね!!
そうだよね、自分のタイミングで寝てくれればいいよ!!
…うん、私が寝た方がよさそうだな。
疲れてんだな…。
そうと決まれば、明日の準備をしなくては。
私はキッチンへと足を運び、ご飯が炊けるように準備をする。
冷蔵庫の中を確認して、ふむ、と考える。
朝食のメニューは大体決まった。
後は、明日は買い物に行かなくちゃいけないだろう。
食品を買い足すのと、れい君の服とか買わないといけない。
前に使っていたもので使えるものは使ってもらえればいいけど、流石に服は着れないものね。
くるりとれい君の方を見れば、じっとこちらを見ていた。
「おおう…」
「どうかしましたか?」
「ううん……えっと、れい君、明日は買い物に出かけるつもりだから、そのつもりでいてくださいね」
「わかりました、時間は?」
「うーん、とりあえず、午前中に出掛けられればいいかなぁって思っております。
あ、でも…朝はゆっくりしたいと思います」
「準備ができ次第、という感じですね」
「はい」
明日の予定をれい君に伝える。
そして私は早々に自分の寝室へと向かう。
「それではれい君、おやすみなさい」
「権兵衛さん、もう寝るんですか?」
「うん」
「……そうですか」
れい君は何か考えるように顎に手をやっている。
何か可笑しなことをしただろうか?
不思議に思っていると、私が首を傾げているのを見てれい君は苦笑した。
「すみません、何でもないです」
「そう?」
「おやすみなさい、権兵衛さん」
「うん、おやすみなさい」
私が寝室の扉を閉める直前で名前を呼ばれた。
「権兵衛さん」
「ん?」
顔だけを扉から出して、れい君の方を見る。
れい君は、小さく笑う。
「寝室の鍵、一応、閉めてくださいね?」
「鍵…」
思わず不思議そうな声が出てしまった。
え、もしかして私が襲うかもしれないから、自分でも鍵かけとけよって意味?
しかし、次の言葉を聞いてそれは違うことに気付く。
「権兵衛さんの嫌がることはしないつもりですが……僕も、一応、男なので」
「…………はぁい」
れい君の言葉に、女の子扱いされている気がして、ちょっぴり照れくさくなった。
そんな私に優しい笑みを向けるれい君。
私はそんなれい君から逃げるように扉を閉めた。
れい君に言われた通りちゃんと鍵をかけてから、ふうっと息を吐く。
「…………あんなこと言われたらドキドキしちゃうじゃないのよ…」
イケメン恐るべし。