小さなあなたと
あなたの名前は?
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身体を揺すられ、意識が浮上するとともに小さな声が聞こえてきた。
ゆるゆると瞼をあげると、困ったような顔をしたれい君が居た。
先程までみていた夢を、思い出しながら、ああ、揺すっていたのはれい君だったんだな、とぼんやりと思った。
電気もつけっぱなしだったため、なんか眩しい。
目を細めている私に、れい君は声をかける。
「権兵衛さん」
「ん………れい、くん……どうしたの…?」
まだぼんやりする頭で考える。
何故、れい君が私を起こしているのか?
寝かしつけたはず…あ、いや、おやすみって言って寝室に連れていっただけだ。
「権兵衛さん、寝るならちゃんとベッドで寝てください。
風邪ひきますよ」
「んー……はーい…」
「僕はちょっと喉が渇いただけです」
そう言いながら、れい君は私の手を引っ張りながらソファから立ち上がらせようとする。
れい君に引っ張られながら立ち上がると、背中を押され、寝室に押し込まれる。
およ?と思っていると、れい君が唇を尖らせながら仁王立ちしている。
なんぞそれ、可愛い。
「権兵衛さん、寝るのならちゃんとベッドで寝てください。
僕が戻るまでにちゃんとベッドに横になっていること!」
「…………はぁい」
「大人だってちゃんと寝ないといけませんよ?」
れい君がまるでお母さんのように言うので、思わず小さく笑ってしまった。
パタンと寝室の扉が閉じられた。
れい君に言われた通りベッドに潜り込む。
ベッドは、先程までれい君が入っていたためほんのりと温い。
程よい温かさに眠気が一気に襲ってきた。
ああ、せめてれい君が戻ってくるまでは意識を保ってたい。
そんなことを考えながら理性と睡魔の間を行ったり来たりしていると、扉が開く音がした。
れい君が静かにベッドに寄ってきたのが分かる。
私はそれに気付き、壁側によってれい君のスペースを作る。
室内は暗くてれい君がどんな顔してるのかわからないが、一向に入ってくる気配が無い。
何故、と思ってもみたが、何となく察した。
ああ、きっと恥ずかしいんだなー…。
れい君、おませさんだもんな…。
いつもだったら、れい君が先に寝てるところに私が割り込んでいるが、今日は逆パターンだ。
見てませんよ~、の意味を込めて目を閉じてみる。
れい君から見えているのかは謎だけど。
しばらく動きが無かったが、少しベッドが沈む感じがしてれい君が入ってきたのが分かった。
ごそごそ動いていたのが止まったのを感じて、そっと目を開けてみる。
私に背中を向けて横になっているれい君。
しかも、ご丁寧に私にぶつからないように間が空いてる。
そんなれい君に苦笑しつつ、頭を撫でてやる。
「………撫でなくていいですよ」
「んー……私が撫でたいだけだから…気にしないで…」
「………はぁ」
ため息が聞こえた気がするが、それ以上、拒否されることはなかったため、好きなようにさせてもらおう。
れい君が良い夢を見れますように。